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序章 吊り橋効果で気になるあの娘を落とそうバレンタインデー大作戦♡
吊り橋効果で気になるあの娘を落とそうバレンタインデー大作戦♡その2
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単純な記憶力以外の、変わった歴史や漫画ゲームの知識なら、彼女より僕に分がある。少しカッコ良いところを見せたくなった僕は、そんな知識をひけらかしたンゴ。
「中国ってさ、本当は中国の事を指す言葉じゃないって、知ってるンゴ?」
「どういうこと?」
「中国って何の略か分かるンゴ?」
「中華人民共和国でしょ」
「ンゴ! 予想通りの返答ンゴ!」
「はぁ?」
僕が笑うと、彼女は少しむっとした声になったンゴ。
「ごめんごめンゴ。中華人民共和国だって思うじゃンゴ?」
「何なのよ、もう」
「中国ってさ、本当は中華民国の事なンゴよ」
「中華民国? って、もう滅んだ国でしょ」
「あ、そこからンゴ?」
「はあぁ~?」
さっきより声が尖っている。ヤバい。本気で怒らせてしまったンゴか。
「本当にごめンゴ。僕の方が頭悪いから、栞奈に少しでも教えられる話があるのが嬉しくて。つい引っ張っちゃったンゴ」
「黙れブタ」
「ありがとうございます!」
とっさにお礼を言ってしまった。はい、僕はブタ野郎ですンゴ。
「今の中華民国は、俗にいう台湾ゴ」
「何言ってんの」
「台湾ゴの正式名称が中華民国っていう国名。それを略して中国ンゴ」
「じゃあ中国……中華人民共和国は?」
「それも中国って呼ぶ人がいるけど間違いンゴね」
「はぁ? ちょっとバカは黙って」
「ンゴォ! いや本当ンゴ、調べてみてもいいンゴよ。中華民国の歴史を調べたら分かるンゴ」
「あっそ。もう切っていい?」
「あ! 待ってンゴ!」
慌てて制止する。大事な話がすっかり脱線してしまった。余計な話をしたせいで、彼女を怒らせたかも知れない。迂闊だったンゴ。
「旅行! 旅行ンゴの話ンゴ!」
「何かもうどうでもよくなった」
「そう言わないで。行こンゴよ、ガラスの橋ンゴよ!」
「あっ、そう言えばその話だったね。興味あるけど……」
「行ってみたいって言ってたじゃンゴ。こんな機会なかなかないンゴよ」
「うん……だよね」
「行こンゴよ。旅行ンゴ!」
「少し考えても良い?」
「もちろンゴ。冬の休み中に……そうンゴね、2月11日の祝日から週末までの連休でどうンゴ?」
「考える。先に大学に行かないといけないし」
「もう講義全部終わったンゴじゃ?」
「そうだけど、急用が出来て」
「予約ンゴもあるから、早めに答えを聞かせてンゴ」
「分かった。じゃあね」
「ンゴ~」
色々と失敗した。後悔した。もっとスマートに誘えなかったか。これじゃあ「吊り橋効果で気になるあの娘を落とそうバレンタインデー大作戦」は失敗に終わってしまうンゴか……?
数日後。
彼女から連絡があった。「ガラスの吊り橋の魅力には勝てなかったよ」それが彼女の答えである。つまりオッケー。そうと決まれば、飛行機と宿の手配。現地ガイドも必要だろう。彼女は向こうの言葉も話せるが、僕はからきしだ。出来れば案内がいた方が良い。そんな話をしたら「必要ない」と彼女が断言。「私が何とかするから無駄遣いしないで」と。優しみ。「それに2人の方が……何かと都合良いじゃん」えっ!? 何それ期待しちゃうンゴ! 飛行機も現地の宿も、彼女は自分で取るという。代理店に頼むより安く済むンゴ。
「予算は?」
「ン~っゴ、飛行機と宿泊費で一人十万円台ンゴ。他にも必要になるンゴし」
「飛行機以外の移動手段は私が調べておくね」
「あ、そうンゴね、現地に着いても吊り橋までどうするかってのもあるンゴね」
「全部任せて。少しでも安く済ませてみせるから」
「じゃあ全部お任せンゴ。11日から週末まで。って僕の立場ないンゴ?」
「お財布。出してくれるじゃん」
「ンゴォ~ッ! 僕は財布ンゴかあ」
アハハと笑ってから、彼女は「色々準備しないといけないから」と電話を切ったンゴ。
翌日には、彼女から「全部準備できたよ」と連絡があった。総額でいくらいくらになるけど平気? と聞かれたので、それなら予算内だから大丈夫だと言っておいた。実際、かなり厳しかったが、何とかなるだろう。もしかしたら少し足りないかも知れないので、親に借金をした。帰ってきたら、またバイトして稼がないといけないンゴ。
それからもう一つ。旅行の前に買っておきたい物があった。僕は近くの大型百貨店に向かう。『ジュエリー駒田』日本各地のデパートや百貨店内に、計100店舗ほどチェーン展開している大手の宝飾店である。目的の品は……
「すみませーンゴ」
「はい!」
「えっと、誕生石の入ったリングを探しているンゴ」
「何月のものをお探しでしょうか」
「10月ンゴ」
「失礼ですが、彼女さんへのプレゼントでしょうか」
「ンゴンゴ」
首を縦に振るンゴ。
「失礼しました。それでしたら、この辺りのオパールのリングなどがおススメでございます」
「オパールなンゴね」
「はい。10月はオパールの他にトルマリンなどもございますが、オパールが大変綺麗ですので、女性の方は喜ばれると思いますよ」
「そうンゴか。なるほど」
少し考えこんだ僕を、じっと見つめる店員。やめろよ、照れるじゃないか。女の人に見られる機会なんてないんだ。こんなブ男を見るのも苦痛だろうンゴ?
「えっと、ここにあるだけンゴ?」
「そうですね。オパールのリングとなりますと、ここにあるものか、取り寄せになります」
「取り寄せだと何日ン後になるンゴ?」
「例えば本日のお申し込みの場合は、発注が次の月曜日ですので、それから3日ほどかかって来週の……」
「あ、じゃあ結構ンゴ。そうンゴね、このリング。これの10号ってあるンゴ?」
彼女の指のサイズは知っている。高校の時に聞いた。あれから数年で変わってはいないだろうンゴ。
「少しお直しが必要です。当店でお直ししますので1時間ほど、お時間宜しいでしょうか」
「ンゴ。その辺見て回って、また一時間後に来るンゴ」
ホワイトゴールド18金製。小ぶりなオパールが付いた可愛らしい指輪。お値段は6桁を少し超えたぐらい。きっと彼女の指に合うだろう。おまけで貰った濃紺のジュエリーケースを大事にポケットの奥に突っ込むと、彼女の喜ぶ顔を想像し、ニヤけながら家路についたンゴ。
旅行当日。
朝早くに目覚めた。というか眠れなかった。鏡を見ると酷い顔をしている。冷水で顔を洗い、寝ぐせのついた髪も直す。早朝出発と伝えてあったので、親も早起きして朝食を用意してくれていたンゴ。
「栞奈ちゃんによろしくね」
捨てられる透明のパックに詰めたお弁当と、紙パックの飲み物を渡してくれたンゴ。
「もう二十歳なンゴから、子供じゃないンゴし」
そう言葉にしつつも、感謝してお弁当を受け取る。家を出ると、手持無沙汰で足をぶらぶらさせながら、彼女が待っていたンゴ。
「おはよ、早いンゴね」
「うん……あまり眠れなくって」
そう言って笑う彼女の顔も、薄いメイクの下に、眠れなかったのだろう、隠しきれないクマのようなものが見えて、僕はなんだか嬉しくなったンゴ。
「行こンゴ」
彼女の手を取っていいものか迷ったが、結局手を繋げないまま僕たちは並んで駅へ向かう。電車の中、飛行機の中。何を話したか覚えていないが、僕は普段通りに会話できただろうか。やや口数の少ない彼女と、頭が回らないままの僕。初めての海外旅行。彼女と二人っきりの。舞い上がりそうな、ウキウキする心だけ覚えているンゴ。
江蘇省江陰市。ホテルは国際空港を降りれば目と鼻の先。彼女と立てた予定では、今日一泊した後、明日の午前中に例の場所へ向かう。今日は真っすぐホテルへ行き、ゆっくりする。彼女のチョイスで、ホテルは高すぎず安すぎず、なるべくちゃんとした所にしたという。お昼には機内食の他に母の弁当も食べたが、彼女もしっかり用意してくれていた。母が用意してくれた弁当を見せると、「じゃあ私のは明日のお昼にしよっか」とバッグにしまったンゴ。
僕も彼女も寝不足だったので、ホテルに着くとすぐに眠りに就いた。彼女は部屋を一つだけしか取っていなかった。ベッドはダブルではなく2つある部屋。僕が彼女を襲う可能性など全く考慮していないのだろう。僕の飛び出しそうな胸の鼓動をよそに、彼女はすやすやと寝息を立て始めた。その彼女の寝顔を眺めるうち、僕もいつしか眠っていた。多分、5分か10分で眠ってしまったと思う。彼女の寝顔をずっと眺めていたかった、なんて言わない。それはいつも見ているからンゴ。
「中国ってさ、本当は中国の事を指す言葉じゃないって、知ってるンゴ?」
「どういうこと?」
「中国って何の略か分かるンゴ?」
「中華人民共和国でしょ」
「ンゴ! 予想通りの返答ンゴ!」
「はぁ?」
僕が笑うと、彼女は少しむっとした声になったンゴ。
「ごめんごめンゴ。中華人民共和国だって思うじゃンゴ?」
「何なのよ、もう」
「中国ってさ、本当は中華民国の事なンゴよ」
「中華民国? って、もう滅んだ国でしょ」
「あ、そこからンゴ?」
「はあぁ~?」
さっきより声が尖っている。ヤバい。本気で怒らせてしまったンゴか。
「本当にごめンゴ。僕の方が頭悪いから、栞奈に少しでも教えられる話があるのが嬉しくて。つい引っ張っちゃったンゴ」
「黙れブタ」
「ありがとうございます!」
とっさにお礼を言ってしまった。はい、僕はブタ野郎ですンゴ。
「今の中華民国は、俗にいう台湾ゴ」
「何言ってんの」
「台湾ゴの正式名称が中華民国っていう国名。それを略して中国ンゴ」
「じゃあ中国……中華人民共和国は?」
「それも中国って呼ぶ人がいるけど間違いンゴね」
「はぁ? ちょっとバカは黙って」
「ンゴォ! いや本当ンゴ、調べてみてもいいンゴよ。中華民国の歴史を調べたら分かるンゴ」
「あっそ。もう切っていい?」
「あ! 待ってンゴ!」
慌てて制止する。大事な話がすっかり脱線してしまった。余計な話をしたせいで、彼女を怒らせたかも知れない。迂闊だったンゴ。
「旅行! 旅行ンゴの話ンゴ!」
「何かもうどうでもよくなった」
「そう言わないで。行こンゴよ、ガラスの橋ンゴよ!」
「あっ、そう言えばその話だったね。興味あるけど……」
「行ってみたいって言ってたじゃンゴ。こんな機会なかなかないンゴよ」
「うん……だよね」
「行こンゴよ。旅行ンゴ!」
「少し考えても良い?」
「もちろンゴ。冬の休み中に……そうンゴね、2月11日の祝日から週末までの連休でどうンゴ?」
「考える。先に大学に行かないといけないし」
「もう講義全部終わったンゴじゃ?」
「そうだけど、急用が出来て」
「予約ンゴもあるから、早めに答えを聞かせてンゴ」
「分かった。じゃあね」
「ンゴ~」
色々と失敗した。後悔した。もっとスマートに誘えなかったか。これじゃあ「吊り橋効果で気になるあの娘を落とそうバレンタインデー大作戦」は失敗に終わってしまうンゴか……?
数日後。
彼女から連絡があった。「ガラスの吊り橋の魅力には勝てなかったよ」それが彼女の答えである。つまりオッケー。そうと決まれば、飛行機と宿の手配。現地ガイドも必要だろう。彼女は向こうの言葉も話せるが、僕はからきしだ。出来れば案内がいた方が良い。そんな話をしたら「必要ない」と彼女が断言。「私が何とかするから無駄遣いしないで」と。優しみ。「それに2人の方が……何かと都合良いじゃん」えっ!? 何それ期待しちゃうンゴ! 飛行機も現地の宿も、彼女は自分で取るという。代理店に頼むより安く済むンゴ。
「予算は?」
「ン~っゴ、飛行機と宿泊費で一人十万円台ンゴ。他にも必要になるンゴし」
「飛行機以外の移動手段は私が調べておくね」
「あ、そうンゴね、現地に着いても吊り橋までどうするかってのもあるンゴね」
「全部任せて。少しでも安く済ませてみせるから」
「じゃあ全部お任せンゴ。11日から週末まで。って僕の立場ないンゴ?」
「お財布。出してくれるじゃん」
「ンゴォ~ッ! 僕は財布ンゴかあ」
アハハと笑ってから、彼女は「色々準備しないといけないから」と電話を切ったンゴ。
翌日には、彼女から「全部準備できたよ」と連絡があった。総額でいくらいくらになるけど平気? と聞かれたので、それなら予算内だから大丈夫だと言っておいた。実際、かなり厳しかったが、何とかなるだろう。もしかしたら少し足りないかも知れないので、親に借金をした。帰ってきたら、またバイトして稼がないといけないンゴ。
それからもう一つ。旅行の前に買っておきたい物があった。僕は近くの大型百貨店に向かう。『ジュエリー駒田』日本各地のデパートや百貨店内に、計100店舗ほどチェーン展開している大手の宝飾店である。目的の品は……
「すみませーンゴ」
「はい!」
「えっと、誕生石の入ったリングを探しているンゴ」
「何月のものをお探しでしょうか」
「10月ンゴ」
「失礼ですが、彼女さんへのプレゼントでしょうか」
「ンゴンゴ」
首を縦に振るンゴ。
「失礼しました。それでしたら、この辺りのオパールのリングなどがおススメでございます」
「オパールなンゴね」
「はい。10月はオパールの他にトルマリンなどもございますが、オパールが大変綺麗ですので、女性の方は喜ばれると思いますよ」
「そうンゴか。なるほど」
少し考えこんだ僕を、じっと見つめる店員。やめろよ、照れるじゃないか。女の人に見られる機会なんてないんだ。こんなブ男を見るのも苦痛だろうンゴ?
「えっと、ここにあるだけンゴ?」
「そうですね。オパールのリングとなりますと、ここにあるものか、取り寄せになります」
「取り寄せだと何日ン後になるンゴ?」
「例えば本日のお申し込みの場合は、発注が次の月曜日ですので、それから3日ほどかかって来週の……」
「あ、じゃあ結構ンゴ。そうンゴね、このリング。これの10号ってあるンゴ?」
彼女の指のサイズは知っている。高校の時に聞いた。あれから数年で変わってはいないだろうンゴ。
「少しお直しが必要です。当店でお直ししますので1時間ほど、お時間宜しいでしょうか」
「ンゴ。その辺見て回って、また一時間後に来るンゴ」
ホワイトゴールド18金製。小ぶりなオパールが付いた可愛らしい指輪。お値段は6桁を少し超えたぐらい。きっと彼女の指に合うだろう。おまけで貰った濃紺のジュエリーケースを大事にポケットの奥に突っ込むと、彼女の喜ぶ顔を想像し、ニヤけながら家路についたンゴ。
旅行当日。
朝早くに目覚めた。というか眠れなかった。鏡を見ると酷い顔をしている。冷水で顔を洗い、寝ぐせのついた髪も直す。早朝出発と伝えてあったので、親も早起きして朝食を用意してくれていたンゴ。
「栞奈ちゃんによろしくね」
捨てられる透明のパックに詰めたお弁当と、紙パックの飲み物を渡してくれたンゴ。
「もう二十歳なンゴから、子供じゃないンゴし」
そう言葉にしつつも、感謝してお弁当を受け取る。家を出ると、手持無沙汰で足をぶらぶらさせながら、彼女が待っていたンゴ。
「おはよ、早いンゴね」
「うん……あまり眠れなくって」
そう言って笑う彼女の顔も、薄いメイクの下に、眠れなかったのだろう、隠しきれないクマのようなものが見えて、僕はなんだか嬉しくなったンゴ。
「行こンゴ」
彼女の手を取っていいものか迷ったが、結局手を繋げないまま僕たちは並んで駅へ向かう。電車の中、飛行機の中。何を話したか覚えていないが、僕は普段通りに会話できただろうか。やや口数の少ない彼女と、頭が回らないままの僕。初めての海外旅行。彼女と二人っきりの。舞い上がりそうな、ウキウキする心だけ覚えているンゴ。
江蘇省江陰市。ホテルは国際空港を降りれば目と鼻の先。彼女と立てた予定では、今日一泊した後、明日の午前中に例の場所へ向かう。今日は真っすぐホテルへ行き、ゆっくりする。彼女のチョイスで、ホテルは高すぎず安すぎず、なるべくちゃんとした所にしたという。お昼には機内食の他に母の弁当も食べたが、彼女もしっかり用意してくれていた。母が用意してくれた弁当を見せると、「じゃあ私のは明日のお昼にしよっか」とバッグにしまったンゴ。
僕も彼女も寝不足だったので、ホテルに着くとすぐに眠りに就いた。彼女は部屋を一つだけしか取っていなかった。ベッドはダブルではなく2つある部屋。僕が彼女を襲う可能性など全く考慮していないのだろう。僕の飛び出しそうな胸の鼓動をよそに、彼女はすやすやと寝息を立て始めた。その彼女の寝顔を眺めるうち、僕もいつしか眠っていた。多分、5分か10分で眠ってしまったと思う。彼女の寝顔をずっと眺めていたかった、なんて言わない。それはいつも見ているからンゴ。
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