23 / 69
新天の志
最古の最上
しおりを挟む
綿貫千春と風月七緒は、今日も県観光課課長の山城優一の運転する車で、Y県観光へと出発した。
梅雨前の金曜日。快晴の空は高く、朝9時でも夏日ほどの気温だった。
今日は市内郊外にある有名な寺へ向かう。山門から本堂まで一千段以上の階段を上るというので、千春も七緒も普段より動きやすく涼しげな格好をして来た。
山城はというと、さすがにスーツではあったが、ノーネクタイで替えのスニーカーを用意しているらしい。
「私は慣れていますから」
そう言って彼は軽快に笑うが、慣れるほど上ったことがあるのか? などと千春は、顔を引き攣らせた。観光課の仕事も甘いものじゃないな──決して舐めていたわけではないが──と思う。
「ところで、おふたりの土日のご予定はもう決まっていますか?」
七緒とは東京からの出発前に打ち合わせ済みで、土日は一応休みの扱いだが、そのまま継続してY県に滞在することにしていた。
次週の週末には東京に一度帰ることにしているが、それまでにY県の大まかな観光地を回る手筈になっている。
土日は平日にはないイベント等の開催もあるので、七緒は気を遣って別行動にしようというのだが、千春としては結局行き先は同じになるような気もしている。
「今は果物もさかんな時期ですからね。各地で様々な催し物がありますよ。日曜日には、地元名産果物の種飛ばし大会なんかもありますね」
噂に聞いたことはあるが、例年なかなかの盛況ぶりらしい。ここ数年は感染症の影響で開催自体断念を余儀なくされたが、ようやく全国的な観光が日常に戻りつつあるということだろう。
「僕もそれに行ってみようかと思ってるんです」
「……俺も、行ってみようかと……」
「奇遇ですね、私もですよ。私は半分以上仕事ですがね。おそらく泉や他の観光課のメンバーも顔を出すと思います。屋台なんかもありますし、もし機会があれば種飛ばしに挑戦してみるのも一興ですよ。これが意外と難しくてね」
はっはっは、とそのまま種飛ばしの難易度を語り始めそうな彼に、千春が訊ねる。
「そのイベントも県庁主催なんですか?」
気を削がれたようなそぶりもなく、山城は愛想よく続けた。
「いえいえ、市町村主体ですよ。観光課の人間として、大きなイベントには都合がつく限り行くようにしているだけです。どれだけY県の活性化につながっているか、県外からの観光客はどれくらいか、リサーチにもなりますからね」
「…………大変なんですね」
率直な感想を述べる千春に、山城は少し声のトーンを落として苦笑を浮かべた。
「まあ人事課などの事務的なところに比べると、やはり休日が本番──といいますか、アクティブにならざるを得ないのは事実ですね。私はそういうのも苦になりませんが、Y県や観光旅行などに興味がない人間にはしんどいかもしれませんね」
「でも、県庁でしたら異動でそういう職員が配属されることもあるでしょう?」
静かだった七緒が、ゆっくりとした口調で訊ねる。
「もちろんです。ほとんどの人間は自らこういう祭りごとに足を運びますが、このご時世ですから、自分はインドア派だとかオンオフはっきりしたいとか言う人間に無理強いもできません」
確か山城は40手前だと聞いたが、課長というには少し若く思える。それとも公務員だとそれくらいは当たり前なのだろうか。
ともかく、彼は誰とでも打ち解けられそうな印象だが、彼には彼なりの苦悩があるのだろう。
能動的な活動にしても『好きだ』ではなく、『苦にならない』と言うところをみると、彼自身も望んだ仕事ではないのかもれしれない。けれど、七緒との会話や『千の選択』SNSプロジェクトに対する姿勢としても、彼には『プロ意識』が備わっていて、Y県の観光の未来を真剣に考えているように思う。
「現在のメンバーは大概、こういう活動に積極的ですから、向いているんでしょう」
確か泉という女性職員も、あまり顔には出ないようだが、観光──というよりも地元が好きなようだから、こういう活動は好きなのかもしれなかった。
「そういえば、明日は婚活パーティーでしたね」
「ええ、就職説明会と同じ会場で」
「また泉さんが受付を?」
「いえいえ。今回は別の人間です。若くて未婚──決してセクハラではありませんが──の女性が受付ですと、参加者の特に女性の方が気にされることもあるらしく。以前は泉に頼んだこともあったのですが、彼女自ら自分じゃないほうがいいと。あまりそういうことを言ったことがないので、当初は驚きました」
千春は首を傾げるが、七緒は頷いているので、女心というやつがわかるのかもしれない。山城にしても泉に言われるまで気が付かなかったようなので、そういうところは案外鈍感なのだろうかと勝手に想像する。
「さて、お待たせしました。着きましたよ」
山城が静かに車を停め、3人は澄んだ空気の外に降り立った。
彼がスニーカーに履き替える間、階段の下から上を見上げたが、千春は思わずぽかんとしてしまった。
確かに一千段以上あるとは聞いた。だが、文字通り『先が見えない』──。貴重品とカメラだけを持って行くことにして、同じく貴重品と手帳をポケットに詰め込む七緒を待った。
カメラとは言ってもお寺だと写真撮影はかなり制限される。平日の午前中ではあるが、ちらほらと参拝客も見える。
まずは本堂まで歩くことに集中したいが──。
千春は三分の一ほどを過ぎたところで、後ろを振り返った。
「はぁはぁ」
手すりにつかまりながら、七緒が息を切らしてなんとかついて来ている。
山城はというと、さすがに慣れていると言うだけあって余裕そうである。七緒のそばを彼に合わせるような歩幅で、ゆっくり進んでいる。
千春は自分が若いからと自惚れているわけではないのだが、ゆっくり歩くほうが辛かった。
できるなら勢いのまま一気に行ってしまったほうが、足の疲れを意識せずに済むような気もする。
しかし、七緒を置いて行くわけにもいかず、手持ち無沙汰にカメラで階段の様子や、周囲の景色を写真に収めていった。
「ちちち、千春、くん……」
もう一度言うが、まだ三分の一である。
いくら二十代も半ばを過ぎ、文系で運動が不得手だとしても、こんな調子で最後まで上り切れるのだろうか。
「七緒さん、大丈夫ですか?」
「だ、だだいじょうぶ、先に行ってて、いいよ……」
息も絶え絶えに彼は言うが、むしろそんな彼を置いて自分だけスタスタ行くのは気が引けた。
「風月さん、無理はしないでくださいね。千春くんは若いですし、いざとなったらあなたを背負ってもらいますから。そのためには一緒にいてもらわないと。さすがに私は、足はともかくこの歳になると腰が弱くなって来てしまって……」
ははは、と山城がばつが悪そうに笑う。千春に意味ありげな目配せをして来たので、そういう体で一緒に上ろうという意味だと受け取った。七緒を気遣いつつ、千春の気持ちも汲んでくれる。やはりよくできた人だと千春は思う。
「……一段、一段、煩悩が、消えると、聞きました……ちゃんと、上りたい、です、よね……」
その間にもぜえはあぜえはあと喘ぎながら、七緒は千春の立ち止まっているところまで、ようやく辿り着いた。
ふうと大きく息を吐き、下を振り返る。
何しろ一千段もあるので、ここまででもそこそこの高さではある。
「ちなみに、このお寺は高名な俳人も訪れた場所で、縁切り寺としても有名ですね」
「縁切り?」
「主に悪運を払い、開運をもたらすと言われています」
山城の、おそらく何気ない観光案内に、千春は思わずカメラを強く握りしめた。
──悪運。
まさに自分の置かれて来た状況のことである。
今は開運に傾きつつあるが、またあの突発的な災難がいつ降りかかってくるか知れない。
それが千春の歩んできた人生だ。
まだまだ短い、まだまだ若い、これからだ、と大人は言うけれど、今までもこうだったのだから、これからだってこうだろうと思うのが当事者意識というものだ。
「千春くん。深く考えなくていいんだよ」
息がだいぶ整った七緒が、自分より上の段で俯く千春にそっと呟く。
「──こう言ってはなんですが、私も信心深いほうではありません。私個人の考えとしては、『縁切り』よりも『悪運と縁を切った後にやってくる開運』を求めていらっしゃる方のほうが多いのではないかと思います。それでなくとも、風月さんが仰ったように、一段上るごとに煩悩と距離を置いて、上に行くたび澄んだ空気と涼しい風にあたるだけでも、心持ちが不思議と変わるものです。先人たちが守り続けて来た静謐な空間を、自分も味わってみよう。それくらいの気持ちで訪れて欲しいところです。まぁ、名前だけ聞くと縁切り寺というくらいですから、カップルでどうぞとはなかなか紹介しづらいですが」
山城も『縁切りだけ』の場所ではないことを伝えたかったと見えて、ほらほらとなぜか遅れて来たふたりに前を向かされ、背中を押された。
一段、また一段。
踏みしめるように、その一歩一歩を意識すると、確かにふたりの言うように『難しく考えず、この非日常な世界に身を任せる』──それだけでいい気がしてきた。
なんだか面白くなって、軽い足取りでどんどん進むと、しばらくして七緒のぜえはあという息切れが聞こえて来た。
「ちち、千春くん……ちょっと、待って……」
「いいんですよ、ふたりとも。自分のペースで」
ははは、と豪快に笑う山城の声は、静かな空間を心地よく満たした。彼は七緒の背中をぽんぽんと叩き、まだ半分にも達していない階段の途中で大きく深呼吸をする。
「そんなに急がなくても、お寺も、開運も、逃げませんからね──」
彼につられて見上げた空は、雲ひとつない美しい快晴だった。
梅雨前の金曜日。快晴の空は高く、朝9時でも夏日ほどの気温だった。
今日は市内郊外にある有名な寺へ向かう。山門から本堂まで一千段以上の階段を上るというので、千春も七緒も普段より動きやすく涼しげな格好をして来た。
山城はというと、さすがにスーツではあったが、ノーネクタイで替えのスニーカーを用意しているらしい。
「私は慣れていますから」
そう言って彼は軽快に笑うが、慣れるほど上ったことがあるのか? などと千春は、顔を引き攣らせた。観光課の仕事も甘いものじゃないな──決して舐めていたわけではないが──と思う。
「ところで、おふたりの土日のご予定はもう決まっていますか?」
七緒とは東京からの出発前に打ち合わせ済みで、土日は一応休みの扱いだが、そのまま継続してY県に滞在することにしていた。
次週の週末には東京に一度帰ることにしているが、それまでにY県の大まかな観光地を回る手筈になっている。
土日は平日にはないイベント等の開催もあるので、七緒は気を遣って別行動にしようというのだが、千春としては結局行き先は同じになるような気もしている。
「今は果物もさかんな時期ですからね。各地で様々な催し物がありますよ。日曜日には、地元名産果物の種飛ばし大会なんかもありますね」
噂に聞いたことはあるが、例年なかなかの盛況ぶりらしい。ここ数年は感染症の影響で開催自体断念を余儀なくされたが、ようやく全国的な観光が日常に戻りつつあるということだろう。
「僕もそれに行ってみようかと思ってるんです」
「……俺も、行ってみようかと……」
「奇遇ですね、私もですよ。私は半分以上仕事ですがね。おそらく泉や他の観光課のメンバーも顔を出すと思います。屋台なんかもありますし、もし機会があれば種飛ばしに挑戦してみるのも一興ですよ。これが意外と難しくてね」
はっはっは、とそのまま種飛ばしの難易度を語り始めそうな彼に、千春が訊ねる。
「そのイベントも県庁主催なんですか?」
気を削がれたようなそぶりもなく、山城は愛想よく続けた。
「いえいえ、市町村主体ですよ。観光課の人間として、大きなイベントには都合がつく限り行くようにしているだけです。どれだけY県の活性化につながっているか、県外からの観光客はどれくらいか、リサーチにもなりますからね」
「…………大変なんですね」
率直な感想を述べる千春に、山城は少し声のトーンを落として苦笑を浮かべた。
「まあ人事課などの事務的なところに比べると、やはり休日が本番──といいますか、アクティブにならざるを得ないのは事実ですね。私はそういうのも苦になりませんが、Y県や観光旅行などに興味がない人間にはしんどいかもしれませんね」
「でも、県庁でしたら異動でそういう職員が配属されることもあるでしょう?」
静かだった七緒が、ゆっくりとした口調で訊ねる。
「もちろんです。ほとんどの人間は自らこういう祭りごとに足を運びますが、このご時世ですから、自分はインドア派だとかオンオフはっきりしたいとか言う人間に無理強いもできません」
確か山城は40手前だと聞いたが、課長というには少し若く思える。それとも公務員だとそれくらいは当たり前なのだろうか。
ともかく、彼は誰とでも打ち解けられそうな印象だが、彼には彼なりの苦悩があるのだろう。
能動的な活動にしても『好きだ』ではなく、『苦にならない』と言うところをみると、彼自身も望んだ仕事ではないのかもれしれない。けれど、七緒との会話や『千の選択』SNSプロジェクトに対する姿勢としても、彼には『プロ意識』が備わっていて、Y県の観光の未来を真剣に考えているように思う。
「現在のメンバーは大概、こういう活動に積極的ですから、向いているんでしょう」
確か泉という女性職員も、あまり顔には出ないようだが、観光──というよりも地元が好きなようだから、こういう活動は好きなのかもしれなかった。
「そういえば、明日は婚活パーティーでしたね」
「ええ、就職説明会と同じ会場で」
「また泉さんが受付を?」
「いえいえ。今回は別の人間です。若くて未婚──決してセクハラではありませんが──の女性が受付ですと、参加者の特に女性の方が気にされることもあるらしく。以前は泉に頼んだこともあったのですが、彼女自ら自分じゃないほうがいいと。あまりそういうことを言ったことがないので、当初は驚きました」
千春は首を傾げるが、七緒は頷いているので、女心というやつがわかるのかもしれない。山城にしても泉に言われるまで気が付かなかったようなので、そういうところは案外鈍感なのだろうかと勝手に想像する。
「さて、お待たせしました。着きましたよ」
山城が静かに車を停め、3人は澄んだ空気の外に降り立った。
彼がスニーカーに履き替える間、階段の下から上を見上げたが、千春は思わずぽかんとしてしまった。
確かに一千段以上あるとは聞いた。だが、文字通り『先が見えない』──。貴重品とカメラだけを持って行くことにして、同じく貴重品と手帳をポケットに詰め込む七緒を待った。
カメラとは言ってもお寺だと写真撮影はかなり制限される。平日の午前中ではあるが、ちらほらと参拝客も見える。
まずは本堂まで歩くことに集中したいが──。
千春は三分の一ほどを過ぎたところで、後ろを振り返った。
「はぁはぁ」
手すりにつかまりながら、七緒が息を切らしてなんとかついて来ている。
山城はというと、さすがに慣れていると言うだけあって余裕そうである。七緒のそばを彼に合わせるような歩幅で、ゆっくり進んでいる。
千春は自分が若いからと自惚れているわけではないのだが、ゆっくり歩くほうが辛かった。
できるなら勢いのまま一気に行ってしまったほうが、足の疲れを意識せずに済むような気もする。
しかし、七緒を置いて行くわけにもいかず、手持ち無沙汰にカメラで階段の様子や、周囲の景色を写真に収めていった。
「ちちち、千春、くん……」
もう一度言うが、まだ三分の一である。
いくら二十代も半ばを過ぎ、文系で運動が不得手だとしても、こんな調子で最後まで上り切れるのだろうか。
「七緒さん、大丈夫ですか?」
「だ、だだいじょうぶ、先に行ってて、いいよ……」
息も絶え絶えに彼は言うが、むしろそんな彼を置いて自分だけスタスタ行くのは気が引けた。
「風月さん、無理はしないでくださいね。千春くんは若いですし、いざとなったらあなたを背負ってもらいますから。そのためには一緒にいてもらわないと。さすがに私は、足はともかくこの歳になると腰が弱くなって来てしまって……」
ははは、と山城がばつが悪そうに笑う。千春に意味ありげな目配せをして来たので、そういう体で一緒に上ろうという意味だと受け取った。七緒を気遣いつつ、千春の気持ちも汲んでくれる。やはりよくできた人だと千春は思う。
「……一段、一段、煩悩が、消えると、聞きました……ちゃんと、上りたい、です、よね……」
その間にもぜえはあぜえはあと喘ぎながら、七緒は千春の立ち止まっているところまで、ようやく辿り着いた。
ふうと大きく息を吐き、下を振り返る。
何しろ一千段もあるので、ここまででもそこそこの高さではある。
「ちなみに、このお寺は高名な俳人も訪れた場所で、縁切り寺としても有名ですね」
「縁切り?」
「主に悪運を払い、開運をもたらすと言われています」
山城の、おそらく何気ない観光案内に、千春は思わずカメラを強く握りしめた。
──悪運。
まさに自分の置かれて来た状況のことである。
今は開運に傾きつつあるが、またあの突発的な災難がいつ降りかかってくるか知れない。
それが千春の歩んできた人生だ。
まだまだ短い、まだまだ若い、これからだ、と大人は言うけれど、今までもこうだったのだから、これからだってこうだろうと思うのが当事者意識というものだ。
「千春くん。深く考えなくていいんだよ」
息がだいぶ整った七緒が、自分より上の段で俯く千春にそっと呟く。
「──こう言ってはなんですが、私も信心深いほうではありません。私個人の考えとしては、『縁切り』よりも『悪運と縁を切った後にやってくる開運』を求めていらっしゃる方のほうが多いのではないかと思います。それでなくとも、風月さんが仰ったように、一段上るごとに煩悩と距離を置いて、上に行くたび澄んだ空気と涼しい風にあたるだけでも、心持ちが不思議と変わるものです。先人たちが守り続けて来た静謐な空間を、自分も味わってみよう。それくらいの気持ちで訪れて欲しいところです。まぁ、名前だけ聞くと縁切り寺というくらいですから、カップルでどうぞとはなかなか紹介しづらいですが」
山城も『縁切りだけ』の場所ではないことを伝えたかったと見えて、ほらほらとなぜか遅れて来たふたりに前を向かされ、背中を押された。
一段、また一段。
踏みしめるように、その一歩一歩を意識すると、確かにふたりの言うように『難しく考えず、この非日常な世界に身を任せる』──それだけでいい気がしてきた。
なんだか面白くなって、軽い足取りでどんどん進むと、しばらくして七緒のぜえはあという息切れが聞こえて来た。
「ちち、千春くん……ちょっと、待って……」
「いいんですよ、ふたりとも。自分のペースで」
ははは、と豪快に笑う山城の声は、静かな空間を心地よく満たした。彼は七緒の背中をぽんぽんと叩き、まだ半分にも達していない階段の途中で大きく深呼吸をする。
「そんなに急がなくても、お寺も、開運も、逃げませんからね──」
彼につられて見上げた空は、雲ひとつない美しい快晴だった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】Amnesia(アムネシア)~カフェ「時遊館」に現れた美しい青年は記憶を失っていた~
紫紺
ミステリー
郊外の人気カフェ、『時游館』のマスター航留は、ある日美しい青年と出会う。彼は自分が誰かも全て忘れてしまう記憶喪失を患っていた。
行きがかり上、面倒を見ることになったのが……。
※「Amnesia」は医学用語で、一般的には「記憶喪失」のことを指します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
尖閣~防人の末裔たち
篠塚飛樹
ミステリー
元大手新聞社の防衛担当記者だった古川は、ある団体から同行取材の依頼を受ける。行き先は尖閣諸島沖。。。
緊迫の海で彼は何を見るのか。。。
※この作品は、フィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
※無断転載を禁じます。
【キャラ文芸大賞 奨励賞】変彩宝石堂の研磨日誌
蒼衣ユイ/広瀬由衣
ミステリー
矢野硝子(しょうこ)の弟が病気で死んだ。
それからほどなくして、硝子の身体から黒い石が溢れ出すようになっていた。
そんなある日、硝子はアレキサンドライトの瞳をした男に出会う。
アレキサンドライトの瞳をした男は言った。
「待っていたよ、アレキサンドライトの姫」
表紙イラスト くりゅうあくあ様
強制憑依アプリを使ってみた。
本田 壱好
ミステリー
十八年間モテた試しが無かった俺こと童定春はある日、幼馴染の藍良舞に告白される。
校内一の人気を誇る藍良が俺に告白⁈
これは何かのドッキリか?突然のことに俺は返事が出来なかった。
不幸は続くと言うが、その日は不幸の始まりとなるキッカケが多くあったのだと今となっては思う。
その日の夜、小学生の頃の友人、鴨居常叶から当然連絡が掛かってきたのも、そのキッカケの一つだ。
話の内容は、強制憑依アプリという怪しげなアプリの話であり、それをインストールして欲しいと言われる。
頼まれたら断れない性格の俺は、送られてきたサイトに飛んで、その強制憑依アプリをインストールした。
まさかそれが、運命を大きく変える出来事に発展するなんて‥。当時の俺は、まだ知る由もなかった。
昭和レトロな歴史&怪奇ミステリー 凶刀エピタム
かものすけ
ミステリー
昭和四十年代を舞台に繰り広げられる歴史&怪奇物語。
高名なアイヌ言語学者の研究の後を継いだ若き研究者・佐藤礼三郎に次から次へ降りかかる事件と災難。
そしてある日持ち込まれた一通の手紙から、礼三郎はついに人生最大の危機に巻き込まれていくのだった。
謎のアイヌ美女、紐解かれる禁忌の物語伝承、恐るべき人喰い刀の正体とは?
果たして礼三郎は、全ての謎を解明し、生きて北の大地から生還できるのか。
北海道の寒村を舞台に繰り広げられる謎が謎呼ぶ幻想ミステリーをどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる