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冒険者登録
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今の俺の服装は全身真っ黒で、ジャージのファスナーを限界まで上げた感じだ。
もちろんファスナーなんて付いておらず、服の材質も動きやすい布製だ。
スラムの皆が作ってくれた。尻尾は体に巻き付けて隠している。
そのまま歩いて数十分。
「ここか...」
俺の目の前には正に冒険者ギルドが佇んでいる。
扉の前なのにうるさい。騒音が酷いぞ、ここ。
取っ手に手を掛け、引く。
ガチャ...バタン
扉を開け、直ぐに中に入る。
中は想像していた冒険者ギルドと全く一緒なので、説明は省く。
入った瞬間、視線が俺に集中するが、直ぐに興味を無くしたように元に戻る。
...何人かは俺の方を見てグヘグヘ気色悪い笑みを浮かべているが。ああ、気持ち悪い。
そのまま空いている受付嬢の所に直行する。
「冒険者登録をしたい」
受付嬢が喋る前に用件を言う。
さっさと離れたい。こんな気持ち悪い視線受けてられるか。
「あっはっはい。説明は必要ですか?」
「必要ない。早く頼む」
我ながら無愛想だと思う。その証拠に受付嬢はむすっとしている。まあ、受付嬢からの評価なんてどうでも良いがな。説明ならスラムの皆からしてもらったし。
受付嬢が渡してきた紙を見る。これが冒険者登録用紙だ。
名前:
スキル:有/無
武装:
これだけか。ま、楽で良いか。
名前はクロカと。スキル有。武装は鎖・毒っと。
書き終わり受付嬢に渡すと、少しびっくりしたような顔をする。ま、鎖・毒なんて書く奴はほとんど居ないだろうからな。
受付嬢がパッパと済ませ、一枚のカードを渡してくる。これが冒険者カードだ。
クロカ
ランク:F
うわぁ、シンプル。材質は...紙ではないがよく曲がる物か。なんだろう、不思議物質か...
さぁて、帰るか。
そう思い、帰ろうとした、のだが。
「おいおい、ガキィ、ここはガキのくるとこじゃねぇんだぞぉ?」
下衆笑いしながら筋肉ダルマが絡んできた。うざい。
許されるなら今すぐ液体状テトロドトキシン注入して殺したい。
だが、許されるとは思えないわけで。
「邪魔だ筋肉ダルマ。そこら辺に転がってろ」
言葉で言う。言ったらギルドが静まり返った。
「んだとこのガキィ...!もう一回言ってみろ!!」
「何回でも言ってやるよ筋肉ダルマ。お前の残念な筋肉脳が理解するまでな」
あっちがやってこない限り俺はしないさ。凄まじくイラついたら別だがな。
筋肉ダルマは顔を真っ赤にさせている。マジでダルマじゃないか。
「クソがぁ!」
そして俺が珍しそうに顔を見ていることに気が付いたのか、筋肉ダルマが殴りかかってきた。はいオッケー。こっから先は正当防衛だ。証人もちゃんといるしな。
こいつの身長は二メートルってとこか。なら...
足に一瞬だけ力を溜め、軽くジャンプ。
直ぐに目線が筋肉ダルマと同じになる。筋肉ダルマの顔が驚愕に歪むが、無視して膝蹴りをこめかみにぶち込む。
大丈夫だ。ちゃーんと魔力は込めてある。
ドガンッと筋肉ダルマが吹き飛び、ギルドの壁に衝突する。ふむ、完全に気絶してんな。毒鎖を出すまでも無かった。
正直、弱い。
全く、こんなのもいるんだな。傍迷惑な奴だ。
あ、そうだ。
気絶している筋肉ダルマに近寄り、顔に落書きをする。
受付からペンを借り、筋肉ダルマの顔にダルマを描く。
そして数分後、満足の行く出来に仕上がった。
受付にペンを返し、ギルドから出ようとした。のだが...
「おい。そこの銀髪。これはお前がやったのか?」
二階から下りてきたと思われるダンディな声に引き止められた。
ああ、全く、なんでこうも面倒な事が起きるんだ。
内心そう思いながら、ダンディな声の方を向いた。
もちろんファスナーなんて付いておらず、服の材質も動きやすい布製だ。
スラムの皆が作ってくれた。尻尾は体に巻き付けて隠している。
そのまま歩いて数十分。
「ここか...」
俺の目の前には正に冒険者ギルドが佇んでいる。
扉の前なのにうるさい。騒音が酷いぞ、ここ。
取っ手に手を掛け、引く。
ガチャ...バタン
扉を開け、直ぐに中に入る。
中は想像していた冒険者ギルドと全く一緒なので、説明は省く。
入った瞬間、視線が俺に集中するが、直ぐに興味を無くしたように元に戻る。
...何人かは俺の方を見てグヘグヘ気色悪い笑みを浮かべているが。ああ、気持ち悪い。
そのまま空いている受付嬢の所に直行する。
「冒険者登録をしたい」
受付嬢が喋る前に用件を言う。
さっさと離れたい。こんな気持ち悪い視線受けてられるか。
「あっはっはい。説明は必要ですか?」
「必要ない。早く頼む」
我ながら無愛想だと思う。その証拠に受付嬢はむすっとしている。まあ、受付嬢からの評価なんてどうでも良いがな。説明ならスラムの皆からしてもらったし。
受付嬢が渡してきた紙を見る。これが冒険者登録用紙だ。
名前:
スキル:有/無
武装:
これだけか。ま、楽で良いか。
名前はクロカと。スキル有。武装は鎖・毒っと。
書き終わり受付嬢に渡すと、少しびっくりしたような顔をする。ま、鎖・毒なんて書く奴はほとんど居ないだろうからな。
受付嬢がパッパと済ませ、一枚のカードを渡してくる。これが冒険者カードだ。
クロカ
ランク:F
うわぁ、シンプル。材質は...紙ではないがよく曲がる物か。なんだろう、不思議物質か...
さぁて、帰るか。
そう思い、帰ろうとした、のだが。
「おいおい、ガキィ、ここはガキのくるとこじゃねぇんだぞぉ?」
下衆笑いしながら筋肉ダルマが絡んできた。うざい。
許されるなら今すぐ液体状テトロドトキシン注入して殺したい。
だが、許されるとは思えないわけで。
「邪魔だ筋肉ダルマ。そこら辺に転がってろ」
言葉で言う。言ったらギルドが静まり返った。
「んだとこのガキィ...!もう一回言ってみろ!!」
「何回でも言ってやるよ筋肉ダルマ。お前の残念な筋肉脳が理解するまでな」
あっちがやってこない限り俺はしないさ。凄まじくイラついたら別だがな。
筋肉ダルマは顔を真っ赤にさせている。マジでダルマじゃないか。
「クソがぁ!」
そして俺が珍しそうに顔を見ていることに気が付いたのか、筋肉ダルマが殴りかかってきた。はいオッケー。こっから先は正当防衛だ。証人もちゃんといるしな。
こいつの身長は二メートルってとこか。なら...
足に一瞬だけ力を溜め、軽くジャンプ。
直ぐに目線が筋肉ダルマと同じになる。筋肉ダルマの顔が驚愕に歪むが、無視して膝蹴りをこめかみにぶち込む。
大丈夫だ。ちゃーんと魔力は込めてある。
ドガンッと筋肉ダルマが吹き飛び、ギルドの壁に衝突する。ふむ、完全に気絶してんな。毒鎖を出すまでも無かった。
正直、弱い。
全く、こんなのもいるんだな。傍迷惑な奴だ。
あ、そうだ。
気絶している筋肉ダルマに近寄り、顔に落書きをする。
受付からペンを借り、筋肉ダルマの顔にダルマを描く。
そして数分後、満足の行く出来に仕上がった。
受付にペンを返し、ギルドから出ようとした。のだが...
「おい。そこの銀髪。これはお前がやったのか?」
二階から下りてきたと思われるダンディな声に引き止められた。
ああ、全く、なんでこうも面倒な事が起きるんだ。
内心そう思いながら、ダンディな声の方を向いた。
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