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身体が先か、恋が先か?
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しおりを挟む目の前で揺れる豊満な膨らみを両手で掴み揉みしだき、突起を含み舌で転がしながら腰を打ち付ける。
同時に何ヵ所も刺激され攻められて、しのは痛みなのか快感なのか、最早分からなくなっていた。ただ、堺が、自分の身体に溺れている、という事だけは分かる――しのは烈しく揺らされながら、無意識に涙を流していた。
堺は、暗闇の中でふと彼女の目元が煌めくのを見て、泣いている事が分かると、彼女の中を往復しながら、途切れ途切れに言う。
「ごめん……どうしても……我慢出来ない……っ……」
「堺さ……き……きもち……い?」
彼女が涙を一杯になった瞳で彼を見上げた時、堺は、絶頂の予感に口を歪めた。
「――凄く……おかしくなりそうに……いいよ……」
彼に必死にしがみつき、彼が口の端を上げたり歪めたり、切ない溜め息を漏らしながら仰け反るのを見詰める内に、しのは、痛みの中にある感覚が生まれつつあった。寒気の様にも思えるし、堪らなく熱くて火傷しそうでもある――それは決して不快ではなかった。生まれて初めて男に身体に侵入され、強烈な痛みな筈なのに、不思議だった。
――きっと……それは……相手が堺さんだから……我慢出来るんだわ……
しのは、自分を揺らしながら快感に取り乱す彼の背中に腕を廻して、胸板に口付けた。堺は、その瞬間だけ僅かに動きを緩めて、熱の籠った眼差しをしのに向けて言った。
「君が……好きだ……しの……」
「え……っ」
「えええっ!?」
好きだ、という言葉にしのは目を大きく見開き、堺も自分が発した言葉に驚いて声をあげた。
「堺さ――」
彼の不可解な仕草に、しのは、ひょっとして聞き間違えではないのか、と聞き返した瞬間、彼は身体中を震わせて「ふうっ」と呻き、精を放った。
引き抜こうとしたが間に合わず、しのの中に放ってしまい、堺は放出の快感に浸る処ではなくなってしまう。
「ああっ!ま、ままままずい……っ!」
堺は、しのと繋がったままで上半身を起こしキョロキョロした。パニックで回らない頭で(何かで拭ったら大丈夫かも知れない)と、ティッシュがないか探したのだ。しのは、交わりが突然終わってしまった事に安堵したような残念なような複雑な気持ちだったが、彼の態度が腑に落ちない。
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「堺さん……待って」
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