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カーキ=ツバタ王国編
その2
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「ここに忍び込んだということは、何かを取る為か、暗殺か、情報を得る為かのどれかだろう。物を取るならこの部屋じゃない、暗殺なら人質をとって逃げ出しはしない。ということは、情報が狙いなんだろ」
「……」
「取り引きしようじゃないか、人質を離すのなら訊きたい情報を話そう」
(ちょっとクッキー、手出ししないって言っといて何勝手に話してんのよ)
(ここまでだよ、後はエルザ女王に任せる)
オレは相手の反応をうかがいながら、アンナ王女を隙あらば助けようという姿勢をとる。アディを抑えながら。
背後にいるであろうユーリも同じ姿勢だろう。
「密入国、不法侵入、拉致、誘拐未遂、王族への不敬罪」
エルザ女王が静かに黒マントに語りかける。
「この国においてのあなたには、それだけの罪があります。しかし世界樹様の提案を受け入れるのなら、あなたを他国からの交渉相手とみなしそれらを不問にします。如何かしら」
「……いいだろう、ただしこの娘はこのまま預からせてもらう。交渉が終わり、我が無事帰るまでな」
「よろしいでしょう。ではまず名前と所属と立場、それから目的を教えてもらえるかしら」
「名前は好きに呼べばいい、いや、さっきカイマと言ってたな、ならそれでいい。トテップ族のカイマだ」
「トテップ族とは聞いたことありませんが」
「お前達地上の民がいう闇地底の民の者だよ」
(やはりトテップ族か、ペッターに聞いといてよかった)
(なに、あのハーフドワーフ、アイツ等のこと知ってんの)
(知識としてな。そういやアディはなんで怪しいと思って椅子を投げたんだ)
(クッキーに言われて探ってみたら、魔力を使っている感じがあったの。たぶん目隠しと気配消しね。使う魔法が多かったり大きかったりすると、その分魔力が強くなるから気がついたの)
つまりあのカイマは魔法を使えるということか。対魔法の対処は出来ないから、出し抜かれるかもしれない。アディにそのあたりを気をつけるように伝えた。
「ではカイマ殿、侵入の目的はなんでしょう」
「そこの男の言う通りだよ。情報目的だ。当然だろう、突然国を覆うほどの森が一晩で現れたのだ、調べたくなるのは当然だろう。まさか世界樹が関係しているとは思わなかったがな」
「ダークボトムズのトテップ族のあなた、カイマ殿を代表として認めます。今回の襲撃はトテップ族としてですか、それともダークボトムズとしての行為ですか」
「おっと、質問が多すぎるな。こちらからも訊きたいことがある。今度はこちらの番だ、すでに2つ答えているのだから、こちらも2つ答えてもらう」
「貴様、そんなことを言える立場か」
「言える立場さ、この娘がいるうちはな」
ゾフィ隊長の言葉に挑発的に答えたカイマは、エルザ女王に目を向ける。
「いいでしょう、なにを知りたいのです」
「……」
「取り引きしようじゃないか、人質を離すのなら訊きたい情報を話そう」
(ちょっとクッキー、手出ししないって言っといて何勝手に話してんのよ)
(ここまでだよ、後はエルザ女王に任せる)
オレは相手の反応をうかがいながら、アンナ王女を隙あらば助けようという姿勢をとる。アディを抑えながら。
背後にいるであろうユーリも同じ姿勢だろう。
「密入国、不法侵入、拉致、誘拐未遂、王族への不敬罪」
エルザ女王が静かに黒マントに語りかける。
「この国においてのあなたには、それだけの罪があります。しかし世界樹様の提案を受け入れるのなら、あなたを他国からの交渉相手とみなしそれらを不問にします。如何かしら」
「……いいだろう、ただしこの娘はこのまま預からせてもらう。交渉が終わり、我が無事帰るまでな」
「よろしいでしょう。ではまず名前と所属と立場、それから目的を教えてもらえるかしら」
「名前は好きに呼べばいい、いや、さっきカイマと言ってたな、ならそれでいい。トテップ族のカイマだ」
「トテップ族とは聞いたことありませんが」
「お前達地上の民がいう闇地底の民の者だよ」
(やはりトテップ族か、ペッターに聞いといてよかった)
(なに、あのハーフドワーフ、アイツ等のこと知ってんの)
(知識としてな。そういやアディはなんで怪しいと思って椅子を投げたんだ)
(クッキーに言われて探ってみたら、魔力を使っている感じがあったの。たぶん目隠しと気配消しね。使う魔法が多かったり大きかったりすると、その分魔力が強くなるから気がついたの)
つまりあのカイマは魔法を使えるということか。対魔法の対処は出来ないから、出し抜かれるかもしれない。アディにそのあたりを気をつけるように伝えた。
「ではカイマ殿、侵入の目的はなんでしょう」
「そこの男の言う通りだよ。情報目的だ。当然だろう、突然国を覆うほどの森が一晩で現れたのだ、調べたくなるのは当然だろう。まさか世界樹が関係しているとは思わなかったがな」
「ダークボトムズのトテップ族のあなた、カイマ殿を代表として認めます。今回の襲撃はトテップ族としてですか、それともダークボトムズとしての行為ですか」
「おっと、質問が多すぎるな。こちらからも訊きたいことがある。今度はこちらの番だ、すでに2つ答えているのだから、こちらも2つ答えてもらう」
「貴様、そんなことを言える立場か」
「言える立場さ、この娘がいるうちはな」
ゾフィ隊長の言葉に挑発的に答えたカイマは、エルザ女王に目を向ける。
「いいでしょう、なにを知りたいのです」
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