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伝えたいのに

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「……好きじゃないのに何故抱かれた?」

 ぐっと脚を開かれ、西本の視線が蕾に注がれる。
 彼に見られているだけで溢れてしまいそうで、ほなみは羞恥に涙を流す。

「み、見ないで……!」
「――何故部屋に入れた!放って置けば良かったんだよ!」

 乱暴な言葉とは裏腹に、指は蕾を優しく摘まみ擽るように愛撫して、ほなみを甘く狂わせた。

「ああっ……ダメ!ダメ――!」

 快感に身を捩るほなみの姿に、彼は一瞬見とれるが、歯を食い縛り呻く様に詰問する。

「俺に抱かれるつもりでなけりゃ……何故部屋に上げたんだ……」
「そ、それは――」

 彼の澄んだ真っ直ぐな瞳には、ほなみしか映っていない。

 ――西君――――貴方の歌う声も、責める様に問い詰める声も……その吐息も、私を抱きながら漏らす悩ましい声も……貴方の総てが、私を恋に堕としたの――
 こんなに……こんなに貴方に惹かれているのに……言えない――

「……俺が好きだからか?」
「……っ」
「何か言えよ」
「西君は……素敵な人……だよ……かっこよくて……女の子なら……皆、西君を好きに……なるよ」

 
「俺を好きになって欲しい女はほなみだけだ!!」
「ーー」
「本気だって言っただろう!!」

 彼の下半身が、硬く熱く上を向いているのがシーツ越しにわかってしまうと、先程の攻めを思い出し、身体の中から甘く淫らな欲が溢れてくる。
 もっと烈しく愛して欲しい、とほなみは思った。
 心を繋ぐ事が出来ないならせめて一秒でも長く、彼に包まれていたい。
 今だけは、他の誰の事も考えたくなかった。

(――なんて、私は身勝手な事を……)

 自分の中の常識や理性に責められながら、恋しい気持ちが膨れ上がる。

(でも、決して口にしてはいけない……)

 ほなみは、彼の熱い目を真っ直ぐに見返して、必死につれない振りをする。

「ファンの子にも……芸能界にも……綺麗な人は沢山居るでしょう?
 そんな人たちに好かれれば、私の事なんて、すぐに忘れるんじゃないの……?」

 ほなみの言葉に、彼の瞳が大きく見開かれた。

「……聞きたいのは、そんな言葉じゃない!」

 彼は、乱暴にほなみの腰を掴むと、硬く猛った自分を少しずつ中へと入れようとしていた。

「あ……あっ」

ほなみは思わず、彼の両腕をギュッと掴んだ。

「……ほら……そうやって抵抗しないくせに後で泣いたりとか……だけどヤキモチ妬いてみたり……
思わせぶりに見つめたり……抱かれている時にはあんな声を出して……なのに……っ!!
 わけがわかんねーよ!!」

 西本は花びらの中を長い指で巧みになぞり、ほなみを甘く叫ばせた。





 
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