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カーキ=ツバタ王国編

その3

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 クワハラの記録は検証する必要があるな。じっくりと読まさせてもらおう。

オレは、城壁外の本体から地下茎を伸ばし、部屋の外まで延ばすと掴み、記録をパラパラと流し見て、根から伝達させ本体にすべて記録させた。

これでいちいち閲覧を頼まなくてもよくなったな。

 オレの転生の理由は分からないが、とりあえずアディの言う通り森を拡げてみよう。そのうち何か分かるかもしれない。
そういう意味では、カーキ=ツバタ王国にこのまま森を残して欲しいというエルザ女王の頼みは、利害一致して助かる。

おそらくこれから先、自然対文明のぶつかり合いが予想される。
この国への対応が前例になると、この先お互いに助かるな。

ここまで考えた時に、ノックがした。どうぞと促すと、ユーリが入ってきた。

「クッキー、東の村への調査だが、いちおう終わった。やはりモーリの言ったとおり全滅だったよ」

「そうか。衛兵達は?」

「トテップ族が掘ったという地下道を、埋める作業をしている。[大地の嘲笑い]まで半分のところまで埋めたから、もう王国への脅威は去ったとみていいだろう」

「……カイマには会えたかい」

「いや……」

ユーリは少しうつ向く。

「なら、帰ろうか」

ユーリは無言のまま頷いたので、オレはエルザ女王に森に帰ると伝えた。女王は滞在を願ったが、あまり留守をするわけにはいかない事を伝えるが、そこをなんとかと渋られる。

どうしようかと思案しているところに、アディが精霊体でやってきた。
オレに憑依すると、一気にまくし立てる。

「クッキー、ねえ、聞いて聞いてよ、ペッターのヤツ、アタシの新しい躯体、なかなか造らないのよ、だから早くやれって言ったら、そのビキニアーマーってヤツを持ってきたら造ってやるなんて言うのよ、なんなのよアイツ、ハーフドワーフのくせに精霊に怒鳴るのよ、ねえ、聞いてる、クッキー、ねえってばあ」

憑依されているので、耳をふさぐことも出来ない。

オレはダメ元で、エルザ女王にビキニアーマーを一式譲ってくれないかと言ってみる。そえしたらトテップ族の脅威が無くなる1年後まで滞在するならという条件でならと言われた。

意外だった。当然断られると思ったし、それを理由に帰るつもりだったからだ。

しょうがない、昼間だけ様子を見に森に帰ってもいいならという条件をこちらからもつけて、お互い承諾する。

アディはそれを聞くと、ペッターに伝えるためかさっさと帰っていった。事のなり行きをユーリに伝えると、それなら私が持っていこうと引き受けてくれた。

譲り受けたビキニアーマーは、エルザ女王が使用していたものだった。
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