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第二章 実技講習編
第24話 ゴブリンは強い?
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『早速だがダンジョンに向かおう。立ち話なんてつまらないだろう?』
教官――特級冒険者 竜胆教官はそう言ってニヤリと笑い、何の説明もなしに俺たちをダンジョン内に連れて行った。それも第二層ではなく、第五層に…。
「流石竜胆さんだぜ。俺たちと周りの奴らの違いを分かってくれてる…」
「そうですね、流石は特級冒険者といったところでしょうか…」
「それな!」
「え~、千香怖~い」
「千香ちゃんは俺が守ってやるよ」
「国分君に同じく」
「オレも!」
「きゃ~、みんな優しいぃ」
「……」
昨日と同じく始まる喜劇。当然俺の出る幕はない。なくていいけど。
(はぁ……折角、特級冒険者が教官を務めてくれているってのに周りがこれじゃあな…)
特級冒険者―――日本における冒険者の最高位。
本来であれば冒険者のヒヨッコでもない卵状態の俺たちは話すことは疎か近寄ることさえできない別世界の生き物。
そんな生き物があろうことか教官として冒険者の何たるかを教えくれる二度とない機会。
にもかかわらず俺はこうして落ち込んでいる。+100を-120で上書きされたからだ。お前ら四人、すごいよ。…ある意味で。
思い出されるのは昨日の醜態。周りに置いて行かれて水沢に目を付けられたこと。
(竜胆教官の眼に映る俺もこいつらと同じ問題児なのだろうか……はぁ…)
竜胆教官がここにいるのは新スキル保持者の観察ではなく、俺を含めた問題児たちを調教するためなのでは?と考え直してしまい、余計に落ち込む始末。
何度目になるか分からないため息を心の中でつく俺は足を止める。
竜胆教官が足を止めたからだ。
彼女はくるりと俺たちの方に身体を向けた。
「いきなり五層まで連れてきてしまって申し訳ないのだが、最初に自己紹介をしてくれないか?」
第一層、第二層とそう変わらない第五層の草原地帯の真ん中で突然自己紹介するよう言ってきた竜胆教官。
(何を言っているんだろうこの人は…)
そりゃ特級冒険者からしたら第五層なんて安全地帯と何ら変わりないのだろうが、俺たち素人からしたらここは死地だ。10分くらい一人でここにいてみろ?おそらく怪物《モンスター》たちの餌になる。
周りを見渡せばそのことがよくわかる。
周囲30m以内には俺たち以外人っ子一人いないが、その外側、草木に隠れた怪物《モンスター》たちが竜胆教官を除く参加者五人を食い入るように見つめていた。
竜胆教官の実力を本能的に感じているからか、今はその場から動く素振りを全く見せない。
しかし竜胆教官が俺たちをおいてどこかへ行ってしまえば、その瞬間待ってましたと謂わんばかりに襲い掛かかってくることは間違いないだろう。
他人に生殺与奪《せいさつよだつ》の権利を握られているという事実が不快感となり身体を駆けまわって俺の心を僅かに不安定にさせる。
しかし、他の四人は危機感も何も感じていないようで、竜胆教官の言葉通りに自己紹介を始めた。
「俺は国分敦って言います。スキルは【火炎剣】です!最後に…夢は特級冒険者になることです!」
「ふっ、子供っぽいですねぇ。まぁその気持ちはよくわかりますが…僕は木寺健斗と言います。開城高校に通う16歳です。好きな言葉は文武両道。将来は、そうですね…シーカーズフレンド社の役員になることでしょうか。そのために特級とは言いませんが最低限三等級にはなりたいですね。あ、ちなみに授かったスキルは【水属性魔法】ですね」
「オレ森田功!…です。国分君とは同じく高校で、オレも特級冒険者目指してます!スキルは【探知】!…です!」
「…国木田千香。名字で呼ばれるのが嫌なので千香って呼んでください。とりあえず五等級目指してます。スキルは【回復魔法】です…」
初めの三人は我先にと自分の存在を竜胆教官にアピールし、国木田さんはいやいやながらも個人情報を伝える。
昨日彼らが小菅教官に自己紹介の時、伝えた情報は自分の名前だけだった。
しかし、今はそれだけでなくスキルまで口に出している。
(俺の自己紹介は必要最低限でいいや)
桜子さんに言われた『スキルとは冒険者の商売道具です。軽々しく他人に言うものでも見せるものでもありません』という鉄則に従い自己紹介する。小菅教官にした自己紹介と同じだ。
「…美作海です。よろしくお願いします」
「あぁ、よろしく頼む」
何故か俺にだけ返事する竜胆教官。
(…面倒なことになる……)
思った時にはすでに遅し。予想通り国分が噛みついてきた。
「おい、お前空気読めよな。お前以外全員目標とスキル言ってんだよ。マジで協調性ねぇな。…まぁそうか。初日に一人だけ半袖ジーパンで来たもんな?竜胆さん!こいつ初日に一人だけ半袖ジーパンで来たんですよ。笑えますよね!」
「……」
(お前、そのエピソード大好きだなぁ……)
国分は俺が目立つような行動をするとすぐに講習初日の話を引っ張り出してくる。
昨日の俺の自己紹介の後も、俺が国分より早くテントを立て終わった後も、小菅教官が持ってきた瀕死の状態の一角兎に俺がとどめを刺した後も半袖ジーパンのくせにと言って来た。
もしその場に朝陽さんがいたら『君の頭の中身はどうなっているのかな?興味深い。解剖してもいいかい?』と言い出すくらいには幼稚だ。
ただ、変人じみた行為をしてきた自覚がある俺としては今すぐそのお喋りな口をホチキスで止めてしまいたいと切に思う。反論して黙らせようとしても火に油を注ぐだけだから何もしないし何も言わないが。
そのお喋りさんの相手をしている竜胆教官はというとダンジョン内で大声を出すなとかは言わず、ただただ無言で微笑むだけ。しかし、その眼は笑っておらず、憐れんでいるように思えた。
「―――こいつ本当にヤバい奴なんですよ!」
「そうかそうか……なぁ、国分君。一つ質問をしてもいいか?」
「はい!どうぞ!」
一頻《ひとしき》り俺の悪口という悪口を吐き出した国分に竜胆教官が尋ねる。
「――君は幼子《おさなご》に小鬼《ゴブリン》はとても強いんだ、と言われて本当に強いと思う人間か?」
「え?いや、そりゃ思わないでしょ」
「そうか。では何故?」
「…?…だって小鬼《ゴブリン》は弱いじゃないですか」
「どうして君は小鬼《ゴブリン》が弱いことを知っている?」
「……?」
竜胆教官の質問の意図が全く読めない国分。そんな国分に代わって竜胆教官の意を得たりと得意げに出しゃばる木寺。
「幼児からすれば平均して体長1m20㎝前後の小鬼《ゴブリン》は脅威でしょうが、僕たちの脅威とはなりえません。なぜなら僕たちの方がリーチも長く、何よりスキルがあるからです。棍棒をただ振り回し、群れることしか能のない九等級の怪物《モンスター》とスキルの力を行使する僕。僕ならばここまで考えたうえでその幼子の言葉を否定します……小鬼は弱い、と」
捲し立てるように問いの根拠を話し終えた木寺はドヤ顔で竜胆教官の方を見る。
が、残念ながら彼女の視線は俺に向いていた。ちゃんと答えてあげて下さい。ほら、俺があいつらに睨まれてるじゃないですか。
しかし、俺の願い届かず、国分と木寺を無視した竜胆教官は問う。
「―――美作君、君はどう思う?」
(どう思う、か……)
百聞は一見に如かずという言葉が頭を過った。
「……自分ならその場では強いとも弱いとも思いません。実際に戦ってみてから判断します」
「うん、そうだな。冒険者として満点の解答だ」
竜胆教官は良くできましたと微笑む。それから改めて問うた。
「―――君たちは小鬼が強いと思うか?」
「「「「……」」」」
黙る一同を見た彼女はニヤリと笑う。
「―――分からないのなら戦ってみよう」
「――――――…ギャギャッ!」
小鬼が一匹駆けてくる。
教官――特級冒険者 竜胆教官はそう言ってニヤリと笑い、何の説明もなしに俺たちをダンジョン内に連れて行った。それも第二層ではなく、第五層に…。
「流石竜胆さんだぜ。俺たちと周りの奴らの違いを分かってくれてる…」
「そうですね、流石は特級冒険者といったところでしょうか…」
「それな!」
「え~、千香怖~い」
「千香ちゃんは俺が守ってやるよ」
「国分君に同じく」
「オレも!」
「きゃ~、みんな優しいぃ」
「……」
昨日と同じく始まる喜劇。当然俺の出る幕はない。なくていいけど。
(はぁ……折角、特級冒険者が教官を務めてくれているってのに周りがこれじゃあな…)
特級冒険者―――日本における冒険者の最高位。
本来であれば冒険者のヒヨッコでもない卵状態の俺たちは話すことは疎か近寄ることさえできない別世界の生き物。
そんな生き物があろうことか教官として冒険者の何たるかを教えくれる二度とない機会。
にもかかわらず俺はこうして落ち込んでいる。+100を-120で上書きされたからだ。お前ら四人、すごいよ。…ある意味で。
思い出されるのは昨日の醜態。周りに置いて行かれて水沢に目を付けられたこと。
(竜胆教官の眼に映る俺もこいつらと同じ問題児なのだろうか……はぁ…)
竜胆教官がここにいるのは新スキル保持者の観察ではなく、俺を含めた問題児たちを調教するためなのでは?と考え直してしまい、余計に落ち込む始末。
何度目になるか分からないため息を心の中でつく俺は足を止める。
竜胆教官が足を止めたからだ。
彼女はくるりと俺たちの方に身体を向けた。
「いきなり五層まで連れてきてしまって申し訳ないのだが、最初に自己紹介をしてくれないか?」
第一層、第二層とそう変わらない第五層の草原地帯の真ん中で突然自己紹介するよう言ってきた竜胆教官。
(何を言っているんだろうこの人は…)
そりゃ特級冒険者からしたら第五層なんて安全地帯と何ら変わりないのだろうが、俺たち素人からしたらここは死地だ。10分くらい一人でここにいてみろ?おそらく怪物《モンスター》たちの餌になる。
周りを見渡せばそのことがよくわかる。
周囲30m以内には俺たち以外人っ子一人いないが、その外側、草木に隠れた怪物《モンスター》たちが竜胆教官を除く参加者五人を食い入るように見つめていた。
竜胆教官の実力を本能的に感じているからか、今はその場から動く素振りを全く見せない。
しかし竜胆教官が俺たちをおいてどこかへ行ってしまえば、その瞬間待ってましたと謂わんばかりに襲い掛かかってくることは間違いないだろう。
他人に生殺与奪《せいさつよだつ》の権利を握られているという事実が不快感となり身体を駆けまわって俺の心を僅かに不安定にさせる。
しかし、他の四人は危機感も何も感じていないようで、竜胆教官の言葉通りに自己紹介を始めた。
「俺は国分敦って言います。スキルは【火炎剣】です!最後に…夢は特級冒険者になることです!」
「ふっ、子供っぽいですねぇ。まぁその気持ちはよくわかりますが…僕は木寺健斗と言います。開城高校に通う16歳です。好きな言葉は文武両道。将来は、そうですね…シーカーズフレンド社の役員になることでしょうか。そのために特級とは言いませんが最低限三等級にはなりたいですね。あ、ちなみに授かったスキルは【水属性魔法】ですね」
「オレ森田功!…です。国分君とは同じく高校で、オレも特級冒険者目指してます!スキルは【探知】!…です!」
「…国木田千香。名字で呼ばれるのが嫌なので千香って呼んでください。とりあえず五等級目指してます。スキルは【回復魔法】です…」
初めの三人は我先にと自分の存在を竜胆教官にアピールし、国木田さんはいやいやながらも個人情報を伝える。
昨日彼らが小菅教官に自己紹介の時、伝えた情報は自分の名前だけだった。
しかし、今はそれだけでなくスキルまで口に出している。
(俺の自己紹介は必要最低限でいいや)
桜子さんに言われた『スキルとは冒険者の商売道具です。軽々しく他人に言うものでも見せるものでもありません』という鉄則に従い自己紹介する。小菅教官にした自己紹介と同じだ。
「…美作海です。よろしくお願いします」
「あぁ、よろしく頼む」
何故か俺にだけ返事する竜胆教官。
(…面倒なことになる……)
思った時にはすでに遅し。予想通り国分が噛みついてきた。
「おい、お前空気読めよな。お前以外全員目標とスキル言ってんだよ。マジで協調性ねぇな。…まぁそうか。初日に一人だけ半袖ジーパンで来たもんな?竜胆さん!こいつ初日に一人だけ半袖ジーパンで来たんですよ。笑えますよね!」
「……」
(お前、そのエピソード大好きだなぁ……)
国分は俺が目立つような行動をするとすぐに講習初日の話を引っ張り出してくる。
昨日の俺の自己紹介の後も、俺が国分より早くテントを立て終わった後も、小菅教官が持ってきた瀕死の状態の一角兎に俺がとどめを刺した後も半袖ジーパンのくせにと言って来た。
もしその場に朝陽さんがいたら『君の頭の中身はどうなっているのかな?興味深い。解剖してもいいかい?』と言い出すくらいには幼稚だ。
ただ、変人じみた行為をしてきた自覚がある俺としては今すぐそのお喋りな口をホチキスで止めてしまいたいと切に思う。反論して黙らせようとしても火に油を注ぐだけだから何もしないし何も言わないが。
そのお喋りさんの相手をしている竜胆教官はというとダンジョン内で大声を出すなとかは言わず、ただただ無言で微笑むだけ。しかし、その眼は笑っておらず、憐れんでいるように思えた。
「―――こいつ本当にヤバい奴なんですよ!」
「そうかそうか……なぁ、国分君。一つ質問をしてもいいか?」
「はい!どうぞ!」
一頻《ひとしき》り俺の悪口という悪口を吐き出した国分に竜胆教官が尋ねる。
「――君は幼子《おさなご》に小鬼《ゴブリン》はとても強いんだ、と言われて本当に強いと思う人間か?」
「え?いや、そりゃ思わないでしょ」
「そうか。では何故?」
「…?…だって小鬼《ゴブリン》は弱いじゃないですか」
「どうして君は小鬼《ゴブリン》が弱いことを知っている?」
「……?」
竜胆教官の質問の意図が全く読めない国分。そんな国分に代わって竜胆教官の意を得たりと得意げに出しゃばる木寺。
「幼児からすれば平均して体長1m20㎝前後の小鬼《ゴブリン》は脅威でしょうが、僕たちの脅威とはなりえません。なぜなら僕たちの方がリーチも長く、何よりスキルがあるからです。棍棒をただ振り回し、群れることしか能のない九等級の怪物《モンスター》とスキルの力を行使する僕。僕ならばここまで考えたうえでその幼子の言葉を否定します……小鬼は弱い、と」
捲し立てるように問いの根拠を話し終えた木寺はドヤ顔で竜胆教官の方を見る。
が、残念ながら彼女の視線は俺に向いていた。ちゃんと答えてあげて下さい。ほら、俺があいつらに睨まれてるじゃないですか。
しかし、俺の願い届かず、国分と木寺を無視した竜胆教官は問う。
「―――美作君、君はどう思う?」
(どう思う、か……)
百聞は一見に如かずという言葉が頭を過った。
「……自分ならその場では強いとも弱いとも思いません。実際に戦ってみてから判断します」
「うん、そうだな。冒険者として満点の解答だ」
竜胆教官は良くできましたと微笑む。それから改めて問うた。
「―――君たちは小鬼が強いと思うか?」
「「「「……」」」」
黙る一同を見た彼女はニヤリと笑う。
「―――分からないのなら戦ってみよう」
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