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第三章 最愛と贖罪

最愛と贖罪

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 いつも笑っているその心の、深淵まで愛したい。


「よくもご主人様を誑かしましたね」

 退院したメオは、私の護衛としては勿論、軍が行う震災復興活動の手助けがしたいので付いて行くと朝から車庫で待機している。

 危険だから駄目だと言おうがどうせ聞き入れないことは想像に容易いので連れて行くが、私が遅れて車庫に向かうと佐々木が如何にも忌々し気な声を発していた。

「そんな、ぼくは、」

「いや、誑かしたのは私だ」

 佐々木とてメオがどこまでも裏表のない、謀りごとなどできない者であることは知っているであろうに、さては私との仲を確認する為に鎌を掛けたのだと気付いてはいたが。

「ちょ、エナさん!」

 すぐに顔を真っ赤にする様子が可愛いので正直に答えた。

 言葉通り、先に懸想したのは私だ。だからメオの心を奪うよう仕向けた。

――今すぐ出て行け。

 男かと思ったと言ったが、門前払いをしてきた魔術師達含め、寧ろ姿形も碌に見ていなかった。

 魔術師を忌み嫌い、私が水無月家当主として公爵位を継いでも護衛など要らぬと決めていた。故に男が来ようが女が来ようが関係ない、魔術師としてどれ程に優秀であろうと虫唾が走る、どんな者が来ても追い返すのだから。

 幼少の頃より厳しく鍛錬し士官学校でも一通りの武術は習得し敗け知らずであった故、妖怪の襲撃を受けようが暗殺者に狙われようが、自ら対処できると踏んでいた。

――必ず、閣下をお護りいたします。

 しかし突き付けたサーベルを小さな懐剣で払われ、漸く初めて、魔術師の姿を見た。

 メオはただ、向けられた刃を払った、ごく当たり前の動作をしただけだ。あれ程の遣い手ならば無意識の行動であろう。

 強い眼差しで言葉を紡ぐ姿は、今まで出逢った誰とも違っていた。

 怯えたように遠慮するように一歩線を引く、そんな素振りを見せずに真正面から懐に飛び込んで来る。

 魔術師とはいえ、私に呪いをかけた魔力がないならいいだろうとか、剣一本でこれ程にも強いのならいいだろうとか、様々な条件を付けて認めたわけではなかった。

 ただ鮮烈に、急速に惹かれたなどと吐露したら、流石に自ら口に出しても滑稽が過ぎる。

 しかし明確に一計を案じた。

「いつも冗談ばかりおっしゃるんですから。佐々木さんが誤解してしまいますよ」 

 いつでも誰からでも好かれる修一郎ではなく、私を愛してほしかったから。





 震災後に設置された陸軍震災救護委員は、陸軍大臣管轄の下、食糧や材料の配給、傷病者の救療、交通通信網の復旧作業等、救護関連業務の実施を任務としていた。

 海外からの支援も多く、アメリカやイギリスそして世界戦争では敵国であったドイツなど四十一か国にも上る国から救援物資や義捐金が送られてきた。

 一方、弱っている時にさらに付け入ろうと目論む国もあるのだろう。

 こちらからはどの国の仕業かなど知る由もないが、避難所や病院が妖怪に襲われるような事件も多発していた。

 帝国軍が中心となって震災復旧を行っているゆえ、その場には私達華族がいることもある。それを狙っての襲撃の可能性も高いので、同じ日本国民が操っている妖怪であることも考えられるのだが。

 それもあってメオは付いて行くと聞かなかったのだが、その懸念は不幸にも命中し、私とメオが訪れていた避難所に妖怪が現れた。

 そこで、漸く手に入れたという魔力の存分な発揮を目の当たりにした。

 邸の火災の折に、その力を使って茉莉と佐々木を助けたと話には聞いていたがどこか夢の中の話のような、メオ達の言葉を疑うわけではないが、それまではどこか半信半疑のように感じていた。

 レイピア一本でも充分過ぎる強さであったが、さらに魔力を得たメオの強さは、かつて他の華族専属魔術師達が発する魔術で見慣れた筈の物とはまるで別次元だった。

「エナさん! 皆さんを安全な場所へ!」

 メオが対峙する妖怪も、その力に対抗する為かのように以前よりも段違いの強さに見えた。かつて苦戦した天狗に匹敵するかそれ以上の相手の上に、他には魔術師がいない。

 私達軍人が避難誘導に専念していては、メオはたったひとりで戦わなければならない。

 そんなことをさせられるものか。

 避難所の上空に、昼間だというのにぽっかりと月のような丸くて白い光が浮かび上がった。まるで幼い頃に見た竹取物語絵巻のかぐや姫が月に帰る場面とは逆に、牛が引かぬ牛車がするすると滑り降りてきた。

 光景だけであれば美しいが、周囲には暗雲が立ち込め異様な禍々しさである。

「かわいいキツネさん? ぼくと遊びましょうか」

 平安時代の女房装束を身に纏い、扇で顔を隠した女が前簾をそっと上げて現れたが、狐と声を掛けた瞬間にゆったりとした所作が一変し、吹き付ける豪風に九本もの尾が荒々しく靡いた。

「……そちらの美しい公爵さまと遊びたいわ」

 妖怪九尾の狐・玉藻前たまものまえである。容貌は人間の姿を保っているが、大きく吊り上がった眼は赤く光っている。

「そうおっしゃらず。釣りでもしません? 太公望さんみたいに」

 鳥羽上皇を籠絡する前は、中国古代王朝いんを治めたちゅう王の后・妲己だっきと称し、釣り好きの代名詞通称太公望に討伐されたといわれている。

 サーベルを携える私の前にメオが立つ。玉藻前は黒煙に包まれるや否や、乗って来た牛車の十倍もの大きさの妖狐として本性を現した。

 その姿に僅かも怯まず、メオは肩越しに振り返り呟く。

「ぼくを心配して残ってくださったんですか? 嬉しいです。あなたをお守りしてこそ、本気で戦えます」

 ほんの一振りであった。狐火で躰中を覆い、無数の牙が並ぶ巨大な口を開けて突進してくる姿を前に、レイピアを
根本からなぞるように触れて翳す。眩い鏡が反射し、瞬きすれば見逃すような速さで黒い塵になって消えてしまった。

 このような魔術は見聞きしたことさえない。呪文も魔法陣も使わず、愛用してきたレイピアを杖代わりに、言葉通り遊ぶような手軽さで斃してしまったのだ。

 遠くとはいえ走って移動出来る程の距離から様子を窺っていた帝国軍兵士らと避難所の者達は、一斉に拍手喝采を浴びせる。

 しかしかつて訓練場での妖怪退治で称賛を受けた時と同じように、メオは恥ずかし気に居た堪れないような素振り
で私の背に隠れた。

 その一部始終を、任務中に起きたこと故に私は軍上層部に報告する必要がある。褒め称える声に紛れて、皮肉たっぷりに漏れ聞こえた。

「バケモノはどっちだよ」





 それでも私と二人でいる時のメオは、以前とは少しも変わらない。

 稀代の魔術師と名高い祖母君をさらに上回る程の強大な魔力が覚醒し、その評判が魔術師と馴染み深い華族界のみならず日本中に広まろうと、出逢った頃と同じく細く小さな身体でころころとすぐに表情を変え、私が触れるだけで相変わらずすぐに赤くなる。少しは慣れてもいいものだと思うが。

「ずっとここに、二人だけでいられたらどんなにいいか」

 縁側に腰かけて庭を眺めている横顔に、つい本音が出る。

 メオはやはり同じように女学生のような袴姿だがレイピアは担いでいない。他の護衛のひとりもいない中、妖怪や鬼の類何者が現れようとまた遊ぶ程度の気軽さで斃してしまえる自信の表れであろう。

 しかし私の言葉には面白い程か弱く動揺して見せる。

「こ、心を……また、心を読まれたのかと。ぼくも、同じことを考えていました」

 東京の邸を建て直している間、別邸に移っていた。祖父の趣味かこちらは和風の造りで、目の前には枯山水が広がっている。

 あまりに可愛らしいことを言うので、いや心を読んだのだと返そうかとも思ったが、存分に利用させてもらう。

 引き寄せて胸に閉じ込めて、こうしていると、離したくなくなる。

「……おかしいですね。動悸の呪いは解けましたのに」

 私の胸に手を当て、覗き上げるように見つめる双瞳は容赦なく私を揺さぶる。

「いつもぼくばかりドキドキさせられちゃうので、お返しです」

 また胸に顔を埋めて背中に小さな手を回すが、何の計算もなくこのように振る舞っているのなら私とて軽くあしわれるまるで妖怪だ。

 このまま二人でいたいなど、口にするのも憚られるような、叶う当てのない夢物語。

 だがその常識など私が覆す。祖父とは違う。駆け落ちも心中もしない。

 私は公爵のまま、メオを生涯の伴侶としてみせる。

 その想いは真実だと誓えるが、日常も望みも簡単に壊される。

 玉藻前討伐の後も、度重なる妖怪の襲撃を圧倒的な力で駆逐し続けたメオに白羽の矢が立つ。

 帝国軍がメオを従軍させるようにと命じてきたのだ。

 断固として断る。そう何度返事をしても聞き入れられることはなかった。

 こちらとしては直談判も厭わない、望むところだが、ついに参謀総長に招集された。

 帝国軍大元帥は今上帝であるので、実質陸軍最高位の軍人だ。

 そんなことは知るか。しかし呼び出されたとはいえ、メオをこの場に連れて来たのが間違いであった。

「再三お返事している通り、これは我が妻ゆえ。畏れながら公爵夫人が戦に出るなど人道に外れたことだと考えます」

 いっそメオに、ここに列するすべての軍人を討ち取るよう指示すれば、簡単にやってのけたであろう。

「強大な力を水無月公爵家のみで独占すると言うならば、国家に対する反逆と見做さねばなりませんが、如何か」

 どんな軍人よりも強い。確かに私の思い付きを実行すれば、国家転覆も可能である。しかし、そちらが刃を向けさえしなればそのようなつもりは毛頭ないと、いくら説明したところで無駄なことだ。

「エナさん、ぼく行きます」

 板挟みの私を案じ、私の為だと考えれば大嫌いだと言っていた戦争にさえ行くと判断することを、何故予測していなかったのか。

 すべては私の思慮の足りなさが招いたことである。





 どんなに甘く、優しく言ったところで、もう戻らない。

 そうと知っていても、諦めることなどできれば苦労はしない。

「私の魔術師の任を解いたつもりはないのだが」

「申し訳ございません。でも、必ず帰ります」

 同じ帝国軍にいるとはいえ、私とメオでは隊が違うので共にいるわけにもいかない。いや、私が同じ戦場にいればメオは、自分でいうのも情けない話だが私の護衛に専念して戦どころではないであろう。

「修一郎も必ず帰ると言った。戦場ではそのような約束は無意味だ」

 すべて仕組まれているように感じるが、配属早々に戦場に赴くようにとの命令だ。

 後にいう第二次世界大戦の前哨戦ともいわれる戦地である。

 砂利で描かれた静かな水面を眺めれば落ち着くものだが、今は暗闇で何も見えない。ただ紅葉に縁取られた虚無のみが浮かんでいる。

「あの男を斬ってでも、拒否していれば良かった。私が謀叛人ともなれば……罪人の妻をわざわざ側に置きはすまい」

 そして水無月家一族は使用人のひとりに到るまで投獄か路頭に迷うであろう。できもしないことを口にするのは浅はかだが、行うつもりが全くないことは思い付きもしない。

「……エナさんにそんなことはさせません。その前にぼくがコテンパンにやっつけちゃいますよ」

 思ったことがすぐに顔に出る。それは今でも変わらぬが、時折、どこまで本気か、本当は何を考えているのか読み切れないことがある。

 しかしその答えとしては、すべて本気なのだ。メオは決して、大袈裟に言ったり見栄を張ったり、嘘を吐いたりしない。

 別邸の縁側は気を落ち着ける拠り所の筈が、まるで夢と現実とを分ける境目のようにも思えてくる。





 帝国軍の歴代総帥の肖像が並び見下ろす部屋で、メオは与えられた任務を拒絶した。やはり今日もレイピアを担いでおらず、その力をよく知らぬ傍目には丸腰であろう。

「ぼくは、日本を守ることがひいてはエナさんをお守りすることになると思ったので従軍すると決めたんです」

 その任務は、総帥の護衛である。駒のように扱う兵士達が戦うなか、自らは確実に無事でありたい。散々命懸けで護衛されてきた私がいうのも奇妙だが、国民が知ったらどう思うか。

 壁一面に居並ぶ兵士は勝手に声を発しはせぬが、総帥は重厚そうに見せる執務机の向こうで戦慄きながら立ち上がった。

「麗しい公爵のシタでしか啼けぬか、淫乱め」

 私がサーベルに手を掛け、斬りかからんとした身体を見る時にはすでに首から上が吹き飛んでいた。天井で鈍い音を発し、ゴロリと転がる。消し炭にすることもできたであろうに、メオは頭から返り血を浴びて一点を、頭部があった一点を見つめていた。

 怒涛と狂乱の中、メオは数人係りで後ろ手に拘束され、床に平伏す。

「バケモノ!」

「出来損ないの魔術師が!」

 何故だ。メオの力なら、この場の兵すべて同じ屍にすることもできるのに。

 僅かにも抵抗する素振りもせず身動ぎもせずに、そのまま投獄された。

 我ながら愚問を問う。

 メオがあの男を殺したのは私が今にも斬ろうとしたせいであり、おとなしく捕まったのは私に罪が及ばないように身代わりになる為だ。

 そしてもうひとつ、ここまで尽くされながらも。

 妖術に対抗する為に私や他の人間を守る為にではなく初めて人間を殺したメオを目の当たりにした私が、その強大な力に僅かでも一瞬でも怯えたからだ。






 愛する者と共にいることができぬならいっそ邪魔であると考えた公爵位が効いたようで、私は自邸での謹慎のみで一切の咎めも受けずにいた。

 その代わりメオは独房に入れられ処刑は免れられないであろうと、私がどんな反応をするのか興味でもあるのか、わざわざ帝国軍大将が伝えに来た。

 昇進したことを感謝されてもいいと思うのだが。

「氷のプリンスは涙ひとつも見せませんか。大事な魔術師は手足を縛られ、口もきけなくしてあるというのに」

「私の魔術師を見縊るな。手足も口も使えずとも、お前の四肢を捥ぎ取ることすら容易い」

 メオが魔術を使う時、杖も呪文も必要としないことを知る者は皆無に等しい。今更ながらに愕然として確認した独房は蛻の殻であったらしい。

 その後、華族を護衛する専属魔術師制度は廃止となり、魔術の使用そのものが禁じられ、使った者は罰せられることになった。

――わたくしが追い出すって決めてたのに勝手に出て行くなんて、どういうつもりなのかしら。

――芽央ちゃんのことだからヒョコッと帰って来るんじゃない? そんな寂しそうにしないでよー。

――いろはがお茶にお招きしたいと、楽しみにしているわと、お伝えくださる?

――また車に乗せてさしあげたいですね。あまりに大喜びされるものですから。

 私が一度でも愛していると伝えていたのなら、結果は変わっていたのであろうか。

 幼い頃から長年、魔力がないゆえに虐げられ、事情があったにせよ碌に感情を表さぬ私などとの遣り取りですら、師以外と真面な会話をするのは初めてであったと嬉しそうに言っていた。

 そして今度は魔力があるゆえに怖れられ、私の弱さと甘え故に離れ離れになってしまった。

 私のこの生涯で、最も大切にするべきものは何か。

 すべて捨てても、メオの小さな手を取るべきであったと、遅すぎる後悔に毎夜襲われる。

 だからまるで幻聴かと思ったのだ。

 独特なリズムのノックを、夢見るまでに待ち侘びた。

「あなたの魔術師です。拐かされてくださいますか?」





 プリンスの魔術師は出来損ない   


  了




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