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佐野千秋の休日 謎解き川柳(小川三水目線)

大宮公園

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  久し振りの大宮公園だった。目測で、東西二百メートル、南北五十メートルくらいか。
ジャングルジムなどの遊具、噴水、その向こうには土俵がある。
静かでいいところだ。
そのあちらこちらで、コスプレイヤー達が撮影会をしている。

 待ち合わせ場所の公園の東側にある弓道場の前にいると、千秋が歩いてやってくる。
いつもは仕事帰りに店に寄るので、スーツ姿しか見たことがないが、今日はトレーナーにジーンズ姿だ。
挨拶をかわしたあと、すぐに園内に入る。

「コスプレの人が多いわねぇ」

「レイヤーにとっては、いいロケーションなんだってさ」

コスプレイヤー達を、レイヤーと呼ぶのは最近知った知識だ。たまたま知人の知り合いがレイヤーだったので聞いた話だが、大宮公園や真清田神社の境内は、あまり人がいないから、撮影会には持ってこいらしい。

その事を千秋に言う。

「そうなんだ。それでも多い気がするな」

たしかにな。

  たまに大宮公園の裏を通るからわかるが、以前はちらほらとたまに見かけるくらいだったが、最近は当たり前のようにいる気がする。

本町アーケードにコスプレ喫茶が出来てからぐらいからかな、さらに増えたような気がするのは。なんて名前の店だっけ? まあいいか。とりあえず、公園内を見て歩くことになった。

 壱ノ宮市の名の語源となった真清田神社。その真裏にある大宮公園は、神社境内にある木々と、森のように繋がっている。 だから公園内には、同じように木々が多く、園内の地面には常に落ち葉がある。

カサカサと落ち葉を踏みながら園内を見て歩くと、まずはブランコや滑り台、ジャングルジムなどの、遊具施設が目に入る。

「懐かしいなぁ、この上でユカの決めゼリフ言ったっけ」

 「へぇ、今どきは鉄じゃなくてプラスチック製なんだ」

 会話に世代のギャップが出るな。あまり自分の事は言わないでおこう。 

「で、その ごっこ遊びは、どんな風にやってたんだい」

 私の問いに千秋は遊具に、じゃれるように触れながら当時の事を思い出そうとしていた。 だが千秋のクチから出たのは、ちがう言葉だった。 

「前から思ってたんだけど、三ちゃんて、女性に対して距離とるよね」

 「そうかな」

 「うん、なんかよそよそしいし、女に興味なさそう」

 そんなこと無いと言えばよかったのだが、空気の爽やかさのせいか、それとも千秋の新鮮な姿を見たせいか、何故か理由を話す気になった。

 「以前ね、ストーカーに間違われた事があるんだよ」

 「ほんと? なんでまた」 

ふう と、ため息をついて話を始める。 

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