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カーキ=ツバタ王国編

その2

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 いったいどのくらい時間が経ったのか分からない。

コウモリ型カイマはまだ増えてくる、ユーリを拐おうとするヤツを槍で刺し、弱ったところを剣でトドメをさす。
ヤツ等の行動パターンが読めてきた、女をテリトリーに連れていくのが第一目的で、それを遮るものを殺すのは二の次らしい。
ユーリが倒したのにトドメを刺すのと、複数攻撃にあわないように援護するのがオレの役目だった。

それの繰り返しであるが、さすがに疲れてきた。

躯体ゆえ身体的な疲労はないが、気が抜けないから精神的疲労がつのる。

「クッキー、こっちよ、あ、あっちからも、来たよ来たよ、あっ、また来た、」

「うるさいぞアディ、もっとわかりやすく教えろっ」

まったく心配させやがって

躯体の反応が途切れた時は本当に焦ったが、その直後に精霊体で泣きじゃくりながらこっちに飛んできたから、ホッとした。

如何に恐かったかを一通り話した後、ようやく落ち着いて今は野次馬ギャラリーとなっている。

「せめて明かりがあれば……」

羽ばたく音が聴こえたと思ったら、すぐユーリを抱えて飛び上がろうとするのが目には入る。それを槍で阻止し、また構える。見えないというのはこんなにも緊張を強いられるのか。その時だった。

ぽっ

ぽっ

ぽっ

と、王宮の方から明るくなってきた。それが近づくと正体がわかった、道沿いにある柱に焚火を掲げている。それがいちばん近づいた時、風切り音がした。

ぐえぇぇ

ユーリを襲おうと待ち構えていたコウモリ型カイマが矢に射されて落ちてきた。すかさずユーリとオレはそれらにトドメを刺す。

「いったい……」

「無事か、世界樹殿」

ゾフィ隊長の声だ。焚火はさらに拡がり、大広場全体を明るく照らし、そこにフード付きマント姿のゾフィ隊長と、同じ姿の人が10人くらい居た。

「モーリと衛兵大隊長から話は聞いた。わが国を守るために、ひとり命を落としたそうだな。すまない疑ってしまって」

アディのことか

深々と頭を下げるゾフィ隊長の後ろで、本人が悪ふざけしているのは黙っておこう。

「ご苦労であった、しばらく休んでいてくれ。わが国、カーキ=ツバタ王国の真の力を見せてやろう」

「真の力?」

「それを見にカーキ=ツバタここに来たのだろう」

大広場の端に行くように言われ、そこに行くとゾフィ達はなにやら始めた。
ゾフィともうひとりか広場中央に立ち、他の者が周囲に立つ。12人、全員で14人か。

中央のひとりがマントを脱ぐ、エルザ女王だ、戦装束を着ている。
合わせてゾフィ達もマントを脱ぐ。

焚火の明かりにてらされ浮かび上がったその姿

「ビ、ビキニアーマー」

13人のビキニアーマーの女戦士だった。

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