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カーキ=ツバタ王国編

カイマ襲来

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「モーリ、すぐ衛兵かゾフィ隊長を呼んでくれ、カイマ達はもうそこまで来ている」

「どうしたんですクッキーさん、カイマ達は早くても夕方に[大地の嘲笑い]から来るんでしょう。まだ日は高いですよ」

「違うんだモーリ、ヤツ等はすぐそば、おそらく河の向こうまで来ている、早く報せないと」

「クッキー、解るように話してくれ。何故そう思った」

もどかしく思いながらも、オレは皆に考えを話した。

「ダークボトムズのカイマ達は100年のうち1年ある繁殖期で、他の種族を襲う。そのため今オレ達は迎撃準備をしているな。だからこの1年に目を奪われているが、じゃあヤツ等は99年は何しているんだ」

「何って……、そんなのわかる訳ないじゃん」

「カイマ達は襲った女の特徴を取り込んだ子供を産む、ユーリの話しによればエルフとヒトは間違いなく取り込まれている」

ユーリはここで気づいたらしい、オレが何に慌てているか気づいたようだ。

長命族エルフの寿命と道具を使うヒトの技術を手に入れているかもしれないと言いたいんだな、クッキー」

「その通りだ。だからアディの映像をあらためて見たら、やはりあった。[大地の嘲笑い]の方向から不自然な地面のへこみと所々の穴がな」

「……地下を掘っていたのか」

「99年もあれば、じゅうぶん過ぎるだろう。近いから、目の前に女がいるから、おそらく知能的に下等種と交わった次世代カイマが、我慢できずにやって来たなら辻褄が合う」

「アディ、頼む、もう一度東側を見てきてくれっ」

ユーリの言葉に、精霊を使いっ走りに使うんじゃないわよっ、と言いながらもまた見に行くが、今度はすぐに戻ってきた。

「たたたた、大変よっ、カイマが、カイマ達が、東の城壁の外側にびっしりとへばり着いてる、イモリとかアリみたいなのが、まるで壁がカイマで出来ているみたいにっ」

「なんで?、まだ日は落ちてないだろう」

「知らないわよ」

「モーリ、早く連絡を。ゾフィ隊長とつながっているんだろう」

だからアディが居なくても牢番は咎めなかった、おそらくオレ達が女王達と話している間に、控室で頼まれたか命令されたのだろう。

「それが……、話を聞くだけで、こちらからの連絡とかはきいてないんです」

ちぃ、そこまでオレ達を警戒してなかったか。ありがたいが、今は裏目に出たな。

「やむを得ん、脱走するぞ。アディとユーリは東の衛兵達にこの事を伝えてくれ、オレとモーリはゾフィ隊長か女王陛下に、この事を伝えに行く」

オレは[世界樹の実]を取り出すと、1つを口にした。

「いくぞ!!」
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