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第1部
その2
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「なに勝手に話作ってんだよ、証拠でもあんのか」
「各所の防犯カメラに映っていたサノさんの時系列を並べると、君のいた所にいるのがありえないんだよ。それにうちの小山が君の所に向かうのを、他の署員が目撃しているんだ」
「その小山ってのは何で俺の所に来たんだよ。俺がいるのを知ってたんだろ、そいつもグルなんだよ」
「小山は昨日は非番でな、知り合いの宴会に行ってたんだよ。イナリ公園近くにアイツの実家があってな、寮に戻る前に顔を出すつもりだったんだよ」
「それが俺の所に来た理由と何の関係があるんだよ」
「ここ数日、あの辺りに変質者の目撃情報が多くてな、心配で顔を出すつもりだったのと、もうひとつ理由があってな、クルマに盗難防止チェーンを付けられるイタズラも起きてたんだ」
キジマはクルマにチェーンが付けられてる事を思い出した。
「なんのつもりか知らないけどな。あの駐車場には小山の家のクルマも置いてあってな、襲われた事でその事を思い出して、見に行ったらチェーンの付いているクルマがあり、お前が運転席にいたので声をかけたら、特殊警棒を振り回して攻撃してきたので、やむなく応戦したそうだ」
「はぁ? 俺に声かけたのが、そのコヤマってヤツに何でなってんだ。俺を蹴ったのはサノだろうが」
「だからサノさんはそこにいないんだって。証拠もある。サノさんに蹴られたって言っているのお前だけなんだよ」
「そんなはずねぇ、いい加減な事を抜かすな。田舎の警察だからって手を抜くんじゃねぇぞ、オヤジを呼べよ、弁護士はどうした」
「手なんか抜いてないさ。チェーンには指紋が付いてなかったが、特殊警棒にはお前の指紋がべったり付いてるのを調べてあるし、他の4人の供述もちゃんと記録している。皆、お前の命令で仕方なくやったと言っているよ」
あいつら……、キジマは舌打ちする。
「オヤジさんにも連絡済みだ。ただ来るのが遅れる」
「なんでだよ」
「会社に辞表を出して、お前達の退職手続きをしてから来るそうだ。お前達を入社させた責任をとってからだと」
「そんな……」
「それと、警視庁にも連絡してある。お前達、5年前の事件の容疑者だったんだってな。当時担当だった刑事がオヤジさんの代わりに来てくれるよ」
キジマは蒼白になった。どうやら東京の刑事は鬼門らしい。膝ががくがくと震えだした。
その様子を見て門間が言葉を付け加えた。
「弁護士の件だが呼びたいなら呼ぶぞ。壱ノ宮には弁護士協会があるからな。まあお前がいう田舎の弁護士でもよければだがな」
「各所の防犯カメラに映っていたサノさんの時系列を並べると、君のいた所にいるのがありえないんだよ。それにうちの小山が君の所に向かうのを、他の署員が目撃しているんだ」
「その小山ってのは何で俺の所に来たんだよ。俺がいるのを知ってたんだろ、そいつもグルなんだよ」
「小山は昨日は非番でな、知り合いの宴会に行ってたんだよ。イナリ公園近くにアイツの実家があってな、寮に戻る前に顔を出すつもりだったんだよ」
「それが俺の所に来た理由と何の関係があるんだよ」
「ここ数日、あの辺りに変質者の目撃情報が多くてな、心配で顔を出すつもりだったのと、もうひとつ理由があってな、クルマに盗難防止チェーンを付けられるイタズラも起きてたんだ」
キジマはクルマにチェーンが付けられてる事を思い出した。
「なんのつもりか知らないけどな。あの駐車場には小山の家のクルマも置いてあってな、襲われた事でその事を思い出して、見に行ったらチェーンの付いているクルマがあり、お前が運転席にいたので声をかけたら、特殊警棒を振り回して攻撃してきたので、やむなく応戦したそうだ」
「はぁ? 俺に声かけたのが、そのコヤマってヤツに何でなってんだ。俺を蹴ったのはサノだろうが」
「だからサノさんはそこにいないんだって。証拠もある。サノさんに蹴られたって言っているのお前だけなんだよ」
「そんなはずねぇ、いい加減な事を抜かすな。田舎の警察だからって手を抜くんじゃねぇぞ、オヤジを呼べよ、弁護士はどうした」
「手なんか抜いてないさ。チェーンには指紋が付いてなかったが、特殊警棒にはお前の指紋がべったり付いてるのを調べてあるし、他の4人の供述もちゃんと記録している。皆、お前の命令で仕方なくやったと言っているよ」
あいつら……、キジマは舌打ちする。
「オヤジさんにも連絡済みだ。ただ来るのが遅れる」
「なんでだよ」
「会社に辞表を出して、お前達の退職手続きをしてから来るそうだ。お前達を入社させた責任をとってからだと」
「そんな……」
「それと、警視庁にも連絡してある。お前達、5年前の事件の容疑者だったんだってな。当時担当だった刑事がオヤジさんの代わりに来てくれるよ」
キジマは蒼白になった。どうやら東京の刑事は鬼門らしい。膝ががくがくと震えだした。
その様子を見て門間が言葉を付け加えた。
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