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第一章 勇神祭
第八話 死霊の影
しおりを挟むリヒトは一人、控室の椅子に腰掛けていた。
突如現れた勇神祭の優勝候補、シュヴァルツ・カッター。
それに勝った。勝ってみせた。
以前のリヒトであれば一分とも勝ち目がなかった試合だ。故に実感があまりない。思いの外余裕を残して試合を終えられたのも理由の一つだろう。
遺跡に閉じ込められてから都合の良い夢を見続けているのだろうかと一瞬疑いもしたが、これは紛れもない現実だ。
『人は一日で変われるんだよ』
ミヤコのあの言葉が、いよいよ現実味を帯びてきた。
自分は変わったのだ。
優勝に到る可能性を明確に見出し、身体が震えた。この震えは恐怖からではなく、興奮によるものだ。
自分は勝てるのだ。
そんな猛る思いを巡らせている折、何か大きな布地が肩から覆いかぶさってくる感触があった。
リヒトは急に意識を引き戻される。何かと思って見てみると、それは青紫色の外套だった。
「それ、あげますよ」
女の子の声がした。その方に視線をやると、銀色の髪を二つ結いにした少女が、どことなくばつが悪そうにしていた。
「え……」
よくわからない状況に素っ頓狂な声を上げてしまったリヒトだが、すぐに彼女の意図を理解した。
(服がボロボロだ……)
今のリヒトはほぼ上裸であった。気にしてくれたのだろう。
「す、すみません! わざわざこんな……」
「いいんです。なんか、すごい寒そうだったし」
震えてはいたが、寒いからではなかった。だが、せっかくの厚意を受けてそんな話をするのも少し野暮に思えた。
「ありがとうございます。でも、僕は大丈夫です。これ、大切なものだと思うので、返します」
「いや、そんな大事じゃないですし。というか、着ててください。目のやりどころに困るので」
「あ……」
たしかに、異性の前で上裸でいるというのはいささか迷惑かもしれない。
リヒトは赤面した。
「す、すみません。ちゃんと洗って返します」
「お気になさらず」
少女はすまし顔になった。
(なんか、人形みたいな人だな……)
改めて姿を見ると、そんな感想が出てきた。真っ白な肌、端正な顔立ち、青紫系統の落ち着いた色合いかつ気品を感じさせる装飾の服。どれも整っており、むしろ造られたものであると言われた方が納得できるほどだ。
「私、メイメイです。リヒトさんですよね」
「あ、はい」
「さっきの試合、すごかったですね」
「ありがとうございます」
メイメイは抑揚のない喋り方だった。表情の変化も少ない。
一応自分を讃えてくれているようだが、いまいち何を考えているのかわからない。
「私も、決勝トーナメントに出てるんです」
「えっ」
意外だった。あまり戦いに身を置くような人物には見えていなかった。
少しして、ここは勇神祭出場者の控室だったと思い出した。この部屋にいるということは、そういうことなのだ。
「次の準決勝、予選一組と三組、二組と四組で勝ち上がった人がそれぞれ対決するみたいですよ」
「そうなんですね」
次の試合のことをあまり考えられていなかったリヒトは、はっとした。自分は一組、ケインは二組。つまり、このまま準決勝で勝ち進めば、決勝戦でケインと当たるのだ。
「私、三組なので。私が次の試合に勝ったら、リヒトさんと戦うことになりますね」
メイメイは相変わらず表情のない顔で話していた。リヒトに視線を向けながらも、なにか別のものと話している、そう感じさせた。
「あぁ、どうも……準決勝で会ったら、よろしくお願いします」
「…………」
「…………」
両者は謎に沈黙した。掴みどころのないメイメイの立ち振る舞いに、リヒトは困惑してしまう。
施しをくれた人にこう思うのも失礼だが、ちょっと不気味だ。
「あの」
大きな目をぱちぱちさせながら、メイメイが口を開いた。
「こんなこと言っても信じてもらえないかもしれませんが、私、死者が見えるんです」
「……え」
急なカミングアウトだ。あまりに突拍子もない話をされたので、リヒトの理解が全く追いついていなかった。
「死者……?」
「はい。死んだ人の霊のことです。知りませんか。この世に未練のある者の魂は、目には見えない霊となって彷徨うのですよ」
メイメイは、リヒトの左肩あたりに視線を移して、また目をぱちぱちさせた。
「先程から思っていたのですが、リヒトさんの後ろ、なんだかすごい霊がいるなと思って」
「えっ」
「おそらく、この世にとてつもなく大きな未練を抱いて亡くなったんだと思います。強い恨みの念を感じます」
怪談の類で、霊と接触して怖い思いをするというのはよく聞く話だ。それらの多くは作り話であり、実際に死者と対峙したことある人はどれほどいるか知れない。
「なぜリヒトさんにくっついているのでしょう。リヒトさんに縁のある霊なのでしょうか」
「その……急に言われても……何かの冗談ですよね?」
「いいえ、本当に見えているのです。私の通力に由来する『霊視』です。大抵の人には信じていただけないのですが」
表情は変わらないが、そう言う様子はどことなく哀愁を感じさせた。
たぶん、色んな人に同じような反応をされたんだろうな。そう思うとなんだか申し訳ない気持ちになった。少しだけ、本当に少しだけ、信じてみたいと思った。
「強い未練を抱えた霊につかれていると、良くないことが多く起こります。そういう霊がついている人には、たとえ信じてもらえなくても、こうしてお伝えするようにしているのです」
「良くないこと……」
「身に覚えはありませんか」
むしろ、リヒトには良くないことばかり起こっていて、身に覚えがありすぎた。リヒトは神妙に頷いた。
「その、僕についている霊? とはどんな感じなんですか? なんというか、姿とか、特徴とか」
「そうですねぇ……」
リヒトと縁のある死者で、強い未練を抱えている。そう考えると、脳内にある一人の人物が浮かび上がってくる。
「生前の姿よりは、ぼんやりとした形で見えるんです。リヒトさんについている霊は、どことなくリヒトさんに似ている気がします」
「…………もしかしたら、僕の父かもしれません」
「まぁ……そうなのですね。道理で」
メイメイは少し眉を上げた。
簡単に信じてはいけない話かもしれない。だが、彼女の話を鵜呑みにすることの危険性よりも、霊と対話できるかどうかという点にリヒトの興味が注がれた。
「霊は、なんと言っていますか? 強い恨みの念と言っていましたが」
「明確な声が聞こえるわけではないのです。近くにいると、その霊から自然と思念のようなものが伝わってくるのですよ」
メイメイは綺麗な足取りでリヒトの左肩近くに歩み寄った。そこでリヒトの頭よりも少し上に顔を向け、しばし目を瞑った。
その間、リヒトはいやに緊張した。
父は十年前の勇神祭に優勝した後、非業の死を遂げた。無念のうちに亡くなったはずだ。
父の死の理由を知るのがリヒトの宿願でもあった。真相の一端が明らかになるかもしれない。
しかし、期待は容易く裏切られた。
「自分、を、置いて、いくな」
メイメイが切れ切れに紡いだ言葉がそれだった。
「この霊は、そう言っている気がします」
◆◆◆
ミヤコは「胡散臭いわあ」という気持ちを隠そうともせずに、リヒトの話を聞いていた。
「リヒト君って、詐欺にかかりやすいタイプだよね」
「えっ」
「あのねぇ、その子、次の対戦相手になるかもしれないんでしょ? 霊視ねぇ……相手に自分の力を見せるような真似は、普通だったらしないと思うけど……」
ミヤコは観覧席に腰掛け、腕を組んでうなった。
「メイメイさんはこの服を僕に貸してくれましたし、親切心で教えてくれたのでは?」
「皆が皆、リヒト君みたいな善良な人だったらそうかもしれないね。でも現実は違う」
世の中にはシュヴァルツのような者もいるというのはリヒトもわかっている。ただ、一度親切にしてくれた相手が、嘘をついてこちらを陥れようとしているとは考えたくなかったのだ。
「霊視……聞いたこともない能力。それをあえて見せることで向こうにどんな利点があるのかはわからないけど。やっぱりデタラメだと思うな~。死んだ人が見えるわけないじゃん」
「でも、霊につかれていると良くないことが起こると言っていましたし……たしかに、僕には良くないことがたくさん起こっています」
「そんなの、いくらでも言いようはあるでしょ。誰だって良いことばかり経験してるわけじゃないよ。誰にでも当てはまることを適当に言ってるだけじゃないの」
「でも……僕についている霊が、僕に似ていると言っていたんです。メイメイさんは、僕についている父の霊を見たのかも……」
「……まったく、せっかくシュヴァルツに勝ったのに、おちおち気も抜いてられないよ」
ミヤコは大きなため息をついた。
「向こうが、リヒト君のお父さんが亡くなっていることを知っていたとしたら?」
「え?」
「いい、よく聞いて。リヒト君のお父さんは結構な有名人でしょ。十年前の優勝者だし。その息子が決勝トーナメントに上がっているとなれば、帝都内でそれなりに話題になっているはずだよ。リヒト君と十年前の優勝者が親子関係だっていう情報も、仕入れようと思えばそう難しくはないはず」
そうなのだろうか。
ケインやシュヴァルツの方が目立っていたせいで、自分が話題になっているという感覚はあまりなかった。
「霊と姿が似てますね~とか適当なこと言っておいて、あとは『未練がある霊』とか『無念のうちに亡くなった人』とか付け足しておけば、リヒト君みたいな人は簡単に信じてしまうわけだね」
ミヤコの物言いには正直むっとしたが、自分を気にかけてくれているからこそだろう。
「まだはっきりとは断定できないけど。相手の通力も知らないし、霊視が嘘だとしても意図がよくわからない」
眉間に指を当ててミヤコは思案顔になった。
リヒトも考えたが、わざわざあんな嘘をつく理由がわからなかった。
「父の霊は、自分を置いていくなと言っていたそうです」
「それはリヒト君に対して?」
「たぶん、そうではないかと」
霊の思念についてメイメイに詳しく聞きたいところではあったが「試合の準備があるので」と言ってその場を去ってしまったのだ。
彼女の霊視が真実だとするならば、父が望んでいるのは――
「そういう言葉を身内の発言っぽく装って、リヒト君を惑わせようとしているのかもね。やり方が回りくどいなぁ。まぁ何にせよ、そんなことで怖気づいてたらダメだよ。目標は優勝なんだからね!」
たしかにそうだ。ここで止まっていてもしょうがない。
父の思念についてはとても気になる。とても気になるが、今はあまり眼中に入れないようにしようと考えた。
ミヤコが会場中央に視線を移して言った。
「嘘か真か。もしかしたら、次の試合でわかるかもね」
今、ちょうど予選三組のトーナメント出場者が入場を終えたところだった。
メイメイの対戦相手は大柄な中年の男だ。身体の大きさがメイメイの三、四倍はあろうかというほどだ。褐色に照る肌、盛り上がった筋肉の山。まさに闘う男という言葉を想起させる。
男の声が会場に轟いた。
「いいか! 俺の名はグザハン! やがて勇者として歴史に名を残す、シラサカイ領で一の戦士よ! 少女の通力如き、このグザハンが一撃で叩き伏せてみせよう!」
どうやら帝国外の戦士のようだ。大斧を担いで堂々と名乗りをあげる姿は、まるで野獣の遠吠えのようだった。
対するメイメイは、先程と変わらず平然とその場に佇んでいる。
「始めぇーーーーー!!」
ゴオーーーーーーーーン
見届け人の開戦の合図と共に、グザハンが猛烈な勢いでメイメイを攻めたてようとする――と思われたが、そうはならなかった。
観戦中のリヒトは思わずつぶやいた。
「あれ……?」
両者とも一歩も動かない。
向かい合って睨んだ状態のまま、時がそこだけ止まってしまったかのように動かない。
先程まで意気勇んでいた戦士はどこへ行ったのか。観覧席から「どうしたー!」「ビビってんのかぁ!?」といった野次が飛ぶ。
「一体何が……」
「リヒト君、よく見て」
ミヤコは大男の方を指差している。言われるがままに目を凝らして見てみると、何か薄っすらと白い煙のような膜が男の姿を覆っているのがわかる。遠くからではかなり気をつけて見ないと認識できないだろう。
「メイメイさんの通力、でしょうか」
「そうだろうね。でもあれは……」
グザハンの表情まではよく見えないが、彼に何かが起こっているのは間違いない。
その時、男が急に叫び始めた。
「ぐううぅぉぉおおおお……!」
担いでいた大斧も投げ出して、両耳をおさえながら身を大きくガクガクと震わせているのだ。苦痛に悶えているように見えた。
観客たちも異変に気づき始めた。なんだなんだと問答が始まる。
「小娘が……戯言を吐きおってェ……!」
グザハンは一瞬拳を振りかぶって何かに抵抗を試みようとしたが、耐えかねたのか、それを最後に意識を失い、ドカリと後ろに倒れた。
メイメイは、ずっと動かなかった。
「……グザハン、戦闘不能! 勝者、メイメイ!」
見届け人が宣言しても、会場の人々は煮えきらない様子だった。それもそうだ。よくわからないうちに選手が倒れて試合が終わったのだから。
そんな周りを気にもとめない様子で、メイメイは丁寧な一礼をして退場していった。
「ミヤコさん、あの通力は何なんでしょう……」
「…………」
ミヤコは倒れたグザハンを凝視している。
つられて見れば、まだ白い煙のようなものが漂っている。メイメイの姿が見えなくなったと同時に、それもまた消えた。
(あっ……!)
だが、消える瞬間、リヒトは確かに目にした。
薄くなっていく煙の膜の中で、人の顔の形をした靄が、グザハンを見つめているのを。
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