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そこからのベアトリーチェの行動は速かった。
この家に用はないとばかりに、自分の荷物を整理すると、残っていた領地の仕事を片付け、今後も領民が困らないようにいくつかの書類を作成し、手を回す。
きっと、17歳の婚約者に捨てられた行き遅れの女など、修道院にいれらるのがおち。
5年間我慢を強いられ、そしてこの先楽しみもなしに窮屈な場所で一生神に祈りを捧げて生きるなど御免だ。
昨日の今日ではまだ父は倒れた義妹の事で頭が一杯だろう。
きっと一日頭を冷やせとでも思っているに決まっている。
仕事が忙しいと自分のことは放置なのにと軋む心に蓋をする。
それがいい機会。
ベアトリーチェはその日の内に、家令に会うと、出来上がった書類の山と共に二つの封筒を取り出し、
「これは、もしものことがあった時に使って。これぐらいしかしてあげれないけれど・・・」
そう言って、しっかりと封をしている封筒を渡す。
中にベアトリーチェが携わるようになった数年間の領地の状況についての資料。
ベアトリーチェが出ていってもしものことがあった時は、これを国に渡せば、きっと父はただではすまないだろう。
けれど、そのかわりにおおくの領民は救われる。
そして、もう一枚は──
「これは、明日の朝、お父様に渡して」
「旦那様にですか? 」
「ええ、大変かもしれないけれど・・・。あとはよろしくね」
「ベアトリーチェお嬢様? 」
1人逃げ出す罪悪感からベアトリーチェは唇を噛み締める。
もっと自分に力がったらなら──、そんな思いが拭えない。
父への別れの手紙を託したベアトリーチェは進むことを決めた。
もう後に戻ることなど出来ない。
ベアトリーチェは家令に別れを告げると、1人簡素な部屋を見渡す。
──あまりないのね・・・
簡単に出来てしまった荷造りは、ベアトリーチェの心をポッカリと空けてしまった。
せめて母の遺品でも持って出ることが出来ればと思うが、ほとんどを父に取り上げられてしまった。
──これだけは持って行こう
生前、母が肌身離さず持っていたペンダントを握りしめる。
ベアトリーチェが一番母を感じられるものだった。
そして早朝の薄暗さがまだ残る時間。
ベアトリーチェはトランク一つを持って家を出た。
使用人の目をどう掻い潜るか悩みどころだったが、屋敷は皆義妹のことばかりで、ベアトリーチェの部屋の周りは驚くほど人気がない。
門番も交代の時間なのか、ベアトリーチェが通る時には誰もいなかった。
ベアトリーチェはこれ幸いと屋敷を出た。
──結局、みんな私のことなんて眼中にないのね・・・
物寂しさを感じながらも、ベアトリーチェは駆けていく。
もう振り返るものかと、決意を込めて──・・・
*
ベアトリーチェは乗合馬車に乗って王都に向かった。
いく当てはある。
母が生前に懇意にしていた子爵夫人がいた。
母が亡くなった時、悲しみに暮れるベアトリーチェに唯一「いつでも頼って」と言ってくれた人だった。
ベアトリーチェがいきなり訪れると、彼女は驚いていたが、事情を説明すれば快く迎え入れてくれた。
「そうなのね。貴方には辛い事だったわね・・・」
母の友人でもあった子爵夫人は親身になってベアトリーチェの話を事細かに聞いてくれた。
ベアトリーチェは久しぶりに触れる優しさに嬉しさが込み上げた。
──これが普通なのよね
そしてあの家の異常さに1人納得する。
「でも、家を出てどうするつもりなの? 」
子爵夫人は両手を摩りながら心配そうに尋ねる。
「私、王都で働こうと思っています」
「働くって・・・行儀見習いって歳でもないし、侍女として働くにしても・・・」
子爵夫人は渋ったように口にする。
きっと17年間働かずにいた令嬢には難しいと思ってのことだろうと、ベアトリーチェは納得する。
「できれば、私の知識を活用できる仕事をしたいのです」
「知識って・・・」
小さな頃からベアトリーチェを知っている子爵夫人は、彼女の思いを理解したのか1人考え込む。
「けれど、独り身の女性が働くのはとても難しいことよ 」
「もう、そんな時代じゃありませんわ。平民の女性の働き口だって最近は増えていると聞きます」
「いえ、世間体の話をしているのではありません。危険性のことを言っているのです。婚姻前の女性を1人で夜会に向かわせないのと同じ話ですよ」
子爵夫人は古典的な考えでベアトリーチェを説得しようと試みていた。
しかし、ベアトリーチェが一歩も譲らない姿勢を見せると、最終的には納得してくれたのか、時間をくれと行き先が決まるまでベアトリーチェが滞在することを許してくれた。
──お父様達は今頃怒っているでしょうね
慌てる父の顔が浮かんだ。
そして、何日も彼女と話し合った数日後。
ついにベアトリーチェの働き口が決まる。
「ここが私の職場ね」
ベアトリーチェは家を出てきた時と同様、トランク一つを持ってやってきたのは、王都の宮廷。
子爵夫人の伝手で、宮廷図書館の職員として働く事が決まった。
子爵夫人に渡された紹介状を持ってベアトリーチェはその門をくぐる。
──ここから私の新しい人生が始まるのね
自分で踏み出した一歩に、ベアトリーチェは心を躍らせていた。
*
「君、すまないが、これを頼む」
上司に言われ、ベアトリーチェは作業をしていた手を止め顔を上げる。
目の前に積まれた本の山は、先程返却されたものだろう。
ベアトリーチェはすぐに立ち上がり、その山を持ち上げる。
──結構重いわね
働いて2ヶ月、少しずつ業務を覚えてきてはいるものの、力仕事などしたことのない彼女には辛い仕事も多い。
それでも弱音は吐いていられない。
ベアトリーチェは、見習いでまだ雑用の多いが、早く一人前になって仕事をこなしたいという欲がある。
家を出て自分で暮らす事を決めたベアトリーチェ。
──もう後戻りは出来ない
後ろ盾も何もなしに生きていくしかない。
父達には自分の居場所は教えていない。
子爵夫人にも口止めをしている。
不安は拭えないが、シリウスと結婚して彼の為に影になり尽くすだけで終わると思っていた人生が彩っているように思える。
もし、今まで学んだことを使いこなせれるようになれば、とその想像は止まらない。
何より、父の感謝もなしにする仕事と違って、自分の仕事の報酬がもらえる生活にやりがいを感じていた。
「古代語、古代語・・・」
ベアトリーチェは呟きながら、本を棚に戻す為に目的の区分を探す。
屋敷の書庫と違って国外の本も集積している宮廷図書館はとても広い。
頭がいいと家庭教師に褒められたベアトリーチェだってなかなか覚えられない程だった。
「古代語はこっちだ」
ベアトリーチェが振り返ると、そこには息を呑むほどに美しい容姿をした男性が優雅に微笑んでいた。
「チェザーレ様」
ベアトリーチェは目を丸め男性──チェザーレを見つめる。
「いつからここに? 」
「ついさっきだ。急遽暇になってな」
チェザーレはそう言うと、ベアトリーチェの持っていた本をひょいと持ち上げた。
彼は、女性にしては背の高いベアトリーチェに比べてもかなり高い。
「私の仕事ですわ」
「なら、令嬢の手伝いをするのが紳士の務めだ」
そう悪戯に笑う彼は、彫刻でも見たことがない程に整っており、シリウスなど比ではない。
ベアトリーチェは最初、その美しさに慄いた程だった。
歪みのない唇に綺麗な二重の藍色の目、堀は深く、男らしい鼻筋はなんとも言えない色気を放っていた。
なのに、顔に威圧感はなくどこか中性的で、体も細身ながら鍛えられているのが分かり、全てが芸術品そのもの。
「ほら、こっちだ」
心地よい低音でチェザーレが囁く。
ベアトリーチェはそれ真っ赤にして頷いた。
ベアトリーチェがここに来た日から彼はとても目立っていた。
王宮騎士のような服装をした彼は、本を一冊手に取って窓際に座っていた。
陽の光を浴びて外を眺めながら読書をする彼は、宗教画のようで神々しく、その空間に誰も踏み入れることなどできなかった。
そんな彼がベアトリーチェに声をかけてきたのは、働き始めて1週間もしない日のことだった。
『どうかされたか?』
迷子になりかけていたベアトリーチェに彼は手を差し出してくれた。
それがきっかけでベアトリーチェとチェザーレとの親交が始まった。
なんでも彼はベアトリーチェに劣らない本好きのようで、暇さえあればこうやって図書館に出入りしている。
そして、最近はベアトリーチェを見つけると必ず声をかけてくれるようになった。
彼の話ぶりは品だけでなく、知性が感じられ、ベアトリーチェに新しい世界を見せてくれる。
退屈だったシリウスの会話と違って、チェザーレとの時間は、心細いベアトリーチェにとって大切なものになりつつあった。
この家に用はないとばかりに、自分の荷物を整理すると、残っていた領地の仕事を片付け、今後も領民が困らないようにいくつかの書類を作成し、手を回す。
きっと、17歳の婚約者に捨てられた行き遅れの女など、修道院にいれらるのがおち。
5年間我慢を強いられ、そしてこの先楽しみもなしに窮屈な場所で一生神に祈りを捧げて生きるなど御免だ。
昨日の今日ではまだ父は倒れた義妹の事で頭が一杯だろう。
きっと一日頭を冷やせとでも思っているに決まっている。
仕事が忙しいと自分のことは放置なのにと軋む心に蓋をする。
それがいい機会。
ベアトリーチェはその日の内に、家令に会うと、出来上がった書類の山と共に二つの封筒を取り出し、
「これは、もしものことがあった時に使って。これぐらいしかしてあげれないけれど・・・」
そう言って、しっかりと封をしている封筒を渡す。
中にベアトリーチェが携わるようになった数年間の領地の状況についての資料。
ベアトリーチェが出ていってもしものことがあった時は、これを国に渡せば、きっと父はただではすまないだろう。
けれど、そのかわりにおおくの領民は救われる。
そして、もう一枚は──
「これは、明日の朝、お父様に渡して」
「旦那様にですか? 」
「ええ、大変かもしれないけれど・・・。あとはよろしくね」
「ベアトリーチェお嬢様? 」
1人逃げ出す罪悪感からベアトリーチェは唇を噛み締める。
もっと自分に力がったらなら──、そんな思いが拭えない。
父への別れの手紙を託したベアトリーチェは進むことを決めた。
もう後に戻ることなど出来ない。
ベアトリーチェは家令に別れを告げると、1人簡素な部屋を見渡す。
──あまりないのね・・・
簡単に出来てしまった荷造りは、ベアトリーチェの心をポッカリと空けてしまった。
せめて母の遺品でも持って出ることが出来ればと思うが、ほとんどを父に取り上げられてしまった。
──これだけは持って行こう
生前、母が肌身離さず持っていたペンダントを握りしめる。
ベアトリーチェが一番母を感じられるものだった。
そして早朝の薄暗さがまだ残る時間。
ベアトリーチェはトランク一つを持って家を出た。
使用人の目をどう掻い潜るか悩みどころだったが、屋敷は皆義妹のことばかりで、ベアトリーチェの部屋の周りは驚くほど人気がない。
門番も交代の時間なのか、ベアトリーチェが通る時には誰もいなかった。
ベアトリーチェはこれ幸いと屋敷を出た。
──結局、みんな私のことなんて眼中にないのね・・・
物寂しさを感じながらも、ベアトリーチェは駆けていく。
もう振り返るものかと、決意を込めて──・・・
*
ベアトリーチェは乗合馬車に乗って王都に向かった。
いく当てはある。
母が生前に懇意にしていた子爵夫人がいた。
母が亡くなった時、悲しみに暮れるベアトリーチェに唯一「いつでも頼って」と言ってくれた人だった。
ベアトリーチェがいきなり訪れると、彼女は驚いていたが、事情を説明すれば快く迎え入れてくれた。
「そうなのね。貴方には辛い事だったわね・・・」
母の友人でもあった子爵夫人は親身になってベアトリーチェの話を事細かに聞いてくれた。
ベアトリーチェは久しぶりに触れる優しさに嬉しさが込み上げた。
──これが普通なのよね
そしてあの家の異常さに1人納得する。
「でも、家を出てどうするつもりなの? 」
子爵夫人は両手を摩りながら心配そうに尋ねる。
「私、王都で働こうと思っています」
「働くって・・・行儀見習いって歳でもないし、侍女として働くにしても・・・」
子爵夫人は渋ったように口にする。
きっと17年間働かずにいた令嬢には難しいと思ってのことだろうと、ベアトリーチェは納得する。
「できれば、私の知識を活用できる仕事をしたいのです」
「知識って・・・」
小さな頃からベアトリーチェを知っている子爵夫人は、彼女の思いを理解したのか1人考え込む。
「けれど、独り身の女性が働くのはとても難しいことよ 」
「もう、そんな時代じゃありませんわ。平民の女性の働き口だって最近は増えていると聞きます」
「いえ、世間体の話をしているのではありません。危険性のことを言っているのです。婚姻前の女性を1人で夜会に向かわせないのと同じ話ですよ」
子爵夫人は古典的な考えでベアトリーチェを説得しようと試みていた。
しかし、ベアトリーチェが一歩も譲らない姿勢を見せると、最終的には納得してくれたのか、時間をくれと行き先が決まるまでベアトリーチェが滞在することを許してくれた。
──お父様達は今頃怒っているでしょうね
慌てる父の顔が浮かんだ。
そして、何日も彼女と話し合った数日後。
ついにベアトリーチェの働き口が決まる。
「ここが私の職場ね」
ベアトリーチェは家を出てきた時と同様、トランク一つを持ってやってきたのは、王都の宮廷。
子爵夫人の伝手で、宮廷図書館の職員として働く事が決まった。
子爵夫人に渡された紹介状を持ってベアトリーチェはその門をくぐる。
──ここから私の新しい人生が始まるのね
自分で踏み出した一歩に、ベアトリーチェは心を躍らせていた。
*
「君、すまないが、これを頼む」
上司に言われ、ベアトリーチェは作業をしていた手を止め顔を上げる。
目の前に積まれた本の山は、先程返却されたものだろう。
ベアトリーチェはすぐに立ち上がり、その山を持ち上げる。
──結構重いわね
働いて2ヶ月、少しずつ業務を覚えてきてはいるものの、力仕事などしたことのない彼女には辛い仕事も多い。
それでも弱音は吐いていられない。
ベアトリーチェは、見習いでまだ雑用の多いが、早く一人前になって仕事をこなしたいという欲がある。
家を出て自分で暮らす事を決めたベアトリーチェ。
──もう後戻りは出来ない
後ろ盾も何もなしに生きていくしかない。
父達には自分の居場所は教えていない。
子爵夫人にも口止めをしている。
不安は拭えないが、シリウスと結婚して彼の為に影になり尽くすだけで終わると思っていた人生が彩っているように思える。
もし、今まで学んだことを使いこなせれるようになれば、とその想像は止まらない。
何より、父の感謝もなしにする仕事と違って、自分の仕事の報酬がもらえる生活にやりがいを感じていた。
「古代語、古代語・・・」
ベアトリーチェは呟きながら、本を棚に戻す為に目的の区分を探す。
屋敷の書庫と違って国外の本も集積している宮廷図書館はとても広い。
頭がいいと家庭教師に褒められたベアトリーチェだってなかなか覚えられない程だった。
「古代語はこっちだ」
ベアトリーチェが振り返ると、そこには息を呑むほどに美しい容姿をした男性が優雅に微笑んでいた。
「チェザーレ様」
ベアトリーチェは目を丸め男性──チェザーレを見つめる。
「いつからここに? 」
「ついさっきだ。急遽暇になってな」
チェザーレはそう言うと、ベアトリーチェの持っていた本をひょいと持ち上げた。
彼は、女性にしては背の高いベアトリーチェに比べてもかなり高い。
「私の仕事ですわ」
「なら、令嬢の手伝いをするのが紳士の務めだ」
そう悪戯に笑う彼は、彫刻でも見たことがない程に整っており、シリウスなど比ではない。
ベアトリーチェは最初、その美しさに慄いた程だった。
歪みのない唇に綺麗な二重の藍色の目、堀は深く、男らしい鼻筋はなんとも言えない色気を放っていた。
なのに、顔に威圧感はなくどこか中性的で、体も細身ながら鍛えられているのが分かり、全てが芸術品そのもの。
「ほら、こっちだ」
心地よい低音でチェザーレが囁く。
ベアトリーチェはそれ真っ赤にして頷いた。
ベアトリーチェがここに来た日から彼はとても目立っていた。
王宮騎士のような服装をした彼は、本を一冊手に取って窓際に座っていた。
陽の光を浴びて外を眺めながら読書をする彼は、宗教画のようで神々しく、その空間に誰も踏み入れることなどできなかった。
そんな彼がベアトリーチェに声をかけてきたのは、働き始めて1週間もしない日のことだった。
『どうかされたか?』
迷子になりかけていたベアトリーチェに彼は手を差し出してくれた。
それがきっかけでベアトリーチェとチェザーレとの親交が始まった。
なんでも彼はベアトリーチェに劣らない本好きのようで、暇さえあればこうやって図書館に出入りしている。
そして、最近はベアトリーチェを見つけると必ず声をかけてくれるようになった。
彼の話ぶりは品だけでなく、知性が感じられ、ベアトリーチェに新しい世界を見せてくれる。
退屈だったシリウスの会話と違って、チェザーレとの時間は、心細いベアトリーチェにとって大切なものになりつつあった。
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