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求む男子。至難の旅。報酬未定。船の中。生還の保証だけはあり(たぶん) 自由参加。
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現在、玄英はユーラの策略によりエンプレス・ソフィア号に軟禁、または監禁されている可能性が高いーー俺はどうあっても玄英を救出したい。
が、現場はセレブ御用達の貸し切り豪華客船である。俺一人の力では船に潜り込むのすら至難の業だ。古賀さんが全面的協力を宣言してくれ、D's Theoryの社員も休暇を返上して情報収集に的に協力してくれている。
エンプレス・ソフィア号は大晦日に横浜港に入港する事、そこでカウントダウンパーティが行われる事がわかった。
が、何せ一つの町内くらいにはだだっ広い船内で玄英の居場所も状況も皆目わからない。引き戻すには説得も必要かもしれない。となると、捜索部隊の頭数が要るーーいざという時にカチコミかけられて修羅場をくぐれる実動部隊が。
そうして運良く救出に成功したとしても相手が相手だけに不法侵入で訴えられたり下手すると逮捕される可能性もある。
最初に考えついたのは、バイク屋を筆頭にしたヤンチャ時代の悪友達だ。仲間思いで、理由を話せば面白がって乗ってくれそうな連中ではあるのだが、現在、全員が真面目に社会人をやっていて親になってる奴もいる。
訴訟や警察沙汰になる可能性を考えるとやはり巻き込めない。悩んでいるうちに日にちはどんどん迫ってくる。
青葉造園、仕事納めの日。
俺は思い切って実家で飲んでいた(元ヤンチャだった)面々に話せる範囲で事情を話し、頭を下げた。
「するってえと何ですかい?遠山社長が坊ちゃんの会社を救うためにその、何とかっていうSM王にとっ捕まっている、とーーこういう事ですかい?」
敏さんが聞き返した。
「……SNS王、な」
ある意味当たってるけど。くそ。
「ユーラ・チャン。世界屈指の富豪で超有名人。かなりの難敵だ。下手打つとこっちがD社ごと潰される可能性もある」
「富豪だかフゴー!だか知らねえが、坊ちゃんの恩人の一大事とあっちゃあ、俺らも黙っていられませんや」
「俺達にとっても今や大事な取引先の社長さんです。義を見てせざるは勇なきなり、でさ」
敏さんと達さんは、義憤に駆られて一も二もなく快諾してくれた。
「え、えっ?いいの?そんなあっさり……頼んどいて何だけど、捕まったり訴えられたり、色々面倒なことになるかもしれないんだよ?」
「なぁに。カミさん亡くして気楽な独り身でさ。坊ちゃんのためにひとつ、死に花を咲かせるのも悪かねえや」
「そうそう。コレでも若い時ぁ成田闘争やら反基地運動やら色々やりました。警察が怖くて刃物が持てるかってんだ」
「……刃傷沙汰起こす気はないし、できれば寿命まで長生きして欲しいんだけど……」
「若。地獄の果てまでお供します」
ダイまでそんなこと言い出すし。ダイに日本語の勉強で任侠映画見せるの、やめろって言ってんのに……もう。
「ダイ。悪い事言わないからお前はやめとけ」
「坊ちゃんも兄さん達も、私の家族と同じ。家族が戦う時、一緒に戦うのは当たり前の事です」
「いやいや、マジでやめとけって。下手すると日本で何にもできないまま、国に帰されるんだぞ」
「その時はその時。坊ちゃんに脅されて、やらされましたって言ってもいい?」
ダイは白い歯を見せてにっこり笑った。
……ちゃっかりしてんのな。こいつ、意外とどこ行っても大丈夫なんじゃねえかな。
が、現場はセレブ御用達の貸し切り豪華客船である。俺一人の力では船に潜り込むのすら至難の業だ。古賀さんが全面的協力を宣言してくれ、D's Theoryの社員も休暇を返上して情報収集に的に協力してくれている。
エンプレス・ソフィア号は大晦日に横浜港に入港する事、そこでカウントダウンパーティが行われる事がわかった。
が、何せ一つの町内くらいにはだだっ広い船内で玄英の居場所も状況も皆目わからない。引き戻すには説得も必要かもしれない。となると、捜索部隊の頭数が要るーーいざという時にカチコミかけられて修羅場をくぐれる実動部隊が。
そうして運良く救出に成功したとしても相手が相手だけに不法侵入で訴えられたり下手すると逮捕される可能性もある。
最初に考えついたのは、バイク屋を筆頭にしたヤンチャ時代の悪友達だ。仲間思いで、理由を話せば面白がって乗ってくれそうな連中ではあるのだが、現在、全員が真面目に社会人をやっていて親になってる奴もいる。
訴訟や警察沙汰になる可能性を考えるとやはり巻き込めない。悩んでいるうちに日にちはどんどん迫ってくる。
青葉造園、仕事納めの日。
俺は思い切って実家で飲んでいた(元ヤンチャだった)面々に話せる範囲で事情を話し、頭を下げた。
「するってえと何ですかい?遠山社長が坊ちゃんの会社を救うためにその、何とかっていうSM王にとっ捕まっている、とーーこういう事ですかい?」
敏さんが聞き返した。
「……SNS王、な」
ある意味当たってるけど。くそ。
「ユーラ・チャン。世界屈指の富豪で超有名人。かなりの難敵だ。下手打つとこっちがD社ごと潰される可能性もある」
「富豪だかフゴー!だか知らねえが、坊ちゃんの恩人の一大事とあっちゃあ、俺らも黙っていられませんや」
「俺達にとっても今や大事な取引先の社長さんです。義を見てせざるは勇なきなり、でさ」
敏さんと達さんは、義憤に駆られて一も二もなく快諾してくれた。
「え、えっ?いいの?そんなあっさり……頼んどいて何だけど、捕まったり訴えられたり、色々面倒なことになるかもしれないんだよ?」
「なぁに。カミさん亡くして気楽な独り身でさ。坊ちゃんのためにひとつ、死に花を咲かせるのも悪かねえや」
「そうそう。コレでも若い時ぁ成田闘争やら反基地運動やら色々やりました。警察が怖くて刃物が持てるかってんだ」
「……刃傷沙汰起こす気はないし、できれば寿命まで長生きして欲しいんだけど……」
「若。地獄の果てまでお供します」
ダイまでそんなこと言い出すし。ダイに日本語の勉強で任侠映画見せるの、やめろって言ってんのに……もう。
「ダイ。悪い事言わないからお前はやめとけ」
「坊ちゃんも兄さん達も、私の家族と同じ。家族が戦う時、一緒に戦うのは当たり前の事です」
「いやいや、マジでやめとけって。下手すると日本で何にもできないまま、国に帰されるんだぞ」
「その時はその時。坊ちゃんに脅されて、やらされましたって言ってもいい?」
ダイは白い歯を見せてにっこり笑った。
……ちゃっかりしてんのな。こいつ、意外とどこ行っても大丈夫なんじゃねえかな。
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