幻獣の棲みか

 愛ゆえに――世界を救おうとした少女、ウラオー・ホタル。

 彼女は父親に連れられ、中国福建省の奥地に足を踏み入れた。

 人の目から隠された滝つぼの奥に、その世界は広がっていた。
 フェニックス、ドラゴン、バハムート、かつて地球を支配していた幻獣たちが、隠れ、住まう処だ。

 人間たちは聖域の中に巨大な要塞を建て、神聖なる生き物を捉え、外の世界へ連れ出そうと目論んでいた。

 愛ゆえに、世界を破滅に導く男、モハティ・ルドヴィング。
 彼が、要塞を建てた張本人だ。彼は、異常な執着心で、幻獣たちを突け狙っていた。

 彼のそばには、常に一人の男がいた。

 愛ゆえに、国を滅ぼそうとする男。名をオーサム・ドレイクと言った。
 得体の知れない傭兵だ。

 彼らとともに、研究者として働く父親。
 次々に森を切り開き、燃やしていく兵士たち。
 周りにいる大人は誰一人として信用できず、ホタルは、自らの手で、この世界を救おうと立ち上がる。

 幼なじみのワタルとともに、要塞の奥地へと足を踏み入れた時、ホタルは、運命的な出会いを果たす。
 
 父親の作った拘束具に捕らわれていたのは、燃えるような赤い髪、ルビーのように紅い瞳を持つ少女――――愛ゆえに、掟を守れなかった王、フェニアス・バックスだ。

 彼女を救いだし、ホタルの運命が大きく動き出す。
 モハティの真の狙いとは何か。
 彼に与するドレイクの思惑は何か。
 そして、フェニアスが抱える使命と闇――――

 これは、平和を願う少女が起こす、死と誕生の物語。
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,046 位 / 192,046件 ファンタジー 44,597 位 / 44,597件

あなたにおすすめの小説

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

隻眼の覇者・伊達政宗転生~殺された歴史教師は伊達政宗に転生し、天下統一を志す~

髙橋朔也
ファンタジー
 高校で歴史の教師をしていた俺は、同じ職場の教師によって殺されて死後に女神と出会う。転生の権利を与えられ、伊達政宗に逆行転生。伊達政宗による天下統一を実現させるため、父・輝宗からの信頼度を上げてまずは伊達家の家督を継ぐ!  戦国時代の医療にも目を向けて、身につけた薬学知識で生存率向上も目指し、果ては独眼竜と渾名される。  持ち前の歴史知識を使い、人を救い、信頼度を上げ、時には戦を勝利に導く。  推理と歴史が混ざっています。基本的な内容は史実に忠実です。一話が2000文字程度なので片手間に読めて、読みやすいと思います。これさえ読めば伊達政宗については大体理解出来ると思います。  ※毎日投稿。  ※歴史上に存在しない人物も登場しています。  小説家になろう、カクヨムでも本作を投稿しております。

異世界でも馬とともに

ひろうま
ファンタジー
乗馬クラブ勤務の悠馬(ユウマ)とそのパートナーである牝馬のルナは、ある日勇者転移に巻き込まれて死亡した。 新しい身体をもらい異世界に転移できることになったユウマとルナが、そのときに依頼されたのは神獣たちの封印を解くことだった。 ユウマは、彼をサポートするルナとともに、その依頼を達成すべく異世界での活動を開始する。 ※本作品においては、ヒロインは馬であり、人化もしませんので、ご注意ください。 ※本作品は、某サイトで公開していた作品をリメイクしたものです。 ※本作品の解説などを、ブログ(Webサイト欄参照)に記載していこうと思っています。

アピス⁈誰それ。私はラティス。≪≪新帝国建国伝承≫≫

稲之音
ファンタジー
 ≪≪新帝国建国伝承≫≫  1000年をこえる はるかな昔。 この世界の人間は、異世界より侵入してきた妖魔により、 滅亡の危機に陥った。 だが、同じ時期、異世界から転移してきた妖精との契約を、 賢者マリーンが、見出したことにより、対抗する魔力を得て、 妖魔の脅威からは解放された。 時代は下り、上位級の妖精と契約できた者は、強力な魔力を獲得し、 相応の待遇が約束されようになった。 一方、妖精と契約ができなかった人間は、《神々の恩寵に逆らえし者》として、 密かにあるいは公然と処刑されることになる。 妖精契約の儀式にて失敗したアマトは、儀式外である妖精と契約してしまう。 妖精の名は【ラティス】、暗黒のエレメントの妖精。 暗黒の妖精との妖精契約は、伝説の時代から、 人々が行ってはいけない道徳上の禁忌だった。 本来なら、望めなかった未来を手に入れた、何の魔力も発動できぬアマトが、 禁忌の暗黒の妖精ラティスに振り回されながらも、歴史の渦に巻き込まれ、 周りの人間を巻き込みながら、新帝国史を彩る一人になっていく、 アマトとラティスと仲間?たちの群雄劇。

Chivalry - 異国のサムライ達 -

稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)
ファンタジー
シヴァリー(Chivalry)、それは主に騎士道を指し、時に武士道としても使われる言葉である。騎士道と武士道、両者はどこか似ている。強い精神をその根底に感じる。だが、士道は魔法使いが支配する世界でも通用するのだろうか? これは魔法というものが絶対的な価値を持つ理不尽な世界で、士道を歩んだ者達の物語であり、その中でもアランという男の生き様に主眼を置いた大器晩成なる物語である。(他サイトとの重複投稿です。また、画像は全て配布サイトの規約に従って使用しています)