118 / 120
第4章 7階層攻略編
第118話 作戦会議
しおりを挟む
最西端の部屋はすでに要塞化されつつあった。
部屋の中は砦化されており、幾重にも防壁が建てられている。
部屋の外にも外敵の侵入を防ぐ障害物が数多くあり、罠も至る所に配置されているようだ。
あの短期間でここまでのものを造るメタルボックスのミミック、アミナの手腕には驚かされるばかりだ。
もちろん、防壁ばかりではなく配置されているプレイヤーミミックの様子も依然と随分違う。
箱助によってとことん鍛えられているのだろう。
一体一体に精兵が持つようなオーラのようなものを感じる。
僕たちは一旦幹部を集め、それぞれの進捗状況を話し合った。
まず防壁についてアミナ。
(現在目標の50%くらいまで作成し終えました。後は部屋内の防壁や部屋内の設備をもう少し充実させたいと思います。)
十分整っていたと思ったが、まだ半分に満たないという。
一体完成したらどれほど強固な砦になるのだろう。
アミナの志の高さは僕の想像も及ばない所にあった。
ここはこのままアミナに任しておいてもよいだろう。
続いて練兵についてだ。
「新たにプレイヤーミミック50名、ミミック158名が同盟の加入を希望している。
一度光さんにチェックして欲しい。」
プレイヤーミミック50体・通常のミミック150体!
これは大きな戦力だ。
特に今の微妙な時期に戦力の増加はありがたい。
幹部候補もいるかもしれない。ぜひとも協力して欲しい。
パンドラボックスや周辺の情勢について。
偵察に行っていたジークフリートより、
(状況はあまり良くありません。今まで縄張りには一切関与していなかった魔族が最南東端のオーク達を襲撃。
オークの縄張りを奪ってしまいました。
その後最南端のエリアを魔人1体で襲撃。
たった1体の魔人によって最南端の部屋は陥落してしまいました。
その後、魔族たちがそのエリアを占領したようです。
パンドラボックスの行方は未だその場所にあるかは調査できていません。)
おそらくこの魔族の動きに関してリュウが関係している。
リュウがパンドラボックスを保持したと思ってもよいだろう。
(おそらく今後、魔族たちはその勢力を広げてくると思われます。
次に狙うのはオーガたちの縄張りである最南西端でしょう。)
(現在、最西端のリザードマンたちと同盟関係を結ぶことが出来た。
魔族たちのこれ以上の侵攻を防ぐためにオーガとも同盟を結ぶのはどうか?)
僕は皆に提案をした。
確かにリザードマンたちと同盟関係となったが、先の魔人との対決でかなり疲弊している。
しばらくは同盟といっても、大きな戦力にはならないだろう。
そこを期待するより、魔族と隣接しているオーガと同盟を組めば大きな抑止力となるだろう。
しかも僕たちは魔人を倒すことに成功した。
魔族たちの侵攻の歯止めになったかと思われる。
僕の意見に満場一致で賛成となった。
もともとオークやシャーマンたちと同盟を組んでいたのだ。
僕らと同盟を組むこと自体は抵抗が少ないかもしれない。
最後に獣神の鍵についてだ。
先の戦いで僕たちはリザードマンたちの信頼を得て、魔神の鍵が託された。
リュウが保持していると思われる、獣神の鍵の交換条件に提示されたアイテムだ。
これで交渉に持って行くことができるだろう。
僕たちが魔神の鍵を手に入れてから、リュウとのやり取りは行っていない。
(魔神の鍵の交渉条件に獣神の鍵だけじゃなく、パンドラボックスも要求しようよ!)
提案したのはうさぴょんだ。
(私たちって魔族の切り札である魔人をやっつけたでしょ。もっと強く出てもいいんじゃない?)
確かに面白い意見だ。
僕らは奴らの魔神の鍵を奪うという作戦を潰しただけでなく、貴重な戦力である魔人も倒したのだ。
強気の交渉をしても良いのかもしれない。ただ…
(それは面白い意見だと思う。確かに今優位に立ったのは僕らの方だよね。)
即座に回答をしたのはジークフリートだ。
彼がいなければ魔人を倒すことは不可能だった。
彼は頭脳面だけでなく、戦力としても心強い。
(ただ、魔人が本当に1体かどうかなんだ。そもそもこの階層に魔人がいることは稀だ。
その貴重な魔人を惜しげもなく、一体で縄張りの殲滅をさせるなんてパフォーマンスにしか見えない。
おそらく、数体の魔人を確保していると思っていた方がいいかもしれない。)
一同沈黙する。
おそらく誰もがその可能性を考えていたが、口には出せなかったことだ。
魔人が一体だけ。
そう仮定するよりも、複数存在すると考える方が自然だろう。
ピローン。
沈黙を破るように高い機械音が鳴り響く。
ナースだ。ナースはリュウからメッセージが来た際にすぐに分かるように着信音を設定したようだ。
ナースは急いでリュウからのメッセージを確認し、その内容を僕らに提示した。
「魔神の鍵と獣神の鍵を交換せえへんか?パンドラボックスもつけるで。」by関西弁ミミック
部屋の中は砦化されており、幾重にも防壁が建てられている。
部屋の外にも外敵の侵入を防ぐ障害物が数多くあり、罠も至る所に配置されているようだ。
あの短期間でここまでのものを造るメタルボックスのミミック、アミナの手腕には驚かされるばかりだ。
もちろん、防壁ばかりではなく配置されているプレイヤーミミックの様子も依然と随分違う。
箱助によってとことん鍛えられているのだろう。
一体一体に精兵が持つようなオーラのようなものを感じる。
僕たちは一旦幹部を集め、それぞれの進捗状況を話し合った。
まず防壁についてアミナ。
(現在目標の50%くらいまで作成し終えました。後は部屋内の防壁や部屋内の設備をもう少し充実させたいと思います。)
十分整っていたと思ったが、まだ半分に満たないという。
一体完成したらどれほど強固な砦になるのだろう。
アミナの志の高さは僕の想像も及ばない所にあった。
ここはこのままアミナに任しておいてもよいだろう。
続いて練兵についてだ。
「新たにプレイヤーミミック50名、ミミック158名が同盟の加入を希望している。
一度光さんにチェックして欲しい。」
プレイヤーミミック50体・通常のミミック150体!
これは大きな戦力だ。
特に今の微妙な時期に戦力の増加はありがたい。
幹部候補もいるかもしれない。ぜひとも協力して欲しい。
パンドラボックスや周辺の情勢について。
偵察に行っていたジークフリートより、
(状況はあまり良くありません。今まで縄張りには一切関与していなかった魔族が最南東端のオーク達を襲撃。
オークの縄張りを奪ってしまいました。
その後最南端のエリアを魔人1体で襲撃。
たった1体の魔人によって最南端の部屋は陥落してしまいました。
その後、魔族たちがそのエリアを占領したようです。
パンドラボックスの行方は未だその場所にあるかは調査できていません。)
おそらくこの魔族の動きに関してリュウが関係している。
リュウがパンドラボックスを保持したと思ってもよいだろう。
(おそらく今後、魔族たちはその勢力を広げてくると思われます。
次に狙うのはオーガたちの縄張りである最南西端でしょう。)
(現在、最西端のリザードマンたちと同盟関係を結ぶことが出来た。
魔族たちのこれ以上の侵攻を防ぐためにオーガとも同盟を結ぶのはどうか?)
僕は皆に提案をした。
確かにリザードマンたちと同盟関係となったが、先の魔人との対決でかなり疲弊している。
しばらくは同盟といっても、大きな戦力にはならないだろう。
そこを期待するより、魔族と隣接しているオーガと同盟を組めば大きな抑止力となるだろう。
しかも僕たちは魔人を倒すことに成功した。
魔族たちの侵攻の歯止めになったかと思われる。
僕の意見に満場一致で賛成となった。
もともとオークやシャーマンたちと同盟を組んでいたのだ。
僕らと同盟を組むこと自体は抵抗が少ないかもしれない。
最後に獣神の鍵についてだ。
先の戦いで僕たちはリザードマンたちの信頼を得て、魔神の鍵が託された。
リュウが保持していると思われる、獣神の鍵の交換条件に提示されたアイテムだ。
これで交渉に持って行くことができるだろう。
僕たちが魔神の鍵を手に入れてから、リュウとのやり取りは行っていない。
(魔神の鍵の交渉条件に獣神の鍵だけじゃなく、パンドラボックスも要求しようよ!)
提案したのはうさぴょんだ。
(私たちって魔族の切り札である魔人をやっつけたでしょ。もっと強く出てもいいんじゃない?)
確かに面白い意見だ。
僕らは奴らの魔神の鍵を奪うという作戦を潰しただけでなく、貴重な戦力である魔人も倒したのだ。
強気の交渉をしても良いのかもしれない。ただ…
(それは面白い意見だと思う。確かに今優位に立ったのは僕らの方だよね。)
即座に回答をしたのはジークフリートだ。
彼がいなければ魔人を倒すことは不可能だった。
彼は頭脳面だけでなく、戦力としても心強い。
(ただ、魔人が本当に1体かどうかなんだ。そもそもこの階層に魔人がいることは稀だ。
その貴重な魔人を惜しげもなく、一体で縄張りの殲滅をさせるなんてパフォーマンスにしか見えない。
おそらく、数体の魔人を確保していると思っていた方がいいかもしれない。)
一同沈黙する。
おそらく誰もがその可能性を考えていたが、口には出せなかったことだ。
魔人が一体だけ。
そう仮定するよりも、複数存在すると考える方が自然だろう。
ピローン。
沈黙を破るように高い機械音が鳴り響く。
ナースだ。ナースはリュウからメッセージが来た際にすぐに分かるように着信音を設定したようだ。
ナースは急いでリュウからのメッセージを確認し、その内容を僕らに提示した。
「魔神の鍵と獣神の鍵を交換せえへんか?パンドラボックスもつけるで。」by関西弁ミミック
0
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
【改訂版】 戦艦ミカサを奪還せよ! 【『軍神マルスの娘と呼ばれた女』 2】 - ネイビーの裏切り者 -
take
SF
ノベルアッププラスへの投稿に併せて改訂版に改編中です。
どうぞよろしくお付き合いください!
数百年後の未来。人類は天変地異により滅亡寸前にまで追い込まれ、それまでに彼らが営々と築いてきたものは全て失われた。
わずかに生き残った人々は力を合わせ必死に生き延び、種を繋ぎ、殖やし、いくつかの部族に別れ、栄えていった。その中の一つがやがて巨大な帝国となり、その周囲の、まつろわぬ(服従しない)いくつかの未開な部族や頑なな国との間で争いを繰り返していた。
就役したばかりの帝国の最新鋭戦艦「ミカサ」に関する不穏な情報を得た皇帝直属の特務機関を統べるウリル少将は、一人のエージェントを潜入させる。
その名は、ヤヨイ。
果たして彼女は「ミカサ」の強奪を防ぐことが出来るのか。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる