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雪女
会いたい
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翌朝、いつも通りの時間に出社すると、奥の応接コーナーが賑やかだった。
ちらりと目をやると、スーツ姿の若い男と、今日は珍しく朝から出勤している雪乃が、なにやら談笑している。茶も菓子も出ているようなので、悠弥は軽く会釈だけすると自分の席へ座った。
スーツの男が悠弥を一瞥し、にやりと笑った気がしたのは忘れることにする。そんなことなど気にしてはいられないほど、困りごとが山積なのだ。
2階から階段を降りる足音が近づいてくる。この店舗の2階は朝霧家の居住スペースになっているのだ。
この降り方は遥に違いない。悠弥も足音だけで誰が降りてくるのか判別できるくらいの月日をここで過ごしてきた。そう思うと感慨深い。遥との関係如何によっては、ここを離れなければならないかもしれないという不安がなくなったわけではないが。
いつものように最後の一段を静かに降りると、遥は応接コーナーの男と親しげに挨拶をしてから、こちらに歩み寄ってくる。
武史の来店予定時間まで、あと10分ほど。
「すみません、お休みの日に無理を言ってしまって。松本さん、悠弥さんにも、ぜひお話を聞いてほしいと仰っていたので……」
どこか穏やかな、いつもの雰囲気にだいぶ近い遥の声音に少し安心する。
「いえ、まあ、あの、全然、大丈夫です。別に予定もなかったですし……」
妙にたどたどしく、目も泳がせたまま、悠弥はなんとか笑ってみせた。
「そう……ですか。それはちょうど良かったです……」
「え、あ、そう……っすね」
いつもなら、休みの日に予定がないなんて寂しいですねぇ、とからかわれるところだろう。
応接コーナーから小さく漏れ聞こえる雪乃の明るい声だけが耳に入る。
今のうちに、言っておかなければ。
『あの……』
こんな時に、二人同時に声を発してしまった。
「あ、えっと……」
これでは互いに譲り合って結局話せないパターンに入ってしまうではないか。そしてまた微妙な空気になることが目に見えている。それだけは回避しようと、悠弥は先手を打った。
「遥さん、ごめんなさい。俺、軽率でした。ろくに考えもしないで、あんなこと……」
今度は遥としっかりと目を合わせながら続けた。
「あやかしと分かりあいたいとか、力になりたいとか言っておいて、何言ってんだって感じですよね……。すみませんでした」
しっかりと頭を垂れて謝罪をすると、遥が慌てた様子で返す。
「そんな……、やめてください、悠弥さん。私の方こそ、つい熱くなってしまって、大人気なかったです。すみません……」
続けざまに何か言おうと、遥がすぅっと肩で息をしたその時、けたたましくドアベルが音を立てた。
「おねえちゃぁぁんっ!」
音と同時に飛び込んできたのは小春だった。
遥が言いかけた言葉は、今にも泣き出しそうな顔をした小春への呼びかけに変わった。
「小春ちゃん!」
小春は入り口へ迎えに行った遥の足にがっしりとしがみつく。
「おかあさん、いなくなっちゃったの……っ」
小春の後に続き、こちらも泣き腫らした目をした武史が姿を見せる。
「お休みなのにすみません。もう……どうしたらいいのやら、わからなくて……」
目の下にくっきりとクマを作り、すっかり憔悴しきった様子だ。
席をすすめると、うなだれるように腰掛け、武史はぽつりぽつりと語り始めた。
雪山で出会った女の話、その後で春奈に出会ったこと。
「俺が悪かったんです。誰にも言うなと言われていたのに。でもまさか、本人に言うこともいけないなんて、思ってもみなくて……」
出会ってからの長年の付き合いの中、春奈も隠し事を続けているのは辛いのではないかと思ったのだという。
春奈は雪女であることを隠すことに必死な様子だった。無理をして人間と同じ行動をし続けようとしていたのだ。
炎天下の運動会を、小春のために倒れそうになりながらも見守っていた。
冬には、真っ赤な顔でのぼせながら鍋物を作ってくれた。
自分の体が冷たいことを気にして、武史に触れることも遠慮がちだ。
そして雪が降ると嬉しそうに外に出て、どこか寂しげに街の雪景色を眺めるのだった。
「とっくに気付いていました。春奈はあの時の雪女なのだろうと。でも、それでもよかった。その正体が何であれ、春奈は春奈だと。そう伝えたかっただけなんです……」
消え入りそうな声で武史は語尾を結んだ。
「ねえ、おかあさん帰ってくるよね。また小春のとこに帰ってきてくれるよね」
小春の小さな手は、武史の手をぎゅっと握っていた。
「ごめんな、小春……。わからないんだ、お父さんにも。ごめんな……」
小春の目は見る間に涙でいっぱいになる。それがこぼれ落ちるのと同時に、小春はしゅんとうつむいた。
「なんでおかあさんいなくなっちゃったの。おとうさん、おかあさんを怒らせたんでしょ。だからどっかへ行っちゃったんだ……おとうさんのせいだよ、おかあさんにあやまってよ。おかあさん連れてきてよぉ」
小春の声はだんだん大きくなって、最後には叫ぶように泣き出してしまった。
遥が小春を抱き寄せて、なだめるように大丈夫、だいじょうぶ、と呼びかけながら頭を撫でる。
堰を切ったように、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして小春は声をあげて泣き続けた。
「そうだよな、俺が悪いんだ。俺が約束を破ったから。謝らなきゃ……いけないよな」
涙こそこらえているが、武史の声も震えていた。
「誰も悪くなんてないですよ。みんなお互いを想っているだけじゃないですか……」
かける言葉がみつからない。悠弥はやっとそれだけ告げると、再び黙って考え込んだ。
遥にしがみついた小春が、ようやく少し泣き止んで、しかめ面で鼻をすすっている。
「先日こちらに伺った後、妻はしきりに、自分になにかあったら朝霧不動産に相談するようにと言っていました」
春奈はここで雪乃と出会い、相談できるところができて安心したようだった。そして、万が一のときは、あやかしの血を引く娘の理解者として相談に乗ってほしいと頼んでいった。悠弥たちも、まさかこんなに早く「万が一のとき」が訪れるとは思ってもみなかったが。
「妻は……もう戻らないんですか……死んでしまったんですか……」
昨夜、颯太は厳密には死んだのとは違うと言っていた。
そして、遥も同じことを武史に話して聞かせた。
「いいえ、死んでしまったわけではありませんよ。ただ、人間の姿でいられなくなっただけ。その存在が消えてしまったわけではないんです」
「お願いします、助けてください。俺にできることならなんだってします! 春奈が戻ってこられるならどんなことだって……!」
翌朝、いつも通りの時間に出社すると、奥の応接コーナーが賑やかだった。
ちらりと目をやると、スーツ姿の若い男と、今日は珍しく朝から出勤している雪乃が、なにやら談笑している。茶も菓子も出ているようなので、悠弥は軽く会釈だけすると自分の席へ座った。
スーツの男が悠弥を一瞥し、にやりと笑った気がしたのは忘れることにする。そんなことなど気にしてはいられないほど、困りごとが山積なのだ。
2階から階段を降りる足音が近づいてくる。この店舗の2階は朝霧家の居住スペースになっているのだ。
この降り方は遥に違いない。悠弥も足音だけで誰が降りてくるのか判別できるくらいの月日をここで過ごしてきた。そう思うと感慨深い。遥との関係如何によっては、ここを離れなければならないかもしれないという不安がなくなったわけではないが。
いつものように最後の一段を静かに降りると、遥は応接コーナーの男と親しげに挨拶をしてから、こちらに歩み寄ってくる。
武史の来店予定時間まで、あと10分ほど。
「すみません、お休みの日に無理を言ってしまって。松本さん、悠弥さんにも、ぜひお話を聞いてほしいと仰っていたので……」
どこか穏やかな、いつもの雰囲気にだいぶ近い遥の声音に少し安心する。
「いえ、まあ、あの、全然、大丈夫です。別に予定もなかったですし……」
妙にたどたどしく、目も泳がせたまま、悠弥はなんとか笑ってみせた。
「そう……ですか。それはちょうど良かったです……」
「え、あ、そう……っすね」
いつもなら、休みの日に予定がないなんて寂しいですねぇ、とからかわれるところだろう。
応接コーナーから小さく漏れ聞こえる雪乃の明るい声だけが耳に入る。
今のうちに、言っておかなければ。
『あの……』
こんな時に、二人同時に声を発してしまった。
「あ、えっと……」
これでは互いに譲り合って結局話せないパターンに入ってしまうではないか。そしてまた微妙な空気になることが目に見えている。それだけは回避しようと、悠弥は先手を打った。
「遥さん、ごめんなさい。俺、軽率でした。ろくに考えもしないで、あんなこと……」
今度は遥としっかりと目を合わせながら続けた。
「あやかしと分かりあいたいとか、力になりたいとか言っておいて、何言ってんだって感じですよね……。すみませんでした」
しっかりと頭を垂れて謝罪をすると、遥が慌てた様子で返す。
「そんな……、やめてください、悠弥さん。私の方こそ、つい熱くなってしまって、大人気なかったです。すみません……」
続けざまに何か言おうと、遥がすぅっと肩で息をしたその時、けたたましくドアベルが音を立てた。
「おねえちゃぁぁんっ!」
音と同時に飛び込んできたのは小春だった。
遥が言いかけた言葉は、今にも泣き出しそうな顔をした小春への呼びかけに変わった。
「小春ちゃん!」
小春は入り口へ迎えに行った遥の足にがっしりとしがみつく。
「おかあさん、いなくなっちゃったの……っ」
小春の後に続き、こちらも泣き腫らした目をした武史が姿を見せる。
「お休みなのにすみません。もう……どうしたらいいのやら、わからなくて……」
目の下にくっきりとクマを作り、すっかり憔悴しきった様子だ。
席をすすめると、うなだれるように腰掛け、武史はぽつりぽつりと語り始めた。
雪山で出会った女の話、その後で春奈に出会ったこと。
「俺が悪かったんです。誰にも言うなと言われていたのに。でもまさか、本人に言うこともいけないなんて、思ってもみなくて……」
出会ってからの長年の付き合いの中、春奈も隠し事を続けているのは辛いのではないかと思ったのだという。
春奈は雪女であることを隠すことに必死な様子だった。無理をして人間と同じ行動をし続けようとしていたのだ。
炎天下の運動会を、小春のために倒れそうになりながらも見守っていた。
冬には、真っ赤な顔でのぼせながら鍋物を作ってくれた。
自分の体が冷たいことを気にして、武史に触れることも遠慮がちだ。
そして雪が降ると嬉しそうに外に出て、どこか寂しげに街の雪景色を眺めるのだった。
「とっくに気付いていました。春奈はあの時の雪女なのだろうと。でも、それでもよかった。その正体が何であれ、春奈は春奈だと。そう伝えたかっただけなんです……」
消え入りそうな声で武史は語尾を結んだ。
「ねえ、おかあさん帰ってくるよね。また小春のとこに帰ってきてくれるよね」
小春の小さな手は、武史の手をぎゅっと握っていた。
「ごめんな、小春……。わからないんだ、お父さんにも。ごめんな……」
小春の目は見る間に涙でいっぱいになる。それがこぼれ落ちるのと同時に、小春はしゅんとうつむいた。
「なんでおかあさんいなくなっちゃったの。おとうさん、おかあさんを怒らせたんでしょ。だからどっかへ行っちゃったんだ……おとうさんのせいだよ、おかあさんにあやまってよ。おかあさん連れてきてよぉ」
小春の声はだんだん大きくなって、最後には叫ぶように泣き出してしまった。
遥が小春を抱き寄せて、なだめるように大丈夫、だいじょうぶ、と呼びかけながら頭を撫でる。
堰を切ったように、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして小春は声をあげて泣き続けた。
「そうだよな、俺が悪いんだ。俺が約束を破ったから。謝らなきゃ……いけないよな」
涙こそこらえているが、武史の声も震えていた。
「誰も悪くなんてないですよ。みんなお互いを想っているだけじゃないですか……」
かける言葉がみつからない。悠弥はやっとそれだけ告げると、再び黙って考え込んだ。
遥にしがみついた小春が、ようやく少し泣き止んで、しかめ面で鼻をすすっている。
「先日こちらに伺った後、妻はしきりに、自分になにかあったら朝霧不動産に相談するようにと言っていました」
春奈はここで雪乃と出会い、相談できるところができて安心したようだった。そして、万が一のときは、あやかしの血を引く娘の理解者として相談に乗ってほしいと頼んでいった。悠弥たちも、まさかこんなに早く「万が一のとき」が訪れるとは思ってもみなかったが。
「妻は……もう戻らないんですか……死んでしまったんですか……」
昨夜、颯太は厳密には死んだのとは違うと言っていた。
そして、遥も同じことを武史に話して聞かせた。
「いいえ、死んでしまったわけではありませんよ。ただ、人間の姿でいられなくなっただけ。その存在が消えてしまったわけではないんです」
「お願いします、助けてください。俺にできることならなんだってします! 春奈が戻ってこられるならどんなことだって……!」
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