あげは紅は ◯◯らしい

藤井ことなり

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あげは紅ははかないらしい

その2

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 授業中はまともなのに、休憩時間になると、女子はこぞって見せ合っこする。

レモンイエローの健康的なのや、女の子らしくピンクのコ
スポーティーなアオや、派手なアカに艶やかなエンジ
大人っぽくクロものいれば、基本はシロでしょと主張するのもいる。

それを自らまくったり、近くのコのをめくったりしているのだ。

クラスの半分は男子なのに、あまり気にしないのは、もと女学校という校風のせいかも知れない。

まあこの状況に、文句を言う男子もいないだろうけど。

今日の目玉は、ティーバックのコがスカートをまくり上げ、ほぼケツを見せるということで決着が着いたようだ。

「反則よ、あんなの見せられたら、勝てるわけ無いじゃん」

タカコが憮然とするが、チラ見せに勝ち負けがあるのだろうか? 判定がいまいち分からない。

「ふふん、私なら勝てるわよ。サトーちゃん」

おお、さすがカトーちゃん。クラス、いや学校のインフルエンサーだけのことはあるな。
それゆえチラ見せバトルは、あっという間に殿堂入りしたので、もう不参加である。

「あれに勝てるとなると、ノーパンしか……」

「チラ見せバトルで、ノーパンなら反則負けだよ。そうじゃなくて、み・せ・か・た」

「見せかた?」

「ううん、魅せかた。さっきのコはスカートを後ろから、ばっという感じで、エリマキトカゲみたいに両手で上げたでしょ。あれでは恥じらいを演出できないのよ。私ならスカートの斜め後ろの端を片手でつまんで、少しづつ上げていくわ。足首、ふくらはぎ、後ろ太ももとじっくり魅せていくの」

想像するだけで色っぽいな。あたしとタカコは前のめりになって聴く。

「そして足の付けねまで来てから、足をクロスしてティーバックのバック部分を魅せるの。もちろん上半身はひねって後ろを向いてスマイル。アンダーを身に付けている自分ごとで、ひとつの作品としてやるのが基本よ」

おおおおおおおぉ

話だけで魅せられた気がしたあたしとタカコは、拍手を贈った。さすがだ。

 放課後、それぞれが部活に行くか帰宅するため教室から出ていく。

あたしはしじみをむかえる為に、急いで保育園に向かうが、保育士さんからスマホに、たてはが連れて帰ったと連絡が入ったので、進路変更、自宅に向かった。

すでに2人は、部屋を散らかすという子供らしいライフワークを行っており、あたしはそれを片付けながら、洗濯、掃除、お風呂の準備などをする、長女兼主婦のライフワークを行う。

両親が帰る頃に合わせて夕飯の準備をするが、最近は帰宅時間がばらばらなので、一緒に食べることは少ない。

ゆえに、けたたましくても、朝食を家族揃って食べることが、紅家の輪をたもつ要であり、あたしの責任なのである。

パンツなど見せているヒマは無いのだ。

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