上 下
4 / 19

第4話

しおりを挟む
「我が王よ、お目覚めください」

 誰かが自分を呼んでる声がして、眞央はゆっくりと瞼を開けると、そこには四人のイケメンと一人の美少女がいた。
 彼らは眞央と視線を交えた瞬間、いっせいに頭を垂れた。

「我らが魔王様、七つの大罪は貴方様に再び会えるのを何よりも心待ちにしておりました」

 眞央は確信した。
 自分は魔王で、目の前でひさまずく彼らが、部下だということを。
 この夢のような現実を受け入れなければならないのだと。
 でも疑問に思うことが1つある。

「悪いが俺には前世の記憶がない。だからあんたらに魔王だのなんだの言われてもまったく実感がわかないんだが……」

 眞央の言葉にアスモデウスが頷く。

「僕もそれを不思議に思っていたよ。今ここにいる5人は前世の記憶が鮮明に残っているのだから」

「そればっかりは原因不明としかいいようがないねんなぁ」

 エセ関西弁口調の男が腕組みをして言った。

「むしろラッキーなんじゃねえの? 見たところ能力持ちじゃなさそうだし、ヤっちまうには都合がいい」

 眞央はギョッとして、異端な発言をした外人の男を見て心の中で叫ぶ。
 ヤっちまうってどういう意味?
 殺っちまうの意味!?!

「レヴィアタンに賛成だ。今が好機やもしれんのう」

「さあ、僕達の悲願を叶えようじゃないか!」

「わーい☆ 楽しみ~」

 他の3人も次々と賛同する。
 5人はギラつく瞳で、座っている眞央に近寄ってくる。
 眞央は彼らから言い知れぬ殺気めいたものを感じとった。
 彼らの悲願って、まさか魔王の自分を殺すこと?!
 さんざんこき使ってたからその復讐とか?!
 あれこれ不安が眞央の頭をよぎる中、目の前にレヴィアタンが立ちふさがる。
 爬虫類顔で態度も人相も悪いので、まさに蛇に睨まれた蛙状態だった。
 逃げたくてもいつの間にかアスモデウスに両手を掴まれてしまったため、それも不可能だ。

「覚悟しろよっ!!」

 レヴィアタンが両手を高くあげ、そのまま勢いよく振り下ろす。
 眞央は目をギュッと瞑って叫ぶ。

「お願いだから命だけはっ……!」

 せめてもの命乞いも通用せず、レヴィアタンは俺のズボンを脱ぎ去ったーー……ん?何かおかしくない?
 てか下半身めっちゃスースーする。
 眞央は視線を下した。

「ご開帳~~♪」

 レヴィアタンがニヤニヤしながら、閉じようとする眞央の太股をぐっとこじ開ける。
 強制的に開脚され、露になった彼の大事なムスコ。
 眞央は羞恥心で体が熱くなる。

「ひゃああっ!!! なっ何するんだよエッチ!」

 横にいる着物男と美少女が俺のペニスを興味津々にのぞく。

「ずいぶんとウブな反応じゃな」

「てことはつまりぃ?」

「ビンゴ。まだ皮被ってやがる」

 レヴィアタンがピンと指でそのペニスを弾く。
 眞央は思わず「ひっ」と小さな悲鳴をもらしてしまった。

「まだ汚れてない純粋無垢な綺麗なペニス、なんて素晴らしい。さすが我らの王」

 アスモデウスがうっとりした声で囁く。
 何でイケメンと美少女に自分の包茎ペニスを見られなきゃならないんだ。こんなの拷問じゃないか。
 眞央は心の中で呟いた。

「もう……勘弁してくれよぉ」

 恥ずかしさと混乱が混じって涙声で訴えるも、5人はそろって「ダメ」と答えた。

「僕たち七つの大罪は、魔王様を深く深く尊敬し、崇拝している。でもそれだけじゃ収まらないんだ」

「このどうしようもない愛をぶつけたいけど、最強だった魔王はんには誰も手も足もでーへん。そんな時に訪れた好機が転生や」

「転生して特別な能力を持ったベル達。そして無力になった魔王様。こんな絶好のチャンスないでしょ☆」

「あんたを好き勝手に支配して、メチャクチャに犯すのが、俺達の本当の望みってわけ。だからよぉ、最高のイキ顔、見せてくれよな。魔王様」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~

シキ
BL
全寮制学園モノBL。 倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。 倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……? 真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。 一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。 こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。 今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。 当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

何故か正妻になった男の僕。

selen
BL
『側妻になった男の僕。』の続きです(⌒▽⌒) blさいこう✩.*˚主従らぶさいこう✩.*˚✩.*˚

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

転生したので異世界でショタコンライフを堪能します

のりたまご飯
BL
30歳ショタコンだった俺は、駅のホームで気を失い、そのまま電車に撥ねられあっけなく死んだ。 けど、目が覚めるとそこは知らない天井...、どこかで見たことのある転生系アニメのようなシチュエーション。 どうやら俺は転生してしまったようだ。 元の世界で極度のショタコンだった俺は、ショタとして異世界で新たな人生を歩む!!! ショタ最高!ショタは世界を救う!!! ショタコンによるショタコンのためのBLコメディ小説であーる!!!

友達が僕の股間を枕にしてくるので困る

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
僕の股間枕、キンタマクラ。なんか人をダメにする枕で気持ちいいらしい。

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

処理中です...