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希望って明るいようで本当は昏い
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さて、今日は〇月〇日。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。桜も咲き始め、まさに春日和が続いていますね。皆さんはお花見行かれましたか? 前のように特等席を陣取ってさあ酒盛りとまでは行かなくても、お散歩がてら眺めるだけで心が穏やかになるものです。ところによっては屋台が出ていたりと、結局花より団子になってしまうかもしれませんが、それもまたお花見の醍醐味ですよね。
私は『眩しいとくしゃみが出る』という、特殊な体質を持っているので、ずっと太陽と見つめ合うように上を向いていることができないんです。だから、花より団子になるのも致し方ないですよね? ね? それはともかく、この『眩しいとくしゃみが出る』という症状、実はちゃんとした名前があるようなんですが、私はひどいほうで太陽どころか家の電気、さらには真夜中のスマートフォンの光なんかでも反応します。気になった方はぜひ調べてみてください。私ほどではなくても、意外にいるらしいですね? そのわりには周りで出会ったことはないのですが。くしゃみくらいで済んでいますから、それほど深刻視することもないのでしょうが、太陽が出ていると天気が良くていいわ~なんてことより、鼻がむずむずするわ~のほうが先に来て、ちょっと損した気持ちになりますね。
とはいえ、太陽や光といえばやっぱり明るいことの象徴ですよね。自分の支えとなって救ってくれる存在を『あなたは私の太陽』とか、飛び抜けて明るく陰の部分が全くないキャラクターを『光属性』とか。現実で使う機会があるかは微妙なところですが、少なくとも太陽を見て陰鬱な気持ちになるという人はあまりいないでしょう。
逆に夜になると、周りが暗いせいか、それとも一日の終わりということも関係しているでしょうか、なんだかいろいろ考え込んでしまったりして、明るい気持ちになりにくいものです。もちろん今日はいい日だった~とか、明日頑張ろうとか、前向きな気持ちで終われれば最高ですが、それこそ『光属性』だからこそ成せる技かもしれません。
世の中には明るいと暗いの対比がいろいろありますよね。『光』と『闇』もそうですし、『太陽』と『月』もそうです。後者は若干ニュアンスが違いますが、人間の心は潮の満ち引きや月の満ち欠けによって変わるという考え方もありますから、強ち外れてもいないでしょう。
それからやっぱり『希望』と『絶望』ですね。『光』と『闇』がその人の元から持っている性質、性格、特徴なのに対して、『希望』と『絶望』は誰にでもどんな時にでも訪れるものです。自分の意思で避けては通れず、いわば人生の浮き沈みを表現する言葉でしょう。私はよく、この『希望』と『絶望』を波長というか、グラフで描いてみるのですが、皆さんは自分の人生どんな波長だと思いますか?
よく『どん底まで行ったらもう上がるしかない』と言いますよね。でも、実際、幸せが長く続くことは滅多にないと思いませんか? むしろあまりにも良いことが続きすぎると「私、もうすぐ死ぬのでは?」なんて考える人もいるのではないでしょうか。たとえば、ガチャで推しがいっぱい来てくれた時とか。イベントやライブのチケットが続けて取れた時とか。結婚して新しい家族が増えて、そんな生活が長く続いて。なんだかあまりにも幸せすぎると逆に不安になってしまうんですよね。
昔、人生は良いことと悪いことが半分ずつとドラマか何かで耳にした記憶があります。私は心の奥底でそれを信じつつ、人によってはどん底に落ちた後も低空飛行を続けていたり、その人からするとみんな自分よりはるか高いところをずっと平行線で飛んでいるように見えたり、世の中とは不公平だななんて感じることもしばしばあります。結局のところ、それだって『主観』に過ぎないので、順風満帆に見える人でもその人なりの問題を抱えている可能性は大いにありますよね。
もしも、もしもですよ。人生は良いことと悪いことが半分ずつだとしたら、私は過去に闇のないどんな『光属性』も、実は未来に闇が待ち構えているのではないかと不安になることがあります。『光属性』が自分のことをすべからく『幸せ』だと考えているとは限りませんが、あり得ない話ではありませんよね。
人間とは欲深い生き物です。幸せなことがあったら、もっともっととつい求めてしまいがちです。自分が元々持っていた幸せの基準はどんどん釣り上がって、もう満足のしどころがわからなくなって、いつの間にか幸せを求めて登っていた坂道が途切れて、どん底へ真っ逆さまなんてこともあるかもしれません。
『希望』というのは残酷で、意地悪だなと思います。見えれば見えた分だけ『光』を感じてしまう。その向こうの影や『闇』を覆い隠すほどの強い『光』。これほど罪なものはありません。期待したぶん落胆は大きく、実際よりも深い高低差を体感してしまうでしょう。
だから私は、『希望』とは明るいようで本当は昏いものだと思わずにはいられないのです。もちろん『希望』を持つことが悪いのではありません。幸せなことは長く続かないからあまり期待するなと言いたいわけでもない。ただ『希望』や『光』があれば『絶望』や『闇』がある。それがどちらも誰にでも、等しく訪れるかはわかりません。でも、間違いなく存在しているのです。
どうか『希望』や『絶望』に強く支配されないでください。ちょうどよい距離感で、あなたの幸せを追いかけてください。そろそろお別れの時間です。また来週お会いしましょう。深見小夜子でした。
私は『眩しいとくしゃみが出る』という、特殊な体質を持っているので、ずっと太陽と見つめ合うように上を向いていることができないんです。だから、花より団子になるのも致し方ないですよね? ね? それはともかく、この『眩しいとくしゃみが出る』という症状、実はちゃんとした名前があるようなんですが、私はひどいほうで太陽どころか家の電気、さらには真夜中のスマートフォンの光なんかでも反応します。気になった方はぜひ調べてみてください。私ほどではなくても、意外にいるらしいですね? そのわりには周りで出会ったことはないのですが。くしゃみくらいで済んでいますから、それほど深刻視することもないのでしょうが、太陽が出ていると天気が良くていいわ~なんてことより、鼻がむずむずするわ~のほうが先に来て、ちょっと損した気持ちになりますね。
とはいえ、太陽や光といえばやっぱり明るいことの象徴ですよね。自分の支えとなって救ってくれる存在を『あなたは私の太陽』とか、飛び抜けて明るく陰の部分が全くないキャラクターを『光属性』とか。現実で使う機会があるかは微妙なところですが、少なくとも太陽を見て陰鬱な気持ちになるという人はあまりいないでしょう。
逆に夜になると、周りが暗いせいか、それとも一日の終わりということも関係しているでしょうか、なんだかいろいろ考え込んでしまったりして、明るい気持ちになりにくいものです。もちろん今日はいい日だった~とか、明日頑張ろうとか、前向きな気持ちで終われれば最高ですが、それこそ『光属性』だからこそ成せる技かもしれません。
世の中には明るいと暗いの対比がいろいろありますよね。『光』と『闇』もそうですし、『太陽』と『月』もそうです。後者は若干ニュアンスが違いますが、人間の心は潮の満ち引きや月の満ち欠けによって変わるという考え方もありますから、強ち外れてもいないでしょう。
それからやっぱり『希望』と『絶望』ですね。『光』と『闇』がその人の元から持っている性質、性格、特徴なのに対して、『希望』と『絶望』は誰にでもどんな時にでも訪れるものです。自分の意思で避けては通れず、いわば人生の浮き沈みを表現する言葉でしょう。私はよく、この『希望』と『絶望』を波長というか、グラフで描いてみるのですが、皆さんは自分の人生どんな波長だと思いますか?
よく『どん底まで行ったらもう上がるしかない』と言いますよね。でも、実際、幸せが長く続くことは滅多にないと思いませんか? むしろあまりにも良いことが続きすぎると「私、もうすぐ死ぬのでは?」なんて考える人もいるのではないでしょうか。たとえば、ガチャで推しがいっぱい来てくれた時とか。イベントやライブのチケットが続けて取れた時とか。結婚して新しい家族が増えて、そんな生活が長く続いて。なんだかあまりにも幸せすぎると逆に不安になってしまうんですよね。
昔、人生は良いことと悪いことが半分ずつとドラマか何かで耳にした記憶があります。私は心の奥底でそれを信じつつ、人によってはどん底に落ちた後も低空飛行を続けていたり、その人からするとみんな自分よりはるか高いところをずっと平行線で飛んでいるように見えたり、世の中とは不公平だななんて感じることもしばしばあります。結局のところ、それだって『主観』に過ぎないので、順風満帆に見える人でもその人なりの問題を抱えている可能性は大いにありますよね。
もしも、もしもですよ。人生は良いことと悪いことが半分ずつだとしたら、私は過去に闇のないどんな『光属性』も、実は未来に闇が待ち構えているのではないかと不安になることがあります。『光属性』が自分のことをすべからく『幸せ』だと考えているとは限りませんが、あり得ない話ではありませんよね。
人間とは欲深い生き物です。幸せなことがあったら、もっともっととつい求めてしまいがちです。自分が元々持っていた幸せの基準はどんどん釣り上がって、もう満足のしどころがわからなくなって、いつの間にか幸せを求めて登っていた坂道が途切れて、どん底へ真っ逆さまなんてこともあるかもしれません。
『希望』というのは残酷で、意地悪だなと思います。見えれば見えた分だけ『光』を感じてしまう。その向こうの影や『闇』を覆い隠すほどの強い『光』。これほど罪なものはありません。期待したぶん落胆は大きく、実際よりも深い高低差を体感してしまうでしょう。
だから私は、『希望』とは明るいようで本当は昏いものだと思わずにはいられないのです。もちろん『希望』を持つことが悪いのではありません。幸せなことは長く続かないからあまり期待するなと言いたいわけでもない。ただ『希望』や『光』があれば『絶望』や『闇』がある。それがどちらも誰にでも、等しく訪れるかはわかりません。でも、間違いなく存在しているのです。
どうか『希望』や『絶望』に強く支配されないでください。ちょうどよい距離感で、あなたの幸せを追いかけてください。そろそろお別れの時間です。また来週お会いしましょう。深見小夜子でした。
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