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〇〇しないと損をする
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さて、今日は〇月〇日。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。連日こうも暖かいと、なんだか家にいるのも勿体無い気がして目的もなくぶらりと出かけたくなりますよね。買い物がてら近くの公園をお散歩、ちょっと足を伸ばしてドライブに行くのもいいですね。ツーリングにはちょっと早いかもしれませんが、風を切って走るのは気持ちいいだろうなぁと想像膨らむ季節になってきましたね。
皆さんは一生に一度は行ってみたいなぁなんて場所はありますか? 海外でも日本でもいいですよ。私はですね、海外ならヨーロッパ。イタリアやフランスがいいですね。食事もおいしいし、街並みも素敵。何より私は『宗教画』というものが好きで、いつかぜひ本場で自分の目で観てみたいんですよね。日本だったらそうですね、北海道沖縄には行きたいですね、やっぱり。行こうと思えば行ける距離といえばそうなんですが、だからこそちゃんとそれなりの休みをとって、のんびり楽しみたい場所だなと思います。
観光地といえば、あの景色は見ておかないと、あの名産はぜひ食べておかないと、「絶対損をする」なんてよく言いますよね。それって映画やドラマ、本もそうですが、いわゆる『作品』と呼ばれるものにも当てはまる言い回しで、こんな名作を知らないなんてモグリだ、と思われることさえあります。でも、『まだ見ぬ世界』に対しては人間誰しも、最初は無関心なものです。必死に熱弁しても、「なんか響いてなさそう」と残念な気持ちになることも、皆さん経験があるのではないでしょうか。知らない人見たことのない人に、そのものの素晴らしさや美しさを伝えることがいかに難しいかがわかりますよね。
要はタイミングや、きっかけだと思うのです。自分自身が『まだ見ぬ世界』への入り口に立った時、『今の世界』を大事にしたい人もいれば、『まだ見ぬ世界』を覗いてみたい人もいる。『今の世界』を見つめている人には、きっと相応の理由があるのでしょう。たとえば、「ここが楽しいから新しい世界なんて必要ない」とか、「この場所を失いたくない」とか、「ここより素敵な場所なんてない」と思っている人だっているかもしれません。
その人たちにもきっと機会があれば『まだ見ぬ世界』を求める時期があるはずなのです。そんな時でも、『絶対損をする』かどうかはその人自身が決めることなので、私はあまり使わないようにしています。何度も言うように人は主観で生きています。あなたと私は違いますから、私がどれだけ好きなことでも、あなたには全く届いていないのかもしれません。それでもいいのです。仮にそのものを好きになってもらえなくても、「そういえばあの子前にそんなことを言ってたな」というところから、「じゃあこういうのはどうだろう?」なんて突破口を見つけているかもしれませんよ。
人がまだ見ぬ、新しい世界を求める時、そこにはきっと何かしらの理由があるはずです。それがその人なりの悩みに起因しているのなら、たとえ私が知らないところでも微力ながら手助けになれば、これほど嬉しいことはありません。
ちょっとかっこつけてみましたが、何のことはありません。言ってみたかっただけです。ともあれ、もしも皆さんが『まだ見ぬ世界』を覗いてみたいと思った時、『一生に一度は』というキーワードから考えてみるのは悪くないと思います。
かく言う私は、『一生に一度は言ってみたい台詞』なんてものを考えたりします。たとえばタクシーの運転手さんに「前の車、追ってください!」とかね。同じタクシーだったら「お釣りはいりません」とか。ドラマや映画でよく見るシーンですが、現実で言ったことがある方はそう多くはないでしょう。こんなふうに一生かかっても言えそうにない台詞を、私は小説の登場人物たちに言ってもらったりするのですが。
どうしてかフィクションの物語に登場するキャラクターたちが言うと、違和感がない台詞なんていうのも結構ありますよね。漫画なんかは特にそうですが、設定と世界観、そしてキャラクター性に齟齬がなければ、案外受け入れられるものです。バトル系の漫画で難しい用語が出てきても簡単に覚えてしまうのは、その全てが一致しているからでしょう。
その点、ある程度現実に寄せて作られるドラマや映画なんかだと、なんだか口説いなとか、するりと頭に入って来ないなとか、思うこともあります。それもそのはず。そういう作品で望まれているのは、『独特の世界観』以上に『リアルな非現実』ですから。現実にはあり得ないことでも、ある程度リアルでないと人は物語に入り込めないんですよね。明らかに現代を舞台にしているのにスマートフォンが一切出て来なかったりすると、大抵の人は「無理がある」と感じてしまうでしょう? もちろん作中で一切必要がなかったり、わざとそう思わせたりする作り方もありますが。現実でそんな言い方しないよねって台詞には、無意識に引っかかってしまうものなのでしょうね。
身近なところで言うと、曲の歌詞もそうですよね。名曲と言われている作品を聴くと、すらすら頭に入ってくる。メロディラインと歌詞が合っていて、歌う人の声や滑舌、振り付けなんかも関係しているかもしれませんね。それら全てを含め、誰もがすぐに口ずさめるから『名曲』と呼ばれるのでしょう。たくさん聴かれるということは、どれだけ聴いても飽きない、多くの人にとって気持ちがいい作品だということですよね。
とはいえ、万人受けする作品というのは良くも悪くも絶対にありません。作り手側の言い訳になるかもしれませんが、どれだけ人気の作品でも、知らない興味がない、面白くない。そう思う人は必ずいます。それが仮にやっかみや妬みから出た言葉だとしてもです。一人の人が全ての人の主観に立つことは絶対に無理ですから、当然ですよね。それだけ多くの人の共感や理解を集めるということは難しいのです。だから結局、人は「私は私の」「あなたはあなたの」道を行くのです。
さて、そろそろお別れのお時間です。願わくは皆さんが、『あなただけの一生に一度は』を見つけられることを。・・・私ですか? 私はそうですねぇ、『一生に一度は』自分の言葉が『あなた』に届いたと実感できること。作家の端くれにしてはハードルが低い、ですか? それとも贅沢でしょうか。でもね、誰かに何かを伝える、伝えてもらうってそれだけ難しく尊いことだと思うんですよ。多くの人じゃなくても、たった一人でも、共感じゃなくてもいいんです。ただ私の本を読んでよかった、私の声を聴いてよかった、そんな作家をパーソナリティを目指していきたいですね。では、また来週お会いしましょう。深見小夜子でした。
皆さんは一生に一度は行ってみたいなぁなんて場所はありますか? 海外でも日本でもいいですよ。私はですね、海外ならヨーロッパ。イタリアやフランスがいいですね。食事もおいしいし、街並みも素敵。何より私は『宗教画』というものが好きで、いつかぜひ本場で自分の目で観てみたいんですよね。日本だったらそうですね、北海道沖縄には行きたいですね、やっぱり。行こうと思えば行ける距離といえばそうなんですが、だからこそちゃんとそれなりの休みをとって、のんびり楽しみたい場所だなと思います。
観光地といえば、あの景色は見ておかないと、あの名産はぜひ食べておかないと、「絶対損をする」なんてよく言いますよね。それって映画やドラマ、本もそうですが、いわゆる『作品』と呼ばれるものにも当てはまる言い回しで、こんな名作を知らないなんてモグリだ、と思われることさえあります。でも、『まだ見ぬ世界』に対しては人間誰しも、最初は無関心なものです。必死に熱弁しても、「なんか響いてなさそう」と残念な気持ちになることも、皆さん経験があるのではないでしょうか。知らない人見たことのない人に、そのものの素晴らしさや美しさを伝えることがいかに難しいかがわかりますよね。
要はタイミングや、きっかけだと思うのです。自分自身が『まだ見ぬ世界』への入り口に立った時、『今の世界』を大事にしたい人もいれば、『まだ見ぬ世界』を覗いてみたい人もいる。『今の世界』を見つめている人には、きっと相応の理由があるのでしょう。たとえば、「ここが楽しいから新しい世界なんて必要ない」とか、「この場所を失いたくない」とか、「ここより素敵な場所なんてない」と思っている人だっているかもしれません。
その人たちにもきっと機会があれば『まだ見ぬ世界』を求める時期があるはずなのです。そんな時でも、『絶対損をする』かどうかはその人自身が決めることなので、私はあまり使わないようにしています。何度も言うように人は主観で生きています。あなたと私は違いますから、私がどれだけ好きなことでも、あなたには全く届いていないのかもしれません。それでもいいのです。仮にそのものを好きになってもらえなくても、「そういえばあの子前にそんなことを言ってたな」というところから、「じゃあこういうのはどうだろう?」なんて突破口を見つけているかもしれませんよ。
人がまだ見ぬ、新しい世界を求める時、そこにはきっと何かしらの理由があるはずです。それがその人なりの悩みに起因しているのなら、たとえ私が知らないところでも微力ながら手助けになれば、これほど嬉しいことはありません。
ちょっとかっこつけてみましたが、何のことはありません。言ってみたかっただけです。ともあれ、もしも皆さんが『まだ見ぬ世界』を覗いてみたいと思った時、『一生に一度は』というキーワードから考えてみるのは悪くないと思います。
かく言う私は、『一生に一度は言ってみたい台詞』なんてものを考えたりします。たとえばタクシーの運転手さんに「前の車、追ってください!」とかね。同じタクシーだったら「お釣りはいりません」とか。ドラマや映画でよく見るシーンですが、現実で言ったことがある方はそう多くはないでしょう。こんなふうに一生かかっても言えそうにない台詞を、私は小説の登場人物たちに言ってもらったりするのですが。
どうしてかフィクションの物語に登場するキャラクターたちが言うと、違和感がない台詞なんていうのも結構ありますよね。漫画なんかは特にそうですが、設定と世界観、そしてキャラクター性に齟齬がなければ、案外受け入れられるものです。バトル系の漫画で難しい用語が出てきても簡単に覚えてしまうのは、その全てが一致しているからでしょう。
その点、ある程度現実に寄せて作られるドラマや映画なんかだと、なんだか口説いなとか、するりと頭に入って来ないなとか、思うこともあります。それもそのはず。そういう作品で望まれているのは、『独特の世界観』以上に『リアルな非現実』ですから。現実にはあり得ないことでも、ある程度リアルでないと人は物語に入り込めないんですよね。明らかに現代を舞台にしているのにスマートフォンが一切出て来なかったりすると、大抵の人は「無理がある」と感じてしまうでしょう? もちろん作中で一切必要がなかったり、わざとそう思わせたりする作り方もありますが。現実でそんな言い方しないよねって台詞には、無意識に引っかかってしまうものなのでしょうね。
身近なところで言うと、曲の歌詞もそうですよね。名曲と言われている作品を聴くと、すらすら頭に入ってくる。メロディラインと歌詞が合っていて、歌う人の声や滑舌、振り付けなんかも関係しているかもしれませんね。それら全てを含め、誰もがすぐに口ずさめるから『名曲』と呼ばれるのでしょう。たくさん聴かれるということは、どれだけ聴いても飽きない、多くの人にとって気持ちがいい作品だということですよね。
とはいえ、万人受けする作品というのは良くも悪くも絶対にありません。作り手側の言い訳になるかもしれませんが、どれだけ人気の作品でも、知らない興味がない、面白くない。そう思う人は必ずいます。それが仮にやっかみや妬みから出た言葉だとしてもです。一人の人が全ての人の主観に立つことは絶対に無理ですから、当然ですよね。それだけ多くの人の共感や理解を集めるということは難しいのです。だから結局、人は「私は私の」「あなたはあなたの」道を行くのです。
さて、そろそろお別れのお時間です。願わくは皆さんが、『あなただけの一生に一度は』を見つけられることを。・・・私ですか? 私はそうですねぇ、『一生に一度は』自分の言葉が『あなた』に届いたと実感できること。作家の端くれにしてはハードルが低い、ですか? それとも贅沢でしょうか。でもね、誰かに何かを伝える、伝えてもらうってそれだけ難しく尊いことだと思うんですよ。多くの人じゃなくても、たった一人でも、共感じゃなくてもいいんです。ただ私の本を読んでよかった、私の声を聴いてよかった、そんな作家をパーソナリティを目指していきたいですね。では、また来週お会いしましょう。深見小夜子でした。
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