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第一部 第二章「最悪の夜獣・前編」
第18話 約束
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side:玄野零
『準備中。準備中。スーツ充填率58、74、100。起動準備完了しました』
機械の音声が流れてくるのと同時に、体内の魔力が少しずつ減っていく。
──魔力が……減って。
何だ? まさか、このスーツの影響か?
スーツを軽く引っ張ってみるが、ゴムのように少し伸びるだけで、何の変化もない。
何がどうなって……。
パチンッと音を立てて、戻るスーツに首を傾げていたその時──。
「避けて!」
ルナの慌てた声が耳を貫く。
避ける? 何を──。
『『雷撃』』
白い光が視界の大半を支配する。
しまっ……。
『敵接近を感知しました。自動緊急回避します』
「──へ? うおっ?」
機械音声が流れ終わる前に背筋が突然、後ろへと倒れるようにして折れ曲がり、白い電光を放つ拳が目の前を通り過ぎていく。
身体が勝手に……。
今のはまさか、このスーツが動かしたのか?
俺の身体を?
『──チッ』
『緊急回避します』
「──うおっ⁉︎」
ガクンっと背筋が元に戻ると同時に、今度はバックステップで迫り来る第二の拳を避ける。
危ねぇ。突然、身体が脊髄反射の勢いで動き始めるから、舌噛みそうになる。
それに、膝カックンを全身にされているみたいで少し気持ち悪い。
『気持ち悪りぃ動きしやがって』
気持ち悪いって、それは少し酷くない?
俺だって、したくてしてるわけじゃないんだけど……。
「はぁ。はぁ」
目の前のバケモノに文句を言ってやりたい気分なのに、周囲を支配する高密度の殺気にやられてか、ふとした時に呼吸を忘れている。
スーツを着た事で何とか死は免れてはいるが、自分の中の生物的本能がずっと生きた心地がしない。
どうにかしないと。このままじゃ、ジリ貧だ。
せめて、あの速さを……。
『おいおい。今って考え事していてもいいのか?』
奴の声が必死に対処法を考えていた俺の頭を現実へと引き戻す。
……絶望という文字を連れて。
「──っ!」
何だよ。この魔力。
目の前で起こる急激な魔力の圧縮。
それがバケモノの周りで重なり合っていく術印のせいなのかは分からない。
だけど、ソレを感じ取った瞬間、全身に鳥肌が走った。
『魔力の上昇を感知。回避不可避と推定。防御を推奨』
グローブから鳴り響く機械の音声が遠く聞こえてくる。
ヤバい。どうにかしなきゃ。
「はぁ。はぁ」
鼓動が高鳴り、心拍数が次第に上昇していく。
今までに感じた事の無い、自身に向けられる“死”を目の前にした未知の感覚。
──呼吸が上手く出来ない。
避けなきゃ、防御をしなきゃ、何かしなきゃいけないのに……脚がすくんで動けない。
ヤバい。ヤバい!
「──い!」
『『◾️◾️◾️』』
バケモノの口が動いたのを最後に、視界が真っ白に染まっていく。
──ダメだ。死ん……。
・・・
「……い」
誰かの声がする。
俺は……今、何をしてるんだ?
身体が重い。
微妙だけど背中も痛い。
打ちつけた様な痛みだ。
「……い!」
ベッドから落ちたのかなぁ。
まあ、最近はたまにルナが潜り込んでる事も……ルナ?
「──零! しっかりして!」
ペチペチと頬を叩かれる感覚によって、意識が現実へと戻される。
押し倒す様な形でこちらに倒れ込んで来ている銀髪の少女。
「……ル──」
苦痛に歪んだ様な表情を浮かべる彼女に、声をかけようと口を開くが、その声は視界に飛び込んできた光景に打ち消されていく。
ルナ? 何で……。
目の前でルナの腕からポタポタと垂れる真っ赤な液体に俺は自分の目を疑った。
「ルナ……その腕」
「大丈夫。擦り傷だから」
見た感じ腕の傷は深くは無い。
ルナの言う通り、擦り傷なのだろう。
それでも、俺が動けなかったばかりにルナが怪我を負う羽目になった事実には変わりなかった。
「零、それよりも──」
『お? 生きていたのか。少し本気だったんだがなぁ』
声のする方を向くと、ニヤリと笑みを浮かべる奴の周囲にはまだ2つも先と同じ術印が残っている。
……さっきのがまだ2つも。
“絶体絶命”。その言葉が脳裏を過ぎる。
『さっきは当て損ねちまったが、今度は当ててやるよ。2人仲良くなぁ‼︎』
バケモノの言葉に反応するように奴の周囲の術印は白く輝き、魔力を貯め始める。
ダメだ。もう。
「──させない。『Form change』」
ルナの言葉に反応するように、すぐ近くの地面に落ちていた銀剣は眩い光を放つ。
「『type Shield』」
白い光の中から姿を現した1つの盾は、持ち主であるルナの手元へと戻ってくる。
……神器が盾へと姿を変えた?
目の前で持ち主を守護するように浮いている白い盾。形は変わっても雰囲気は一切変わっていない。
……でも。無理だ。
いくら、ルナの神器が凄いとはいえ、あの一撃に込められた魔力量。そして、あの火力。
このままじゃ、あの火力に押し負ける。
不安という名の感情が表情に出ていたのか、ルナは無言で笑いかけてくる。
「大丈夫。安心して。まだ……行けるから! 『神器解放!』」
突然の魔力の上昇。
バケモノとルナから放たれる膨大な魔力に肌がビリビリと痺れる。
普通なら、こんな魔力密度が高い場所にはいたくないのだろう。だけど、今は違った。
ルナの神器から放たれる魔力がバケモノの魔力を打ち消しているのか、先程まで本能が感じていた恐怖心が消え、心にゆとりが出来る。
……暖かい。
魔力密度は凄いはずなのに。
ずっとここに居たい。そう思ってしまう。
『消えろぉぉ! 『◾️◾️◾️』』
「『邪を祓う盾』」
ルナとバケモノが叫ぶように呪文を唱えた瞬間、白い閃光と神器から生じたドーム状の結界がぶつかり合い、世界から色が消えた。
・・・
あ、あれ? ここは、何処だ?
眼を開けると、ただただ白く染まった世界が視界に映り込む。
確か……ルナの神器とアイツの術が衝突して……。
もしかして、推し負けたのか?
だとしたら、ここは……。
「零! 大丈夫?」
知っている声が背後から聞こえて振り向くと、そこには彼女が立っていた。
「ルナ? ……ルナがここにいるって事は、もしかして──」
「ううん。ここはあの世なんかじゃないよ」
「え? いや、俺たち。あの一撃で死んだんじゃ……ないの?」
……まさか、生きているのか?
走馬灯なんかじゃないよな?
「ここは神器の力で生成した隔離結界。この空間は外部との接触を高密度の魔力で絶っているから、時間の流れも違う」
「それって……」
某アニメの……。
「そう。仕組み的には精○と時の部屋に近い。だけど、近いってだけで少し違う。ここに居られるのには制限時間がある」
「……制限時間?」
「そう。ここに居れば居るほど、私の魔力が消費されていく。だから、私の魔力がある間は零を守っていられるけど、底を尽きたら、終わり」
そう淡々と語るルナの表情は何処か重く感じる。
……もう打つ手はないのか?
「なあ、ルナ。まさか、このまま籠城ってわけじゃないよな」
──元々、ここへ来たのは凛を助ける為だ。
凛も救えず、助けに来たのに殺され、助けに来てくれたルナを巻き込む。
そんな事……。
出来るわけない。
「零が望むなら、籠城でも良い。ただ、策なら2つある。1つは、私1人が奴と戦って倒す。一番メジャーな戦い方。ただ、これは零が隔離結界を解いた瞬間に奴との距離を遠ざけなければいけないのと、建物が崩壊して巻き添えになる可能性がある。もう1つは、確実に奴を倒せる戦い方。だけど、この策はあまり取りたくない」
ルナは余程その策が嫌なのか、顔を少しだけ顰めた。
「確実にアイツを倒せるなら、後者しかないだろ」
「……いいの? この策は零に相当頑張って貰わなきゃいけないけど……」
俺に相当な負担がかかる作戦か。
ここ1週間で、いろんな経験をした。
それこそ、何度死を身近に感じたか分からないくらいだ。
今回だって、死を身近に感じ過ぎて、正直怖い。
逃げられるなら、今すぐにでも家に帰ってベッドに包まりたい。
でも……でもさ。
今ここで逃げたら……。今ここでルナ1人を戦わせる選択肢を取れば、俺はあの夜の誓いをドブに捨てることになる。
だから……。
「……ルナ。あの日、言ったよな。また、動物園に行きたいって。今度は皆で行くんだろ? ならさ。帰る時は皆、一緒だ」
未だ恐怖を隠し切れてない手を背に隠しながら、精一杯の作り笑顔を作って見せる。
「……零」
クソ下手くそ笑顔だったんだろう。
ルナは何処か心配そうだった。
「確実に帰るんだろ? なら、作戦の詳細を話してくれよ」
『準備中。準備中。スーツ充填率58、74、100。起動準備完了しました』
機械の音声が流れてくるのと同時に、体内の魔力が少しずつ減っていく。
──魔力が……減って。
何だ? まさか、このスーツの影響か?
スーツを軽く引っ張ってみるが、ゴムのように少し伸びるだけで、何の変化もない。
何がどうなって……。
パチンッと音を立てて、戻るスーツに首を傾げていたその時──。
「避けて!」
ルナの慌てた声が耳を貫く。
避ける? 何を──。
『『雷撃』』
白い光が視界の大半を支配する。
しまっ……。
『敵接近を感知しました。自動緊急回避します』
「──へ? うおっ?」
機械音声が流れ終わる前に背筋が突然、後ろへと倒れるようにして折れ曲がり、白い電光を放つ拳が目の前を通り過ぎていく。
身体が勝手に……。
今のはまさか、このスーツが動かしたのか?
俺の身体を?
『──チッ』
『緊急回避します』
「──うおっ⁉︎」
ガクンっと背筋が元に戻ると同時に、今度はバックステップで迫り来る第二の拳を避ける。
危ねぇ。突然、身体が脊髄反射の勢いで動き始めるから、舌噛みそうになる。
それに、膝カックンを全身にされているみたいで少し気持ち悪い。
『気持ち悪りぃ動きしやがって』
気持ち悪いって、それは少し酷くない?
俺だって、したくてしてるわけじゃないんだけど……。
「はぁ。はぁ」
目の前のバケモノに文句を言ってやりたい気分なのに、周囲を支配する高密度の殺気にやられてか、ふとした時に呼吸を忘れている。
スーツを着た事で何とか死は免れてはいるが、自分の中の生物的本能がずっと生きた心地がしない。
どうにかしないと。このままじゃ、ジリ貧だ。
せめて、あの速さを……。
『おいおい。今って考え事していてもいいのか?』
奴の声が必死に対処法を考えていた俺の頭を現実へと引き戻す。
……絶望という文字を連れて。
「──っ!」
何だよ。この魔力。
目の前で起こる急激な魔力の圧縮。
それがバケモノの周りで重なり合っていく術印のせいなのかは分からない。
だけど、ソレを感じ取った瞬間、全身に鳥肌が走った。
『魔力の上昇を感知。回避不可避と推定。防御を推奨』
グローブから鳴り響く機械の音声が遠く聞こえてくる。
ヤバい。どうにかしなきゃ。
「はぁ。はぁ」
鼓動が高鳴り、心拍数が次第に上昇していく。
今までに感じた事の無い、自身に向けられる“死”を目の前にした未知の感覚。
──呼吸が上手く出来ない。
避けなきゃ、防御をしなきゃ、何かしなきゃいけないのに……脚がすくんで動けない。
ヤバい。ヤバい!
「──い!」
『『◾️◾️◾️』』
バケモノの口が動いたのを最後に、視界が真っ白に染まっていく。
──ダメだ。死ん……。
・・・
「……い」
誰かの声がする。
俺は……今、何をしてるんだ?
身体が重い。
微妙だけど背中も痛い。
打ちつけた様な痛みだ。
「……い!」
ベッドから落ちたのかなぁ。
まあ、最近はたまにルナが潜り込んでる事も……ルナ?
「──零! しっかりして!」
ペチペチと頬を叩かれる感覚によって、意識が現実へと戻される。
押し倒す様な形でこちらに倒れ込んで来ている銀髪の少女。
「……ル──」
苦痛に歪んだ様な表情を浮かべる彼女に、声をかけようと口を開くが、その声は視界に飛び込んできた光景に打ち消されていく。
ルナ? 何で……。
目の前でルナの腕からポタポタと垂れる真っ赤な液体に俺は自分の目を疑った。
「ルナ……その腕」
「大丈夫。擦り傷だから」
見た感じ腕の傷は深くは無い。
ルナの言う通り、擦り傷なのだろう。
それでも、俺が動けなかったばかりにルナが怪我を負う羽目になった事実には変わりなかった。
「零、それよりも──」
『お? 生きていたのか。少し本気だったんだがなぁ』
声のする方を向くと、ニヤリと笑みを浮かべる奴の周囲にはまだ2つも先と同じ術印が残っている。
……さっきのがまだ2つも。
“絶体絶命”。その言葉が脳裏を過ぎる。
『さっきは当て損ねちまったが、今度は当ててやるよ。2人仲良くなぁ‼︎』
バケモノの言葉に反応するように奴の周囲の術印は白く輝き、魔力を貯め始める。
ダメだ。もう。
「──させない。『Form change』」
ルナの言葉に反応するように、すぐ近くの地面に落ちていた銀剣は眩い光を放つ。
「『type Shield』」
白い光の中から姿を現した1つの盾は、持ち主であるルナの手元へと戻ってくる。
……神器が盾へと姿を変えた?
目の前で持ち主を守護するように浮いている白い盾。形は変わっても雰囲気は一切変わっていない。
……でも。無理だ。
いくら、ルナの神器が凄いとはいえ、あの一撃に込められた魔力量。そして、あの火力。
このままじゃ、あの火力に押し負ける。
不安という名の感情が表情に出ていたのか、ルナは無言で笑いかけてくる。
「大丈夫。安心して。まだ……行けるから! 『神器解放!』」
突然の魔力の上昇。
バケモノとルナから放たれる膨大な魔力に肌がビリビリと痺れる。
普通なら、こんな魔力密度が高い場所にはいたくないのだろう。だけど、今は違った。
ルナの神器から放たれる魔力がバケモノの魔力を打ち消しているのか、先程まで本能が感じていた恐怖心が消え、心にゆとりが出来る。
……暖かい。
魔力密度は凄いはずなのに。
ずっとここに居たい。そう思ってしまう。
『消えろぉぉ! 『◾️◾️◾️』』
「『邪を祓う盾』」
ルナとバケモノが叫ぶように呪文を唱えた瞬間、白い閃光と神器から生じたドーム状の結界がぶつかり合い、世界から色が消えた。
・・・
あ、あれ? ここは、何処だ?
眼を開けると、ただただ白く染まった世界が視界に映り込む。
確か……ルナの神器とアイツの術が衝突して……。
もしかして、推し負けたのか?
だとしたら、ここは……。
「零! 大丈夫?」
知っている声が背後から聞こえて振り向くと、そこには彼女が立っていた。
「ルナ? ……ルナがここにいるって事は、もしかして──」
「ううん。ここはあの世なんかじゃないよ」
「え? いや、俺たち。あの一撃で死んだんじゃ……ないの?」
……まさか、生きているのか?
走馬灯なんかじゃないよな?
「ここは神器の力で生成した隔離結界。この空間は外部との接触を高密度の魔力で絶っているから、時間の流れも違う」
「それって……」
某アニメの……。
「そう。仕組み的には精○と時の部屋に近い。だけど、近いってだけで少し違う。ここに居られるのには制限時間がある」
「……制限時間?」
「そう。ここに居れば居るほど、私の魔力が消費されていく。だから、私の魔力がある間は零を守っていられるけど、底を尽きたら、終わり」
そう淡々と語るルナの表情は何処か重く感じる。
……もう打つ手はないのか?
「なあ、ルナ。まさか、このまま籠城ってわけじゃないよな」
──元々、ここへ来たのは凛を助ける為だ。
凛も救えず、助けに来たのに殺され、助けに来てくれたルナを巻き込む。
そんな事……。
出来るわけない。
「零が望むなら、籠城でも良い。ただ、策なら2つある。1つは、私1人が奴と戦って倒す。一番メジャーな戦い方。ただ、これは零が隔離結界を解いた瞬間に奴との距離を遠ざけなければいけないのと、建物が崩壊して巻き添えになる可能性がある。もう1つは、確実に奴を倒せる戦い方。だけど、この策はあまり取りたくない」
ルナは余程その策が嫌なのか、顔を少しだけ顰めた。
「確実にアイツを倒せるなら、後者しかないだろ」
「……いいの? この策は零に相当頑張って貰わなきゃいけないけど……」
俺に相当な負担がかかる作戦か。
ここ1週間で、いろんな経験をした。
それこそ、何度死を身近に感じたか分からないくらいだ。
今回だって、死を身近に感じ過ぎて、正直怖い。
逃げられるなら、今すぐにでも家に帰ってベッドに包まりたい。
でも……でもさ。
今ここで逃げたら……。今ここでルナ1人を戦わせる選択肢を取れば、俺はあの夜の誓いをドブに捨てることになる。
だから……。
「……ルナ。あの日、言ったよな。また、動物園に行きたいって。今度は皆で行くんだろ? ならさ。帰る時は皆、一緒だ」
未だ恐怖を隠し切れてない手を背に隠しながら、精一杯の作り笑顔を作って見せる。
「……零」
クソ下手くそ笑顔だったんだろう。
ルナは何処か心配そうだった。
「確実に帰るんだろ? なら、作戦の詳細を話してくれよ」
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