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カーキ=ツバタ王国編

その8

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 アディとゾフィ隊長が言い争っているそばで、アンナ王女が落ち着くように言っている。
ユーリは入り口側の壁に腕組みしながら背もたれして、やれやれという感じでそれを観ていた。

先に入っていた侍従長は、侍女達に話を訊いていていて、後から入ってきたモーリは呆れている。

オレはユーリに何があったのか訊ねる。

「まあくだらぬ事でな。一昨日の戦いの時、アディがカイマに襲われたろう、その時怖くて逃げ出したのを死んだと衛兵達に思われて、それを又聞きしたゾフィが敵討ち的な気持ちで戦っていたら、生きていたのでアディに噛みついてきてな、アディにしてみたら言いがかりなので、ああいう状態になったわけだ」

説明を聞いてオレも呆れたが、おかげでゾフィ隊長とユーリの言葉のバグも取り除けたな。

いつまでも続きそうな言い争いが、だんだんヒートアップしてきた。そろそろヤバいのではないかと思い始めた時、

「ウオッホン」

威厳と不機嫌が入り雑じった咳ばらいが部屋に響き、侍従長がゾフィ隊長を睨み付け嗜める。

「ゾフィ親衛隊長、女王陛下を待たせているのではありませぬか」

その言葉にゾフィ隊長は我に返った。オレもアディのそばに寄りなだめる。
最初は不機嫌だったが、ペッターに新しい躯体を造ってもらうからと言って、ようやく機嫌をなおらせた。

やれやれ、オレの体がまた減るな。文字通り身を削る行為だ。



 ゾフィ隊長がアンナ王女に、先に行ってすぐに行くと伝えるように言い、オレ達はゾフィ隊長の案内のもと、エルザ女王の待つ部屋へと向かう。
侍従長と侍女達、それにモーリとはここで別れた。

「ねえユーリ、なんでクッキーと腕組んでるのよ」

「うふん、クッキーが珍しく晴れ晴れとした格好をしているから、花を添えてやろうと思ってな」

普段ユーリは、こんなこと言う性格キャラじゃないのに、珍しいことを言う。ユーリも自分の格好に酔いしれているのかな。

「ずるーい、じゃあアタシも」

空いていた右腕にアディが組んできた。

右に白金髪プラチナのスレンダー美女に、左には金髪ブロンドのナイスバディ美女。
どちらも身体のラインがキレイに出るドレスを着ている。

これから夜会に出るというのなら、有頂天になるところなんだが、生憎と向かうのはエルザ女王との今後の話し合いだ。
不謹慎に思われないかと、ヒヤヒヤしているというのが本音だな。

会見の部屋に着くと、2人に離れるように言い、身だしなみをあらためて部屋に入る。

「御待たせしました」

「世界樹様、御無事で何よりです。此度は我が国を救っていただき感謝いたします」

エルザ女王は、立ち上がり感謝の辞を述べた。
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