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死相編
解明性のリメンバー2
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なんだと?そんなバカな事があるのか!?
「バ、バカな!!俺には数回分の記憶しか無いぞ。」
「残念ながら人間には脳の容量には限界があるのです。逆に質問になりますが、人間は何年分の記憶を維持できると思いますか?」
「わからない。」
「大体、150年程度だと思います。つまりあなたは、約
93,543回以上に渡って記憶を何周もしています。つまり、あなたは実質93,543回以上この時空を生きた人間になります。
「なんてことだ。く....」
「素直になれない数字ですね。それも無理はないですよ。」
「うう、なんて事だ。こんなにもやっているなんて。」
「事件の怨念が強すぎた為の惨劇なのかもしれない。」
「あまり気を落とさないでください。」
「ん.....」
業が深すぎる。この出来事はあまりにも不可解で、不明瞭である。
「運命って信じますか?」
「運命か......信じたいモノだが、すこしばかり、半信半疑なところがある。とても、恵まれてきたような状況でもないしな。」
「......貴方にヒントをあげましょうデス。」
神様はニヤリと笑いながらこちらを見つめる。その眼は不思議な事に、光っている様にも見えた。その眼光は真夜中にこちらを見つめる野生の猫のようなモノであった。そして、一度ため息を吐いた後に、指を出す。
「沖橋さんは高見さんを過去の因縁でかなり恨んでいる。ならば、その長期にわたる執念を終わらせてあげればいいのです。」
指と指を突っついている。恐らく因縁の事についてを表しているのであろう。
「それってどういう?」
「......すまんな少年、この球を高見さんに飲ませてくれないかです?」
「なにを?」
「はい、キャッチ」
「うわ、びっくりした。」
「ナイスキャッチです」
そう言って渡されたのは光輝く『過』と書かれた紫の小さな玉であった。その光は眩しいほどに輝いており、不思議な気持ちになった。
「これって......」
「不思議に思うでしょう。前世の記憶を呼び寄せる、魂だ。そこに、重要な記憶が閉じ込められている。これを呑ませて、前世の記憶を呼び寄せる必要があるです。」
そう聞いて思わず、この球を再度凝視する。ただ、にわかには信じ難いけれどもな。
「結構デカいけど、こんなの飲めるのか?」
「えぇ、意外とスルッと行くのです。」
そりゃもう、案外喉越しの良さそうな球なようで。どこからどうみてもそんな風には見えないけどな。窒息死しないよな......これ。
「......もうそろそろ行ってくださいです。時間が迫ってます。」
時計を咄嗟に確認すると、もう直ぐで集合の時間になる所だった。
兎にも角にも、神様から貰ったこの『過』の魂をなんとしても呑ませる必要がある。ただ、幸いな事にその肝心な高見はかなりのアホだ。だからあの単細胞生物を騙すような言い草を考えなければならん。
「わかった。ありがとう、神様。」
「えぇ、私はこんな事しか出来ませんけどもです。」
「いやいや、ここまでしてもらったんだ。コチラも何かしらのアクションは起こすつもりだ。」
「託します、私は少し程の干渉しか出来ないけども。」
「じゃあな、神様!!」
俺は神様に別れを告げ、公園を全速力で走り抜けた。絶対にきっかけになった筈だ。ようやくパズルのピースが見つかったかのような感じだ。
あとは、前世を思い出した高見の行動に賭けるしかない。
その怨みを祓せるのは高見。
バカで、アホで、単細胞生物で、楽観的なお前しか居ないんだ。
俺は心無しか走る速度が速くなった。
「バ、バカな!!俺には数回分の記憶しか無いぞ。」
「残念ながら人間には脳の容量には限界があるのです。逆に質問になりますが、人間は何年分の記憶を維持できると思いますか?」
「わからない。」
「大体、150年程度だと思います。つまりあなたは、約
93,543回以上に渡って記憶を何周もしています。つまり、あなたは実質93,543回以上この時空を生きた人間になります。
「なんてことだ。く....」
「素直になれない数字ですね。それも無理はないですよ。」
「うう、なんて事だ。こんなにもやっているなんて。」
「事件の怨念が強すぎた為の惨劇なのかもしれない。」
「あまり気を落とさないでください。」
「ん.....」
業が深すぎる。この出来事はあまりにも不可解で、不明瞭である。
「運命って信じますか?」
「運命か......信じたいモノだが、すこしばかり、半信半疑なところがある。とても、恵まれてきたような状況でもないしな。」
「......貴方にヒントをあげましょうデス。」
神様はニヤリと笑いながらこちらを見つめる。その眼は不思議な事に、光っている様にも見えた。その眼光は真夜中にこちらを見つめる野生の猫のようなモノであった。そして、一度ため息を吐いた後に、指を出す。
「沖橋さんは高見さんを過去の因縁でかなり恨んでいる。ならば、その長期にわたる執念を終わらせてあげればいいのです。」
指と指を突っついている。恐らく因縁の事についてを表しているのであろう。
「それってどういう?」
「......すまんな少年、この球を高見さんに飲ませてくれないかです?」
「なにを?」
「はい、キャッチ」
「うわ、びっくりした。」
「ナイスキャッチです」
そう言って渡されたのは光輝く『過』と書かれた紫の小さな玉であった。その光は眩しいほどに輝いており、不思議な気持ちになった。
「これって......」
「不思議に思うでしょう。前世の記憶を呼び寄せる、魂だ。そこに、重要な記憶が閉じ込められている。これを呑ませて、前世の記憶を呼び寄せる必要があるです。」
そう聞いて思わず、この球を再度凝視する。ただ、にわかには信じ難いけれどもな。
「結構デカいけど、こんなの飲めるのか?」
「えぇ、意外とスルッと行くのです。」
そりゃもう、案外喉越しの良さそうな球なようで。どこからどうみてもそんな風には見えないけどな。窒息死しないよな......これ。
「......もうそろそろ行ってくださいです。時間が迫ってます。」
時計を咄嗟に確認すると、もう直ぐで集合の時間になる所だった。
兎にも角にも、神様から貰ったこの『過』の魂をなんとしても呑ませる必要がある。ただ、幸いな事にその肝心な高見はかなりのアホだ。だからあの単細胞生物を騙すような言い草を考えなければならん。
「わかった。ありがとう、神様。」
「えぇ、私はこんな事しか出来ませんけどもです。」
「いやいや、ここまでしてもらったんだ。コチラも何かしらのアクションは起こすつもりだ。」
「託します、私は少し程の干渉しか出来ないけども。」
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あとは、前世を思い出した高見の行動に賭けるしかない。
その怨みを祓せるのは高見。
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俺は心無しか走る速度が速くなった。
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