5 / 6
ゾフィー大公妃
しおりを挟む
高級将校。(推定)皇族の少女。高位の貴族の御曹司。ポーランドの貴族令嬢と町娘。
さすがにこれ以上の訪問はないだろうと考え、ファニーは寝る支度を始めた。
メイドを呼んでドレスを脱ごうとした時、密やかな音で玄関をノックする者がいた。
燭台を取り上げようとするメイドを押しとどめ、ファニーは自分でドアを開けた。
腰が抜けるほど驚いた。
「これは……F・カール大公」
皇帝の次男だ。しかし、長男のフェルディナンド大公は体が弱く、たとえ即位できたとしても跡継ぎを作るのが難しいと言われている。いずれこの国を治めるのは、この大公の息子だ。
「あれ、バレちゃった?」
オーストリア最高位の大公は、頭を掻いた。
「バレるも何も……大公のお顔を存じ上げない者は、この国にはおりません」
恭しくファニーは頭を下げた。大公は慌てた。
「あっ、いいのいいの。顔を上げて。こんな時間に訪問して悪かった。だが、明るいうちは後をつけられやすいから」
そうでなくても、暇な市民や記者など、ウィーンのあらゆる人たちが彼の一挙手一投足を窺っている。中には、兄を差し置き弟が即位するのではないかと疑う者もいたが、彼には全くその気がないようだった。それどころか、皇位になぞ就きたくない、自分は次男でよかったと、などと豪語する始末だ。
F・カール大公は、覇気のない大公として有名だった。
「あのね、」
そろりと大公は後ろを振り返った。まるで尾行がいないのを確認するかのようだ。
「ゾフィーが気にしてて」
「ゾフィー大公妃が!?」
大公の妻である。19歳で、バイエルンから嫁いできた彼女は、去年の夏、ようやく男の子を授かったばかりだ。
大公はまた、頭を掻いた。
「つまりその、フランツが君に手紙を書いたろ?」
「ああ」
もはや諦観にも似た思いで、ファニーは家の中に取って返す。手紙を持ち出し、大公の前で広げて見せた。
「……」
大公は驚いた風さえなかった。ファニーが掲げる燭台の光で淡々と一読すると、手紙をファニーに返した。
「ありがとう、理解してくれて」
ぼそりと礼を言う。
「実際、ゾフィーじゃなくても気になるというものだ。先日、フランツの大隊が宮殿の下を通過したのだが、彼は、バルコニーの方を、ちらともみなかった。バルコニーには、父とゾフィー、そして、1歳のフランツ・ヨーゼフ(F・カールとゾフィーの間に生まれた子)もいて、手を振っていたというのに」
「ちょっとした独立心だと、プリンスはおっしゃっていました」
大公の苦痛に寄り添うようにファニーが説明する。
「独立心?」
「あの方の年齢で、未だに皇帝の庇護の元にいるのは珍しいですから。ライヒシュタット家として、宮殿を出て一戸を構えたいのだと思います」
「そうだね。実務に就くのが遅すぎたのだ」
「それは、宰相のご意志では?」
宰相メッテルニヒ。ウィーン体制の立役者だ。
さっきまでここにいたエオリアとユスティナは、メッテルニヒがナポレオンの息子を飼い殺しにしているのだと憤っていた。
大きなため息を、大公が吐いた。
「ナポレオンの息子は僧侶になるべきだと、親戚のばあさん※が言ってね。でも、父はあの子の意志を尊重して、早くから軍事教育を授けた。11歳の時に軍曹(将校の最下位)に任命したが、それから19歳まで、一切の昇進がなかった」
(※ 皇帝フランツの叔母、マリア・カロリーナ[1752年 - 1814年]。ナポリ王・シチリア王妃。ナポレオンが夫からナポリを奪い、残されたシチリアからウィーンへ亡命、そのまま亡くなる。)
「実務に就かれていなかったのだから当然でしょう?」
昼間来た「マリア」の弟は、まだ少年なのに「大佐」の位を与えられたことを、ファニーは思い出した。彼の「実務」とは、どのようなものなのだろう。
F・カール大公は首を横に振った。
「20歳でようやく大隊を任されはしたが、ハンガリー第60連隊の司令部はウィーンにある。皇族の初任地はプラハと相場が決まっているのにな。仕事も、冠婚葬祭など、パレードの指揮ばかりだ。この先も、ウィーンを出て、戦場に赴くことなどあるまい。あの子は、お飾りの将校に過ぎないのだよ」
「プリンスはそれで満足しているのでしょうか……」
ファニーが思わず発した問いに、大公は首を竦めた。
「可能なら、彼には青ではなく、白い軍服(城はオーストリアの軍服の色。青はフランス)を着ていてもらいたい。だが、あの子を飼い殺しにしている僕達に、そんなことを言う権利があるのだろうか? 僕はゾフィーが少しでも、あの子をこの国に繋ぎとめていてくれることを祈るのみだ」
絶望的な叫びだった。普段心の中で思っていることが、夜の闇に紛れて流れ出してしまったように見えた。
「穏やかな日々の楽しい仲間。中庭の砂漠にあるオアシス。彼女は、心を潤すことなく、彼の目を惹いた」
不意にファニーが口ずさんだ。
「ライヒシュタット公がおっしゃったのです。『彼女』というのはゾフィー大公妃、『彼』はライヒシュタット公ご自身のことです」
大公がびっくりしたように目を上げる。
「ですから、F・カール大公、」
しかしそれ以上のことを、ファニーは言うことができなかった。皇帝の息子ということは別としても、人のよさそうな中年の男に、若い娘が軽々しく口にできることではない。
「貴方の奥さんが貴方の甥御さんと浮気をしているという噂は、全くの出鱈目です」……などと。
「さっき、ゾフィーにフランツを引き留めて欲しいと言ったが、実際のところ、ゾフィーを元気づけ、励ましてくれていたのはフランツの方なんだ。フランツ・ヨーゼフが生まれるまで6年近くも、僕たちの間には子ができなかったから。ウィーンの宮廷には居場所がないと、彼女は感じていたんだ。だから……フランツには感謝している」
ぼそりと大公が零した。内省的な瞳で、自らの傷を抉るかのようにさらに続ける。
「ゾフィーは、本来なら、兄の妻になるはずだった。ところが神の采配で、思いがけず、僕に回されてしまった。下品で覇気がないと、宮中でも評判の悪い僕にね! 僕がどんな気持ちだったかわかるかい? バイエルンの薔薇とも例えられた美しい妻が僕のものになったんだ。このように何の取柄もない僕の……」
「F・カール大公は、オーストリア皇帝のご子息であられます。また、貴方のお子様は、いずれこの国の帝王となられるお方です」
「でもそれは僕の手柄じゃない。僕はただ、生まれて来ただけだ」
地の底を這うような暗い声だった。ファニーは思わず息を飲んだ。
まるでひとり言のようにF・カール大公はつぶやき続ける。
「僕は、フランツのようには、絶対に振舞えない。あいつのようにスマートに女性をエスコートすることができない。ダンスだって下手くそだ。僕の妻でいることは、ゾフィーには、さぞや退屈なことだろう。あの子は、規則や典礼でがんじがらめの寒々とした宮廷からゾフィーを連れ出して、息抜きをさせてくれているんだ」
「でも、それは……」
ファニーには承服できかねることだった。夫が妻に、他の男と息抜きをして来いと?
ファニーの顔色を読み取った大公は笑い出した。
「フランツだからだよ! 子どもの頃からあの子のことは良く知っている。あの子は、3歳になったばかりの時に姉貴に連れられてウィーンにやってきた。生意気なガキでさ。でも、可愛いんだ。ドイツ語さえわからないあの子に、僕はいろんないたずらを教えたものさ。ザクセンの伯母様はパルマの姉上(フランツの母マリー・ルイーゼ)に、フランツに僕を近づけるなと書き送ったくらいさ。それからずっと一緒に、僕らは育ってきた。一緒にキツネ狩りをしたり、馬で遠駆けしたり……」
急にしゅんとした。
「僕に覇気がないせいで、ゾフィーはとても不安定なんだ。彼女はあの通りの美女で、その上才媛だ。不遜にも近寄って来る輩は大勢いる。僕はこの通りだしね。夫は恐るるに足らず、って感じ? 逆なんだ。彼女がフランツと一緒なら、僕は安心していられる。彼はとても礼儀正しいと、ゾフィーも言っていた」
礼儀正しさ。
それは、恋とは正反対の感情だと、ファニーは思った。恋愛の燃えるような情熱とは対極にある、冷たく理知的で澄んだ感情だ。
そもそもファニーは、プリンスと6歳上の叔母上の仲を疑ってはいない。
この家に集う人達も、同じ意見だ。
もっとも、大公妃自身の気持ちまではわからない。たとえばなぜ、彼女はそれほどまでにプリンスの書いた手紙を気にするのか。夫に、様子を探りに来させるくらいに。
「F・カールご夫妻のご多幸をお祈り申し上げます」
万感の思いを込めて、ファニーは囁いた。
ゾフィー大公妃
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※ゾフィー大公妃については、中編もあります。
「ライヒシュタット公とゾフィー大公妃」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/268109487/427492085
さすがにこれ以上の訪問はないだろうと考え、ファニーは寝る支度を始めた。
メイドを呼んでドレスを脱ごうとした時、密やかな音で玄関をノックする者がいた。
燭台を取り上げようとするメイドを押しとどめ、ファニーは自分でドアを開けた。
腰が抜けるほど驚いた。
「これは……F・カール大公」
皇帝の次男だ。しかし、長男のフェルディナンド大公は体が弱く、たとえ即位できたとしても跡継ぎを作るのが難しいと言われている。いずれこの国を治めるのは、この大公の息子だ。
「あれ、バレちゃった?」
オーストリア最高位の大公は、頭を掻いた。
「バレるも何も……大公のお顔を存じ上げない者は、この国にはおりません」
恭しくファニーは頭を下げた。大公は慌てた。
「あっ、いいのいいの。顔を上げて。こんな時間に訪問して悪かった。だが、明るいうちは後をつけられやすいから」
そうでなくても、暇な市民や記者など、ウィーンのあらゆる人たちが彼の一挙手一投足を窺っている。中には、兄を差し置き弟が即位するのではないかと疑う者もいたが、彼には全くその気がないようだった。それどころか、皇位になぞ就きたくない、自分は次男でよかったと、などと豪語する始末だ。
F・カール大公は、覇気のない大公として有名だった。
「あのね、」
そろりと大公は後ろを振り返った。まるで尾行がいないのを確認するかのようだ。
「ゾフィーが気にしてて」
「ゾフィー大公妃が!?」
大公の妻である。19歳で、バイエルンから嫁いできた彼女は、去年の夏、ようやく男の子を授かったばかりだ。
大公はまた、頭を掻いた。
「つまりその、フランツが君に手紙を書いたろ?」
「ああ」
もはや諦観にも似た思いで、ファニーは家の中に取って返す。手紙を持ち出し、大公の前で広げて見せた。
「……」
大公は驚いた風さえなかった。ファニーが掲げる燭台の光で淡々と一読すると、手紙をファニーに返した。
「ありがとう、理解してくれて」
ぼそりと礼を言う。
「実際、ゾフィーじゃなくても気になるというものだ。先日、フランツの大隊が宮殿の下を通過したのだが、彼は、バルコニーの方を、ちらともみなかった。バルコニーには、父とゾフィー、そして、1歳のフランツ・ヨーゼフ(F・カールとゾフィーの間に生まれた子)もいて、手を振っていたというのに」
「ちょっとした独立心だと、プリンスはおっしゃっていました」
大公の苦痛に寄り添うようにファニーが説明する。
「独立心?」
「あの方の年齢で、未だに皇帝の庇護の元にいるのは珍しいですから。ライヒシュタット家として、宮殿を出て一戸を構えたいのだと思います」
「そうだね。実務に就くのが遅すぎたのだ」
「それは、宰相のご意志では?」
宰相メッテルニヒ。ウィーン体制の立役者だ。
さっきまでここにいたエオリアとユスティナは、メッテルニヒがナポレオンの息子を飼い殺しにしているのだと憤っていた。
大きなため息を、大公が吐いた。
「ナポレオンの息子は僧侶になるべきだと、親戚のばあさん※が言ってね。でも、父はあの子の意志を尊重して、早くから軍事教育を授けた。11歳の時に軍曹(将校の最下位)に任命したが、それから19歳まで、一切の昇進がなかった」
(※ 皇帝フランツの叔母、マリア・カロリーナ[1752年 - 1814年]。ナポリ王・シチリア王妃。ナポレオンが夫からナポリを奪い、残されたシチリアからウィーンへ亡命、そのまま亡くなる。)
「実務に就かれていなかったのだから当然でしょう?」
昼間来た「マリア」の弟は、まだ少年なのに「大佐」の位を与えられたことを、ファニーは思い出した。彼の「実務」とは、どのようなものなのだろう。
F・カール大公は首を横に振った。
「20歳でようやく大隊を任されはしたが、ハンガリー第60連隊の司令部はウィーンにある。皇族の初任地はプラハと相場が決まっているのにな。仕事も、冠婚葬祭など、パレードの指揮ばかりだ。この先も、ウィーンを出て、戦場に赴くことなどあるまい。あの子は、お飾りの将校に過ぎないのだよ」
「プリンスはそれで満足しているのでしょうか……」
ファニーが思わず発した問いに、大公は首を竦めた。
「可能なら、彼には青ではなく、白い軍服(城はオーストリアの軍服の色。青はフランス)を着ていてもらいたい。だが、あの子を飼い殺しにしている僕達に、そんなことを言う権利があるのだろうか? 僕はゾフィーが少しでも、あの子をこの国に繋ぎとめていてくれることを祈るのみだ」
絶望的な叫びだった。普段心の中で思っていることが、夜の闇に紛れて流れ出してしまったように見えた。
「穏やかな日々の楽しい仲間。中庭の砂漠にあるオアシス。彼女は、心を潤すことなく、彼の目を惹いた」
不意にファニーが口ずさんだ。
「ライヒシュタット公がおっしゃったのです。『彼女』というのはゾフィー大公妃、『彼』はライヒシュタット公ご自身のことです」
大公がびっくりしたように目を上げる。
「ですから、F・カール大公、」
しかしそれ以上のことを、ファニーは言うことができなかった。皇帝の息子ということは別としても、人のよさそうな中年の男に、若い娘が軽々しく口にできることではない。
「貴方の奥さんが貴方の甥御さんと浮気をしているという噂は、全くの出鱈目です」……などと。
「さっき、ゾフィーにフランツを引き留めて欲しいと言ったが、実際のところ、ゾフィーを元気づけ、励ましてくれていたのはフランツの方なんだ。フランツ・ヨーゼフが生まれるまで6年近くも、僕たちの間には子ができなかったから。ウィーンの宮廷には居場所がないと、彼女は感じていたんだ。だから……フランツには感謝している」
ぼそりと大公が零した。内省的な瞳で、自らの傷を抉るかのようにさらに続ける。
「ゾフィーは、本来なら、兄の妻になるはずだった。ところが神の采配で、思いがけず、僕に回されてしまった。下品で覇気がないと、宮中でも評判の悪い僕にね! 僕がどんな気持ちだったかわかるかい? バイエルンの薔薇とも例えられた美しい妻が僕のものになったんだ。このように何の取柄もない僕の……」
「F・カール大公は、オーストリア皇帝のご子息であられます。また、貴方のお子様は、いずれこの国の帝王となられるお方です」
「でもそれは僕の手柄じゃない。僕はただ、生まれて来ただけだ」
地の底を這うような暗い声だった。ファニーは思わず息を飲んだ。
まるでひとり言のようにF・カール大公はつぶやき続ける。
「僕は、フランツのようには、絶対に振舞えない。あいつのようにスマートに女性をエスコートすることができない。ダンスだって下手くそだ。僕の妻でいることは、ゾフィーには、さぞや退屈なことだろう。あの子は、規則や典礼でがんじがらめの寒々とした宮廷からゾフィーを連れ出して、息抜きをさせてくれているんだ」
「でも、それは……」
ファニーには承服できかねることだった。夫が妻に、他の男と息抜きをして来いと?
ファニーの顔色を読み取った大公は笑い出した。
「フランツだからだよ! 子どもの頃からあの子のことは良く知っている。あの子は、3歳になったばかりの時に姉貴に連れられてウィーンにやってきた。生意気なガキでさ。でも、可愛いんだ。ドイツ語さえわからないあの子に、僕はいろんないたずらを教えたものさ。ザクセンの伯母様はパルマの姉上(フランツの母マリー・ルイーゼ)に、フランツに僕を近づけるなと書き送ったくらいさ。それからずっと一緒に、僕らは育ってきた。一緒にキツネ狩りをしたり、馬で遠駆けしたり……」
急にしゅんとした。
「僕に覇気がないせいで、ゾフィーはとても不安定なんだ。彼女はあの通りの美女で、その上才媛だ。不遜にも近寄って来る輩は大勢いる。僕はこの通りだしね。夫は恐るるに足らず、って感じ? 逆なんだ。彼女がフランツと一緒なら、僕は安心していられる。彼はとても礼儀正しいと、ゾフィーも言っていた」
礼儀正しさ。
それは、恋とは正反対の感情だと、ファニーは思った。恋愛の燃えるような情熱とは対極にある、冷たく理知的で澄んだ感情だ。
そもそもファニーは、プリンスと6歳上の叔母上の仲を疑ってはいない。
この家に集う人達も、同じ意見だ。
もっとも、大公妃自身の気持ちまではわからない。たとえばなぜ、彼女はそれほどまでにプリンスの書いた手紙を気にするのか。夫に、様子を探りに来させるくらいに。
「F・カールご夫妻のご多幸をお祈り申し上げます」
万感の思いを込めて、ファニーは囁いた。
ゾフィー大公妃
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※ゾフィー大公妃については、中編もあります。
「ライヒシュタット公とゾフィー大公妃」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/268109487/427492085
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
九州のイチモツ 立花宗茂
三井 寿
歴史・時代
豊臣秀吉が愛し、徳川家康が怖れた猛将“立花宗茂”。
義父“立花道雪”、父“高橋紹運”の凄まじい合戦と最期を目の当たりにし、男としての仁義を貫いた”立花宗茂“と“誾千代姫”との哀しい別れの物語です。
下剋上の戦国時代、九州では“大友・龍造寺・島津”三つ巴の戦いが続いている。
大友家を支えるのが、足が不自由にもかかわらず、輿に乗って戦い、37戦常勝無敗を誇った“九州一の勇将”立花道雪と高橋紹運である。立花道雪は1人娘の誾千代姫に家督を譲るが、勢力争いで凋落する大友宗麟を支える為に高橋紹運の跡継ぎ統虎(立花宗茂)を婿に迎えた。
女城主として育てられた誾千代姫と統虎は激しく反目しあうが、父立花道雪の死で2人は強く結ばれた。
だが、立花道雪の死を好機と捉えた島津家は、九州制覇を目指して出陣する。大友宗麟は豊臣秀吉に出陣を願ったが、島津軍は5万の大軍で筑前へ向かった。
その島津軍5万に挑んだのが、高橋紹運率いる岩屋城736名である。岩屋城に籠る高橋軍は14日間も島津軍を翻弄し、最期は全員が壮絶な討ち死にを遂げた。命を賭けた時間稼ぎにより、秀吉軍は筑前に到着し、立花宗茂と立花城を救った。
島津軍は撤退したが、立花宗茂は5万の島津軍を追撃し、筑前国領主としての意地を果たした。豊臣秀吉は立花宗茂の武勇を讃え、“九州之一物”と呼び、多くの大名の前で激賞した。その後、豊臣秀吉は九州征伐・天下統一へと突き進んでいく。
その後の朝鮮征伐、関ヶ原の合戦で“立花宗茂”は己の仁義と意地の為に戦うこととなる。
【完結】女神は推考する
仲 奈華 (nakanaka)
歴史・時代
父や夫、兄弟を相次いで失った太后は途方にくれた。
直系の男子が相次いて死亡し、残っているのは幼い皇子か血筋が遠いものしかいない。
強欲な叔父から持ち掛けられたのは、女である私が即位するというものだった。
まだ幼い息子を想い決心する。子孫の為、夫の為、家の為私の役目を果たさなければならない。
今までは子供を産む事が役割だった。だけど、これからは亡き夫に変わり、残された私が守る必要がある。
これは、大王となる私の守る為の物語。
額田部姫(ヌカタベヒメ)
主人公。母が蘇我一族。皇女。
穴穂部皇子(アナホベノミコ)
主人公の従弟。
他田皇子(オサダノオオジ)
皇太子。主人公より16歳年上。後の大王。
広姫(ヒロヒメ)
他田皇子の正妻。他田皇子との間に3人の子供がいる。
彦人皇子(ヒコヒトノミコ)
他田大王と広姫の嫡子。
大兄皇子(オオエノミコ)
主人公の同母兄。
厩戸皇子(ウマヤドノミコ)
大兄皇子の嫡子。主人公の甥。
※飛鳥時代、推古天皇が主人公の小説です。
※歴史的に年齢が分かっていない人物については、推定年齢を記載しています。※異母兄弟についての明記をさけ、母方の親類表記にしています。
※名前については、できるだけ本名を記載するようにしています。(馴染みが無い呼び方かもしれません。)
※史実や事実と異なる表現があります。
※主人公が大王になった後の話を、第2部として追加する可能性があります。その時は完結→連載へ設定変更いたします。
あさきゆめみし
八神真哉
歴史・時代
山賊に襲われた、わけありの美貌の姫君。
それを助ける正体不明の若き男。
その法力に敵う者なしと謳われる、鬼の法師、酒呑童子。
三者が交わるとき、封印された過去と十種神宝が蘇る。
毎週金曜日更新
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】月よりきれい
悠井すみれ
歴史・時代
職人の若者・清吾は、吉原に売られた幼馴染を探している。登楼もせずに見世の内情を探ったことで袋叩きにあった彼は、美貌に加えて慈悲深いと評判の花魁・唐織に助けられる。
清吾の事情を聞いた唐織は、彼女の情人の振りをして吉原に入り込めば良い、と提案する。客の嫉妬を煽って通わせるため、形ばかりの恋人を置くのは唐織にとっても好都合なのだという。
純心な清吾にとっては、唐織の計算高さは遠い世界のもの──その、はずだった。
嘘を重ねる花魁と、幼馴染を探す一途な若者の交流と愛憎。愛よりも真実よりも美しいものとは。
第9回歴史・時代小説大賞参加作品です。楽しんでいただけましたら投票お願いいたします。
表紙画像はぱくたそ(www.pakutaso.com)より。かんたん表紙メーカー(https://sscard.monokakitools.net/covermaker.html)で作成しました。

首切り女とぼんくら男
hiro75
歴史・時代
―― 江戸時代
由比は、岩沼領の剣術指南役である佐伯家の一人娘、容姿端麗でありながら、剣術の腕も男を圧倒する程。
そんな彼女に、他の道場で腕前一と称させる男との縁談話が持ち上がったのだが、彼女が選んだのは、「ぼんくら男」と噂される槇田仁左衛門だった………………
領内の派閥争いに巻き込まれる女と男の、儚くも、美しい恋模様………………
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる