ばあちゃんの豆しとぎ

ようさん

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リスケ大作戦 5〜子ども達に救われる〜

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「代わりに悠也のボロゲーム機貸して」

 言わなくていい余計な一言が多いのは誰に似たのか……が、悠也は「うん」と嬉しそうに自分の机の引き出しからゲーム機と、クリスマスにサンタさんからもらった宝物のインスタントカメラを出してきた。

「俺は颯也にカメラを貸してあげる」

 悠也は一大決心をした表情で、三種の神器か何かの継承儀式のように兄に自分の、それまで決して触らせなかった宝物を託した。

「いいの?ありがとう」

 これには颯也の方が目を丸くしている。

「雪の写真撮って来てね」

「まかせとけ」

 ここでつい、私は堪えきれなくなって声を立てて笑っしまった。そのはずみに、ポロリと大粒の涙がこぼれた。

「二人とも頼もしいわ。お母さん、安心よ」

 義母に「兄弟喧嘩、餡ころ餅より美味い」なんてからかわれるほど喧嘩の絶えない兄弟だが、日々のしょうもないドタバタを繰り返しながら少しずつ成長してくれているのだと思うと、名も無き無限の労働が少しは報われた気がする。

「学校には電話しておくけど、連絡帳もちゃんと先生に見せてね」

 そう念を押して子どもたちを学校に送り出すと、豊から再び電話が来た。
 どう都合をつけたのか、明日の夜には帰って来れるので翌朝発ってもいいという。やはり火葬には間に合いそうにないが、とりあえず一安心だ。

「それはありがたいけど、保育園と違って小学校は放課後が早いんだよ。家の鍵は悠也に持たせておくけど、豊さんが帰ってくるまで一人でお留守番しなきゃいけないし」

「知ってるよ。母さんが来てくれるそうだ。俺も土日と月曜日は休むことにしたから大丈夫、心配しないで」

「そう。悪いわね」

 と一応は言ったものの、有休が取れるなら自分の休みたい日ではなく、療育の日に合わせてとってもらいたかった。

 父と言い豊と言い、なせ事前に一言相談するということができないのか。
 本人が納得していて義母のサポートがあるとはいえ、家族が離れている一週間は長丁場である。悠也の心のケアには普段以上に気を配って欲しい。高齢の義母を呼んで全面解決した気になっているのも気になるし……

 不満や注文を言えばきりがないが、背に腹は替えられない。

「お義母さんによろしく。あんまり無理させないでよ……」

「わかってるって。それでさ、母さんも何を贈ったらいいか聞いといてって」

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