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護衛対象はキケンな男の娘 短編
決着
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ハジメをそのまま後ろに引き離したあと、千秋はリキヤの前に立ち訊ねる。
「どうする? 負けを認める?」
「だ、誰が……」
「大した闘志ねー。立ってるのがやっとでしょうに。無限地獄突きって技でねハジメがアイドル格闘家をやってたときの決め技のひとつ。私がアレをくらったときは三日は動けなかったわ。耐えた分長く喰らったリキヤくんは多分一週間くらいになるわよ」
「こ、こんなモン、屁でもねぇよ、オレはまだやれる……」
「あっそう。じゃあ第2ラウンド開始ね」
「お、おう、こいや……」
「ハジメもいい?」
「おう。いつでもいいよ」
「相変わらず回復が早いわねー。じゃあこの負けず嫌いに引導渡してあげて」
千秋は元の位置に戻り、ハジメはリキヤの前に立つ。
リキヤは息も絶え絶えだが、それでもファイティングポーズを取ろうとしていた。合わせてハジメもとる。
「──リキヤ」
「おう──」
「強かったわよ」
それだけ言うと、ハジメは一切の手を抜かず顔面に左右のフックを連打し、リキヤの意識を飛ばした。
しかし最後の執念というべきか、リキヤは力なくだが右のパンチをくり出す。それを見切って避けたのだが、リキヤが前のめりに倒れてきたので目測を誤ってしまい、ハジメの豊満な胸に触れてしまう。
ぽよん
男の本能で感触によりリキヤの薄れかけた意識を取り戻す。だがせっかく戻ったのに──
「こおのぉ助平がぁーー」
純情なハジメの怒りのビンタを受けて、吹っ飛んでいき気絶してしまった。
葵、夏生、御器所が呆気にとられるなか、千秋だけが頭を抱える。
「……シリアスな展開だったのに、なんで最後の決まり手がラブコメビンタなのよ」
※ ※ ※ ※ ※
──気絶したリキヤを抱えながら警察官達はエレベーターで降りていき、御器所と千秋が見守るなか、ハジメと葵と夏生は領事館の中へと入っていく。
「ミッション・コンプリートね」
千秋がそう言うと、ケイはそれを否定する。
「まだよ。領事館に入って殺人依頼が無効になったことを報せないと。葵に撮ってもらった動画を編集して証拠としてネットにあげて、さらに警察から公式発表して念押ししないと」
「その辺は依頼されたケイと警察の仕事でしょ。私はこれで退散させてもらうわ」
「そうね。お疲れ様」
御器所に愛想良く挨拶したあと、そそくさと千秋は帰っていく。
御器所は現状を無線で報告してから地下駐車場へと向かう。
※ ※ ※ ※ ※
ハジメ達は領事館に拍手で迎えられていた。外の騒ぎを警戒しながら傍観していて、ハジメの勝利と強さに驚嘆とともに称賛したのだ。
「急な訪問に心良く応じていただきありがとうございます、ミスター」
「ライ、いやライゾウ・アオイの娘さんだね。私がトーマスだ、よろしく」
「お会いできて光栄です。ご無理を言って申し訳ありません」
「いやいや、明日のホームパーティーで会う予定だったのが前倒しになっただけだよ。しかもリアルなエキシビションマッチを楽しませてもらった。詳しい話を聞かせてもらいたいな」
「よろこんで」
「どうする? 負けを認める?」
「だ、誰が……」
「大した闘志ねー。立ってるのがやっとでしょうに。無限地獄突きって技でねハジメがアイドル格闘家をやってたときの決め技のひとつ。私がアレをくらったときは三日は動けなかったわ。耐えた分長く喰らったリキヤくんは多分一週間くらいになるわよ」
「こ、こんなモン、屁でもねぇよ、オレはまだやれる……」
「あっそう。じゃあ第2ラウンド開始ね」
「お、おう、こいや……」
「ハジメもいい?」
「おう。いつでもいいよ」
「相変わらず回復が早いわねー。じゃあこの負けず嫌いに引導渡してあげて」
千秋は元の位置に戻り、ハジメはリキヤの前に立つ。
リキヤは息も絶え絶えだが、それでもファイティングポーズを取ろうとしていた。合わせてハジメもとる。
「──リキヤ」
「おう──」
「強かったわよ」
それだけ言うと、ハジメは一切の手を抜かず顔面に左右のフックを連打し、リキヤの意識を飛ばした。
しかし最後の執念というべきか、リキヤは力なくだが右のパンチをくり出す。それを見切って避けたのだが、リキヤが前のめりに倒れてきたので目測を誤ってしまい、ハジメの豊満な胸に触れてしまう。
ぽよん
男の本能で感触によりリキヤの薄れかけた意識を取り戻す。だがせっかく戻ったのに──
「こおのぉ助平がぁーー」
純情なハジメの怒りのビンタを受けて、吹っ飛んでいき気絶してしまった。
葵、夏生、御器所が呆気にとられるなか、千秋だけが頭を抱える。
「……シリアスな展開だったのに、なんで最後の決まり手がラブコメビンタなのよ」
※ ※ ※ ※ ※
──気絶したリキヤを抱えながら警察官達はエレベーターで降りていき、御器所と千秋が見守るなか、ハジメと葵と夏生は領事館の中へと入っていく。
「ミッション・コンプリートね」
千秋がそう言うと、ケイはそれを否定する。
「まだよ。領事館に入って殺人依頼が無効になったことを報せないと。葵に撮ってもらった動画を編集して証拠としてネットにあげて、さらに警察から公式発表して念押ししないと」
「その辺は依頼されたケイと警察の仕事でしょ。私はこれで退散させてもらうわ」
「そうね。お疲れ様」
御器所に愛想良く挨拶したあと、そそくさと千秋は帰っていく。
御器所は現状を無線で報告してから地下駐車場へと向かう。
※ ※ ※ ※ ※
ハジメ達は領事館に拍手で迎えられていた。外の騒ぎを警戒しながら傍観していて、ハジメの勝利と強さに驚嘆とともに称賛したのだ。
「急な訪問に心良く応じていただきありがとうございます、ミスター」
「ライ、いやライゾウ・アオイの娘さんだね。私がトーマスだ、よろしく」
「お会いできて光栄です。ご無理を言って申し訳ありません」
「いやいや、明日のホームパーティーで会う予定だったのが前倒しになっただけだよ。しかもリアルなエキシビションマッチを楽しませてもらった。詳しい話を聞かせてもらいたいな」
「よろこんで」
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