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ウィンターとスプリング
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あれはいつだっただろうか?
オータムの妹ビューティベルが元気だった頃だ。
俺、ウィンターはスプリングが好きだった。
サマーは熱い性格で、スプリングに情熱的な愛を囁き、てっきりサマーとスプリングがくっつくものだと思っていた。
俺は想いをうまく伝えられる性格ではなかった。
どこか冷めていて、スプリングのかよわさ、暖かさに惹かれるのはその冷めた性格のせいだと思っていた。
スプリングは守ってあげたくなるような女だから。
そんな時だった。
オータムの妹ベルから、スプリングの気持ちを聞いたのは。
「ウィンター?スプリングがウィンターのこと好きだって!ウィンターもそうでしょ?」
明るく笑うベルが俺たちの恋のキューピッドだった。
「ただこのことは3人だけの秘密ね?お兄ちゃんにも言ってないの!サマーにも言ってない。」
秘密か。
明るく笑うベルはもういない。
どこかで歯車が狂ったのだ。
(スプリング、、、。愛している。)
心の中では言えるのに。
ウィンターはサターンの命により今日あたしを抱く。
その瞬間が刻一刻と近づいていた。
*
「ウィンター!!」
向こうから無邪気に笑って走ってくるのはスプリングだ。
そんな姿も可愛いと思う。
息を切らせてスプリングは聞く。
「サターン様に何か言われた?」
一瞬戸惑って、ウィンターは息を飲む。
「別に。ただの雑用だよ。ちょっと頼まれ事をされたんだ。」
嘘は言っていない。
「ふーん。そう。」
スプリングは無邪気に笑う。
言うべきだろうか?
アースに気持ちなんて微塵もない。
後から知ってしまうよりいいかもしれない。
「実は、、、」
すると。
ウーウーウー。
『敵襲!!総員直ちに持ち場へ!!』
サイレンが鳴り出した。
「大変!!太陽系銀河のやつらね?サターン様が怒るわ。あたし行ってくる!!」
「待て!俺も行く!」
ウィンターはスプリングの力では押さえられないことを分かっていた。
*
「何?!」
あたしは鳴り響くサイレンの音にびっくりした。
(まさか!?プルートたち?)
*
「やっぱりスプリングの結界は弱いわね?」
サターンは不気味に笑う。
「オータム。スプリングとウィンターはもう向かっているようね?多分プルートね。サマーを連れて応戦しなさい?スプリングとウィンターはもう向かっているみたいだから。」
「はっ!!」
秋時が答えると、サターンはイライラしながら秋時を見る。
「敬語で話さない約束よ?アースに見せつけるんだから。」
「分かったよ。」
秋時のトーンは低い。
「何か文句がありそうね?」
「そんなことねーよ。」
「なら早く行きなさい!!」
「分かったよ。」
*
「何が起きてるのかしら。多分プルートたちが来たんだわ。」
しかしあたしの部屋は窓もない。
何が起きてるのかわからない。
あたしはプルートたちが心配でならなかった。
*
「アースを返してもらいにきたわ。」
激しい爆風の中から、プルート、ウラヌス、ネプチューンが現れた。
「さすが太陽系銀河3戦士ね?あたしの結界をいともカンタンに吹き飛ばすなんて。」
スプリングは冷静を装うが、動揺していた。
「ジュピター、マーズ、マーキュリー、ビーナスに眠り粉を吸わせたのは、サマー?あなた?」
プルートの問いにサマーは一歩後ずさる。
「あなたたちじゃ、わたくしたちには勝てないのは分かっているようね?アースはどこ?」
サマー、スプリング、ウィンターは答えない。
いや、プルートの威圧感に身動きが取れないのだ。
「わたくしたちはアースさえ返してくれれば帰るわ。無意味な戦いは避けたいでしょう?」
サマー、スプリング、ウィンターだってそうしたいと思っている。
でも。
「サターン様の命には逆らえない!!」
サマーが袋から何かを出そうとした。
*
「ウォーターサイクロン!!」
サマーが袋から出した粉はジュピター、マーキュリー、マーズ、ビーナスを眠らせた眠り粉だった。
ネプチューンの水の魔法で弾き飛ばされ泥となって下に落ちた。
「そうそう同じ手には引っかからないわよ?」
ネプチューンは言った。
「ジュピターたちを起こすための薬ももらわないとな?」
ウラヌスも言う。
「ウィンター!!スプリングを連れて逃げろ!ここは俺が、、、」
サマーはそういうが、スプリングはうなだれながら言った。
「あたしたちに逃げ場なんてない。サターン様に殺されるだけだわ。」
「スプリング、、、。」
ウィンターはつぶやく。
「さあ!アースの居場所を教えなさい?サターンはわたくしたちがどうにかしますから。悪いようにはしません。」
プルートがそう言った時、閃光が走った。
「遅くなった。」
秋時だった。
オータムの妹ビューティベルが元気だった頃だ。
俺、ウィンターはスプリングが好きだった。
サマーは熱い性格で、スプリングに情熱的な愛を囁き、てっきりサマーとスプリングがくっつくものだと思っていた。
俺は想いをうまく伝えられる性格ではなかった。
どこか冷めていて、スプリングのかよわさ、暖かさに惹かれるのはその冷めた性格のせいだと思っていた。
スプリングは守ってあげたくなるような女だから。
そんな時だった。
オータムの妹ベルから、スプリングの気持ちを聞いたのは。
「ウィンター?スプリングがウィンターのこと好きだって!ウィンターもそうでしょ?」
明るく笑うベルが俺たちの恋のキューピッドだった。
「ただこのことは3人だけの秘密ね?お兄ちゃんにも言ってないの!サマーにも言ってない。」
秘密か。
明るく笑うベルはもういない。
どこかで歯車が狂ったのだ。
(スプリング、、、。愛している。)
心の中では言えるのに。
ウィンターはサターンの命により今日あたしを抱く。
その瞬間が刻一刻と近づいていた。
*
「ウィンター!!」
向こうから無邪気に笑って走ってくるのはスプリングだ。
そんな姿も可愛いと思う。
息を切らせてスプリングは聞く。
「サターン様に何か言われた?」
一瞬戸惑って、ウィンターは息を飲む。
「別に。ただの雑用だよ。ちょっと頼まれ事をされたんだ。」
嘘は言っていない。
「ふーん。そう。」
スプリングは無邪気に笑う。
言うべきだろうか?
アースに気持ちなんて微塵もない。
後から知ってしまうよりいいかもしれない。
「実は、、、」
すると。
ウーウーウー。
『敵襲!!総員直ちに持ち場へ!!』
サイレンが鳴り出した。
「大変!!太陽系銀河のやつらね?サターン様が怒るわ。あたし行ってくる!!」
「待て!俺も行く!」
ウィンターはスプリングの力では押さえられないことを分かっていた。
*
「何?!」
あたしは鳴り響くサイレンの音にびっくりした。
(まさか!?プルートたち?)
*
「やっぱりスプリングの結界は弱いわね?」
サターンは不気味に笑う。
「オータム。スプリングとウィンターはもう向かっているようね?多分プルートね。サマーを連れて応戦しなさい?スプリングとウィンターはもう向かっているみたいだから。」
「はっ!!」
秋時が答えると、サターンはイライラしながら秋時を見る。
「敬語で話さない約束よ?アースに見せつけるんだから。」
「分かったよ。」
秋時のトーンは低い。
「何か文句がありそうね?」
「そんなことねーよ。」
「なら早く行きなさい!!」
「分かったよ。」
*
「何が起きてるのかしら。多分プルートたちが来たんだわ。」
しかしあたしの部屋は窓もない。
何が起きてるのかわからない。
あたしはプルートたちが心配でならなかった。
*
「アースを返してもらいにきたわ。」
激しい爆風の中から、プルート、ウラヌス、ネプチューンが現れた。
「さすが太陽系銀河3戦士ね?あたしの結界をいともカンタンに吹き飛ばすなんて。」
スプリングは冷静を装うが、動揺していた。
「ジュピター、マーズ、マーキュリー、ビーナスに眠り粉を吸わせたのは、サマー?あなた?」
プルートの問いにサマーは一歩後ずさる。
「あなたたちじゃ、わたくしたちには勝てないのは分かっているようね?アースはどこ?」
サマー、スプリング、ウィンターは答えない。
いや、プルートの威圧感に身動きが取れないのだ。
「わたくしたちはアースさえ返してくれれば帰るわ。無意味な戦いは避けたいでしょう?」
サマー、スプリング、ウィンターだってそうしたいと思っている。
でも。
「サターン様の命には逆らえない!!」
サマーが袋から何かを出そうとした。
*
「ウォーターサイクロン!!」
サマーが袋から出した粉はジュピター、マーキュリー、マーズ、ビーナスを眠らせた眠り粉だった。
ネプチューンの水の魔法で弾き飛ばされ泥となって下に落ちた。
「そうそう同じ手には引っかからないわよ?」
ネプチューンは言った。
「ジュピターたちを起こすための薬ももらわないとな?」
ウラヌスも言う。
「ウィンター!!スプリングを連れて逃げろ!ここは俺が、、、」
サマーはそういうが、スプリングはうなだれながら言った。
「あたしたちに逃げ場なんてない。サターン様に殺されるだけだわ。」
「スプリング、、、。」
ウィンターはつぶやく。
「さあ!アースの居場所を教えなさい?サターンはわたくしたちがどうにかしますから。悪いようにはしません。」
プルートがそう言った時、閃光が走った。
「遅くなった。」
秋時だった。
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