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第三部
3ー17 妹を救え
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まおダラ the 3rd
第17話 妹を救え
彼はしばらく眠ったあと、意識を回復した。
アーサーと名乗る少年はまだ12歳くらいで、幼さをあちこちに残している風貌だ。
だがその見た目に反して、受け答えはシッカリとしている。
その姿には思わず頬が緩む。
捕まった妹の名前はミア。
その子を助けたいと言うので、即答で助力を約束した。
驚きふためく少年。
それを他所にオレたちは着々と準備を進めていく。
部屋が急に活気だった。
「連れていくのはエリシアとアーサーだな。アシュリーは結界の維持、リタはシンディを見ててくれ。手が空いたら外部の様子の確認も頼む」
「気を付けてね、アルフ。特に例の敵は存分に」
「わかってる。魔法が効かねぇんだよな。いざとなりゃブン殴るさ」
「おとさん。あぶないことするの?」
「大丈夫だって。ちょちょーっと出掛けて、パパッと終わらせてくる」
「私、選抜。アシュリーさん、補欠」
「ちょいちょいちょい! 何ですか、その勝ち誇ったような目は。いいですか。戦場に赴かなくても、天才美少女はお役に立ちますからね?」
コトン。
机に陶器の小壺が置かれた。
その場に居合わせた全員がそちらを見た。
蓋を開けてみると、中には透明の液体が入っている。
揺らしてみるがドロリとしていて、容器に張り付いたかの様にほとんど動かない。
「何だよこれ。タン壺?」
「ないないない。流石にこの場面じゃふざけません。これは灰を寄せ付けなくなる秘薬ですよ。顔に塗ったならアラ奇跡、丸一日はノホホンと過ごせます」
「ふぅん。本当かよ」
「アルフ。アシュリーの言うことは本当よ。塗った部分だけはね」
「そうなのか。それにしてもなぁ……」
アシュリーが実際に薬を手に取っていたが、見た目が余りにも酷い。
透明で、粘り気があって、さらには気泡すら見える。
もはや完全にアレだろうと問い詰めたい。
「さぁさぁ皆さん。灰にやられちゃ話になりませんよ。存分に塗りったくってくださいな」
「わかったから急かすな」
「あぁ、鼻の中もですからね。遠慮なくブスり♀」
「フガッ! 自分でやらせろ!」
アシュリーの2本指が鼻の穴につっこまれた。
息苦しくなるかと思ったが、そんな事もなく。
普通に鼻呼吸が出来るから不思議だ。
「ライル。私がんばる。あなたの期待に応えてみせる」
「おう、何で今それを言った。わざとか? わざとだろ」
鼻の穴に指を突き立てたエリシアが言う。
普段よりも真剣な顔なので、尚更ふざけた感が演出されている。
「あのぅ、みなさん。ちょっと良いですか?」
「おぅアーサー少年。薬は塗ったか? 見た目は最悪だが、使用感は悪くないぞ」
「さっき塗りました……じゃなくて! 収容所に行くんですよ? あそこには何十人も兵士が居て、守りも堅くて、それから、それから……!」
「わかってるって、別に油断してる訳じゃない」
「それでも、なんかこう……。ホンワカしてるというか、お気楽というか」
「この空気が気になるってのか? まぁ心配すんな、オレ魔王だし」
「ふぇっ!?」
アーサーが目を見開いて固まった。
口も閉じるのを忘れたように、ポカンと開き続けた。
驚いた? 驚くか。
「妹もお友だちも全員助けてやる。お前は向こうで、そいつらを見つけてくれりゃ良い」
「う、うん」
不安を取り除くように頭をひと撫でしてやる。
アーサーの目覚めを待った為に、外は暗くなっていたが、こちらとしては好都合だ。
夜陰に紛れて移動できる。
「そろそろ出るかー」
「そうだ。結界を出入りする時ですけど、毎度魔力砲を撃たなくても平気ですよ。近づいた頃に一定以上の魔力を溜めてくれれば、簡単に入れるんで」
「それ早く言えよ。行ってくる」
出立。
途中までは空を行くが、施設の手前からは徒歩で進む。
見張りに見つかっては面倒だからだ。
その移動中に、雑談というか身の上話を訊ねる時間を作った。
「ふぅん。魔王信仰ねぇ」
「そうなんデス魔王様。僕たち浮浪児はその……心ヵラ崇拝してテ」
「アーサー、こそばゆいから止めてくれ。普段通り話してくれりゃ良い。オレとお前の仲だろう?」
「仲ったって、まだ半日くらいしか過ごしてない……」
「細けぇことは置いとけ。ともかく敬語とかは勘弁な」
「う、うん。分かったよ」
アーサーたちはレジスタリアの街近郊に住む浮浪児らしい。
孤児院で見かけなかった理由は、地方の村出身のせいで、街に入れなかったからだとか。
確かにグランの統治下になってから、街の出入りが厳しくなったと聞く。
ーーその孤児院ですら生活は苦しかったがなぁ。
かつての我が家に想いを馳せた。
そしてこの少年の生い立ちには心から同情した。
「弱い者の味方だったという、魔王様に僕たちは憧れたんだ。特に妹のミアはのめり込むと言うか、心酔していたと言うか……」
「うん、何となく想像がつく。その話はもういいや」
「そう? じゃあ止めとくよ。ミアはやたらズイエキ、ズイエキって呟いてたけど、ライルさん知らない?」
「さぁて何の事ですかねぇサッパリだねぇ」
間違いない、誰が何と言おうとミレイアだ。
生まれ変わっても髄液だのに拘(こだわ)るとか、おっかねぇなアイツ。
成人して大人しくなったはずだが、その落ち着きを繰り越す事は出来なかったらしい。
「2人とも、そろそろ静かに。見張りに聞こえる」
「おっと悪い悪い。それにしてもバカでけぇな」
収容所の屋根は屋上として使えるらしく、大量の篝火が焚かれている。
そのおかげで建物の周辺だけは真昼のようだ。
まるで街の一角がスッポリ収まりそうな建物は、豪邸なんかちっぽけに見えるほどに巨大だ。
1000や2000の人間だって楽々に収容できそうだ。
その広い建物の上を20人以上の男たちが警備している。
立ち位置や巡回にも乱れがなく、警備の質は悪くない。
兵装こそ正規のものでは無いが、動きには遜色がなかった。
警戒網を掻い潜って侵入するには工夫が必要だろう。
建物には何本もの煙突が伸びており、暗がりの中では不気味な威圧感を放っている。
警備の目から隠れるとしたら利用できそうだが、どうだろう。
「侵入経路も大事だが、中の構造も知りてぇな。窓から覗けないか」
「無理。止めるべき。窓が小さい上に少ない。屋根の警備隊にバレる」
「そうだなぁ。少なくとも屋上の連中には手出しできねぇし。襲撃してますと伝えるようなもんだからな。となると、コッソリ侵入するしかねぇか」
「これだけの施設なら、裏口があるはず。表口より楽かも」
「そうだな。おっと、2人とも動く前にこの布被っとけ」
手渡したのは灰色の布だ。
頭から被れば肩まで収まるサイズのものだ。
こんな時にまず隠すべきは頭。
人間の頭髪ってのは視認されやすいとか何とか。
ほっかむりが出来たのを確認してから、建物の裏手へと回った。
エリシアの読み通り、比較的見張りが少ない。
裏口の辺りは丁度煙突が密集していて、屋上の目からは死角になっている。
その代わり狭そうなドアにも関わらず、下の警備は4人で固めていた。
「ライルさん。数が多いけどどうするの?」
「そうだなぁ、うぅん」
「パンツマンの亜種が4人も。どうする正統後継者」
「止めろ、忘れかけてたんだから止めろ」
「そこに誰か居るのか!?」
「しまった!」
援軍を呼ばれる前に、オレは見張りへ咄嗟に投げつけた。
何となくポケットに入れてたドングリだ。
それは狙ったように男たちの眉間に刺さり、全員が即座に絶命した。
制圧完了だ。
「よし、これで無事に潜入できそうだな」
「無事……かなぁ?」
「無事じゃない。割りと綱渡りだった」
「良いんだよ。こっからが本番なの!」
裏口には鍵がかかっていなかった。
なので静かに開き、ゆっくりと中の様子を窺う。
「よしよし。近くに人はいないぞ」
「わかった、入ろう。アーサー君も」
「うん、ありがとう」
こうしてオレたちは潜入した。
何年にもわたってレジスタリアを踏みにじってきた収容所に。
虐げられた側としては感慨深いもんがある。
もちろん悪い意味で。
「ライル。これは救出? 制圧?」
「救出だ。子供たちを安全な場所に連れ帰ったら、改めて攻め込む」
「わかった。方針だけ聞いておきたかった」
そう、戦闘は二の次。
まずはミアたちを助け出すところから始めよう。
決意を新たに第一歩を踏み出したのだった。
第17話 妹を救え
彼はしばらく眠ったあと、意識を回復した。
アーサーと名乗る少年はまだ12歳くらいで、幼さをあちこちに残している風貌だ。
だがその見た目に反して、受け答えはシッカリとしている。
その姿には思わず頬が緩む。
捕まった妹の名前はミア。
その子を助けたいと言うので、即答で助力を約束した。
驚きふためく少年。
それを他所にオレたちは着々と準備を進めていく。
部屋が急に活気だった。
「連れていくのはエリシアとアーサーだな。アシュリーは結界の維持、リタはシンディを見ててくれ。手が空いたら外部の様子の確認も頼む」
「気を付けてね、アルフ。特に例の敵は存分に」
「わかってる。魔法が効かねぇんだよな。いざとなりゃブン殴るさ」
「おとさん。あぶないことするの?」
「大丈夫だって。ちょちょーっと出掛けて、パパッと終わらせてくる」
「私、選抜。アシュリーさん、補欠」
「ちょいちょいちょい! 何ですか、その勝ち誇ったような目は。いいですか。戦場に赴かなくても、天才美少女はお役に立ちますからね?」
コトン。
机に陶器の小壺が置かれた。
その場に居合わせた全員がそちらを見た。
蓋を開けてみると、中には透明の液体が入っている。
揺らしてみるがドロリとしていて、容器に張り付いたかの様にほとんど動かない。
「何だよこれ。タン壺?」
「ないないない。流石にこの場面じゃふざけません。これは灰を寄せ付けなくなる秘薬ですよ。顔に塗ったならアラ奇跡、丸一日はノホホンと過ごせます」
「ふぅん。本当かよ」
「アルフ。アシュリーの言うことは本当よ。塗った部分だけはね」
「そうなのか。それにしてもなぁ……」
アシュリーが実際に薬を手に取っていたが、見た目が余りにも酷い。
透明で、粘り気があって、さらには気泡すら見える。
もはや完全にアレだろうと問い詰めたい。
「さぁさぁ皆さん。灰にやられちゃ話になりませんよ。存分に塗りったくってくださいな」
「わかったから急かすな」
「あぁ、鼻の中もですからね。遠慮なくブスり♀」
「フガッ! 自分でやらせろ!」
アシュリーの2本指が鼻の穴につっこまれた。
息苦しくなるかと思ったが、そんな事もなく。
普通に鼻呼吸が出来るから不思議だ。
「ライル。私がんばる。あなたの期待に応えてみせる」
「おう、何で今それを言った。わざとか? わざとだろ」
鼻の穴に指を突き立てたエリシアが言う。
普段よりも真剣な顔なので、尚更ふざけた感が演出されている。
「あのぅ、みなさん。ちょっと良いですか?」
「おぅアーサー少年。薬は塗ったか? 見た目は最悪だが、使用感は悪くないぞ」
「さっき塗りました……じゃなくて! 収容所に行くんですよ? あそこには何十人も兵士が居て、守りも堅くて、それから、それから……!」
「わかってるって、別に油断してる訳じゃない」
「それでも、なんかこう……。ホンワカしてるというか、お気楽というか」
「この空気が気になるってのか? まぁ心配すんな、オレ魔王だし」
「ふぇっ!?」
アーサーが目を見開いて固まった。
口も閉じるのを忘れたように、ポカンと開き続けた。
驚いた? 驚くか。
「妹もお友だちも全員助けてやる。お前は向こうで、そいつらを見つけてくれりゃ良い」
「う、うん」
不安を取り除くように頭をひと撫でしてやる。
アーサーの目覚めを待った為に、外は暗くなっていたが、こちらとしては好都合だ。
夜陰に紛れて移動できる。
「そろそろ出るかー」
「そうだ。結界を出入りする時ですけど、毎度魔力砲を撃たなくても平気ですよ。近づいた頃に一定以上の魔力を溜めてくれれば、簡単に入れるんで」
「それ早く言えよ。行ってくる」
出立。
途中までは空を行くが、施設の手前からは徒歩で進む。
見張りに見つかっては面倒だからだ。
その移動中に、雑談というか身の上話を訊ねる時間を作った。
「ふぅん。魔王信仰ねぇ」
「そうなんデス魔王様。僕たち浮浪児はその……心ヵラ崇拝してテ」
「アーサー、こそばゆいから止めてくれ。普段通り話してくれりゃ良い。オレとお前の仲だろう?」
「仲ったって、まだ半日くらいしか過ごしてない……」
「細けぇことは置いとけ。ともかく敬語とかは勘弁な」
「う、うん。分かったよ」
アーサーたちはレジスタリアの街近郊に住む浮浪児らしい。
孤児院で見かけなかった理由は、地方の村出身のせいで、街に入れなかったからだとか。
確かにグランの統治下になってから、街の出入りが厳しくなったと聞く。
ーーその孤児院ですら生活は苦しかったがなぁ。
かつての我が家に想いを馳せた。
そしてこの少年の生い立ちには心から同情した。
「弱い者の味方だったという、魔王様に僕たちは憧れたんだ。特に妹のミアはのめり込むと言うか、心酔していたと言うか……」
「うん、何となく想像がつく。その話はもういいや」
「そう? じゃあ止めとくよ。ミアはやたらズイエキ、ズイエキって呟いてたけど、ライルさん知らない?」
「さぁて何の事ですかねぇサッパリだねぇ」
間違いない、誰が何と言おうとミレイアだ。
生まれ変わっても髄液だのに拘(こだわ)るとか、おっかねぇなアイツ。
成人して大人しくなったはずだが、その落ち着きを繰り越す事は出来なかったらしい。
「2人とも、そろそろ静かに。見張りに聞こえる」
「おっと悪い悪い。それにしてもバカでけぇな」
収容所の屋根は屋上として使えるらしく、大量の篝火が焚かれている。
そのおかげで建物の周辺だけは真昼のようだ。
まるで街の一角がスッポリ収まりそうな建物は、豪邸なんかちっぽけに見えるほどに巨大だ。
1000や2000の人間だって楽々に収容できそうだ。
その広い建物の上を20人以上の男たちが警備している。
立ち位置や巡回にも乱れがなく、警備の質は悪くない。
兵装こそ正規のものでは無いが、動きには遜色がなかった。
警戒網を掻い潜って侵入するには工夫が必要だろう。
建物には何本もの煙突が伸びており、暗がりの中では不気味な威圧感を放っている。
警備の目から隠れるとしたら利用できそうだが、どうだろう。
「侵入経路も大事だが、中の構造も知りてぇな。窓から覗けないか」
「無理。止めるべき。窓が小さい上に少ない。屋根の警備隊にバレる」
「そうだなぁ。少なくとも屋上の連中には手出しできねぇし。襲撃してますと伝えるようなもんだからな。となると、コッソリ侵入するしかねぇか」
「これだけの施設なら、裏口があるはず。表口より楽かも」
「そうだな。おっと、2人とも動く前にこの布被っとけ」
手渡したのは灰色の布だ。
頭から被れば肩まで収まるサイズのものだ。
こんな時にまず隠すべきは頭。
人間の頭髪ってのは視認されやすいとか何とか。
ほっかむりが出来たのを確認してから、建物の裏手へと回った。
エリシアの読み通り、比較的見張りが少ない。
裏口の辺りは丁度煙突が密集していて、屋上の目からは死角になっている。
その代わり狭そうなドアにも関わらず、下の警備は4人で固めていた。
「ライルさん。数が多いけどどうするの?」
「そうだなぁ、うぅん」
「パンツマンの亜種が4人も。どうする正統後継者」
「止めろ、忘れかけてたんだから止めろ」
「そこに誰か居るのか!?」
「しまった!」
援軍を呼ばれる前に、オレは見張りへ咄嗟に投げつけた。
何となくポケットに入れてたドングリだ。
それは狙ったように男たちの眉間に刺さり、全員が即座に絶命した。
制圧完了だ。
「よし、これで無事に潜入できそうだな」
「無事……かなぁ?」
「無事じゃない。割りと綱渡りだった」
「良いんだよ。こっからが本番なの!」
裏口には鍵がかかっていなかった。
なので静かに開き、ゆっくりと中の様子を窺う。
「よしよし。近くに人はいないぞ」
「わかった、入ろう。アーサー君も」
「うん、ありがとう」
こうしてオレたちは潜入した。
何年にもわたってレジスタリアを踏みにじってきた収容所に。
虐げられた側としては感慨深いもんがある。
もちろん悪い意味で。
「ライル。これは救出? 制圧?」
「救出だ。子供たちを安全な場所に連れ帰ったら、改めて攻め込む」
「わかった。方針だけ聞いておきたかった」
そう、戦闘は二の次。
まずはミアたちを助け出すところから始めよう。
決意を新たに第一歩を踏み出したのだった。
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