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あげは紅ははかないらしい
その2
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「ビトーちゃんが狙われた?」
あのあと予鈴が鳴ったので、ムトーちゃんは教室に戻りうやむやとなり、授業後の休憩時間に廊下で先程の騒動の顛末を2人に聞く。
「昼休みに…、ムトーちゃんと一緒にお昼を食べて教室に戻ったら…、男子がスカートをめくりに来たの…」
うつ向きスカートをもじもじといじりながら、ビトーちゃんがそう言うと、ムトーちゃんが言葉を続ける。
「教室前で別れて戻ろうとしたら、ビトーちゃんの悲鳴が聴こえて、振り返ったら数名……、3人だったわ。2人がビトーちゃんを抑えて1人がスカートを捲ろうとしていたの。それでわたくしが手刀で彼らを叩きのめしてから、庇っていた時におふたりが戻ってきた次第です」
あたしとタカコは顔を見合わせて考える。どうしてそうなった?
「ビトーちゃんて、パンチラやってたっけ?」
「教室ではやってないです…」
「ん? じゃあどこでやっているの?」
あたしの質問に、ビトーちゃんと何故かムトーちゃんも顔を赤らめる。なんで?
あたしの疑問をよそにタカコが確認する。
「教室ではやっていないのね?」
ビトーちゃんが黙って頷くと、タカコが腕組みして考え込むと、口を開く。
「じゃあクラスでパンチラやってないのは、あげはとビトーちゃんの2人なんだ」
「それがどうしたの」
「ほら、前にビトーちゃんが言ってたじゃん。なんか男子があげはのスカートをめくる人が増えたって」
「ああ、そんな事言ってたわね」
「あたしも[パンチラファイト]やってたから分かるけど、クラスでやってないのは、あげはとビトーちゃんだけなの」
「え、ビトーちゃんもやってなかったっけ?」
「あたしは…、女子にめくられた事はあるけど…、自分からは…、ないよ…」
自分のことでいっぱいいっぱいだったから、気がつかなかったな。でもそれがどうしたんだろう。
その事をタカコに訊くと意外な言葉が返ってきた。
「ビトーちゃんに言われてあたしも注意して観てたんだけど、クラスの他の女子は自分からパンチラしていて、男子にめくられるコはほとんどいないの。男子は黙って見ていて、喜んでいるばかりなんだけど、あげはにだけはめくりに来ているのよ」
なになになになになにぬねの!!
驚いて、ビトーちゃんに訊いてみると、そうだと言う。
いやたしかに、ここしばらく男子ばかり来ていたけど、女子が来ないのはタカコ達のおかげだと思っていたけど、そうじゃなかったんだ。
この時、あたしは、おそらくタカコもだけど、何か不自然なモノを感じた。
だけどそれが何なのかは分からなかった。
あのあと予鈴が鳴ったので、ムトーちゃんは教室に戻りうやむやとなり、授業後の休憩時間に廊下で先程の騒動の顛末を2人に聞く。
「昼休みに…、ムトーちゃんと一緒にお昼を食べて教室に戻ったら…、男子がスカートをめくりに来たの…」
うつ向きスカートをもじもじといじりながら、ビトーちゃんがそう言うと、ムトーちゃんが言葉を続ける。
「教室前で別れて戻ろうとしたら、ビトーちゃんの悲鳴が聴こえて、振り返ったら数名……、3人だったわ。2人がビトーちゃんを抑えて1人がスカートを捲ろうとしていたの。それでわたくしが手刀で彼らを叩きのめしてから、庇っていた時におふたりが戻ってきた次第です」
あたしとタカコは顔を見合わせて考える。どうしてそうなった?
「ビトーちゃんて、パンチラやってたっけ?」
「教室ではやってないです…」
「ん? じゃあどこでやっているの?」
あたしの質問に、ビトーちゃんと何故かムトーちゃんも顔を赤らめる。なんで?
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「教室ではやっていないのね?」
ビトーちゃんが黙って頷くと、タカコが腕組みして考え込むと、口を開く。
「じゃあクラスでパンチラやってないのは、あげはとビトーちゃんの2人なんだ」
「それがどうしたの」
「ほら、前にビトーちゃんが言ってたじゃん。なんか男子があげはのスカートをめくる人が増えたって」
「ああ、そんな事言ってたわね」
「あたしも[パンチラファイト]やってたから分かるけど、クラスでやってないのは、あげはとビトーちゃんだけなの」
「え、ビトーちゃんもやってなかったっけ?」
「あたしは…、女子にめくられた事はあるけど…、自分からは…、ないよ…」
自分のことでいっぱいいっぱいだったから、気がつかなかったな。でもそれがどうしたんだろう。
その事をタカコに訊くと意外な言葉が返ってきた。
「ビトーちゃんに言われてあたしも注意して観てたんだけど、クラスの他の女子は自分からパンチラしていて、男子にめくられるコはほとんどいないの。男子は黙って見ていて、喜んでいるばかりなんだけど、あげはにだけはめくりに来ているのよ」
なになになになになにぬねの!!
驚いて、ビトーちゃんに訊いてみると、そうだと言う。
いやたしかに、ここしばらく男子ばかり来ていたけど、女子が来ないのはタカコ達のおかげだと思っていたけど、そうじゃなかったんだ。
この時、あたしは、おそらくタカコもだけど、何か不自然なモノを感じた。
だけどそれが何なのかは分からなかった。
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