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ポットラックの掟ーーバナナは酒の肴に入りますか?
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「ありがとう!恒星ならきっと喜んでくれると思ってた!」
「いや、喜んじゃいねえがな。次からはちゃんと、俺に相談してからにしてくれよ」
「わかったよ!二人でホスト役ね」
で、一も二もなくローテーブル飛び越して俺の横にちょこんと座りやがるし……
「お、おい。あんまくっついてくんな。ちゃんと説明してからにして」
「僕らのパーティは基本、ポットラックパーティなんだ」
「へえ、面白そうだな。俺らも何か出すんだろ」
「そう。恒星は料理が得意だから食べ物担当で、僕が飲み物担当」
「は?」
コイツまた、サラッととんでもない無茶振りを……料理ができるといっても一人もんの平均的自炊レベルなんだが。
「俺、パーティ料理なんか作れないぞ?」
「いつもここで作ってくれてるような物でいいよ」
コイツに料理を振る舞った事も確かにあるが、白米に味噌汁+αーーせいぜいビジネス旅館の朝食メニューレベルだ。ちなみにレパートリーの最高難度は肉じゃが止まり。塩鮭でも焼けってか?
「恒星が日本食作れるって言ったら、みんな楽しみにしてて……」
「んな、ふわっとした情報で無駄にハードル上げてんじゃねえよ!JAR○に訴えんぞ!」
家主の小学生が外で勝手に安請け合いして来てしまうドラ○もんの心理がよくわかる。どら焼きのやけ食いとコンボで、さぞかし胃が痛かったことだろう。
さて、ホームパーティ当日。
俺の想像以上に肌や髪の色もファッションの傾向もカラフルで多国籍な、少数精鋭D社スタッフ達ーーラボの研究員やアルバイト、ついでにパートナーやら家族やらもひっくるめた総勢二十数人ほどが、玄英のリビングに集まった。社長の家を訪問するためにスーツを着ている人なんか一人もいない。メタルにドレッドーー好感度ファッションなんての信奉し量産系カジュアルを愛用する、ごく平均的ファッションセンスの日本人から見たら、どこぞのカーニバルかハロウィンの仮装祭りに迷い込んだか?ってくらい何でもありの超個性派揃いだ。
超個性と超個性があまりにもぶつかり合い過ぎてて、バーテンスタイルの玄英と何ちゃって板前コスプレの俺(蕎麦打ちが趣味の職人さんに借りた)、無難なジャケット姿の古賀さんの三人がかえって目立つという珍現象が起きている。
一人一人に紹介され、歓迎されたのは光栄だが、社用語が英語だなんて聞いていない(汗)
国内採用の社員もいるとた聞いていたのだが、俺の思い浮かべるマジョリティの日本人に近い人って唯一、古賀さんだけかもしれない。
テーブルの上はおなじみのチキンから初めて見るエスニック風の料理まで、こちらも多国籍級のにぎやかさだ。
俺はホスト役@料理担当を全うするため、バーカウンター横にあるアイランドキッチンに引っ込んだ。普段は広過ぎてグリルで塩鮭だけ焼くのが申し訳ないような立派なキッチンなのだが(まあ、そもそも玄英は料理しない奴だしな)パーティ仕様でリビングと地続きにもできる。
「クロエのパートナーを紹介してもらえると聞いて、皆楽しみにしてたんですよ」
と、俺の周りにはあっという間に人垣ができた。さすがに日本支社だけあって、日本語を不自由なく話せるのは前提のようだ。英会話のBGMの中、ここだけ矢継ぎ早に日本語の質問が飛び交う。
「何作るんですか?」「素敵なウェアね」
「いつもここで料理を?」「ボスとはどこで知り合ったの?」
「いや……料理は……簡単な物だけで……」
不器用ですから!
「いや、喜んじゃいねえがな。次からはちゃんと、俺に相談してからにしてくれよ」
「わかったよ!二人でホスト役ね」
で、一も二もなくローテーブル飛び越して俺の横にちょこんと座りやがるし……
「お、おい。あんまくっついてくんな。ちゃんと説明してからにして」
「僕らのパーティは基本、ポットラックパーティなんだ」
「へえ、面白そうだな。俺らも何か出すんだろ」
「そう。恒星は料理が得意だから食べ物担当で、僕が飲み物担当」
「は?」
コイツまた、サラッととんでもない無茶振りを……料理ができるといっても一人もんの平均的自炊レベルなんだが。
「俺、パーティ料理なんか作れないぞ?」
「いつもここで作ってくれてるような物でいいよ」
コイツに料理を振る舞った事も確かにあるが、白米に味噌汁+αーーせいぜいビジネス旅館の朝食メニューレベルだ。ちなみにレパートリーの最高難度は肉じゃが止まり。塩鮭でも焼けってか?
「恒星が日本食作れるって言ったら、みんな楽しみにしてて……」
「んな、ふわっとした情報で無駄にハードル上げてんじゃねえよ!JAR○に訴えんぞ!」
家主の小学生が外で勝手に安請け合いして来てしまうドラ○もんの心理がよくわかる。どら焼きのやけ食いとコンボで、さぞかし胃が痛かったことだろう。
さて、ホームパーティ当日。
俺の想像以上に肌や髪の色もファッションの傾向もカラフルで多国籍な、少数精鋭D社スタッフ達ーーラボの研究員やアルバイト、ついでにパートナーやら家族やらもひっくるめた総勢二十数人ほどが、玄英のリビングに集まった。社長の家を訪問するためにスーツを着ている人なんか一人もいない。メタルにドレッドーー好感度ファッションなんての信奉し量産系カジュアルを愛用する、ごく平均的ファッションセンスの日本人から見たら、どこぞのカーニバルかハロウィンの仮装祭りに迷い込んだか?ってくらい何でもありの超個性派揃いだ。
超個性と超個性があまりにもぶつかり合い過ぎてて、バーテンスタイルの玄英と何ちゃって板前コスプレの俺(蕎麦打ちが趣味の職人さんに借りた)、無難なジャケット姿の古賀さんの三人がかえって目立つという珍現象が起きている。
一人一人に紹介され、歓迎されたのは光栄だが、社用語が英語だなんて聞いていない(汗)
国内採用の社員もいるとた聞いていたのだが、俺の思い浮かべるマジョリティの日本人に近い人って唯一、古賀さんだけかもしれない。
テーブルの上はおなじみのチキンから初めて見るエスニック風の料理まで、こちらも多国籍級のにぎやかさだ。
俺はホスト役@料理担当を全うするため、バーカウンター横にあるアイランドキッチンに引っ込んだ。普段は広過ぎてグリルで塩鮭だけ焼くのが申し訳ないような立派なキッチンなのだが(まあ、そもそも玄英は料理しない奴だしな)パーティ仕様でリビングと地続きにもできる。
「クロエのパートナーを紹介してもらえると聞いて、皆楽しみにしてたんですよ」
と、俺の周りにはあっという間に人垣ができた。さすがに日本支社だけあって、日本語を不自由なく話せるのは前提のようだ。英会話のBGMの中、ここだけ矢継ぎ早に日本語の質問が飛び交う。
「何作るんですか?」「素敵なウェアね」
「いつもここで料理を?」「ボスとはどこで知り合ったの?」
「いや……料理は……簡単な物だけで……」
不器用ですから!
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