1 / 1
カニ取り合戦
しおりを挟む
あるところに、4人の仲良し家族がいました。
お母さんとお父さんと、お姉ちゃんと妹の4人家族。
4人は食べることが何よりも大好き。
朝も夜も、みんなで仲良くテーブルを囲みます。
お母さんは、らーめんが好き。
お父さんは、おさしみが好き。
お姉ちゃんは、コロッケが好き。
妹は、カレーライスが大好き。
でも、4人には揃って大好きな食べ物がありました。
それは、カニ。
ある日、隣に住むおばさんが、カニを持ってきてくれました。
「これ、貰い物だけど、良かったらたべてね」
お姉ちゃんと妹は、大喜び。おばさんの前で踊りました。
その日の夜、早速テーブルにカニが並びました。
みんなニコニコ、そわそわ、足早にテーブルに着きました。
「カニだカニだ~~!」
「久しぶりだなぁ。母さん、ビールはあるかい?」
「今日は自分で用意してくださいな」
「私いっぱい食べるー!」
みんな目をきらきらさせて、仲良くカニを囲みます。
でも、みんなの視線はカニが独り占め。
沢山食べようと目をギラギラさせて狙ってます…。
…さあ、カニ取り合戦の始まりです。
「さあ、食べましょうか」
お母さんは、自分のお皿だけを持って席に着きました。
「あれ?お母さん、私たちのお皿は?」
「今日は自分で用意しなさい。」
カニ大好きのお母さん。お皿を用意している間に食べられないよう、自分の分だけしっかり用意しました。
今日はお父さんだろうと、娘だろうと、容赦ありません。
「カニを前にしたお母さん、恐るべし…。」
お母さんは一足先に席につき、3人はお皿を取りに席を立ちました。
「今のうちに…」
お母さんは早速、カニに手を伸ばしました。
「ん~~!おいし~!」
「あー!お母さんずるいー!」
お母さんは一足先に、カニを頬張りました。
「いそげ!いそげ!」
「お母さんに食べられちゃうー!」
「母さん!はしとコップはどこにあるんだ!?」
お父さんは、はしとコップの場所がわからず、お母さんに聞きました。
「もー、引き出しの中にあるでしょ」
「ないない、母さんも探してくれよ!」
「もー!仕方ない人だね!」
お母さんは席をたち、お父さんのはしとコップを探しにキッチンへ向かいました。
「しめしめ…」
お父さんはその隙に席につき、カニの足を1本食べました。
「う、うまーい!」
「あー!お父さんずるい!」
「まあ!お父さんったら!」
「私も食べたいー!」
お父さんは満足そうに、ビールをクイッと口に運びました。
残るカニは8本。さて、誰が食べられるのか。
ようやくみんなの準備ができ、4人がテーブルに揃いました。
「では、みんなで…」
「「いただきまーす!!」」
その瞬間、お母さんが目にも止まらぬ早さでカニをつかみました。
お父さんは、カニをはしで掴み、それを阻止しました。
カニはテーブルの上をを舞い、ゆっくりと皿の上を跳ねました。
その拍子に、カニの足が2本、お姉ちゃんの元へ飛びました。
「やったー!カニ!カニ!」
お姉ちゃんは両手にカニを持ち、美味しそうに頬張りした。
「お姉ちゃんずるいー!」
「んふふ~うまうま」
「お母さん!私のもとって!」
「カニは自分で得るものよ。頑張りなさい」
カニを前にすると厳しいお母さん。
まだまだ戦いは続きます。
「ふんっふんっ!」
「はっはっ!」
「えいっ!やあっ!」
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、ピョンピョンピョン。
テーブルの上で、カニが踊りだします。
「いただき!」
「わたしも!」
お父さんとお母さんは1本ずつカニを取りました。
「あーー!!わたしのかにがー!」
残るカニは残り1本。
妹は、まだまだ食べられていません。
「ぐぬぬ…」
妹は、だんだん涙目に変わります。
「最後の1本は…!」
それでも、最後の力をふりしぼり、宙を舞うカニを捕まえました。
「やった!やった!ついにカニを掴んだよ!」
妹は、ついに掴んだカニを握りしめ、キラキラした目で見つめました。
「い、いただきまーす!!」
妹が、カニを口に運んだ途端…
「ニャーー!!」
隣の部屋でじーっと狙っていた子猫が、妹の手に飛び込みました。
「…あ!!」
子猫は一瞬の間に、妹の手からカニを奪い取りました。
「そ、そんなー!」
「ンニャ~!」
子猫は、美味しそうにむしゃむしゃとカニを食べつくしました。
「あーあ…」
空になったお皿を見て、妹はぼーっとしていました。
「私の…カニが…」
お母さんとお父さん、お姉ちゃんは満足そうでした。
「あー美味しかった!」
「満足満足!」
「また食べたいねぇー」
みんながお片付けを始めたその時、家のインターホンがなりました。
「これ、よかったらまた食べてくれない?」
「カニだーーー!!」
隣のおばさんが、またカニを持ってきてくれました。
カニは、早速テーブルに並べられました。
すると、またみんなの目がギラギラひかり、テーブルに置かれたカニを見つめました。
「よーし、今度こそ食べるぞーー!!」
妹は、誰よりも先にテーブルにつき、カニに飛びつきました。
「私達も、まだまだ食べるわよー!」
お母さん、お父さん、お姉ちゃんも妹に続き、テーブルのカニに飛びつきました。
この一家には、カニをめぐって騒がしい音が響き渡りました。
お母さんとお父さんと、お姉ちゃんと妹の4人家族。
4人は食べることが何よりも大好き。
朝も夜も、みんなで仲良くテーブルを囲みます。
お母さんは、らーめんが好き。
お父さんは、おさしみが好き。
お姉ちゃんは、コロッケが好き。
妹は、カレーライスが大好き。
でも、4人には揃って大好きな食べ物がありました。
それは、カニ。
ある日、隣に住むおばさんが、カニを持ってきてくれました。
「これ、貰い物だけど、良かったらたべてね」
お姉ちゃんと妹は、大喜び。おばさんの前で踊りました。
その日の夜、早速テーブルにカニが並びました。
みんなニコニコ、そわそわ、足早にテーブルに着きました。
「カニだカニだ~~!」
「久しぶりだなぁ。母さん、ビールはあるかい?」
「今日は自分で用意してくださいな」
「私いっぱい食べるー!」
みんな目をきらきらさせて、仲良くカニを囲みます。
でも、みんなの視線はカニが独り占め。
沢山食べようと目をギラギラさせて狙ってます…。
…さあ、カニ取り合戦の始まりです。
「さあ、食べましょうか」
お母さんは、自分のお皿だけを持って席に着きました。
「あれ?お母さん、私たちのお皿は?」
「今日は自分で用意しなさい。」
カニ大好きのお母さん。お皿を用意している間に食べられないよう、自分の分だけしっかり用意しました。
今日はお父さんだろうと、娘だろうと、容赦ありません。
「カニを前にしたお母さん、恐るべし…。」
お母さんは一足先に席につき、3人はお皿を取りに席を立ちました。
「今のうちに…」
お母さんは早速、カニに手を伸ばしました。
「ん~~!おいし~!」
「あー!お母さんずるいー!」
お母さんは一足先に、カニを頬張りました。
「いそげ!いそげ!」
「お母さんに食べられちゃうー!」
「母さん!はしとコップはどこにあるんだ!?」
お父さんは、はしとコップの場所がわからず、お母さんに聞きました。
「もー、引き出しの中にあるでしょ」
「ないない、母さんも探してくれよ!」
「もー!仕方ない人だね!」
お母さんは席をたち、お父さんのはしとコップを探しにキッチンへ向かいました。
「しめしめ…」
お父さんはその隙に席につき、カニの足を1本食べました。
「う、うまーい!」
「あー!お父さんずるい!」
「まあ!お父さんったら!」
「私も食べたいー!」
お父さんは満足そうに、ビールをクイッと口に運びました。
残るカニは8本。さて、誰が食べられるのか。
ようやくみんなの準備ができ、4人がテーブルに揃いました。
「では、みんなで…」
「「いただきまーす!!」」
その瞬間、お母さんが目にも止まらぬ早さでカニをつかみました。
お父さんは、カニをはしで掴み、それを阻止しました。
カニはテーブルの上をを舞い、ゆっくりと皿の上を跳ねました。
その拍子に、カニの足が2本、お姉ちゃんの元へ飛びました。
「やったー!カニ!カニ!」
お姉ちゃんは両手にカニを持ち、美味しそうに頬張りした。
「お姉ちゃんずるいー!」
「んふふ~うまうま」
「お母さん!私のもとって!」
「カニは自分で得るものよ。頑張りなさい」
カニを前にすると厳しいお母さん。
まだまだ戦いは続きます。
「ふんっふんっ!」
「はっはっ!」
「えいっ!やあっ!」
あっちへ行ったり、こっちへ行ったり、ピョンピョンピョン。
テーブルの上で、カニが踊りだします。
「いただき!」
「わたしも!」
お父さんとお母さんは1本ずつカニを取りました。
「あーー!!わたしのかにがー!」
残るカニは残り1本。
妹は、まだまだ食べられていません。
「ぐぬぬ…」
妹は、だんだん涙目に変わります。
「最後の1本は…!」
それでも、最後の力をふりしぼり、宙を舞うカニを捕まえました。
「やった!やった!ついにカニを掴んだよ!」
妹は、ついに掴んだカニを握りしめ、キラキラした目で見つめました。
「い、いただきまーす!!」
妹が、カニを口に運んだ途端…
「ニャーー!!」
隣の部屋でじーっと狙っていた子猫が、妹の手に飛び込みました。
「…あ!!」
子猫は一瞬の間に、妹の手からカニを奪い取りました。
「そ、そんなー!」
「ンニャ~!」
子猫は、美味しそうにむしゃむしゃとカニを食べつくしました。
「あーあ…」
空になったお皿を見て、妹はぼーっとしていました。
「私の…カニが…」
お母さんとお父さん、お姉ちゃんは満足そうでした。
「あー美味しかった!」
「満足満足!」
「また食べたいねぇー」
みんながお片付けを始めたその時、家のインターホンがなりました。
「これ、よかったらまた食べてくれない?」
「カニだーーー!!」
隣のおばさんが、またカニを持ってきてくれました。
カニは、早速テーブルに並べられました。
すると、またみんなの目がギラギラひかり、テーブルに置かれたカニを見つめました。
「よーし、今度こそ食べるぞーー!!」
妹は、誰よりも先にテーブルにつき、カニに飛びつきました。
「私達も、まだまだ食べるわよー!」
お母さん、お父さん、お姉ちゃんも妹に続き、テーブルのカニに飛びつきました。
この一家には、カニをめぐって騒がしい音が響き渡りました。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私の弟は、みんなの人気者
るいのいろ
絵本
お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、みんなに可愛がられていた一人っ子のまひるちゃん。
ある日、まひるちゃんの家に、弟が産まれました。
すると、お母さんたちは弟の世話で手一杯。
おじいちゃんたちは、まひるちゃんよりも新しい赤ちゃんを可愛がりました。
まひるちゃんは、お母さんたちやおじいちゃんたちを取られて、さらに泣いてばかりの弟のことが嫌いになりました。
あなたのため。
るいのいろ
絵本
お母さんは、いつもうるさい。
あれしなさい、これしなさい。
部屋の片付けは終わったの?宿題はやったの?明日の準備はしたの?
いつもいつも、口うるさく聞いてくる。
お母さんはこういう。
あなたのためなのよ。
お母さんが口うるさく言うのって、本当に、僕のためなのかな?
赤鬼と人間の男の子
るいのいろ
絵本
ある山奥に、真っ赤な赤鬼が住んでいた。
赤鬼には家族がおらず、いつも1人だった。
赤鬼は、ずっと1人だったので、友達が欲しかった。
ある時、そんな赤鬼の家に、人間の男の子が迷い込んだ。
男の子は、目が見えなかったので、赤鬼を怖がらなかった。
赤鬼は、男の子を心配して家に連れ込んだ。
赤鬼は、男の子と話すうちに、少しづつ仲良くなった。
でも、赤鬼の正体がバレたら、きっと怖がられ、嫌われてしまう。
赤鬼はそんな不安を抱えつつ、男の子と過ごしていく。
王様の言うとおり
るいのいろ
絵本
ある国に、とてもわがままな王様がいました。
王様が毎日わがままを言うので、家来たちはうんざり。
疲れ果ててしまいました。
ある日、家来たちは王様を残して、お城を出ていってしまいました。
1人になった王様は、最初はのびのびと暮らしました。
しかし、段々と寂しくなってきて…。
僕とケンが、入れ替わっちゃった
るいのいろ
絵本
5年生の男の子のしょうたくんは、夏休み明けの学校が嫌でした。
なぜなら、また勉強をしなくちゃいけないから。
せっかくの夏休みが、終わってしまうから。
毎日毎日遊べたのに、もう遊べなくなっちゃうから。
夏休み最終日、しょうたくんは星に願いました。
どうか、ペットのケンのように、勉強も宿題もせず、毎日のんびり暮らしたいです。
次の日の朝、目を覚ましたしょうたくんは、ペットのケンになっていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる