【怖い絵本】かくれんぼ

るい

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かくれんぼ

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公園に集まった、5人の子供たち。

これから、かくれんぼが始まります。

じゃんけんぽん。

「最初は、僕が鬼ね。」


みんな、一斉に走ります。

「いーち、にーい...」

てるくんは木の裏。
しょうくんは草むらの中。

「ごーお、ろーく...」

しーちゃんはトンネルの中。
みよちゃんは滑り台の下。

「しーち、はーち...」

まーくんはベンチの下。

「きゅーう、じゅう!もういいかい?」

「もーいーよ!」

みんな、大きな声で返します。

「よーし、みんな見つけるぞー」

声をヒントに、探します。

ブランコの影、水飲み場の裏、トイレの中。

「いないなぁ。もういいかい?」

もう一度、声をかけます。

「もーいーよ!」

また、元気な声が帰ってきます。

あれ?声がひとつ、多い?



「あ!しーちゃんみーつけた!」

トンネルの中、しーちゃんを見つけました。

しーちゃんは、ふふっと笑いました。

「よーし1人見つけたぞ。もういいかい?」

「もーいーよ!」

「あれれ?やっぱり、1人多いなぁ」



「あ!てるくんみーつけた!」

公園の入口、大きな木の裏、てるくんを見つけました。

「見つかっちゃった~」

てるくんが、木の裏からひょこっと顔をのぞかせます。

「よーし2人見つけたぞ。もういいかい?」

「もーいーよ!」

やっぱり、声がひとつ多いです。



「あ!みよちゃんみーつけた!」

滑り台の下、背中を向けて隠れているみよちゃんを見つけました。

「見つかっちゃった~」

「あとはしょうくんだけだ!もういいかい?」

「もーいーよ!」

あれれ?やっぱり、あと二人いるなぁ。

「もしかして、知らない子が混じってるんじゃない?」

しーちゃんがそういいます。

「一緒に遊びたかったのかな?」

てるくんがそういいます。

「じゃあ、みんなで探そっか」

みよちゃんがそう言いました。


「もういいかい?」

「もーいーよ!」



「あ!しょうくんみーつけた!」

草むらの中で、小さな頭がひょっこり。最後の一人、しょうくんを見つけました。


「これで、みんなだね」

いち、にい、さん、しい、ご。

全員揃ってます。



その時、公園のチャイムがなりました。

「あ、もう帰らなきゃ!」

みんなで公園の出口へ向かいます。


「ちょっとまってよー!」

すると後ろから、まーくんが慌てて走ってきました。

「置いていかないでよ!」

まーくんは、泣きそうになりながら訴えました。

「ごめんごめん。もう夕方だから、帰ろう」

5人の子供たちは、揃って公園を出ました。


「あれ?まーくんって、鬼じゃなかったっけ?」

「え?違うよ。僕も隠れてたよ」

「じゃあ、誰が鬼だったの?」

「てるくんじゃないの?」

「僕は、しーちゃんかと思ってたよ。」

「私は違うよ」

「それじゃあ...」




「ま、どうでもいっか。かえろう」

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