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⭐︎オ・ト・ナ・の♡啖呵売@イングリッシュバージョン(違)
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「語学は教科書よりも実践だよ!」
「……何で今まで思いつかなかったんだろうな。ぜひよろしく頼む」
俺は思わずベッドの上に起き直って、玄英に頭を下げた。お互い全裸で頼み事するにはかなり間抜けなシチュエーションだが、誰が見ている訳でもなし。思い立ったら吉日だ。
「教えるのはいいけど、僕、けっこうスパルタだよ?まず、僕と話す時は日本語禁止」
「おう。それなら上達速そうだな!」
こちとら伊達に上下関係絶対な職人とヤンキーの世界に片足ずつ突っ込んではいないのである。「下積みしながら盗んで覚えろ」とか「血の汗流せ涙を拭くな」といった体育会的無茶振りに比べりゃどうって事ない……はず。
あ、ちなみにヤンキー歴ある事は、玄英にはまだ言ってないんだが。
「(ピー)する時や(ピー)の時もだよ?」
「お、おう……って、啖呵切る時はどうするんだ?片言で言葉責めなんて、どうにも締まらねえだろ」
「大丈夫!人前ではとても言えないような恥ずかしいスラングをありったけ教えてあげるから」
「はあっ?」
「片言なのがまた萌える」
寝起き早々、キラキラした笑顔でさらっと何言い出しやがるんだこの野郎。
「は?ちょっと待て!」
と、玄英も起きあがって、怖い顔で俺の眼を睨みつけ、両手を掴んだ。
「ノー。イングリッシュオンリー。リピートアフターミー」
ブラック玄英の片鱗を召喚してしまったような気がする。
「(ピー)」「(ピー)」「アンド(ピー)」
聞いた事ない単語だが、何やら卑猥な言葉だというのは何となく語感でわかる。
「リピートアフターミー。(ピー)」
「ふっ……ふざけんな!やっぱりやめだ!」
俺は玄英の手を振り解いて立ち上がろうとした。と、逮捕術よろしく後ろ手に押さえつけられる。
「(ピー)」
「やめろ!馬鹿!触んな!」
「リピートアフターミー!(ピー)」「アンド(ピー)」
十八禁バージョンのサ◯バン先生かよっ!
「わああっ!やめ、やめ!馬鹿!指入れようとしてんじゃねえっ!……こっ、コーゾッ!コーゾー!」
玄英はすんなり手を離し、俺は涙目でベッドから飛び起きた。「メーデーメーデー」みたいな勢いで絶叫しながら、初めてセーフワード使ったのが俺だってのも納得いかない。しかもそれがまさかの自分の(ピー)の貞操の危機だなんて。
「てっ、てめえ!ふざけんなよ!」
俺はかなり本気で怒っていたのだが、ブラック玄英は手強い。悪びれたり怯えたりするどころか、「何かいけなかった?」と言いたげな表情できょとんと首を傾げている。
「あんたになんか、絶対教わるもんか!」
「残念。ちゃんと覚えたら、僕も(ピー)の時に英語で(ピー)してあげられたのに」
「はっ?……えっ……?え、何だって?」
寝室を出て行こうとしていた俺は思わず振り向いた。
「英語で(ピー)……って、お前が(ピー)の時に(ピー)とか(ピー)とか言っちゃうのか?」
「自分じゃコントロールできないからわからないけど……思わず言っちゃうかもね」
「そ、そんな……まるで洋物のAVみたいじゃないか」
あちらのその手のモノって、昔、女優さん出てくるヤツを観た事があるきりだけど……皆さん揃いも揃って立派なモノをお持ちで、えらい積極的というか貪欲というか、日本男児ごとき頭から食われそうな勢いだし、叫び声も凄いし。
「……は、破廉恥な……」
けしからん。ご主人様はそんなの許しません!
「はれんちって何?僕、元々バイリンガルなんですけど」
玄英が愛らしく眉をしかめた。
「もしかしたら僕、『日本人は控えめでシャイなリアクションが好きだ』って刷り込まれてるのかも」
「俺の玄英が……英っ……英語で……あんな事やこんな事を……」
俺、涙目。
『恒星。語学は実践だよ』
玄英はふらふら寄ってきた俺を笑顔でベッドに引き戻すと、何も身につけてない白い身体をシーツの上に横たえ、寝乱れたままの気怠そうな表情で囁いた。
『もう一度縛って?ご主人様』
結局俺達は貴重な休日のもう半分を、爛れきった時間に費やしてしまった。そして事後に気づいたのだが、こいつが(ピー)する時の(ピー)は日本語でも英語でもない(ピー♡)とか(ビー♡)という声なのだった……実にけしからん。
「……何で今まで思いつかなかったんだろうな。ぜひよろしく頼む」
俺は思わずベッドの上に起き直って、玄英に頭を下げた。お互い全裸で頼み事するにはかなり間抜けなシチュエーションだが、誰が見ている訳でもなし。思い立ったら吉日だ。
「教えるのはいいけど、僕、けっこうスパルタだよ?まず、僕と話す時は日本語禁止」
「おう。それなら上達速そうだな!」
こちとら伊達に上下関係絶対な職人とヤンキーの世界に片足ずつ突っ込んではいないのである。「下積みしながら盗んで覚えろ」とか「血の汗流せ涙を拭くな」といった体育会的無茶振りに比べりゃどうって事ない……はず。
あ、ちなみにヤンキー歴ある事は、玄英にはまだ言ってないんだが。
「(ピー)する時や(ピー)の時もだよ?」
「お、おう……って、啖呵切る時はどうするんだ?片言で言葉責めなんて、どうにも締まらねえだろ」
「大丈夫!人前ではとても言えないような恥ずかしいスラングをありったけ教えてあげるから」
「はあっ?」
「片言なのがまた萌える」
寝起き早々、キラキラした笑顔でさらっと何言い出しやがるんだこの野郎。
「は?ちょっと待て!」
と、玄英も起きあがって、怖い顔で俺の眼を睨みつけ、両手を掴んだ。
「ノー。イングリッシュオンリー。リピートアフターミー」
ブラック玄英の片鱗を召喚してしまったような気がする。
「(ピー)」「(ピー)」「アンド(ピー)」
聞いた事ない単語だが、何やら卑猥な言葉だというのは何となく語感でわかる。
「リピートアフターミー。(ピー)」
「ふっ……ふざけんな!やっぱりやめだ!」
俺は玄英の手を振り解いて立ち上がろうとした。と、逮捕術よろしく後ろ手に押さえつけられる。
「(ピー)」
「やめろ!馬鹿!触んな!」
「リピートアフターミー!(ピー)」「アンド(ピー)」
十八禁バージョンのサ◯バン先生かよっ!
「わああっ!やめ、やめ!馬鹿!指入れようとしてんじゃねえっ!……こっ、コーゾッ!コーゾー!」
玄英はすんなり手を離し、俺は涙目でベッドから飛び起きた。「メーデーメーデー」みたいな勢いで絶叫しながら、初めてセーフワード使ったのが俺だってのも納得いかない。しかもそれがまさかの自分の(ピー)の貞操の危機だなんて。
「てっ、てめえ!ふざけんなよ!」
俺はかなり本気で怒っていたのだが、ブラック玄英は手強い。悪びれたり怯えたりするどころか、「何かいけなかった?」と言いたげな表情できょとんと首を傾げている。
「あんたになんか、絶対教わるもんか!」
「残念。ちゃんと覚えたら、僕も(ピー)の時に英語で(ピー)してあげられたのに」
「はっ?……えっ……?え、何だって?」
寝室を出て行こうとしていた俺は思わず振り向いた。
「英語で(ピー)……って、お前が(ピー)の時に(ピー)とか(ピー)とか言っちゃうのか?」
「自分じゃコントロールできないからわからないけど……思わず言っちゃうかもね」
「そ、そんな……まるで洋物のAVみたいじゃないか」
あちらのその手のモノって、昔、女優さん出てくるヤツを観た事があるきりだけど……皆さん揃いも揃って立派なモノをお持ちで、えらい積極的というか貪欲というか、日本男児ごとき頭から食われそうな勢いだし、叫び声も凄いし。
「……は、破廉恥な……」
けしからん。ご主人様はそんなの許しません!
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玄英が愛らしく眉をしかめた。
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「俺の玄英が……英っ……英語で……あんな事やこんな事を……」
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