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私の手紙
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あるところに、わかばちゃんという女の子がいました。
天気のいい朝、わかばちゃんのお母さんが部屋の掃除をしています。
わかばちゃんもせっせかせっせかお掃除のお手伝い。
「あら?これは何かしら?」
押し入れの掃除をしていたお母さんが、古い紙切れを見つけました。
「お母さん、それなあに?」
「これは手紙ね。わかばちゃんの字だわ…」
お母さんはなぜかその手紙をみて泣いてしまいました。
どうやらその手紙はわかばちゃんの字で書かれていたようです。
でも、わかばちゃんは文字を書くのも読むことも出来ません。
「お母さん、それなんて書いてあるの?」
「読んであげるわね」
お母さんは手紙を読み上げました。
お母さんへ。
いつもわかばのために頑張ってくれてありがとう。
わかばはお母さんが大好きだよ。
これからも、わかばのことをよろしくね。
わかば
手紙には、母の日に渡したと思われる内容が書かれていました。
お母さんは、手紙を読み終わり、もう一度涙を流しました。
「その手紙わかばにちょうだい!」
「ええ…いいわよ。大事にするのよ」
お母さんはなぜかその手紙を大事に取っておくように言いました。
わかばは喜んで手紙を受け取り、自分の部屋に戻りました。
わかばちゃんは手紙を開き、何度も読み返しました。
次の日、お母さんが押し入れの掃除をしていました。
わかばちゃんも手伝うことにしました。
「あら?これは…」
お母さんは押し入れの中から女の子用のおもちゃを取り出しました。
「お母さん、それなあに?」
「これはわかばちゃんのおもちゃね。小さい頃使っていたものよ…」
お母さんはおもちゃを手に取り、見つめました。
「それわかばにちょうだい!」
「え?いいわよ、大切に取っておきなさい」
わかばちゃんは、昔のおもちゃを手に入れました。
早速部屋に持っていき、手紙の横に並べました。
また次の日、今度は外にある倉庫の掃除をしていました。
お母さんは倉庫の中から小さな自転車を見つけ、外へ出しました。
「お母さん、その自転車誰の?」
「わかばちゃんのよ。昔乗っていたでしょう」
その自転車はわかばちゃんが乗っていたもののようです。しかし、わかばちゃんはまだ自転車に乗れません。
「お母さん、どうしてわかばの自転車があるの?」
お母さんはハッとして、黙ってしまいました。
わかばちゃんは不思議に思いましたが、部屋に戻り、手紙とおもちゃを眺めました。
「これ、本当にわかばのなのかな?」
わかばちゃんは手紙を読み返し、おもちゃを手に取りました。
なぜかどちらも懐かしい感じがしました。あの自転車もそうでした。
すると、お母さんが部屋に入ってきました。
「わかばちゃん、お散歩に行こうか」
わかばちゃんは持っていたおもちゃを置き、お母さんについて行きました。
わかばちゃんはお母さんと手を繋ぎ、公園に行きました。
「お母さん、桜の木が綺麗だね」
「ええ、そうね。」
「お母さん、わんちゃん可愛いね」
「そうね、かわいいわね」
お母さんは、わかばちゃんのしわしわな手を握り、歩きました。
「お母さん、わかばが大きくなって、お嫁さんになって、子供が出来たら、またここに来るね。お母さんとの思い出の場所だから」
「うん、ありがとうね」
「うん!」
わかばちゃんは顔のシワをよせ、くしゃくしゃな顔で笑った。
「お母さん、そろそろ帰りましょうか」
「うん!わかばお腹すいた!」
お母さんはわかばおばあちゃんの手を引き、公園をもう一周してから、家に帰った。
天気のいい朝、わかばちゃんのお母さんが部屋の掃除をしています。
わかばちゃんもせっせかせっせかお掃除のお手伝い。
「あら?これは何かしら?」
押し入れの掃除をしていたお母さんが、古い紙切れを見つけました。
「お母さん、それなあに?」
「これは手紙ね。わかばちゃんの字だわ…」
お母さんはなぜかその手紙をみて泣いてしまいました。
どうやらその手紙はわかばちゃんの字で書かれていたようです。
でも、わかばちゃんは文字を書くのも読むことも出来ません。
「お母さん、それなんて書いてあるの?」
「読んであげるわね」
お母さんは手紙を読み上げました。
お母さんへ。
いつもわかばのために頑張ってくれてありがとう。
わかばはお母さんが大好きだよ。
これからも、わかばのことをよろしくね。
わかば
手紙には、母の日に渡したと思われる内容が書かれていました。
お母さんは、手紙を読み終わり、もう一度涙を流しました。
「その手紙わかばにちょうだい!」
「ええ…いいわよ。大事にするのよ」
お母さんはなぜかその手紙を大事に取っておくように言いました。
わかばは喜んで手紙を受け取り、自分の部屋に戻りました。
わかばちゃんは手紙を開き、何度も読み返しました。
次の日、お母さんが押し入れの掃除をしていました。
わかばちゃんも手伝うことにしました。
「あら?これは…」
お母さんは押し入れの中から女の子用のおもちゃを取り出しました。
「お母さん、それなあに?」
「これはわかばちゃんのおもちゃね。小さい頃使っていたものよ…」
お母さんはおもちゃを手に取り、見つめました。
「それわかばにちょうだい!」
「え?いいわよ、大切に取っておきなさい」
わかばちゃんは、昔のおもちゃを手に入れました。
早速部屋に持っていき、手紙の横に並べました。
また次の日、今度は外にある倉庫の掃除をしていました。
お母さんは倉庫の中から小さな自転車を見つけ、外へ出しました。
「お母さん、その自転車誰の?」
「わかばちゃんのよ。昔乗っていたでしょう」
その自転車はわかばちゃんが乗っていたもののようです。しかし、わかばちゃんはまだ自転車に乗れません。
「お母さん、どうしてわかばの自転車があるの?」
お母さんはハッとして、黙ってしまいました。
わかばちゃんは不思議に思いましたが、部屋に戻り、手紙とおもちゃを眺めました。
「これ、本当にわかばのなのかな?」
わかばちゃんは手紙を読み返し、おもちゃを手に取りました。
なぜかどちらも懐かしい感じがしました。あの自転車もそうでした。
すると、お母さんが部屋に入ってきました。
「わかばちゃん、お散歩に行こうか」
わかばちゃんは持っていたおもちゃを置き、お母さんについて行きました。
わかばちゃんはお母さんと手を繋ぎ、公園に行きました。
「お母さん、桜の木が綺麗だね」
「ええ、そうね。」
「お母さん、わんちゃん可愛いね」
「そうね、かわいいわね」
お母さんは、わかばちゃんのしわしわな手を握り、歩きました。
「お母さん、わかばが大きくなって、お嫁さんになって、子供が出来たら、またここに来るね。お母さんとの思い出の場所だから」
「うん、ありがとうね」
「うん!」
わかばちゃんは顔のシワをよせ、くしゃくしゃな顔で笑った。
「お母さん、そろそろ帰りましょうか」
「うん!わかばお腹すいた!」
お母さんはわかばおばあちゃんの手を引き、公園をもう一周してから、家に帰った。
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