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領都フルネンディク
22 NYカップケーキを作ろう!3
しおりを挟むシモンの頑張りの為にもカラーピーマンらしきものをちょっと味見してみましょうか。
縦半分に切ると、肉厚の果肉と上部だけにある種。味もそのままですね。
そんなに量もないし、カラーピーマンソースを作っておきましょう。赤色ピーマンもあると彩りよく作れるのですが、まぁ次回ということで。
ついでに、ニンニクソースとヒッコリーソースも作っておきましょう。
作り方は簡単。
・カラーピーマンは皮を焦げるまで焼いて剥き、種をとってペースト状にする。
・ニンニクは皮ごと塩水で茹でて火を通した後、皮を剥いて中の芽をとってペースト状にする。
・ヒッコリーは、軽く炒った後、ペースト状にする。風味付けにニンニクとハードチーズを少量足す。
それぞれに酢:オリーブオイルを二対一で混ぜ最後に塩を一つまみ入れて、完成。
これらはパスタソースの味の要になるし、焼いたチキンにかけたり、マヨネーズと合わせて野菜のスティックににも合います。
特にこれらで味付けしたチキンは、良い酒のアテになります。あぁあ、幼い体が悔やまれる。ちなみにこの国の成人は十六歳。
あと九年もあるお。前世からの蟒蛇はツライお。(´・ω・`)ショボーン
ヒッコリーソースはバジルソースになるペストのベースになります。イタリア料理はベースソースが多彩で作るのが楽しいです。
ちなみにイタリアのジェノヴァでは、玉ねぎ、セロリ、トマト、牛肉を煮て茶色いソースにしたものをジェノヴェーゼと呼び、それにバジルソース(ペスト)を合わせたものをペスト・ジェノヴェーゼと呼びます。
ペスト=ペスト菌のイメージがあるので避けられたとか、ペスト・ジェノヴェーゼパスタだと長いからとか、諸説ありますが日本とイタリアで呼び名が違いますのでご注意くださいね。
ソース類を軽くあぶったパンに塗ってノート兄様に味見してもらっているうちに、ローがインベントリ付きのカバンを抱えてやってきました。
「お、いい匂いがしますね」
「試作ソースよ、味見する?」
「ぜひお願いします」
「あ、感想はこれに沿って記入してね。【官能検食アンケート】よ」
「えー」
「文句言わない。特にローは黙ってどんどん食べちゃうから」
しぶしぶ用紙を受け取ったローはアンケートに目を通します。
「辛い、しょっぱい、甘い、酸っぱい、苦いを数値で表す?」
「そう、味だけでなく、色合いや見た目、香りの好き嫌い、総合した好き嫌い、老若男女どんな年代の人が好きそうか、寒暖の差での好き嫌いは出そうかを考えるのよ」
「まぁ、それくらいなら……」
「がんばってね! で、クチナシの実は?」
「はい、ここに」
待ってました! クチナシの実を麺棒で叩いてから、十五分ほど弱火で煮出した後布巾で濾してノート兄様に水分を飛ばしてもらえば完成。
これをバタークリームに混ぜれば、黄色いバタークリームの完成!
ついでにアイシング・レースも作っておきましょう。
黒砂糖を魔法で細かくして水分を飛ばしサラサラにします。そこへ溶いた卵白を加え練っていきます。耳たぶ位の硬さになったら三角に巻いた蝋引紙に入れ、バットに半月型にレース模様を描いた後、串で三十度位のくし形に形を整え、ノート兄様に水分を飛ばしてもらえば完成。
さて! パーツも全て揃ったしNYカップケーキ作りましょう!
カップケーキに黄色のバタークリームを丸く乗せフリーズドライにしたオレンジを差しマーマレードを乗せます。同じく丸く乗せたピンクのバタークリームには、アイシング・レースを差しフリーズドライにした苺をパラパラと。
NYカップケーキ完成! カワイイですよ!
見てみて! この女子力の高い絵面を! 自画自賛だけど!
お、シモンが戻ってきましたよ。
「遅くなりました! 調べてきました!」
「お帰りなさい、ご苦労様。丁度カップケーキが完成したから、まず休憩しましょう。それから報告を聞きますね」
「はい! コーヒー入れるのお手伝いします!」
シモンがニッコリ笑った。良かった。
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