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第1章
1-26 約束(ネイシア過去編)
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私は、魔法国家マギレストの王。ネイシア・オルトハルトだ。少し昔の話をしよう。あれは、100年前ほど前のことだ。
―――100年ほど前。
6種族間の戦争が絶え間なく行われていた時代。
私と帝国の王テレシア・ヴァーミリオンが出会ったのは彼が12歳という若さにして王の座を継ぎ、私が王として本格的に動き出した頃だった。
「いきなり訪れてしまって申し訳ございません、ネイシア王」
「いえ、それで私に何か御用でしょうかテレシア王」
第一印象は、若すぎる王だなと思った。率直な感想を述べると王の風格では内容に見えたという方が正確だ。
「実は…、内密の話でして出来れば2人で話せないでしょうか?」
「以下に御身であろうと!それは!」
「良い、それほどに重要な案件なんだろう…王室に行こうか」
王室と言っても庶民とあまり変わらない客間である。私が作った国の理念は富裕層と貧困層を無くし、常に人々が何不自由なく暮らせることだ。それは、王も同じで権利や金銭も大抵同じ稼ぎだ。権利においては一応は決定権はあるが絶対ではない。
「お話をお聞きする前に2人で会っている時は、敬語やら気遣いやらは無用です、私は元々そんなに大した人間ではないので…」
「ありがとう…、それでお願いしたいことがあるんですけども…」
「何でしょうか?」
「実は他の種族や国から、逃げてきた難民達が我が国に押し寄せてきているのです…一先ずは我が国で預かっては居るのですが人族の…特にジールにバレると非常に不味い。あの国は捕虜にした種族を解剖して趣味の悪いことに武器や防具に使っているとか何とか。人体実験も繰り返されているらしいですし…」
「成程、それで私をお頼りになられたのですね…引き受けても良いでしょう」
「ほんとに!?」
「えぇ、ですがその前に1つ誓いをして欲しいのですがよろしいでしょうか?」
このテレシア・ヴァーミリオンという、王は今の所ほかの王たちの様に汚れているわけでもなく種族差別もないように思える。ただ、それは現段階で12歳の彼だからである。これから先もこの性格のまま成長するとは限らない。
彼の大切な人々がこの戦争によって他種族から殺されるような事があれば情が出やすい彼の事だ。迷い無く攻めるだろう。だが、そのやり方では誰も救われない、たとえ後悔なくこの選択をしたと言い切ったとしても1度、人を殺めれば二度と選択を帰ることは許されない。例え、間違っていたとしても進み続けなければ行けなくなり最終的には破滅の道を辿ることになるだろう。そうならないよう私は彼に、1つの提案をする。
「私はね、テレシア。君を友人として接する、君もそうしてくれればいい。私の願いはただ一つ、お互いの国が窮地になったりすれば助け合えるような関係になりたいと言うことだ。そうすれば、君が連れてきた難民達とも交流できるだろうし何より戦争終結に繋がる事が何かしら出来るかもしれない」
ありのままの言葉を彼にぶつけた。
「僕は…いえ、俺はネイシアあなたとその契りを交えましょう。目指す場所が同じであれば問題は無いから…それに、何より貴方は面白い!」
「なんだそれっ。お前おかしいんじゃないか、器じゃないって私は…」
―――100年ほど前。
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私と帝国の王テレシア・ヴァーミリオンが出会ったのは彼が12歳という若さにして王の座を継ぎ、私が王として本格的に動き出した頃だった。
「いきなり訪れてしまって申し訳ございません、ネイシア王」
「いえ、それで私に何か御用でしょうかテレシア王」
第一印象は、若すぎる王だなと思った。率直な感想を述べると王の風格では内容に見えたという方が正確だ。
「実は…、内密の話でして出来れば2人で話せないでしょうか?」
「以下に御身であろうと!それは!」
「良い、それほどに重要な案件なんだろう…王室に行こうか」
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「お話をお聞きする前に2人で会っている時は、敬語やら気遣いやらは無用です、私は元々そんなに大した人間ではないので…」
「ありがとう…、それでお願いしたいことがあるんですけども…」
「何でしょうか?」
「実は他の種族や国から、逃げてきた難民達が我が国に押し寄せてきているのです…一先ずは我が国で預かっては居るのですが人族の…特にジールにバレると非常に不味い。あの国は捕虜にした種族を解剖して趣味の悪いことに武器や防具に使っているとか何とか。人体実験も繰り返されているらしいですし…」
「成程、それで私をお頼りになられたのですね…引き受けても良いでしょう」
「ほんとに!?」
「えぇ、ですがその前に1つ誓いをして欲しいのですがよろしいでしょうか?」
このテレシア・ヴァーミリオンという、王は今の所ほかの王たちの様に汚れているわけでもなく種族差別もないように思える。ただ、それは現段階で12歳の彼だからである。これから先もこの性格のまま成長するとは限らない。
彼の大切な人々がこの戦争によって他種族から殺されるような事があれば情が出やすい彼の事だ。迷い無く攻めるだろう。だが、そのやり方では誰も救われない、たとえ後悔なくこの選択をしたと言い切ったとしても1度、人を殺めれば二度と選択を帰ることは許されない。例え、間違っていたとしても進み続けなければ行けなくなり最終的には破滅の道を辿ることになるだろう。そうならないよう私は彼に、1つの提案をする。
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ありのままの言葉を彼にぶつけた。
「僕は…いえ、俺はネイシアあなたとその契りを交えましょう。目指す場所が同じであれば問題は無いから…それに、何より貴方は面白い!」
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