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第一章 運命の歯車は動き出す
第5話「無駄」
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『じゃあ~、今から皆に集まってもらった理由を話すね♪それはね、ここにいる皆で人狼ゲームをやってもらいたいんだっ☆』
「(は?誘拐理由が人狼ゲーム…?また…何でだ…?本当に意図が読めない)」
「(本当にコイツらは何がしたい?俺達をどうしたいんだ…?)」
『でも~普通の人狼ゲームじゃないよぉ~?』
「どういうことよっ!?」
「(普通じゃない…?確か人狼ゲームは…、人狼は人間を殺し、人間は人狼を当てる。というゲームだったか…)」
「…ん?人狼は人間を殺す……。もしかして…!」
春叶は想像してしまった。最悪な想像を。嫌な予感がした。絶対に当たってほしくない予感。
『ふふふっ♪それはね、今から君達がやるのは本物の人狼ゲーム。そう、簡単に言えば命を賭けた人狼ゲームっ☆』
『どう?やりたい?やりたい??』
「…………っ」
それを聞いた春叶は思わず息を呑んだ。
「(やりたいわけないだろう…。殺人ゲームだなんて…。言い方を変えれば仲間を殺せと言っているようなものだぞ)」
だが、恐らく彼らに拒否権は無いだろう。やるしかない……とそう春叶が考えた瞬間の事だった。
「おい!ふざけんな!!勝手に連れ去っておいて命を賭けてゲームをしろ…?は?ふざけんじゃねぇよ!」
「そうだ!そうだ!」
「家に帰らせろ!!」
周りが騒ぎ出した。確かに反抗したくなる気持ちも分かるが。
『えぇ~?!みんなやりたくないのぉ~??そんなぁ~…。じゃあ、帰りたい人は帰っていいよっ☆』
「(は…?何言ってんのコイツ。言ってる事とやってる事が違いすぎるでしょ。あんな強引に連れ去っておいて、帰りたがったら帰してくれる…?)」
「本当か…!?」
と一人の少年が仮面に問う。昴にとって、その少年は見覚えがあった。昴と同じクラスだからだ。
『うん…。だってみんなやりたくないんでしょぉ…?じゃあもういいよ。出口はあっちだからねっ♪』
その言葉を聞いて、約30人が出口へと向かっていった。
「(いや…、何かおかしい。必ず何か見落としている)」
春叶は何かが引っかかった。
「(こいつの本当の意図は?)」
確証はない。ただの勘。もしかしたら本当に帰らせるのかもしれない。
でも、もし彼のこの引っかかりが間違いではないのなら…恐らく誰かしらが死ぬだろう。
それは避けたい。これ以上死者を増やすのは春叶にとって本意ではなかった。
「(考えろ。少ないピースを繋ぎ合わせて、限りない真実へと少しでも近づけ)」
「(100人…80人…。減った20人。人狼ゲーム…。コイツらの最初からの目的が本当に人狼ゲームだったら…?)」
「(どうして人数を減らした…?ただゲームをするなら、殺す必要なんかなかったはずだ)」
「(じゃあ、どうして減らした…?人数…、人狼ゲームは10数人でやるゲーム…………)」
「…………!」
春叶は一つの仮定に辿り着いた。
「(そういうことか…!まずい…!急いで出口へ向かう人を止めなくては…!)」
「みんな…、ちょっと待て!止ま……」
だが、出口へ向かった人達を助ける為の春叶の行動は、一人の少女によって止められた。
「無駄。助けたって無駄なの」
艷やかな銀髪と透き通るような淡い紫の瞳、よく耳に通る声が特徴的な少女だった。
「白鐘…?どうして…?!このままじゃ手遅れに…」
少女の名前は白鐘リリィ。春叶と同じクラスの少女だ。
「それが無駄なの…!あの人達は自分達が助かると本気で思ってるの!」
「どういうことだ…?」
「リリィ達は今から…、殺し合いをするの…。でもただの殺し合いじゃない。これは頭脳戦なの。今の言葉の意図までは理解できなくても、これぐらい自分で考えられきゃ…生き残れないの」
「だが…、このまま見殺しにする事なんか無理だ…!」
「駄目なの…!早くこうしてあげたほうがあの人達の為なの!例え今…、藤宮くんが助けたとしてもすぐに死んでしまうの…!」
「(は?誘拐理由が人狼ゲーム…?また…何でだ…?本当に意図が読めない)」
「(本当にコイツらは何がしたい?俺達をどうしたいんだ…?)」
『でも~普通の人狼ゲームじゃないよぉ~?』
「どういうことよっ!?」
「(普通じゃない…?確か人狼ゲームは…、人狼は人間を殺し、人間は人狼を当てる。というゲームだったか…)」
「…ん?人狼は人間を殺す……。もしかして…!」
春叶は想像してしまった。最悪な想像を。嫌な予感がした。絶対に当たってほしくない予感。
『ふふふっ♪それはね、今から君達がやるのは本物の人狼ゲーム。そう、簡単に言えば命を賭けた人狼ゲームっ☆』
『どう?やりたい?やりたい??』
「…………っ」
それを聞いた春叶は思わず息を呑んだ。
「(やりたいわけないだろう…。殺人ゲームだなんて…。言い方を変えれば仲間を殺せと言っているようなものだぞ)」
だが、恐らく彼らに拒否権は無いだろう。やるしかない……とそう春叶が考えた瞬間の事だった。
「おい!ふざけんな!!勝手に連れ去っておいて命を賭けてゲームをしろ…?は?ふざけんじゃねぇよ!」
「そうだ!そうだ!」
「家に帰らせろ!!」
周りが騒ぎ出した。確かに反抗したくなる気持ちも分かるが。
『えぇ~?!みんなやりたくないのぉ~??そんなぁ~…。じゃあ、帰りたい人は帰っていいよっ☆』
「(は…?何言ってんのコイツ。言ってる事とやってる事が違いすぎるでしょ。あんな強引に連れ去っておいて、帰りたがったら帰してくれる…?)」
「本当か…!?」
と一人の少年が仮面に問う。昴にとって、その少年は見覚えがあった。昴と同じクラスだからだ。
『うん…。だってみんなやりたくないんでしょぉ…?じゃあもういいよ。出口はあっちだからねっ♪』
その言葉を聞いて、約30人が出口へと向かっていった。
「(いや…、何かおかしい。必ず何か見落としている)」
春叶は何かが引っかかった。
「(こいつの本当の意図は?)」
確証はない。ただの勘。もしかしたら本当に帰らせるのかもしれない。
でも、もし彼のこの引っかかりが間違いではないのなら…恐らく誰かしらが死ぬだろう。
それは避けたい。これ以上死者を増やすのは春叶にとって本意ではなかった。
「(考えろ。少ないピースを繋ぎ合わせて、限りない真実へと少しでも近づけ)」
「(100人…80人…。減った20人。人狼ゲーム…。コイツらの最初からの目的が本当に人狼ゲームだったら…?)」
「(どうして人数を減らした…?ただゲームをするなら、殺す必要なんかなかったはずだ)」
「(じゃあ、どうして減らした…?人数…、人狼ゲームは10数人でやるゲーム…………)」
「…………!」
春叶は一つの仮定に辿り着いた。
「(そういうことか…!まずい…!急いで出口へ向かう人を止めなくては…!)」
「みんな…、ちょっと待て!止ま……」
だが、出口へ向かった人達を助ける為の春叶の行動は、一人の少女によって止められた。
「無駄。助けたって無駄なの」
艷やかな銀髪と透き通るような淡い紫の瞳、よく耳に通る声が特徴的な少女だった。
「白鐘…?どうして…?!このままじゃ手遅れに…」
少女の名前は白鐘リリィ。春叶と同じクラスの少女だ。
「それが無駄なの…!あの人達は自分達が助かると本気で思ってるの!」
「どういうことだ…?」
「リリィ達は今から…、殺し合いをするの…。でもただの殺し合いじゃない。これは頭脳戦なの。今の言葉の意図までは理解できなくても、これぐらい自分で考えられきゃ…生き残れないの」
「だが…、このまま見殺しにする事なんか無理だ…!」
「駄目なの…!早くこうしてあげたほうがあの人達の為なの!例え今…、藤宮くんが助けたとしてもすぐに死んでしまうの…!」
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