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グレアム
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キャンベル伯爵目線です。
もしかしなくても変態注意。人によってはとても気持ちが悪いかも……
**************
愛しい番の手を取る。
お互いにしかわからない、甘く芳しい匂いが、胸の中を熱く埋め尽くすようだ。
まさか、私が番に出会えるなんて思ってもいなかった。
番同士で結婚した両親の影響で、小さな頃から番と結婚するのだと疑わなかった。しかし、何年たっても見つからない番を待つことは、キャンベル伯爵家の跡取りとしてできなかった。
番でなくてもいいから家のために結婚しろという両親の言葉に反抗したのは、私だけでなく獣人の血の濃い使用人も一緒だった。
仕方なく結婚相手を探しながらも、番を探すことは諦めることができず、良い縁談は段々と少なくなっていった。
だが、ある年のデビュタントで私は一人の少女に出会う。それがモニカだ。
モニカに出会った時の衝撃はなんと表現すればいいのだろう。
羽のような白いドレスを身にまとい、小さな宝石が一粒付いているだけのネックレスを付けた姿は、まさに私の理想の天使だった。
モニカが私の運命の番なのであればいいのにと思ったが、私の本能は番ではないといっている。
それでもモニカを手に入れたくて、些か強引にファーストダンスを踊った。小さな身体は羽のように軽く、頬に朱をのせて微笑む姿は愛らしい人形のようで、そのまま抱きしめて攫ってしまいたい欲望に囚われた。
マーブル子爵家を調べれば、天災で領地経営が相当逼迫していることを突き止め、支援をたてに15歳になったばかりのモニカを娶った。
私の注文したウエディングドレスを着たモニカはまさしく無垢な天使で、軽くキスをするだけで真っ赤になって恥かしがった。
真っ赤になった顔が可愛くて、思わず深く唇を重ねて、口腔内に舌を這わせると、細い腕で必死にしがみついてくるので、ついつい長い誓いの口付けになってしまったのは、まあ仕方がないことだと思って欲しい。
王都で一番の店から取り寄せたレースとリボンに囲まれた部屋で微笑むモニカは、まさに私の天使だった。
ドールハウスのような部屋だと目を丸くするモニカに、コルセットの必要ない柔らかなドレスを誂える。
完璧だ。私の理想。
私の愛らしいお人形。
桃色や白百合色のクッションに埋もれるようなベッドの上で、一生懸命に私のモノを舐める。まるで仔猫がミルクを舐めるようにピチャピチャと音を立て、柔らかな舌で舐め上げる姿は、背徳感もあいまってこの世の何よりも美しいと思う。
「…旦那様。」
私の反応を上目遣いで確認するモニカの頭を掴んで、喉奥を突き上げ口の中へと吐き出す。
涙目のモニカの口の端から私の精なのか唾液なのか、とろりと流れ出るモノを舌で受け止め、その細い体を抱きしめる。
「モニカ、気持ちよかったよ。」
私がそういうと、ぼんやりと呆けた顔で抱きついてくるモニカに、確かな幸せを感じていた。
隣に眠るナタリーを起こさないようにベッドを降りると、窓際のソファに腰を下ろす。
やっと巡り合った番。
側にいるだけで胸が熱くなって、その体をかき抱けば、甘く蕩けるような気持ちが溢れてくる。
だが、番と愛し合い、何度もその身体の中に精を放ったというのに、情事の後に訪れるこの喪失感は何なのだろう。
月明かりに照らされた部屋は、シンプルながら質の良い調度品でまとめられた部屋だ。「モニカ様のお好みの部屋は片付けました」と番を連れてきたその日のうちに、使用人総出で模様替えを終えたのだという。
誰もが羨むような美しい番だ。
番と出会った奇跡を皆が祝福してくれている。
私は番を、愛しているのだ。
もしかしなくても変態注意。人によってはとても気持ちが悪いかも……
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愛しい番の手を取る。
お互いにしかわからない、甘く芳しい匂いが、胸の中を熱く埋め尽くすようだ。
まさか、私が番に出会えるなんて思ってもいなかった。
番同士で結婚した両親の影響で、小さな頃から番と結婚するのだと疑わなかった。しかし、何年たっても見つからない番を待つことは、キャンベル伯爵家の跡取りとしてできなかった。
番でなくてもいいから家のために結婚しろという両親の言葉に反抗したのは、私だけでなく獣人の血の濃い使用人も一緒だった。
仕方なく結婚相手を探しながらも、番を探すことは諦めることができず、良い縁談は段々と少なくなっていった。
だが、ある年のデビュタントで私は一人の少女に出会う。それがモニカだ。
モニカに出会った時の衝撃はなんと表現すればいいのだろう。
羽のような白いドレスを身にまとい、小さな宝石が一粒付いているだけのネックレスを付けた姿は、まさに私の理想の天使だった。
モニカが私の運命の番なのであればいいのにと思ったが、私の本能は番ではないといっている。
それでもモニカを手に入れたくて、些か強引にファーストダンスを踊った。小さな身体は羽のように軽く、頬に朱をのせて微笑む姿は愛らしい人形のようで、そのまま抱きしめて攫ってしまいたい欲望に囚われた。
マーブル子爵家を調べれば、天災で領地経営が相当逼迫していることを突き止め、支援をたてに15歳になったばかりのモニカを娶った。
私の注文したウエディングドレスを着たモニカはまさしく無垢な天使で、軽くキスをするだけで真っ赤になって恥かしがった。
真っ赤になった顔が可愛くて、思わず深く唇を重ねて、口腔内に舌を這わせると、細い腕で必死にしがみついてくるので、ついつい長い誓いの口付けになってしまったのは、まあ仕方がないことだと思って欲しい。
王都で一番の店から取り寄せたレースとリボンに囲まれた部屋で微笑むモニカは、まさに私の天使だった。
ドールハウスのような部屋だと目を丸くするモニカに、コルセットの必要ない柔らかなドレスを誂える。
完璧だ。私の理想。
私の愛らしいお人形。
桃色や白百合色のクッションに埋もれるようなベッドの上で、一生懸命に私のモノを舐める。まるで仔猫がミルクを舐めるようにピチャピチャと音を立て、柔らかな舌で舐め上げる姿は、背徳感もあいまってこの世の何よりも美しいと思う。
「…旦那様。」
私の反応を上目遣いで確認するモニカの頭を掴んで、喉奥を突き上げ口の中へと吐き出す。
涙目のモニカの口の端から私の精なのか唾液なのか、とろりと流れ出るモノを舌で受け止め、その細い体を抱きしめる。
「モニカ、気持ちよかったよ。」
私がそういうと、ぼんやりと呆けた顔で抱きついてくるモニカに、確かな幸せを感じていた。
隣に眠るナタリーを起こさないようにベッドを降りると、窓際のソファに腰を下ろす。
やっと巡り合った番。
側にいるだけで胸が熱くなって、その体をかき抱けば、甘く蕩けるような気持ちが溢れてくる。
だが、番と愛し合い、何度もその身体の中に精を放ったというのに、情事の後に訪れるこの喪失感は何なのだろう。
月明かりに照らされた部屋は、シンプルながら質の良い調度品でまとめられた部屋だ。「モニカ様のお好みの部屋は片付けました」と番を連れてきたその日のうちに、使用人総出で模様替えを終えたのだという。
誰もが羨むような美しい番だ。
番と出会った奇跡を皆が祝福してくれている。
私は番を、愛しているのだ。
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