朝起きるとミミックになっていた ~捕食するためには戦略が必要なんです~

めしめし

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第4章 7階層攻略編

第114話 ジークフリートの報告

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食事を終えた僕たちは再びキングの元に戻った。

「よぉ兄弟、十分戦力を補充できたか?」
(ああ、問題ない)

「なら良かった。またすぐに働いてもらわねぇといけねぇからな。」

やはり、キングも気付いている。
先ほどの攻撃はあくまで偵察だったことを。
もし本当にリュウが率いているのならば、本命はこの後にあるはずなんだ。

その時、僕の【相互理解】を通して連絡が届く。
ジークフリートだ。
最南端の部屋に偵察に行っていたジークフリート達から連絡が入った。

(最南端の部屋が陥落した。)
ジークフリートからのメッセージは衝撃的だった。

(最南東端を襲撃した魔族たちは、オークたちの陣地を占領。
その勢いのまま最南端の部屋にも攻め込んだようだ。)

(現状はどうなっている?戦力はどうだ?リュウはいたか?)

僕は逸る気持ちを抑えきれず、ジークフリートに矢継ぎ早に質問した。
ガーゴイルやサイクロプスだけでは、強固な部屋を落とせるとは思えない。
何らかの作戦や戦力を用意しているに違いない。

(ちょ、ちょっと待って。順番に説明しますので。)

質問が唐突過ぎたらしい。
ジークフリートは一旦、間を空けてから再び説明した。

(僕としのぶが偵察中に奴が現れたんだ。)

奴?ガーゴイル達ではないのか?

(奴はたった一匹の魔族だ。いや魔人なんだ。
奴は現れてすぐに最南端の部屋の入口へと向かって行った。
もちろん、門番のシャーマンたちが魔神に攻撃を仕掛けたけど、全然効いている様子もない。
入り口に現れた増援のシャーマンたちをまとめて、強力な炎で焼き尽くしたんだ。
奴は入り口を抜け、雄たけびをあげながら部屋の奥へと入っていった。)


・・・・・・・・・・・


(奴が入り口から部屋に入ってから2時間後、奴は部屋の奥から入口に姿を現した。
おそらく任務を終えたのだろう。
彼は振り返ることもなく、その場を離れ東方向へ行った。

僕としのぶは現状を確かめるために、魔人が去った後部屋の中に潜入したんだ。
部屋のあちこちで焦げ臭いにおいがしていた。
動くものは1人もいない。
部屋にいる全てのシャーマンは、絶命していたんだ。

ただ、宝箱や財宝には一切手を付けていないようだ。
そのまま手つかずのまま残っていた。
一番奥のパンドラボックスも無事でしたよ。)

(たった1人でシャーマンたちの拠点を制圧!?
一体魔人とはどれほどの強さを持っているのだ。
おそらく、この剣もリュウが噛んでいるに違いない。
操っているのはガーゴイルやインプ、サイクロプスだけではない。
何らかの方法で魔人まで味方にしているのだ。

(魔人が去った後、しばらくするとガーゴイルなどの使い魔が大量に現れた。
奴らはそのまま部屋に入り、部屋を占拠してしまったんだ。
報告が遅れてすまない。ただ、僕らも見つからないように必死だったんだ。)

ジークフリートたちと連絡が取れなくなっていたのは、そういった事情もあったからだ。
戦局が変わった。このまま彼らに偵察を続けてもらうのはとても危険だ。

(ジークフリート、しのぶ。一旦偵察を終えて最西端の部屋に来てくれないか?
今度はおそらくここが戦闘エリアになるだろう。)

(了解、今から向かうよ。)

間違いない。次に魔神が襲ってくるとしたらこの最西端の部屋だろう。
ここで魔人を迎え撃たなければならない。

「あー、兄弟。話をしているところ悪いがな。
どうやらここに向かってくる敵がいるらしいぜ。
今度も手を貸してはくれねえか?」

キングが再度僕たちに依頼する。
もちろん僕たちに断る理由がない。
恩を売りたい気持ちよりも、この最西端を落とされると僕たちの最北西端も危なくなる。


(もちろん、喜んで手を貸そう。)

「へっ、恩に着るぜ。今度の敵は1匹らしい。
魔人だ。
奴ら魔人まで操ってきやがった。」

僕たちは再度戦闘準備を整え、部屋の入り口へと向かったのだ。
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