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お仕事 in ミステリ
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さて、今日は〇月〇日。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
突然ですが、お仕事がしんどい時ってありますよね。なんだか今日は忙しいわと感じる日って、最初から最後までずっと忙しない気がしませんか?
あぁもうしんどい、と思いながらやっと帰れるって時に電車がなかなか来なかったり、車通勤の人はフロントガラスに鳥のフンがついていたり。
それはさすがにピンポイントすぎますが、踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂なんてことがままあるものです。
ところで、物語を書くときに重要なのは、いかに『主人公を窮地に追い込むことができるか』だそうです。つまり、今日の職場のMVPである私は、まさに物語の主人公のようだった!──と喜べれば最高なんですが、どちらかというと渦中にいるときほど「主人公じゃなくていいから負担を減らしてくれ……」と嘆きたくなるものですよね。
特に帰り際、お金が合わないときなどは絶望の一言。システムで入力した数字が間違っているのか、はたまた自分の数え間違いか、もしかしたら入力した数字も間違っていて、数え間違いもしてるかも? あれ? いや、待てよ。じゃあ、今まで毎日お金が合っているときでも、実はシステム入力の数字の間違いと数え間違いとがたまたま同じ誤差で、たまたま合ってるだけのときもあるかも? なんて考え出したらキリがありません。
私たちはとにかく自分の目で見たことを信じるしかないわけですが、とりわけ私は自分のことをあまり信じていないので、見落としや見間違いがないか、誤りやうっかりがないか、何度も何度も確認してしまいます。誤字脱字も何度確認しても、なぜかなんでもないときに振り返ったりすると残っているものなんですよね。もちろん言い訳は良くありませんが、それだけ私たち人間は完璧ではないということです。常習であってはならないとは思うけれど、一つや二つのミスならどんなにパーフェクトと呼ばれる人でもあるはず。
忙しいときほど慎重に──急がば回れとはよく言ったものですが、急いだ結果、確認が疎かになると、後々面倒なことになるもの。それよりなら、少し時間がかかっても未然に防いだほうが何倍もいいのは、頭では分かりきっていることなのですが、そう簡単にもいきませんよね。
さて、話は変わりますが、ミステリには種類があります。その種類の分け方にも種類がありますが、私がここで議題にしたいのは、『カテゴリ』とでも言えばいいでしょうか。たとえば、人が死なない心があったかくなるような『ほのぼのミステリ』。近いところで言うと、日常の何気ない謎をテーマにした『日常ミステリ』。そして、とあるお仕事に注目した『お仕事ミステリ』──。
特定のお仕事をする中で出会う謎に、お仕事の範疇でもって解決するのがこの『お仕事ミステリ』ですね。書店員に銀行員、はたまた建築士や不動産会社、ホテルマンや学校の先生、添乗員に、あぁスポーツ選手なんかがあってもいいですよね。実際、選手の方には謎を解いている時間などないかもしれませんが、でも実は意識していないだけで、もっと速くなるには、もっと高くまで飛ぶには、もっともっと技術が向上するには──なんて、データを集めて論理的に答えを導き出している方も、いわば謎解きをしているようなものなのではないでしょうか。
皆さんだってそうです。特別な職業じゃなくても、アルバイトだってパートだって、むしろ現場でしか出会えない謎だってたくさんあるでしょう。
さっきのお金が合う合わないの話もそうですが、皆さんは意識せずに日常の中でお仕事ミステリを体験していると思います。
お客様の求めるものは何か、相手の嘘はどこか。お仕事でなくても、道行く人にその謎を感じることだってあるでしょう。
お仕事の中のミステリ、いわば『ミステリinお仕事』とでもいいましょうか。
いわゆる『お仕事ミステリ』とはこれに当たると思いますが、でも、『お仕事ミステリ』にだって種類があってもいいですよね。
たとえば、「あの人、どういうお仕事してるんだろう?」という人がいれば『お仕事がミステリ』だし、自分で言うのもなんですが、私などは『お仕事はミステリ』かもしれませんね。新人さんにとっては、お仕事そのものが謎すぎてまだまだついていけないわという方もいるでしょう。それだって『お仕事ミステリ』だと思いませんか?
こうやって考えてみると、お仕事しているときの自分はまるで物語の主人公──ミステリでいえば花形の『探偵役』です。
解き明かす本人でなくても、ワトソンだっていいですよね。物語の語り手、そして探偵ホームズの助手です。助手の一言で見方が変わったり、現状が動いたりします。目立たないけれど、重要な役目です。
毎日のお仕事をなんとか楽にしたいと思うのは誰しも同じですが、怠けて楽になるのと効率よく楽になるのとでは、長い目で見ると天と地ほどの差が生まれたりするものです。
私個人の意見としては、私のできる範疇でベストを尽くすのが最善で、それ以上でなくてはならないこともないし、でもせめてそれ以下でないようにはしたい、というところでしょうか。
今の私自身の職業で言うと語弊があるかもしれませんが、以前、会社勤めをしていた頃はそういう意識を持っていました。
もちろん求められたこと以上ができるならそれに越したことはないかもしれませんが、それができる環境と、自分自身の余裕とがないと難しいですよね。一社員の責任の限度だってあります。
忙しかった日、よく働いた日には、「私、よく頑張った!」なんて自分を褒めて、ご褒美を買ってあげたくなるものです。買い物じゃなくても、帰ったら可能な限りの時間を全て推しを愛でる時間にしたり、たくさん食べて、食べて食べて食べまくったり、今日はそのままベッドにダイブなんて方もいるかもしれませんね。
いいんですよ、無理しないで。
疲れやストレスというのは自分が知らない間にも溜まっているもの。心も体もゆっくり休めて、また明日を一緒に歩んでいきましょう。
急がなくていい、全部じゃありがたみがないからたま~に休憩して、合間にちょっとだけ楽しいことを考えて、ほら今日もまた一日が終わる。
そろそろお別れの時間です。
時の流れというのは早いものです。しんどくて辛くて苦しい期間も、過ぎてしまえばあっという間。口で言うのは簡単でも、その渦中を乗り越えるのはやっぱり大変ですよね。
そんな中、深夜のこのラジオを聴いていただいている皆さんへの多大なる感謝と、そして日頃の鬱憤をほんの少しでも忘れられる時間であることを祈って──。
本日のお別れの言葉に変えさせてください。
では、また来週お会いしましょう。眠れない夜のお供に、深見小夜子でした。
突然ですが、お仕事がしんどい時ってありますよね。なんだか今日は忙しいわと感じる日って、最初から最後までずっと忙しない気がしませんか?
あぁもうしんどい、と思いながらやっと帰れるって時に電車がなかなか来なかったり、車通勤の人はフロントガラスに鳥のフンがついていたり。
それはさすがにピンポイントすぎますが、踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂なんてことがままあるものです。
ところで、物語を書くときに重要なのは、いかに『主人公を窮地に追い込むことができるか』だそうです。つまり、今日の職場のMVPである私は、まさに物語の主人公のようだった!──と喜べれば最高なんですが、どちらかというと渦中にいるときほど「主人公じゃなくていいから負担を減らしてくれ……」と嘆きたくなるものですよね。
特に帰り際、お金が合わないときなどは絶望の一言。システムで入力した数字が間違っているのか、はたまた自分の数え間違いか、もしかしたら入力した数字も間違っていて、数え間違いもしてるかも? あれ? いや、待てよ。じゃあ、今まで毎日お金が合っているときでも、実はシステム入力の数字の間違いと数え間違いとがたまたま同じ誤差で、たまたま合ってるだけのときもあるかも? なんて考え出したらキリがありません。
私たちはとにかく自分の目で見たことを信じるしかないわけですが、とりわけ私は自分のことをあまり信じていないので、見落としや見間違いがないか、誤りやうっかりがないか、何度も何度も確認してしまいます。誤字脱字も何度確認しても、なぜかなんでもないときに振り返ったりすると残っているものなんですよね。もちろん言い訳は良くありませんが、それだけ私たち人間は完璧ではないということです。常習であってはならないとは思うけれど、一つや二つのミスならどんなにパーフェクトと呼ばれる人でもあるはず。
忙しいときほど慎重に──急がば回れとはよく言ったものですが、急いだ結果、確認が疎かになると、後々面倒なことになるもの。それよりなら、少し時間がかかっても未然に防いだほうが何倍もいいのは、頭では分かりきっていることなのですが、そう簡単にもいきませんよね。
さて、話は変わりますが、ミステリには種類があります。その種類の分け方にも種類がありますが、私がここで議題にしたいのは、『カテゴリ』とでも言えばいいでしょうか。たとえば、人が死なない心があったかくなるような『ほのぼのミステリ』。近いところで言うと、日常の何気ない謎をテーマにした『日常ミステリ』。そして、とあるお仕事に注目した『お仕事ミステリ』──。
特定のお仕事をする中で出会う謎に、お仕事の範疇でもって解決するのがこの『お仕事ミステリ』ですね。書店員に銀行員、はたまた建築士や不動産会社、ホテルマンや学校の先生、添乗員に、あぁスポーツ選手なんかがあってもいいですよね。実際、選手の方には謎を解いている時間などないかもしれませんが、でも実は意識していないだけで、もっと速くなるには、もっと高くまで飛ぶには、もっともっと技術が向上するには──なんて、データを集めて論理的に答えを導き出している方も、いわば謎解きをしているようなものなのではないでしょうか。
皆さんだってそうです。特別な職業じゃなくても、アルバイトだってパートだって、むしろ現場でしか出会えない謎だってたくさんあるでしょう。
さっきのお金が合う合わないの話もそうですが、皆さんは意識せずに日常の中でお仕事ミステリを体験していると思います。
お客様の求めるものは何か、相手の嘘はどこか。お仕事でなくても、道行く人にその謎を感じることだってあるでしょう。
お仕事の中のミステリ、いわば『ミステリinお仕事』とでもいいましょうか。
いわゆる『お仕事ミステリ』とはこれに当たると思いますが、でも、『お仕事ミステリ』にだって種類があってもいいですよね。
たとえば、「あの人、どういうお仕事してるんだろう?」という人がいれば『お仕事がミステリ』だし、自分で言うのもなんですが、私などは『お仕事はミステリ』かもしれませんね。新人さんにとっては、お仕事そのものが謎すぎてまだまだついていけないわという方もいるでしょう。それだって『お仕事ミステリ』だと思いませんか?
こうやって考えてみると、お仕事しているときの自分はまるで物語の主人公──ミステリでいえば花形の『探偵役』です。
解き明かす本人でなくても、ワトソンだっていいですよね。物語の語り手、そして探偵ホームズの助手です。助手の一言で見方が変わったり、現状が動いたりします。目立たないけれど、重要な役目です。
毎日のお仕事をなんとか楽にしたいと思うのは誰しも同じですが、怠けて楽になるのと効率よく楽になるのとでは、長い目で見ると天と地ほどの差が生まれたりするものです。
私個人の意見としては、私のできる範疇でベストを尽くすのが最善で、それ以上でなくてはならないこともないし、でもせめてそれ以下でないようにはしたい、というところでしょうか。
今の私自身の職業で言うと語弊があるかもしれませんが、以前、会社勤めをしていた頃はそういう意識を持っていました。
もちろん求められたこと以上ができるならそれに越したことはないかもしれませんが、それができる環境と、自分自身の余裕とがないと難しいですよね。一社員の責任の限度だってあります。
忙しかった日、よく働いた日には、「私、よく頑張った!」なんて自分を褒めて、ご褒美を買ってあげたくなるものです。買い物じゃなくても、帰ったら可能な限りの時間を全て推しを愛でる時間にしたり、たくさん食べて、食べて食べて食べまくったり、今日はそのままベッドにダイブなんて方もいるかもしれませんね。
いいんですよ、無理しないで。
疲れやストレスというのは自分が知らない間にも溜まっているもの。心も体もゆっくり休めて、また明日を一緒に歩んでいきましょう。
急がなくていい、全部じゃありがたみがないからたま~に休憩して、合間にちょっとだけ楽しいことを考えて、ほら今日もまた一日が終わる。
そろそろお別れの時間です。
時の流れというのは早いものです。しんどくて辛くて苦しい期間も、過ぎてしまえばあっという間。口で言うのは簡単でも、その渦中を乗り越えるのはやっぱり大変ですよね。
そんな中、深夜のこのラジオを聴いていただいている皆さんへの多大なる感謝と、そして日頃の鬱憤をほんの少しでも忘れられる時間であることを祈って──。
本日のお別れの言葉に変えさせてください。
では、また来週お会いしましょう。眠れない夜のお供に、深見小夜子でした。
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