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疑心暗鬼になる夢
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さて、今日は〇月〇日。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
以前もお話ししたと思いますが、私は毎日のように夢を見ます。今日はあまり良い夢ではなく、起きた時もなんだかすっきりしないし、そのせいかハンカチも腕時計も忘れて出かけてしまいました。
腕時計はスマートフォンで代用、ハンカチはまぁ近くのコンビニかどこかで買えば済む話ですが、心の持ちようはなんともなりませんよね。
夢見が悪いと一日憂鬱な気分で過ごすことになりかねません。
これまた以前もお話ししましたが、占いを信じない私でも、なぜか夢占いは気になって調べてしまいます。
今日は友人、それも最近はほとんど連絡をとっていない同性の幼馴染に騙される夢でした。どうして『騙されている』ことに気がついたのかと言えば、知らない男性に『注意したほうがいい』というようなことを言われたからなんですね。実際、夢の中の私は頑なに幼馴染を信じようとあれこれその人に反論していましたが、そういう懸念が一度生まれてしまうと、やはり気になるもの。夢に出てくる同性は、なんとなく私を丸め込もうという雰囲気があるな、と夢の中の私は感じていくわけです。けれど、忠告してくれた人を信じれば、幼馴染が私を裏切った事実を私自身の心が認めてしまうことになる。それが嫌で、夢の中の登場人物の誰のことも信じられなくなってしまったんです。結局、夢の中で決着はつかず、目が覚めてしまいました。
すっきりしませんよね。たとえ本当に騙されていたのだとしても、同時に私には味方してくれる人がいたのです。ショックは大きいでしょうが、全員が敵ではないことを既に夢の中の私は知っていたはず。そして、目が覚めた現実の私は、メリットなど微塵もなさそうな赤の他人が、私を見ていてくれたこと、もっと言えば助けてくれたことをとても嬉しく思いました。結果論ではありますが、その人を心から信じることができなかった、と罪悪感すら覚えたほどです。
それはともかく、何年も連絡も取っていない幼馴染が出てくる夢なんて、なんでこのタイミングで見たんだろう?なんて感じることがありますよね。
好きな人が夢に出てくると、自分の想いってそんなに大きいのかしらとちょっと恥ずかしくなりつつ、起きてからもいいことありそう!と晴れやかな気持ちになります。
昔は逆で、好きな人が夢に出るのではなく、好きな人の夢に出るという考え方が主流だったとどこかで聞いたことがあります。たとえば私に好きな人がいるとしたら、その人の夢に私が出る、つまり相手からすると『自分は彼女(私)に好かれているから夢に彼女(私)が出てきた』という解釈だったそうなんですね。
『推し活』が大流行している今、現実を思い出させて申し訳ありませんが、この解釈は残念ながら成り立たなさそうですね。だって、向こうにとって私はファンの一人であって、『私』と認識されているとは考え難い。相手が二次元なら尚更です。
とはいえ、実を言うと、昨日の私がそんな夢を見た理由はなんとなく察しがついています。
隙間時間にとある動画を見ていて、『疑心暗鬼』という言葉が出てきたんですね。「どういうときに疑心暗鬼になる?」というような回答形式で、友人同士の会話でしたし、特に不穏な雰囲気もない笑い話でしたが、私は何か思うところがあったのかもしれませんね。
でも、これってすごいと思いません?
『疑心暗鬼』という言葉が夢の中に出てくるわけではなく、あくまで私の体験として『疑心暗鬼』になる夢なんです。しかもそれに気がつくのは、目が覚めてから。
『疑心暗鬼』なんてなろうと思ってなれるものでもありませんから、私は『疑心暗鬼』になるシチュエーションを夢の中で構築し、それに対し視聴者や読者のような目線で、その場にいたということですよね。そう考えると、あれ? 私ってすごいんじゃない? なんて。夢の中でも創作している上に、現実に戻った時にそれに気がつく。いわば伏線回収と似て非なる驚きと発見があったんです。
これも一種の職業病かしら、なんてちょっと嬉しく思ったのはここだけの話。
夢の中の私ではありませんが、物事や人を信じすぎるのも、また疑いすぎるのも良くないことですよね。夢の中で思い知らされるなんて考えてもみませんでしたが、私はわりと素直に受け止めがちなので、日頃から気をつけるようにしています。その反面、警戒心が強いところもあって、そのおかげで難を逃れたこともきっとこれまでにはあったでしょう。
夢占いを信じるか否かは皆さん次第ですが、星座占いなどと同じで、その日や当面の人生の指標とするぶんには手頃な手段かなと思います。お金がかかるわけでもないし、「ふーんそうなんだー」くらいで受け止められますしね。当たるも八卦当たらぬも八卦とはよく言ったものです。
『夢』と『占い』は似て非なるものですが、だからこそシナジー効果を感じるのは私だけでしょうか。
星座占いは同じ星座の人は同じ結果になるわけですが、夢は私だけのものとも言えます。全く同じ夢を見るなんてことは漫画やアニメの中だけだとすれば、夢占いとは言わば『私の私による私だけの占い』になるわけです。
目に見えないものは信じない主義の私ですが、以前どこかで聞いた話によると、夢とはその日起きたことを寝ている間に頭の中で整理している過程で見るものだとか。
これも本当かどうかはわかりませんが、一理あるなと私は勝手に思っています。たぶん、そうでない時もあるだろうなとも思っています。言い換えれば、きっとそれが『占い』の真髄なのではないでしょうか。
そろそろお別れの時間です。
夢を見る人は眠りが浅いと言います。そのわりに若い頃は朝まで一度も目が覚めないものでしたが、最近は寝続けるのもだんだん辛くなってきたのか、夜中に目が覚めてしまうこともしばしば。
ベッドから起き上がるまではいかないけれど、時々寝返りを打ちたくなる。あの頃のようにぐっすり、それこそ夢を見ることもないほどゆっくり寝たいものです。
以前、先輩から「寝るとすぐ朝が来るから、あまり早く寝ないようにしている」と聞き、それまで考えたこともなかった私は「確かに!?」とめっぽう驚いたものです。
人生という時間は有限です。たまに、「この人だけ一日30時間くらいあるんじゃ……?」なんて感じる人が世の中にはいますが、それくらい時間の使い方が上手なのでしょうね。
私もいつかそんなふうに生きられるようになりたい──。まぁたぶんきっと難しいでしょうが、夢や占いと同じで、誰かや何かを指標にするのも「できたらいいな」「なれたらいいな」くらいに受け止めるべきなのでしょうね。
だって、『私は私』『あなたはあなた』ですから。
私はあなたにはなれないし、あなたは私にはなれません。だからといって唯我独尊ではなく、一心一体というだけです。特別な感情など入れなくても、それは事実としてそこにある。
何かを一身に信じて何かをひたすら疑うより、ただただフラットな立ち位置で物事を見ることも時には必要ですよね。
また来週お会いしましょう。眠れない夜のお供に、深見小夜子でした。
以前もお話ししたと思いますが、私は毎日のように夢を見ます。今日はあまり良い夢ではなく、起きた時もなんだかすっきりしないし、そのせいかハンカチも腕時計も忘れて出かけてしまいました。
腕時計はスマートフォンで代用、ハンカチはまぁ近くのコンビニかどこかで買えば済む話ですが、心の持ちようはなんともなりませんよね。
夢見が悪いと一日憂鬱な気分で過ごすことになりかねません。
これまた以前もお話ししましたが、占いを信じない私でも、なぜか夢占いは気になって調べてしまいます。
今日は友人、それも最近はほとんど連絡をとっていない同性の幼馴染に騙される夢でした。どうして『騙されている』ことに気がついたのかと言えば、知らない男性に『注意したほうがいい』というようなことを言われたからなんですね。実際、夢の中の私は頑なに幼馴染を信じようとあれこれその人に反論していましたが、そういう懸念が一度生まれてしまうと、やはり気になるもの。夢に出てくる同性は、なんとなく私を丸め込もうという雰囲気があるな、と夢の中の私は感じていくわけです。けれど、忠告してくれた人を信じれば、幼馴染が私を裏切った事実を私自身の心が認めてしまうことになる。それが嫌で、夢の中の登場人物の誰のことも信じられなくなってしまったんです。結局、夢の中で決着はつかず、目が覚めてしまいました。
すっきりしませんよね。たとえ本当に騙されていたのだとしても、同時に私には味方してくれる人がいたのです。ショックは大きいでしょうが、全員が敵ではないことを既に夢の中の私は知っていたはず。そして、目が覚めた現実の私は、メリットなど微塵もなさそうな赤の他人が、私を見ていてくれたこと、もっと言えば助けてくれたことをとても嬉しく思いました。結果論ではありますが、その人を心から信じることができなかった、と罪悪感すら覚えたほどです。
それはともかく、何年も連絡も取っていない幼馴染が出てくる夢なんて、なんでこのタイミングで見たんだろう?なんて感じることがありますよね。
好きな人が夢に出てくると、自分の想いってそんなに大きいのかしらとちょっと恥ずかしくなりつつ、起きてからもいいことありそう!と晴れやかな気持ちになります。
昔は逆で、好きな人が夢に出るのではなく、好きな人の夢に出るという考え方が主流だったとどこかで聞いたことがあります。たとえば私に好きな人がいるとしたら、その人の夢に私が出る、つまり相手からすると『自分は彼女(私)に好かれているから夢に彼女(私)が出てきた』という解釈だったそうなんですね。
『推し活』が大流行している今、現実を思い出させて申し訳ありませんが、この解釈は残念ながら成り立たなさそうですね。だって、向こうにとって私はファンの一人であって、『私』と認識されているとは考え難い。相手が二次元なら尚更です。
とはいえ、実を言うと、昨日の私がそんな夢を見た理由はなんとなく察しがついています。
隙間時間にとある動画を見ていて、『疑心暗鬼』という言葉が出てきたんですね。「どういうときに疑心暗鬼になる?」というような回答形式で、友人同士の会話でしたし、特に不穏な雰囲気もない笑い話でしたが、私は何か思うところがあったのかもしれませんね。
でも、これってすごいと思いません?
『疑心暗鬼』という言葉が夢の中に出てくるわけではなく、あくまで私の体験として『疑心暗鬼』になる夢なんです。しかもそれに気がつくのは、目が覚めてから。
『疑心暗鬼』なんてなろうと思ってなれるものでもありませんから、私は『疑心暗鬼』になるシチュエーションを夢の中で構築し、それに対し視聴者や読者のような目線で、その場にいたということですよね。そう考えると、あれ? 私ってすごいんじゃない? なんて。夢の中でも創作している上に、現実に戻った時にそれに気がつく。いわば伏線回収と似て非なる驚きと発見があったんです。
これも一種の職業病かしら、なんてちょっと嬉しく思ったのはここだけの話。
夢の中の私ではありませんが、物事や人を信じすぎるのも、また疑いすぎるのも良くないことですよね。夢の中で思い知らされるなんて考えてもみませんでしたが、私はわりと素直に受け止めがちなので、日頃から気をつけるようにしています。その反面、警戒心が強いところもあって、そのおかげで難を逃れたこともきっとこれまでにはあったでしょう。
夢占いを信じるか否かは皆さん次第ですが、星座占いなどと同じで、その日や当面の人生の指標とするぶんには手頃な手段かなと思います。お金がかかるわけでもないし、「ふーんそうなんだー」くらいで受け止められますしね。当たるも八卦当たらぬも八卦とはよく言ったものです。
『夢』と『占い』は似て非なるものですが、だからこそシナジー効果を感じるのは私だけでしょうか。
星座占いは同じ星座の人は同じ結果になるわけですが、夢は私だけのものとも言えます。全く同じ夢を見るなんてことは漫画やアニメの中だけだとすれば、夢占いとは言わば『私の私による私だけの占い』になるわけです。
目に見えないものは信じない主義の私ですが、以前どこかで聞いた話によると、夢とはその日起きたことを寝ている間に頭の中で整理している過程で見るものだとか。
これも本当かどうかはわかりませんが、一理あるなと私は勝手に思っています。たぶん、そうでない時もあるだろうなとも思っています。言い換えれば、きっとそれが『占い』の真髄なのではないでしょうか。
そろそろお別れの時間です。
夢を見る人は眠りが浅いと言います。そのわりに若い頃は朝まで一度も目が覚めないものでしたが、最近は寝続けるのもだんだん辛くなってきたのか、夜中に目が覚めてしまうこともしばしば。
ベッドから起き上がるまではいかないけれど、時々寝返りを打ちたくなる。あの頃のようにぐっすり、それこそ夢を見ることもないほどゆっくり寝たいものです。
以前、先輩から「寝るとすぐ朝が来るから、あまり早く寝ないようにしている」と聞き、それまで考えたこともなかった私は「確かに!?」とめっぽう驚いたものです。
人生という時間は有限です。たまに、「この人だけ一日30時間くらいあるんじゃ……?」なんて感じる人が世の中にはいますが、それくらい時間の使い方が上手なのでしょうね。
私もいつかそんなふうに生きられるようになりたい──。まぁたぶんきっと難しいでしょうが、夢や占いと同じで、誰かや何かを指標にするのも「できたらいいな」「なれたらいいな」くらいに受け止めるべきなのでしょうね。
だって、『私は私』『あなたはあなた』ですから。
私はあなたにはなれないし、あなたは私にはなれません。だからといって唯我独尊ではなく、一心一体というだけです。特別な感情など入れなくても、それは事実としてそこにある。
何かを一身に信じて何かをひたすら疑うより、ただただフラットな立ち位置で物事を見ることも時には必要ですよね。
また来週お会いしましょう。眠れない夜のお供に、深見小夜子でした。
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