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⭐︎バトル・オブ・クロエ3

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「ユーラの野郎は死んでも許せないけど、そんな事なんかより……玄英に生きてて欲しかったんだよお!!誰をご主人様にしてもいいし、どんな姿しててもいい、ただ無事でいて欲しかった!」

「ご主人様ああ……」

 玄英も涙をぼろぼろこぼして、しがみついてきた。

「僕も怖かった!ご主人様が助けに来てくれたらいいなって。ずっと思ってた!ご主人様!ご主人様!」

 二人でへたり込むようにして抱き合って泣いて、しばらくたってようやっと気が済んだ。三十路近い大人になって、これだけギャン泣きするなんて思わなかった。我に返るとさすがに気恥ずかしい。
 
「ゴホン。というわけで、グスッ……帰るぞ」

 俺は鼻をすすり上げながら立ち上がった。
 手を引いて助け起こそうとしたが、彼はうつむいたまま、顔を赤らめてずっと震えている。

「あの……実は、まだ……」「ん?」

「その……中に……」「中?」

 玄英は肩まで真っ赤になって脚の間を指した。断続的に低い振動音が微かに聞こえる。

「え……?何コレ」

 もしや……アダルトなグッズとかそういう類の……

「あんの……ッ!」

 AVの見過ぎかよ、あの変態サイコ野郎!

「自分で取るので……ちょっとだけ向こう向いてて欲し……」

 玄英は肩で息をしながら少しもじもじして背中を向けた。

「いいよ。取ってやるから。屈んで力抜いて」

「……」

 玄英は恥ずかしそうにしながら素直に従った。けっこうな大きさのモノが複数個出て来たので、俺はまた頭に血がのぼった。

「あのクソ野郎、人のこと何だと……!」

「ごめん……」

 玄英はまた泣いているようだった。

「玄英は悪くないだろ……」

 俺はもう一度玄英を起こして肩を抱いてやった。

「ご主人様……」「ん?」

「ちょっと……(ピー)ってる?」「……っ馬鹿!」

 よりによってこんな時に……最低なの、俺じゃね?ああ……自己嫌悪。

「だ、だって仕方ないだろ。玄英に触ったの、久しぶりだし……」

 さっきちょっと、メチャクチャ綺麗でエロいとか思ってしまったし……

「ふふっ」

 玄英が初めて笑ったので、よしとするか……

 だがこのままじゃ、二人とも帰るどころか人前に出られない。特に全裸の玄英。

 丈が足らないのを我慢させて俺のリバーシブル作業着を貸してやってもいいんだが、それだと俺の方がパンイチで(ピー)を(ピー)させた不審者になってしまう。第一、丈が足らない。他のメンバーが残ってたらバスローブでも持ってきてもらうんだけど、もうとっくに撤収してしまっただろうな。

ーーそうだ。モリーさん達、今動けるかな?

 何とか電波の届くところまで階段を上がった途端、古賀さんからの通信が入ってきた。

「恒星、無事ですか?今、救出に向かいます」

「古賀さん。玄英を発見しました」

 古賀さんの背後で歓声があがったーーどうやら無事に撤収済みらしい。服の手配を頼むと十分もしないうちに持って来てくれた。

「ーー何?この服?少数民族の正装?」

 玄英は喜んでいるが……俺がイザって時用に持参したヤンキーの魂、白ランの特攻服じゃねえか!

「クールだね!プロレスラーのガウンみたい!何て書いてあるの?」

 左に銀字で「神風」背中に金字で「天上天下唯我独尊」の刺繍が入ってるーー「夜露死苦」とか「愛死天流」とかじゃなくてまだよかったが……

「他のなかったんですか?」

「いや、てっきり君のだと……清さんが縁起のいい服だからと渡してくれたんだが……」

 何でそうなる!?
 古賀さんは戸惑いながらも必死に笑いをこらえている。

 清さん……こんな時にモノボケとか要らないんだけど!

「恒星にとって縁起のいい服?お祝いの服?」

「あー……じゃなくて、勝負服……いや、戦闘服?」

「戦闘服……」

「その……実は俺も、あんたに減滅されそうで言ってなかったことがあんだけど……後で言うわ」

 大急ぎで瞬殺されたライフポイントを回復せねば。

「そうなの?じゃ、楽しみにしてるね?」

 寸足らずの特攻服姿の玄英が、嬉しそうに俺の額にキスをした(回復した)
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