42 / 144
5
ポットラックの掟ーーバナナは酒の肴に入りますか?
しおりを挟む
「ありがとう!恒星ならきっと喜んでくれると思ってた!」
「いや、喜んじゃいねえがな。次からはちゃんと、俺に相談してからにしてくれよ」
「わかったよ!二人でホスト役ね」
で、一も二もなくローテーブル飛び越して俺の横にちょこんと座りやがるし……
「お、おい。あんまくっついてくんな。ちゃんと説明してからにして」
「僕らのパーティは基本、ポットラックパーティなんだ」
「へえ、面白そうだな。俺らも何か出すんだろ」
「そう。恒星は料理が得意だから食べ物担当で、僕が飲み物担当」
「は?」
コイツまた、サラッととんでもない無茶振りを……料理ができるといっても一人もんの平均的自炊レベルなんだが。
「俺、パーティ料理なんか作れないぞ?」
「いつもここで作ってくれてるような物でいいよ」
コイツに料理を振る舞った事も確かにあるが、白米に味噌汁+αーーせいぜいビジネス旅館の朝食メニューレベルだ。ちなみにレパートリーの最高難度は肉じゃが止まり。塩鮭でも焼けってか?
「恒星が日本食作れるって言ったら、みんな楽しみにしてて……」
「んな、ふわっとした情報で無駄にハードル上げてんじゃねえよ!JAR○に訴えんぞ!」
家主の小学生が外で勝手に安請け合いして来てしまうドラ○もんの心理がよくわかる。どら焼きのやけ食いとコンボで、さぞかし胃が痛かったことだろう。
さて、ホームパーティ当日。
俺の想像以上に肌や髪の色もファッションの傾向もカラフルで多国籍な、少数精鋭D社スタッフ達ーーラボの研究員やアルバイト、ついでにパートナーやら家族やらもひっくるめた総勢二十数人ほどが、玄英のリビングに集まった。社長の家を訪問するためにスーツを着ている人なんか一人もいない。メタルにドレッドーー好感度ファッションなんての信奉し量産系カジュアルを愛用する、ごく平均的ファッションセンスの日本人から見たら、どこぞのカーニバルかハロウィンの仮装祭りに迷い込んだか?ってくらい何でもありの超個性派揃いだ。
超個性と超個性があまりにもぶつかり合い過ぎてて、バーテンスタイルの玄英と何ちゃって板前コスプレの俺(蕎麦打ちが趣味の職人さんに借りた)、無難なジャケット姿の古賀さんの三人がかえって目立つという珍現象が起きている。
一人一人に紹介され、歓迎されたのは光栄だが、社用語が英語だなんて聞いていない(汗)
国内採用の社員もいるとた聞いていたのだが、俺の思い浮かべるマジョリティの日本人に近い人って唯一、古賀さんだけかもしれない。
テーブルの上はおなじみのチキンから初めて見るエスニック風の料理まで、こちらも多国籍級のにぎやかさだ。
俺はホスト役@料理担当を全うするため、バーカウンター横にあるアイランドキッチンに引っ込んだ。普段は広過ぎてグリルで塩鮭だけ焼くのが申し訳ないような立派なキッチンなのだが(まあ、そもそも玄英は料理しない奴だしな)パーティ仕様でリビングと地続きにもできる。
「クロエのパートナーを紹介してもらえると聞いて、皆楽しみにしてたんですよ」
と、俺の周りにはあっという間に人垣ができた。さすがに日本支社だけあって、日本語を不自由なく話せるのは前提のようだ。英会話のBGMの中、ここだけ矢継ぎ早に日本語の質問が飛び交う。
「何作るんですか?」「素敵なウェアね」
「いつもここで料理を?」「ボスとはどこで知り合ったの?」
「いや……料理は……簡単な物だけで……」
不器用ですから!
「いや、喜んじゃいねえがな。次からはちゃんと、俺に相談してからにしてくれよ」
「わかったよ!二人でホスト役ね」
で、一も二もなくローテーブル飛び越して俺の横にちょこんと座りやがるし……
「お、おい。あんまくっついてくんな。ちゃんと説明してからにして」
「僕らのパーティは基本、ポットラックパーティなんだ」
「へえ、面白そうだな。俺らも何か出すんだろ」
「そう。恒星は料理が得意だから食べ物担当で、僕が飲み物担当」
「は?」
コイツまた、サラッととんでもない無茶振りを……料理ができるといっても一人もんの平均的自炊レベルなんだが。
「俺、パーティ料理なんか作れないぞ?」
「いつもここで作ってくれてるような物でいいよ」
コイツに料理を振る舞った事も確かにあるが、白米に味噌汁+αーーせいぜいビジネス旅館の朝食メニューレベルだ。ちなみにレパートリーの最高難度は肉じゃが止まり。塩鮭でも焼けってか?
「恒星が日本食作れるって言ったら、みんな楽しみにしてて……」
「んな、ふわっとした情報で無駄にハードル上げてんじゃねえよ!JAR○に訴えんぞ!」
家主の小学生が外で勝手に安請け合いして来てしまうドラ○もんの心理がよくわかる。どら焼きのやけ食いとコンボで、さぞかし胃が痛かったことだろう。
さて、ホームパーティ当日。
俺の想像以上に肌や髪の色もファッションの傾向もカラフルで多国籍な、少数精鋭D社スタッフ達ーーラボの研究員やアルバイト、ついでにパートナーやら家族やらもひっくるめた総勢二十数人ほどが、玄英のリビングに集まった。社長の家を訪問するためにスーツを着ている人なんか一人もいない。メタルにドレッドーー好感度ファッションなんての信奉し量産系カジュアルを愛用する、ごく平均的ファッションセンスの日本人から見たら、どこぞのカーニバルかハロウィンの仮装祭りに迷い込んだか?ってくらい何でもありの超個性派揃いだ。
超個性と超個性があまりにもぶつかり合い過ぎてて、バーテンスタイルの玄英と何ちゃって板前コスプレの俺(蕎麦打ちが趣味の職人さんに借りた)、無難なジャケット姿の古賀さんの三人がかえって目立つという珍現象が起きている。
一人一人に紹介され、歓迎されたのは光栄だが、社用語が英語だなんて聞いていない(汗)
国内採用の社員もいるとた聞いていたのだが、俺の思い浮かべるマジョリティの日本人に近い人って唯一、古賀さんだけかもしれない。
テーブルの上はおなじみのチキンから初めて見るエスニック風の料理まで、こちらも多国籍級のにぎやかさだ。
俺はホスト役@料理担当を全うするため、バーカウンター横にあるアイランドキッチンに引っ込んだ。普段は広過ぎてグリルで塩鮭だけ焼くのが申し訳ないような立派なキッチンなのだが(まあ、そもそも玄英は料理しない奴だしな)パーティ仕様でリビングと地続きにもできる。
「クロエのパートナーを紹介してもらえると聞いて、皆楽しみにしてたんですよ」
と、俺の周りにはあっという間に人垣ができた。さすがに日本支社だけあって、日本語を不自由なく話せるのは前提のようだ。英会話のBGMの中、ここだけ矢継ぎ早に日本語の質問が飛び交う。
「何作るんですか?」「素敵なウェアね」
「いつもここで料理を?」「ボスとはどこで知り合ったの?」
「いや……料理は……簡単な物だけで……」
不器用ですから!
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ハルとアキ
花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』
双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。
しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!?
「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。
だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。
〝俺〟を愛してーー
どうか気づいて。お願い、気づかないで」
----------------------------------------
【目次】
・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉
・各キャラクターの今後について
・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉
・リクエスト編
・番外編
・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉
・番外編
----------------------------------------
*表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) *
※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。
※心理描写を大切に書いてます。
※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ハイスペックED~元凶の貧乏大学生と同居生活~
みきち@書籍発売中!
BL
イケメン投資家(24)が、学生時代に初恋拗らせてEDになり、元凶の貧乏大学生(19)と同居する話。
成り行きで添い寝してたらとんでも関係になっちゃう、コメディ風+お料理要素あり♪
イケメン投資家(高見)×貧乏大学生(主人公:凛)
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
早く惚れてよ、怖がりナツ
ぱんなこった。
BL
幼少期のトラウマのせいで男性が怖くて苦手な男子高校生1年の那月(なつ)16歳。女友達はいるものの、男子と上手く話す事すらできず、ずっと周りに煙たがられていた。
このままではダメだと、高校でこそ克服しようと思いつつも何度も玉砕してしまう。
そしてある日、そんな那月をからかってきた同級生達に襲われそうになった時、偶然3年生の彩世(いろせ)がやってくる。
一見、真面目で大人しそうな彩世は、那月を助けてくれて…
那月は初めて、男子…それも先輩とまともに言葉を交わす。
ツンデレ溺愛先輩×男が怖い年下後輩
《表紙はフリーイラスト@oekakimikasuke様のものをお借りしました》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる