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カーキ=ツバタ王国編

カイマの正体

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 オレとユーリとアディ、それとモーリは、今、王宮の牢屋に入れられている。

この国に警察はなく、衛兵が治安担当しているそうだ。

騒ぎを知り、駆けつけた衛兵が見たのは、蔓に絡まれた獣人3つと、それを刺し殺しているエルフと羽交い締めしているオレ。そして離れたところで見ているアディだった。

オレたちは衛兵に捕まり、身元保証人となったモーリも事情を聴くため、ここに連れられてこられたところだった。

4人とも同じ牢屋に入れられているので、会話ができる。モーリに何が起きたかを話した。

「それは困った事になりましたねぇ」

話しを聞いたモーリは頭を抱える。

「この国の中では殺生は厳重処罰なんですよ、どんな理由であれね。殺したのは国民でもなく、人(?)でも無いし、人命救助でもありましたが、それでもマズイですねぇ。とりあえず極刑では無いでしょうけど、どうなるかわからないですねえ」

「あたし達、これからどうなるのかしら」

「モーリ、迷惑をかけてすまない。あなただけでも助かるよう努力するよ」

「なあに、こんなトラブルは旅に出てるとしょっちゅうですよ。気にしないで下さい」

おおらかというか豪快というか、モーリはこんな状況でも動じないな。

牢屋に入れられてからユーリはずっと端の方で膝小僧を抱えたまま踞っている。

長命族であるエルフのユーリは思慮深く、慎重な行動をする。もっと長生きしているのにおっちょこちょいのアディの言葉や行動を、上から目線の少々鼻につく物言いでたしなめるくらいだ。

そのユーリが激情に任せた行動をとるのは初めて見た、なにか事情があるのだろうか。



「全員出てこい、これから取り調べだ」

衛兵がやって来て、オレ達を何処かへ連れていく。取り調べ室ってやつかな、カツ丼出るかな、木製躯体だからもう食べられないけど。



狭い部屋で1人ずつ調べられるかと想像していから、豪華な裁判所みたいなところに全員連れられてきた。
モーリ、アディ、オレ、ユーリの順に横一列に並んだオレ達の正面には半2階のところに豪華な椅子が佇んでいた。
その両端とオレ達の横には数人の衛兵が並んでいる。

「モーリ、ここどこ」

オレの質問にモーリが上ずった声で答える。

「え、謁見の間です。平民が女王陛下に会うための」

「え、ということは」

オレの質問の答えは衛兵が答えてくれた。

「女王陛下の御成りである、全員控えよ」

謁見の間の空気が張りつめてきた。
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