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カーキ=ツバタ王国編
その2
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ビキニは元の世界で付けられた水着の名前だ。こちらではそんな物はないのだろう。
となると何故そんなものがあって、そんな名前が付いたのかが不思議だが、今はそれよりもその形にきゃあきゃあ言ってる2人に説明するのが先だろう。
ビキニアーマーとは、元の世界での創造物で女性用の胸部と腰部に付ける鎧防具だと説明すると、2人は首をかしげる。
「そんなところだけ守る防具なんてなんの意味があるのよ、全身守ってこそ鎧でしょうが」
アディの理不尽な怒りを受けながら、ユーリに助けを求めると、
「私も納得いかんな。たしかに動きやすいのと胸を守るというのは認めるが、腰のところが理解出来ない」
長寿族のエルフゆえにユーリは思慮深い。それに、森の中を縦横無尽に動きまわり獲物を狩るという生活をしているので、実用重視な考えをする。
実用品でなく装飾品だと説明すると、ようやく納得してくれた。
「ねえ、それ見に行かない?」
好奇心の強いアディが提案してきた。
オレたちがいるこの[世界樹の森]通称マイワールドは、若世界樹であるオレを中心に形成されていて、次期世界樹候補として森の拡大と形成を目指している。
今のところ問題なく規模を拡大しているが、いずれ他種族と接触することになるだろう。
となると生物とのコミュニケーションをとれる躯体を手に入れた今、練習をかねて都に行くのも悪くない提案だった。
ユーリもそろそろ仕入れたい物があるからつきあうという。
商人が言ってた都は、東に歩いて3日かかるところにある。それぞれ準備が出来た10日後にオレたちは都に向かって旅に出た。
3日後の朝、オレたちは都の城壁前の検問の列に並んでいた。
一応説明すると、3人とも人らしい格好をしている。
精霊であるアディはマリオネットに憑いて実体化して外見も生身の人間らしくなっている。
その躯体にこれまた森の植物で糸にして織った布で作られた服を着ている。オレも同様な感じだ。
ユーリはもともと肉体があるし、人以外の種族に偏見を持たない世界らしいから大丈夫だろう。服装はいつも通りフード付マントに狩人らしい装備の格好だ。
「なにい、補償金がないだと、それなら中に入れる事は出来んな。帰れ帰れ」
「ちょっと何よ補償金て、あたし達は怪しい者じゃないわよ」
「何処の田舎者だ、補償金も知らないとは。そんな者を街に入れたらもめ事が起きるだろうが」
外見と違う事で揉める事になった。国民でないものは、補償金もしくは保証人がいるそうだ。カネが必要なのは何処も一緒らしい。
強気なアディと門番が揉めていると、後ろから声をかける者がいた。
「失礼、そちらの3人の補償金、私が出しましょう。それで収めてくれませんか」
小肥り中年のいかにも旅商人という風体の男が、自分の身分証明を門番に見せて補償金と別のカネを渡す。それでようやく中に入れた。
オレが旅商人に礼を言うとユーリが、
「礼なぞ言わなくていい、そいつは旅商人らしいから必ず下心がある筈だからな」
旅商人はピシャリとおでこを叩きながら笑う。
「話が早い。私はこの国に住んでいる仕入れ屋のモーリといいます。あなた方は? 」
「旅の者だ。ここには見物に来た」
「見物? 」
「あたし達、ビキニアーマーを見に来たの」
アディの言葉にモーリは目を丸くした。
となると何故そんなものがあって、そんな名前が付いたのかが不思議だが、今はそれよりもその形にきゃあきゃあ言ってる2人に説明するのが先だろう。
ビキニアーマーとは、元の世界での創造物で女性用の胸部と腰部に付ける鎧防具だと説明すると、2人は首をかしげる。
「そんなところだけ守る防具なんてなんの意味があるのよ、全身守ってこそ鎧でしょうが」
アディの理不尽な怒りを受けながら、ユーリに助けを求めると、
「私も納得いかんな。たしかに動きやすいのと胸を守るというのは認めるが、腰のところが理解出来ない」
長寿族のエルフゆえにユーリは思慮深い。それに、森の中を縦横無尽に動きまわり獲物を狩るという生活をしているので、実用重視な考えをする。
実用品でなく装飾品だと説明すると、ようやく納得してくれた。
「ねえ、それ見に行かない?」
好奇心の強いアディが提案してきた。
オレたちがいるこの[世界樹の森]通称マイワールドは、若世界樹であるオレを中心に形成されていて、次期世界樹候補として森の拡大と形成を目指している。
今のところ問題なく規模を拡大しているが、いずれ他種族と接触することになるだろう。
となると生物とのコミュニケーションをとれる躯体を手に入れた今、練習をかねて都に行くのも悪くない提案だった。
ユーリもそろそろ仕入れたい物があるからつきあうという。
商人が言ってた都は、東に歩いて3日かかるところにある。それぞれ準備が出来た10日後にオレたちは都に向かって旅に出た。
3日後の朝、オレたちは都の城壁前の検問の列に並んでいた。
一応説明すると、3人とも人らしい格好をしている。
精霊であるアディはマリオネットに憑いて実体化して外見も生身の人間らしくなっている。
その躯体にこれまた森の植物で糸にして織った布で作られた服を着ている。オレも同様な感じだ。
ユーリはもともと肉体があるし、人以外の種族に偏見を持たない世界らしいから大丈夫だろう。服装はいつも通りフード付マントに狩人らしい装備の格好だ。
「なにい、補償金がないだと、それなら中に入れる事は出来んな。帰れ帰れ」
「ちょっと何よ補償金て、あたし達は怪しい者じゃないわよ」
「何処の田舎者だ、補償金も知らないとは。そんな者を街に入れたらもめ事が起きるだろうが」
外見と違う事で揉める事になった。国民でないものは、補償金もしくは保証人がいるそうだ。カネが必要なのは何処も一緒らしい。
強気なアディと門番が揉めていると、後ろから声をかける者がいた。
「失礼、そちらの3人の補償金、私が出しましょう。それで収めてくれませんか」
小肥り中年のいかにも旅商人という風体の男が、自分の身分証明を門番に見せて補償金と別のカネを渡す。それでようやく中に入れた。
オレが旅商人に礼を言うとユーリが、
「礼なぞ言わなくていい、そいつは旅商人らしいから必ず下心がある筈だからな」
旅商人はピシャリとおでこを叩きながら笑う。
「話が早い。私はこの国に住んでいる仕入れ屋のモーリといいます。あなた方は? 」
「旅の者だ。ここには見物に来た」
「見物? 」
「あたし達、ビキニアーマーを見に来たの」
アディの言葉にモーリは目を丸くした。
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