57 / 182
カーキ=ツバタ王国編
だからビキニアーマーなのか
しおりを挟む
翌朝、エルザ女王に昨夜の出来事を話した。もちろん手紙のことは伏せてだ。
時もほぼ1年経ったことと、その間に何も起きなかった事もあったので、ようやく森に帰る事を許してくれた。
じつはカーキ=ツバタ周辺の森と本体は繋がっているから、意識体だけならしょっちゅう戻っていたのだが、わりと催物に出席するように呼ばれるので、落ち着いて森を視て回ることができなかったのだ。
そのうえ、ペッターが何故が躯体壱号と弐号を解体してしまったので、さらに分からなくなってしまったのだ。
まあアディがいるから大丈夫だと思うが、やはり自分の森は、自力で護りたい。
国を護った英雄として盛大に送り出すという話があったらしいが、早く戻りたかったので、まだ居ると皆に思わせた方が良いと提案し、それなら専用の部屋で瞑想していることにしましょう、ということで落ち着いた。
オレは早速、旅人姿でカーキ=ツバタをあとにした。
この1年で森とカーキ=ツバタを繋ぐ街道はずいぶんと整備された。道幅は広くなり荷馬車が楽々とすれ違う事が出来るようになり、等間隔に木を植えて木陰を作り旅人が休みやすくなったのと、正確な距離が分かるようになった。
クワハラがメートル法と太陽暦を採用してくれたので、オレも細かいところが正確に分かるようになって助かる。
2時間ほど歩いて振り向くと、華やかな城壁がまだ見える。
1年も住んでいると、それなりに愛着もわいていたが、それでも森に帰りたい気持ちの方が強い。
オレの故郷は、もうあの森なんだな。
途中で、カーキ=ツバタ発の四頭立ての大型馬車に追い付かれた。世界樹の森行きだというので乗せてもらうことにする。
モーリからの依頼で、カーキ=ツバタ王国としての大使館、いや領事館的なものとして使うらしい。
「クッキーさん、御無沙汰です。馬車と一緒とは思いませんでしたよ」
さすが4頭立て、あっという間に帰ることができた。モーリに事情を説明して、ちゃんと帰ってきたことを伝えた。
「そうですか。ではあらためて、これからよろしくお願いいたします」
「早速だけど現状はどうなっているだい? とくにここ3ヶ月はほとんど見回れなかったから、そのあたりを知りたい」
「森には大きな変化はありません。この1年、クッキーさんとユーリさんに案内してもらって、森の中と外周りと位置がだいたい分かりましたので、こういう計画を考えてみたんです」
モーリが住み処として使っていた荷馬車から、大きな紙を持ってこようとしたが、新しく来た重荷馬車への引っ越しを先にやらないと、持ってきた連中が帰れないから少し待ってくれと言われた。
それなら先にユーリ達に会いに行くことにして、森の奥に進んだ。
時もほぼ1年経ったことと、その間に何も起きなかった事もあったので、ようやく森に帰る事を許してくれた。
じつはカーキ=ツバタ周辺の森と本体は繋がっているから、意識体だけならしょっちゅう戻っていたのだが、わりと催物に出席するように呼ばれるので、落ち着いて森を視て回ることができなかったのだ。
そのうえ、ペッターが何故が躯体壱号と弐号を解体してしまったので、さらに分からなくなってしまったのだ。
まあアディがいるから大丈夫だと思うが、やはり自分の森は、自力で護りたい。
国を護った英雄として盛大に送り出すという話があったらしいが、早く戻りたかったので、まだ居ると皆に思わせた方が良いと提案し、それなら専用の部屋で瞑想していることにしましょう、ということで落ち着いた。
オレは早速、旅人姿でカーキ=ツバタをあとにした。
この1年で森とカーキ=ツバタを繋ぐ街道はずいぶんと整備された。道幅は広くなり荷馬車が楽々とすれ違う事が出来るようになり、等間隔に木を植えて木陰を作り旅人が休みやすくなったのと、正確な距離が分かるようになった。
クワハラがメートル法と太陽暦を採用してくれたので、オレも細かいところが正確に分かるようになって助かる。
2時間ほど歩いて振り向くと、華やかな城壁がまだ見える。
1年も住んでいると、それなりに愛着もわいていたが、それでも森に帰りたい気持ちの方が強い。
オレの故郷は、もうあの森なんだな。
途中で、カーキ=ツバタ発の四頭立ての大型馬車に追い付かれた。世界樹の森行きだというので乗せてもらうことにする。
モーリからの依頼で、カーキ=ツバタ王国としての大使館、いや領事館的なものとして使うらしい。
「クッキーさん、御無沙汰です。馬車と一緒とは思いませんでしたよ」
さすが4頭立て、あっという間に帰ることができた。モーリに事情を説明して、ちゃんと帰ってきたことを伝えた。
「そうですか。ではあらためて、これからよろしくお願いいたします」
「早速だけど現状はどうなっているだい? とくにここ3ヶ月はほとんど見回れなかったから、そのあたりを知りたい」
「森には大きな変化はありません。この1年、クッキーさんとユーリさんに案内してもらって、森の中と外周りと位置がだいたい分かりましたので、こういう計画を考えてみたんです」
モーリが住み処として使っていた荷馬車から、大きな紙を持ってこようとしたが、新しく来た重荷馬車への引っ越しを先にやらないと、持ってきた連中が帰れないから少し待ってくれと言われた。
それなら先にユーリ達に会いに行くことにして、森の奥に進んだ。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
あ、出ていって差し上げましょうか?許可してくださるなら喜んで出ていきますわ!
リーゼロッタ
ファンタジー
生まれてすぐ、国からの命令で神殿へ取られ十二年間。
聖女として真面目に働いてきたけれど、ある日婚約者でありこの国の王子は爆弾発言をする。
「お前は本当の聖女ではなかった!笑わないお前など、聖女足り得ない!本来の聖女は、このマルセリナだ。」
裏方の聖女としてそこから三年間働いたけれど、また王子はこう言う。
「この度の大火、それから天変地異は、お前がマルセリナの祈りを邪魔したせいだ!出ていけ!二度と帰ってくるな!」
あ、そうですか?許可が降りましたわ!やった!
、、、ただし責任は取っていただきますわよ?
◆◇◆◇◆◇
誤字・脱字等のご指摘・感想・お気に入り・しおり等をくださると、作者が喜びます。
100話以内で終わらせる予定ですが、分かりません。あくまで予定です。
更新は、夕方から夜、もしくは朝七時ごろが多いと思います。割と忙しいので。
また、更新は亀ではなくカタツムリレベルのトロさですので、ご承知おきください。
更新停止なども長期の期間に渡ってあることもありますが、お許しください。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
7個のチート能力は貰いますが、6個は別に必要ありません
ひむよ
ファンタジー
「お詫びとしてどんな力でも与えてやろう」
目が覚めると目の前のおっさんにいきなりそんな言葉をかけられた藤城 皐月。
この言葉の意味を説明され、結果皐月は7個の能力を手に入れた。
だが、皐月にとってはこの内6個はおまけに過ぎない。皐月にとって最も必要なのは自分で考えたスキルだけだ。
だが、皐月は貰えるものはもらうという精神一応7個貰った。
そんな皐月が異世界を安全に楽しむ物語。
人気ランキング2位に載っていました。
hotランキング1位に載っていました。
ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる