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あげは紅ははかないらしい
その2
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叫び声が終わるか終わらないうちに、教室の後ろ扉から黒い影が飛び込んできて、男子3人の襟首を引っ張り下げ、ビトーちゃんの前に立つと、振り向いてかまえる。
「ムトーちゃん!!」
心からのビトーちゃんの嬌声を背中で聴きながら、ムトーちゃんが凛とした空気をかもし出す。
「サトーちゃん、状況説明」
「スカートめくりの原因はクラスメイトのオーツチ。今はビトーちゃんとあげはが狙われている。皆はオーツチに操られている」
「委細承知」
教室の後ろの壁を背に、ビトーちゃんを背中から抱きしめながらカトーちゃんが立つ。
その左右斜め前に、タカコとムトーちゃんの剣道部コンビがかまえる。
シューガール攻防陣形《パーフェクトフォーメーション》だ。
だがそれで状況が変わった訳ではない。これからどうするんだ。
「ううう」
傍らからうめき声が聞こえて、そっちを向くとオーツチが意識を取り戻していた。
「オーツチ、気がついたの。早く皆を止めて」
「う、うるさい! お前の言うことなんかきくかよ」
「いいからそのエンピツみたいなの離しなさい。それで皆を操っているんでしょ」
「カンケーねーよ」
オーツチは席を立つと、教壇の方に逃げる。
あたしは外に逃がすまいと、教室前扉を背に教壇に上がった。
教室の前と後ろでそれぞれが対峙する。身構えるオーツチが持つエンピツに目を向けた。
黒色で六角柱でサイズもエンピツそのものだったが、芯の部分だけが違った。そこは赤く光っていた。
「そのエンピツモドキは何なのよ、なんでそんなモノを持っているの」
「うるさいって言ってんだろ!!」
両手で隠すように握るその姿は、如何に大事なのもかを物語っていた。
「くそ、何故だ、なんで紅は操られないんだ。お前だけなんだよ、パンツ見せないのは。尾頭は時たま操れないが、お前だけは全然だ。それにジュリナさんといつも一緒に居やがって。クソクソクソクソォォォ!!」
そ、そんな理由で恨んでいたの!?
そんなのあたしのせいじゃない、逆恨みみたいなもんじゃない。
「席が前後ろなんだから、しょうがないでしょ!! それにアンタにパンツを見せる理由なんか無いじゃない、そんなコトでクラスメイトを操るな!!」
あたしの言葉に、オーツチはさらに睨む。もう恨みというより憎しみに近い感じだった。
「オーツチくーん」
教室の後ろの方から、カトーちゃんが割り込んできた。
「ジュリナさん」
「つまりこれはアナタが原因なのね」
「あ、いや、その」
狼狽えるオーツチに、カトーちゃんは無情の言葉を続けた。
「あたしの大事な友達を傷つけた罪は重いわよ、今この時を持ってアナタをファンクラブから除名するわ」
「ムトーちゃん!!」
心からのビトーちゃんの嬌声を背中で聴きながら、ムトーちゃんが凛とした空気をかもし出す。
「サトーちゃん、状況説明」
「スカートめくりの原因はクラスメイトのオーツチ。今はビトーちゃんとあげはが狙われている。皆はオーツチに操られている」
「委細承知」
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その左右斜め前に、タカコとムトーちゃんの剣道部コンビがかまえる。
シューガール攻防陣形《パーフェクトフォーメーション》だ。
だがそれで状況が変わった訳ではない。これからどうするんだ。
「ううう」
傍らからうめき声が聞こえて、そっちを向くとオーツチが意識を取り戻していた。
「オーツチ、気がついたの。早く皆を止めて」
「う、うるさい! お前の言うことなんかきくかよ」
「いいからそのエンピツみたいなの離しなさい。それで皆を操っているんでしょ」
「カンケーねーよ」
オーツチは席を立つと、教壇の方に逃げる。
あたしは外に逃がすまいと、教室前扉を背に教壇に上がった。
教室の前と後ろでそれぞれが対峙する。身構えるオーツチが持つエンピツに目を向けた。
黒色で六角柱でサイズもエンピツそのものだったが、芯の部分だけが違った。そこは赤く光っていた。
「そのエンピツモドキは何なのよ、なんでそんなモノを持っているの」
「うるさいって言ってんだろ!!」
両手で隠すように握るその姿は、如何に大事なのもかを物語っていた。
「くそ、何故だ、なんで紅は操られないんだ。お前だけなんだよ、パンツ見せないのは。尾頭は時たま操れないが、お前だけは全然だ。それにジュリナさんといつも一緒に居やがって。クソクソクソクソォォォ!!」
そ、そんな理由で恨んでいたの!?
そんなのあたしのせいじゃない、逆恨みみたいなもんじゃない。
「席が前後ろなんだから、しょうがないでしょ!! それにアンタにパンツを見せる理由なんか無いじゃない、そんなコトでクラスメイトを操るな!!」
あたしの言葉に、オーツチはさらに睨む。もう恨みというより憎しみに近い感じだった。
「オーツチくーん」
教室の後ろの方から、カトーちゃんが割り込んできた。
「ジュリナさん」
「つまりこれはアナタが原因なのね」
「あ、いや、その」
狼狽えるオーツチに、カトーちゃんは無情の言葉を続けた。
「あたしの大事な友達を傷つけた罪は重いわよ、今この時を持ってアナタをファンクラブから除名するわ」
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