Love adventure

ペコリーヌ☆パフェ

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君は残酷な愛の天使

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先程までシーツを掴んでいた指が、悩ましく腰に絡み付く。


もう何度目だろうか。
欲情のまま、欲しがるままに二人は抱き合った。

ただ、ほなみは今の智也を見ていなかった。


抱かれながら他の幻を夢見ているのだ。


高校生の頃の智也なのか、西本祐樹なのか――


初めてほなみを抱いた夜の記憶を辿れば、様々な想いや情景が今でも甦る。


あの夜、確かにほなみはいつもと様子が違っていた。

涙を溜めて、見つめる瞳には熱がこもっていた。

あの瞬間だけは、ほなみの心は智也にあったのかも知れない。


だが突き放したのは、他ならぬ智也だ。


それは悔やんでも取り戻せない。





「もっと……突いてっ……」


しがみつき、淫らにねだるほなみに口付けながら、際限なく沸き上がる欲望を腰に打ち付けた。


蕾はトロトロに蕩けながら智也の幹を包み込み、千切れんばかりに締め上げて来る。



「くっ……奴に……こんな風に変えられたのか……お前は……っ」


今まで見た事もない程の甘く妖艶に乱れる姿に魅了されながら、一方では西本祐樹に激しい憎しみが沸き上がる。


――奴は何度この身体を抱いたのだ。

何度ほなみを甘く叫ばせたのだ。



怒りと嫉妬と共に強烈な情欲で身体中が苛まれ、堪らず智也はそれを目の前の愛しいほなみにぶつける。



「ああっ智也……!」


「――ほなみっ」


ほなみは、意識が混濁していて、智也と西本の名前を交互に呼んだりした。


智也、とその唇から漏れる度に涙が出そうな幸福を感じたが、西本の名前を叫ばれた時は心が地獄に突き落とされる。


だがもう一度、もう一度だけ呼んで欲しいと狂おしく願い、何度も彼女の身体を貪った。



――いつか、これは終わる事なのに。
終わらせたくなかった。

幼い頃からずっと焦がれ、欲しかった。

今腕の中に抱き締めて居るのに、甘く喘がせているのに、行為を繰り返せば繰り返すほどほなみが遠くなる気がした。


――けれと、今こうせずに居られない。
まるで地獄だ。



突然ほなみが身体を起こし、智也の頭を掴み唇を塞いだ。


「――っ」


「ん……んっ」


「ほなみっ……」


智也もほなみの舌の動きに応え、お互いに狂ったように唇や咥内を貪り合った。


「何……考え……てるの?ともや……」


唇が離れた時、潤む目でほなみは聞いた。


「……ほなみの事しか……考えてない……」


「ともや……」


智也は、濡れた蕾と熱い幹を繋げたまま、微笑むその唇を塞ぎながら動きを繰り返す。

寄せては返す波の様に快感が押し寄せ、何もかもが浚われそうだ。


「愛して……る」


「あっ……はっ……やんっ」


揺れる膨らみを掴み揉みしだくとほなみは逝きかけた。


「誰にも……やるものか……っ」


脚をぐいと拡げ、大きく激しく打ち付ける度に水音が部屋に響く。



「あっ……あっ……凄い……っ」


「――渡さない!西本には……っ」






昂る気持ちと、快感が同時に昇り詰め、獣は更に中で大きく熱くなり限界を迎えようとしていた。

それはほなみもだった。

だが、その目に違う色が一瞬宿る。


「にし……くん……」



ほなみの呟きに、智也はカッと熱くなり一層激しく腰を動かした。



「西本の事は……言うな――!」



「んっ……
に、し、く……ん……?」


「――くっ!」



獣はほなみの中で激しく爆ぜ、ドクドクと流れ出す。



「くっ……はっ……」


その快感に震えながら、頬に口付けようとするが、ほなみの表情が一変していた。



「智也……」


とろんと潤み、うつろだった目には光が戻り、その奥底には恐怖が宿っている。

視線をさ迷わせ、ホテルの部屋を見渡し、また智也に視線を戻すとほなみは微かに震え始めた。






「……ここは……?」


ほなみは明らかに狼狽していた。


――ああ、もう、あの夜の君は何処かへ行ってしまった。



熱く蕩ける眼差しで見つめていた色はもう跡形も無く消え去り、只怯えて智也を見ていた。

つい先程まで首や背中に甘くまとわりつき、時にはたぎる幹を愛したその手は、自分の身体を隠すように、智也から逃れるように胸を覆っている。


智也が手を伸ばすと、ほなみは弾かれたようにビクリと震え、顔を逸らした。



「――そんなに、それ程までに俺が怖いのか……?」


「……っ……こ、来ない……でっ」



ほなみは一杯にその目に涙を溜め、ベッドの上を後ずさり、シーツを掴み身体を隠した。


智也の胸に大きく風穴が開き、耐え難い痛みで胸が潰れそうになる。




「……離さない……」



智也は低く呟くと、ほなみの身体を覆うシーツを剥ぎ取り、布を裂く様なほなみの悲鳴を聞きながら、智也は彼女を組み敷いた。



顎を掴み、こちらを無理矢理向かせると、紅い唇が震えている。




「……何故俺を見ない」




小刻みに震える睫毛から覗く瞳からは涙が溢れそうになっていた。



「今まで俺と何をしていたか……
わかるか?」



「あんっ!」



乳房を強く掴むと、幹がむくむくと狂暴に反り勃ってくる。




「やめ……やめて」



ほなみは泣きながら首を振るが、智也は巧みに膨らみを揉みしだきながら、舌を這わせ、再びその身体に突き刺してやろうと獣をたぎらせた。



「何度も俺にイカされた癖に……
何が……止めて、なんだ……え?」



「知らない……
そんなのっ……わからな……あんっ」



ほなみの耳朶に舌を遊ばせると、白い太股には淫らな蜜が伝う。



智也はそれを指で掬い、太股に押し広げた。



「こんなに溢れてるだろ……
奴にヤられてる時にも……こうなるのか?」



「――っ」



顔を背けていたほなみは、弾かれた様に智也を振り返り、唇を噛み締めて睨む。



その唇を摘まみ、そっとなぶりながら智也は顔を近付けた。



「奴にも……俺にも……
こんな風になるなんて……
淫乱な女だな」





ほなみは手を振り上げ、智也の頬を叩こうとするが、素早くその手を掴む。



「まだ震えてるぞ……」



「ひっ……く」



「……泣くな」



智也は、しゃくり上げ出したほなみの頬に口付けた。



「私……っ」


抵抗するように細い腕で胸を押し、途切れ途切れに何か言おうとする。

別れの意思を伝えようとしているのだろうか。



「――言わせるものか……!」



唇を激しく吸い、長く長く咥内を掻き回した。
ほなみが息が出来ない程に強く抱き締めながら。


「んっ……んっ!」



苦しいのだろう。
僅かに動かせるのは指先だけだ。


このまま腕の中でバラバラに砕いてしまおうかとさえ、智也は思った。





「智……やっ」


耳元の小さな叫びが、また智也に火を点けた。


首筋に噛みつくように吸い付き、徴をいくつも刻むと、ほなみは身を捩らせて泣いた。



「やめ……やめて」


「お前は俺の物のだ……
好きに抱く」


「やあっ」



「さっきまで散々よがっていたじゃないか……え?」



「――!」



ほなみは絶望的な表情をしていた。


その顔を見て又、胸がズタズタに裂かれる。




「こんなに苦しいのは……
お前のせいだ……
お前の――!」



智也が叫び、白い太股を乱暴に掴み一気に開かせると、ほなみは悲痛な声を上げたが、言葉や態度とはうらはらに濡れた蕾や花弁が強烈に誘っていた。




「ダメ……!おねが……い」



「狂うまで抱いてやる」




「やだっ……!」



智也は顔を埋め、蕾の中へと舌を差し入れた。



ほなみは弾かれるようにビクリと身体じゅうを震わせ、太股をさする智也の腕を、白い指でぎゅっと掴んだ。


白い滑らかな肌を愛撫しながら、蕾を舐め廻すと途端に甘い蜜が溢れ出す。


「やあっ……智也っ……いやっ!やめて……!」


言葉で拒否する毎に蕾はピクピクと動き、蜜の甘さが増す。


太股を撫でていた指をつつ、と移動して舌と共に溢れる蕾の中へと割り込ませた。



「ひっ――!」



絶頂の時の様な叫びを上げたほなみは、いつの間にかシーツを両手で掴み、抵抗を忘れている。



思わず智也はニヤリと笑っていた。




……もっと狂え。
このまま跡形もなく快感に呑み込まれて、西本の事など消してやる――



「あ、あああ!」


舌と指の動きを速めると、止めどなく蜜は溢れて智也の指を濡らす。


指を引き抜き、それをほなみに見せつけてやる。

ほなみは息を乱し身体を震わせ、まだ愛撫が欲しいとでも言うように、腰を僅かに動かしていた。


「……またこんなに溢れさせて……
厭らしい身体だ……」



「……もう……赦し……て」



ほなみは涙を流し懇願して、脚を閉じようとする。



「――まだだ」



智也は再び脚を開かせ、猛った幹を蕾の入口に宛がった。
ほなみは悲鳴を上げるが、その場所は侵入を待ち望んでいたかの様に吸い付いて来て、智也は快感で息を止めた。



「くっ……凄い……」




「やああっ」


「……存分に叫べ……」


「んあっ!」


「うっ……くっ」


一気に奥まで突き刺すと、ぎゅうっとほなみに締め付けられ、爆ぜそうになる。


イきそうになるのをこらえて何秒間か動きを止め、ほなみに深い口付けをする。


動かしていないのに更に締められて、口付けながら智也は呻いた。



「ふ……くっ……」


「……ん……んん」




動かずに居るのが耐えきれなくなり、激しくほなみを揺らし始めると、ギシギシと音を立てるベッドの上の白い美しい乳房が波を打ち、智也の欲望を更に煽った。


指で円を描く様にまさぐりながら突起も摘まむ。

その度に溢れて締め上げられ、ほなみが叫ぶと同時に、智也の口から溜め息が漏れた。



「智也っ……私……もう」


「……なんだ……」


動きを緩やかにし、優しく口付けるか、ほなみの瞳が快感に酔いながらも強い光を宿している。


また何かを言おうとしている、と感じた智也は途端に動きを速めた。



「あっ!」


「ほなみ……っ」


速く、激しい動きにほなみは翻弄されて息が絶え絶えになる。




「……て……」


「……」


必死に喋ろうとするほなみが、何を言いたいのかはわかるが、聞く気はなかった。

片脚をぐいと思いきり上げさせ、更に深く突き刺すと、先程とは違う快感に苛まれる。

ほなみも堪えきれないとばかりに甘く叫んだ。


「……ああっ」


「愛してる……っ」


「とも……や……私は」


「――」


言いかけるその唇を塞ぎ喋れないようにする。

腰の動きは止めないまま。


ほなみは喘ぎながらも、胸を腕で必死に押しているが、力では敵わず、好きなだけ唇と身体を貪られる。


鈍い痛みが唇に走り、智也は思わず顔を上げた。

鉄の味が咥内に拡がる。

ほなみの唇は、智也の血で紅く染まっていた。







「……別れて……下さい……」


「――っ」


震える唇がその言葉を発したと同時に、智也は一層花園を壊れろと言わんばかりに打ち付けた。


「いやあっ……やめて」


「この間の電話のように……叫んでみろ」


ほなみが息を呑む。


智也は僅かに動きを緩め、顔を逸らそうとするほなみの顎を掴み向かせた。


「なんなら……
こうしてヤってる所を撮って……
西本に送り付けてやろうか……?」


「――!」


「奴も喜ぶだろうよ……ふふ」


ほなみに頬を打たれ、智也は動きを止めた。


その瞳には怒りと哀しみと、他には何の感情が籠められているのだろうか。
涙を溢れさせながらキッと睨んでいる――



「酷い……!」


「何とでも言え!」


智也はほなみを押さえつけ、再び貫いた。



「いやああっ」



「離さない……っ絶対に……くっ……」



「あっ……いやっ……」








細腰を掴み、色んな方向から突き刺すと、蕾から溢れる蜜は止まらず、智也をますます猛らせた。


「いやっ……あっ……西く……んっ」


譫言のように呟くその唇を、智也は指で塞ぐ。



「んっ……西く……助け……っ」



「――お前は俺の物だ!」


「いやあ――っ」






ほなみの絶叫を聞きながら、獣は爆ぜた。





「酷い……酷い……っ
智也なんて……大嫌い……」



ほなみは、智也の胸を叩きながらしゃくり上げる。


欲望を蕾の中へと吐き出す快感に狂いそうになりながら、智也の心は再び堕ちていった。




「酷いのはどっちだ……」



――君は、愛で俺をズタズタに切り裂いた。

一番残酷な愛という刃で俺を殺したんだ――




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